関西学院大学博物館&図書館見学会:西宮文化協会五月行事
江嵜企画代表・Ken
西宮文化協会五月行事として5月21日、関西学院大学博物館と図書館を見学した。
冒頭、河上繁樹図書館長挨拶の様子をスケッチした。
館長挨拶のあと、7月18日まで開催中の「愛新覚羅家の人びとー相依為命(あいよっていのちをなす)-特別展拝観に先立ち、同博物館学芸アシスタント、木場貴俊氏によるスライド映像解説を約1時間楽しんだ。
特別展は「溥傑、浩のお見合いの写真」(1936)からはじまる。溥傑・浩の結婚式披露宴案内状も展示されていた。婦人倶楽部、主婦の友、世界画報が溥傑・浩の結婚を盛んに取り上げていたことが展示品通じて知ることが出来る。
1945年以降、愛新覚羅家の生活は暗転する。流浪の人生が始まる。1948年ごろの次女、福永嫮生氏寄託の長女、彗生宛てや溥傑宛の書簡は胸迫る言葉がつまっており、見どころの一つだと木場氏は話した。
彗生育児日記(1938~39)も珍しい。『王妃 愛新覚羅溥傑・愛の書簡』や他にも今まで目にしたことがない貴重な資料が多い。是非この機会に多くの方に見ていただければありがたいと木場氏は話した。
特別展拝観の後は図書館見学。西宮文化協会の参加者は2班に分かれそれぞれの解説者が担当した。図書館は地下1階から2階まであり、150万冊が収められている。年代の若いものは下の階に置いている。原則一冊のみ購入という説明が印象に残った。論文のテーマなどでは3冊購入のケースもあるそうだ。
学術書、研究書が多い。外国の新聞雑誌も自由に閲覧できる。日本の新聞書評欄に紹介された話題の書籍も購入している。スポーツ新聞や婦人雑誌も読めるコーナーもある。同大学の先生の著作を閲覧できるコーナーも紹介された。
いつでも対応できるように空いた棚を用意している。だんだん手狭になって来ている。この日は外国人の姿を余り見かけなかったが多くの外国人留学生が図書館を利用するコーナーが最上階にあると説明していた。
見学最後に貴重図書「灘の酒造」、「瀬戸内の漁業」、「西鶴(特に西宮えびすについて)」の絵いりの資料を手にとってつぶさに拝見出来た。1897年開催の水産博覧会,大日本水産会まとめの資料は特に良かった。解説員の話では「現在の漁師さんに見せた。今も昔もかわらない。合理的な漁法が昔から行われていた」と紹介していた。
澤の鶴の資料には七福人がお酒造りしている絵があった。お酒の作り方を書いた本に米の値段が激しく上下すると困る。なん石つくっていいとあらかじめ申し合わせした記述もあり、興味深かった。
大学正門前のバス停からJR西宮経由で帰宅した。バスは学校帰りの学生で満席だった。誠心誠意ご対応いただいた関西学院大学関係者各位に感謝したい。収穫の多い見学会だった。すばらしい企画を用意いただいた西宮文化協会各位に併せ感謝したい。(了)