日頃よく耳にする106の科学用語を、科学分野の記者たちが初心者向けに解説しています。
たとえば「コラーゲン」。
巷のグルメ番組ではまことしやかに「コラーゲンを食べて肌にハリがもどった」とかいわれていますが・・・
(p74より引用) コラーゲンを食べるとお肌がぷるぷるになるというのは、「原料の補給にはなりますが、そのまま作用するとは理論的に考えられません」
このあたりは、それはそうでしょうという感じですね。
とはいえ、本書を読んで初めて知ったり、認識を新たにしたものも数多くありました。
まずは、「電気自動車」についての解説から。
(p114より引用) 電気自動車が英国で発明されたのは1873年。変速機がいれず構造がシンプルなため、実はエンジン車より早い。・・・日本でも、戦後間もない1949年のガソリン不足時には、国内生産台数が全保有台数の約3%に達していた。
かのトーマス・エジソンも電気自動車の性能改善に取り組んだそうです。
そのほか、「火山の分類」について。
私が学校で習ったころは、火山には、「活火山」「休火山」「死火山」の3種があるとされていました。が、現在では違うんですね。
(p179より引用) 火山学の進歩に伴い、各火山の活動には個性があって、噴火の間隔などもまちまちであることがはっきりしてきた現在は、休火山、死火山という用語は用いない。噴火した記録があればすべて、活火山とみなされる。
これは知りませんでした。
最後に、「流れ星」について。これも認識を新たにしたものです。
(p230より引用) ちりは、秒速10キロを超える猛スピードで飛んでくる。大気中の酸素や窒素の分子や原子にぶつかってはじき飛ばし、それが別の分子などにぶつかる。この繰り返しで大気が加熱されて発光する。ちり自体が燃えているのが見えているわけではなく、発光しているのは衝撃によってプラズマ化されたガスである。
さらに、「流れ星が発光しているのは、直径数ミリの範囲だ」ということも初めて知りました。驚きです。
本書ですが、「朝日新聞『日曜版』」での連載をまとめたものとのこと。わかり易い説明の項目もあれば、どうも噛み砕き方が今ひとつと感じる項目もありました。
執筆した記者の方の違いでしょうか、解説のレベルのバラツキがちょっと残念でしたね。
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