次韵苏轼望湖楼酔書五首 其一
游览保津川而下 [上平声十五刪・下平声一先通韻]
河流激烈撞岩山、
河流 激烈(ゲキレツ)にして 岩山に撞(ブツカ)り、
水沫跳珠飛入船。
水沫 珠(タマ)となって跳び船に飛び入る。
篙做凹如泰山霤,
篙(サオ) 凹(クボミ)を做(ツク)ること泰山の霤(アマダレ)の如し、
艄公本领别有天。
艄公(センドウ)の本領(ウデマエ) 别有天(ベツセカイ)だ。
註] 〇水花:水しぶき; 〇泰山の霤:雨垂れ石を穿(ウガ)つ; 〇艄公:船頭;
〇本领:腕前、技量
<現代語訳>
保津川下りを楽しむ
保津川の流れは激しく、岩にぶつかり、水沫が珠となって散り舟の中に飛びいる。船頭の竹棹による岩にできた穴は、「泰山の雨垂れ石を穿つ」の例えに似て、棹先を岩の定点に当てる船頭の見事な棹捌きは 驚嘆するばかりである。
<簡体字表記>
次韵苏轼望湖楼酔書五首 其一
游览保津川而下 [上平声十五刪 ー下平声一先通韻]
河流激烈撞岩山, 水沫跳珠飞入船。
篙做凹如泰山霤, 艄公本领别有天。
<記>
2016年盛夏、小舟で、直線距離約7.3 kmの距離を1時間半ほどかけて、亀岡から嵐山まで下る“保津川下り”を楽しむ機会があった。
保津峡の両岸に展開する景色や川下りのスリルは言わずもがな。最も感動的であったのは、船頭が“舵を取るために、竹竿の先端を当てる巌上の点が、毎回、定点であり、結果、穿たれた孔を認めることができた。
不規則に揺れ動く小舟の上からの操作で、巌の定点に当てる船頭さんの、その ‘ワザ’は、驚嘆に値する。
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