ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

この人は君子なり

2018-11-26 15:51:07 | 論語とソロバン
この「診断即治療」は、 FC2ブログ にも転載しています。


パソコンに打ち込む様子



アントレプレナーの勉強をするのに、「人間学」を学ばせてもらいました。
人間学とは、簡単に言うと「人間の本質を哲学的に研究する学問」と辞書には書かれていますが、「人間の精神や身体のあり方などの行為に関する学問」という解説もします。

人間学では、『論語』も勉強しましたが、この論語がまた面白い。
「なるほど、なるほど……」と読み進めてしまいます。
そして、何よりも面白いと思ったのは、読むときの「自分の心境」で、読み方が違うことです。
ですから、きょう読んだ内容を1か月後に読んで見ると、違う意味に解釈されるのです。

でも、違わないのがあります。
それは、「君子」のあり方です。
論語には、頻繁に「君子」という言葉が出てきますが、論語でいう「君子」とは、儒教でいうところの「仁・義・礼・智・信」を備えた人であり、「常に人のことを考えて行動する人」のことです。

固いことのように聞こえるかも知れませんが、固いことはありません。
たとえば、『論語』に
【君子は徳を懐い(おもい)、小人は土(ど)を懐う】(君子は政治のための道徳を考えるが、小人は自己の利益につながる郷土のことを考える)という内容の一説があります。

つまり、相手や皆さんのことを考えるのか、自分のことだけを考えるのかということです。
自分のことだけ考えていては「つまらない人」になってしまいます。
その「つまらない人」のことを論語では「小人」という言葉で表現しています。
「小さい人間」という意味ですね。

上の写真は、1990年(28年前)に私がワープロで書いて出版した本ですが、在庫などはありません。
1冊だけ当院の本棚に並べてあるので、それを読んだ方々から、「再販しないの?」と聞かれました。
しかし、昔のワープロ原稿なので、フロッピーもないし、打ち込むとなると大変な作業になるので、そのままになっています。

今年から当院で勤め始めたスタッフが、

「先生、これ面白いし、わかりやすいので、再販しないんですか?」と言ってきました。

「あ、これねー。この本は駆け出しの時に書いた本だけど、意外に人気があって、何人もの方から再販を言われるのですが、打ち込む時間がないんです」と言うと、

「私が打ち込みましょうか」と言う。

「ほんとー? 大変ですよー」

「打ち込んでいいですか? これは患者さんにも役立つと思うので……」

「いいんですか? やってくれれば助かるけど……」

「はい。わかりました」

と、この本を打ち込み始めたのです。

起業するときに最初に考えるべきことは、販売する商品や事業のコンセプトなどですが、並行して、「顧客は何を求めているのか」ということも考えます。
それを考えるときに、「自分はどう思うのか」というのを基本にします。
つまり、「自分が考える商品はこのような商品」というのを基本にするわけです。

そのように考えながら起業したなら、それなりに伸びていくと言われます。
そして、そこに「君子の心」があれば、尚よしというわけです。
「こういうものがあったら、皆さんが助かるだろうなー」と考えることができるかどうかになるわけです。

「国民のことを考えて仕事をする」のは、政治家だけの問題ではありません。
我々も、人のことを考えながら仕事をすることが求められているのです。
それが「君子への道」だと考えるわけです。
スタッフがそれを行動で示してくれました。

治療の合間に打ち込んでいるので、時間はかかると思いますが、すでに行動に起こしていますので、出来上がるのは時間の問題です。
出来上がりましたら、またこのブログで紹介するつもりです。
そのときは、私ではなく、うちのスタッフを褒めてあげてください。

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鍼灸師の論語とソロバン。「智」 (2)

2012-04-09 09:04:46 | 論語とソロバン
渋沢氏は、「常識とは如何なるものか」と設問し、次のように回答している。

【人間の心を解剖して、「智、情、意」の三つに分解したものは、心理学者の唱導に基づくところであるが、何人といえども、この三者の調和が不必要と認めるものはなかろうと思う。智恵と情愛と意思との三者があってこそ、人間社会の活動もでき、物に接触して効能を現してゆけるものである。ゆえに、常識の根本原則たる「智、情、意」の三者について少し述べてみようと思う。】

その後に、「智、情、意」について述べているのですが、「智」の部分を簡略して説明すると以下のようになる。

智:智恵がなければ物を識別する能力に不足をきたす。いかに学識があっても、善や利の見分けができなければ宝の持ち腐れに終わってしまう。ただおのれ一身さえ修めて悪事がなければ宣いということになれば、誤思謬見(ごしびゅうけん)になり、世に処し、社会に立って何らの貢献する所もない。


論語に、【君子は和して同ぜず。小人は同して和せず】というのがありますが、これは主体性のない人のことを、智のないとして「小人」と呼んでいる。

鍼灸師の会もたくさんありますが、何が目的でそんなにたくさんできたのだろうと考えるときがある。

「会」となると、組織になるので、組織の慣習に従わなければならない。
学識があり、善や利の見分けができても、会の慣習で若い人に発言権がなければ、若い人は、世に処し、社会に立って何らの貢献することができなくなる。

今はわかりませんが、私が鍼灸学校へ通っていたころは(30年前)、鍼灸師会の学術大会というものは、「貶し合い」の会合に思えた。
誰かが発表すると、上げ足を取って講演者を叩きのめす。
その後、「あいつよりワシのほうが偉いんだ」と自慢話をする。

「智」のない話です。


中国の国際学会で、聴講者が講演者に質問をした。
講演者は答えることができず、一瞬沈黙の時間になった。

質問者はすかさず挙手して、こう言いました。

「申し訳ありません。私の勘違いでした。質問を取り下げます」

と言うと、間髪を入れずに司会者が講演者を援護するように、こう言いました。

「はい、ありがとうございました。これで今の質問は終わりました。他に質問はありませんか」

中国では、講演者を大事にしてくれるという印象が強く残った。

質問者も司会者も「智」のある人だと思った。

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鍼灸師の論語とソロバン (1)

2012-04-08 07:32:16 | 論語とソロバン
渋沢栄一先生は、多くの実業家から尊敬が集められ、渋沢栄一著『論語と算盤』はMBAのスクールでも参考書に取り上げられています。

『論語と算盤』には、【お金儲けと道徳のバランス】が述べられていますが、商売の心得として、「正義を行なって得た富と地位こそが完全な成功である」というのがありました。

近年、産地偽装や粉飾決算などが社会問題になることも多いのですが、恥も知らない人が商売をするとこうなり、このような行為は論外になるわけです。

つい最近の国会答弁で、田中直紀防衛相が答弁に困り、「もしもし~」と発言したのには国会議員の多くの先生方も大笑いしていましたが、あれでは国が衰退してもしかたがないと思いました。

論語に【之(これ)を知(し)ると為(な)し、知(し)らざるは知(し)らざると為(な)す、是(こ)れ知(し)るなり】
(知っていることは知っているとし、知らないことを知らないとするのが、ほんとうに知っているということです)
というのがあります。


儒教に五常があり、日本の教義に五条があります。
このような基本的なことを学ぶことが、常識人としてのたしなみではないかと思います。

 中国の五常(儒教):仁・義・礼・智・信
 日本の信条(教義):忠・信・勇・和・智


私もそうですが、多くの鍼灸師も「論語とソロバン」には弱い人が多いように思えます。
患者さんからの質問に、「もしもし~」と答弁しないように(笑)、一緒に勉強してみませんか。

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