年の瀬も押し迫った大晦日の夜、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っていた。マッチが売れなければ父親に叱られるので、すべて売り切るまでは家には帰れない。しかし、人々は年の瀬の慌ただしさから、少女には目もくれずに通り過ぎていった。
夜も更け、少女は少しでも自分を暖めようとマッチに火を付けた。マッチの炎と共に、暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、飾られたクリスマスツリーなどの幻影が一つ一つと現れ、炎が消えると同時に幻影も消えた。
流れ星が流れ、少女は可愛がってくれた祖母が「流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだ」と言った事を思いだした。次のマッチをすると、その祖母の幻影が現れた。マッチの炎が消えると、祖母も消えてしまうことを恐れた少女は慌てて持っていたマッチ全てに火を付けた。祖母の姿は明るい光に包まれ、少女を優しく抱きしめながら天国へと昇っていった。
新しい年の朝、町の人々が見つけたのは、マッチの燃えかすを抱えて幸せそうに微笑む、少女の小さな屍であった。
一度は読んだことでしょう・・・アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」です。
彼のお母さんは小さい頃随分貧しい生活だったようです、そうしてうまれた童話の数々・・・どれをとっても優しいようで、残酷だとおまいます。
でも、 この時期クリスマスの音楽が聞こえてくると、妙に思いだしてしまう・・・
貧しさを知らない多くの子供。本当に倖なんでしょうか?
たまたま、昨日戦後の貧しかった頃の話が出ました。貧しかった頃の話なんか判らないと思っていた方が、知っていたのには驚きでした。
そうした頃があっての今です。
大事に々にしなければ・・・