ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

信頼感指数の予想外の低下で、NYダウ47ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2009-09-30 11:18:50 | 経済学
9月29日のNYダウは、上げてはじまったが、9月の消費者信頼感指数が、8月の54.5から53.1へ低下、さらにアナリスト予測の57を大きく下回ったことから、風船の空気が抜けたように値を下げ、前日比47ドル安、9,742ドルで取引を終了した。

WSJ紙のSaraMurray記者は、コンフェレンスボード調べの信頼感指数が予想外に低下したことで、いまなお米国経済は、fragile状態にあることを強く印象付けたと記事に書いた。壊れ物、割れ物の荷物にはFragile(フラジャイル)のラベルを張るから分かり易い。

同じ日、7月のS&Pケース・ケースシラ―住宅価格指数が前月比1.6%増加した。昨年同月と比べれば13.3%安い。ただ、値下がりのスピードは鈍化してきている。20地区のうち18地区で値上がりした。今回の金融危機は住宅バブル崩壊が引き金で起こった。その意味では住宅価格の上昇は好材料である。

ところが、ダラスス連銀のFishier総裁は、住宅減税に支えられた結果であり、住宅市場の回復は本物でない。Fishier総裁は、住宅減税をprosthese(義歯・義足)という言葉で表現した。米住宅市場は自分の足で歩いていない。自分の歯で食べていないと言いたいのだろう。

米国の消費者に弱気が浸透しているのは、高い失業率、信用収縮、給料が上がらないからだ。今までのところ企業業績には改善は見られる。企業トップは、売り上げは改善すると見ているが、新規の設備投資を始めた企業家は極めて少ないと先のMurray記者は書いた。

今朝のNHK・BS「おはよう世界」が紹介したブルームバーグは、丁度一年前の9月29日、NYダウは前日比777ドルの大暴落をした。今日の47ドル安は大したことではない。しかし、消費者信頼感指数の予想外の低下は投資家を弱気にさせたと解説していた。

NY外国為替市場では、前日のドル買い戻しの流れを受けて、1ドル=90.03~06円、対ユーロでも、1ユーロ=131.35円~40円と円高にブレーキがかかった。先の先は分からないが、今の段階で、我先に円をどんどん買っていく環境でないことに気づいたのだろう。

欧米人の行動パターンを、水鳥だと思うとすぅーと頭に入って来るケースが多い。ある意味では、欧米人の方が、日本人よりはるかに日々真剣に生きているからだろう。今朝のNYダウの値下がりは、アクセルを踏む時期はまだまだ先だと思い直したのかもしれない。

米国経済は回復の過程にあることは紛れもない事実だが、壊れやすい状態が続いている。米国の住宅の値段は上がったが、それは減税という義足の助けのお陰である。自分の足で歩ける状態まで米国経済は回復していない。水鳥がNYダウから学べと教えてくれる。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[ドルは保有外貨としてのステータスを失うだろう」:ぜーリック世銀総裁発言

2009-09-29 09:47:38 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



9月28日付けのWSJ紙は「円高を放置するとはひとことも言っていない(I’ve never said Iwill leave alone rises in the yen)」との藤井財務相の発言を紹介していた。この日のNY外国為替市場では、ドルが若干買い戻され、1ドル=89.60円で取引された。

藤井大臣は、鳩山首相がピッツバーグで「為替相場は安定することが望ましい」と発言したが、自分も同意見であると話した。ただ、「為替相場には介入しない」との自らの持論を藤井氏は変えていないと、WSJ紙は指摘していた。

日本の新聞では、円が1ドル=88円台まで値上がりしたことで、日本の輸出企業の採算が悪化する。日本の株価はさらに値下がりするだろうと、藤井財務相は円高を容認した人物として、ひたすら藤井発言を非難する記事が目立っている。

同じ日、世界銀行のロバート・ゼ―リック(RobertZoellick)総裁は、ワシントンDCで講演し、世界経済回復に向けての主要国の協調を呼びかけたあと、「ドルは、保有外貨としてのステータスを今後ますます失っていくだろう」と発言した。

ゼ―リック総裁は、「アメリカが国債発行残高をどこまで減らせるかにかかっているが、人民元は、10年20年後には大きな力を持つだろう」と語り、「もしドル安が進めば、ヨーロッパもアメリカ同様のチャレンジに直面しているが、ユーロが信頼される保有外貨になりうる」と話したと今朝のWSJ紙は紹介していた。

イギリスポンドがこのところ対ドルで売られている。キング英中央銀行総裁が、「ポンド安は英国景気回復を助ける」と発言したことがポンド売りを加速したとの一部為替リーダーの見方をWSJ紙は紹介していた。いまや1英ポンドは144円まで値下がりしている。

為替市場の最近の傾向の一つに、安い金利の円を売りドルやユーロを買う円キャリートレードが姿を消し、アメリカが事実上のゼロ金利になった結果、安い金利のドルを売って円、ユーロ、特に豪ドル、カナダドル、ブラジルレアルなどを買う流れが出てきている。

為替市場の一日の取引は4兆ドル(ドル89円換算で356兆円)と言われている。日本政府は以前、総額34兆円もの円を売りドルを買って、円安を誘導した。所詮、多勢に無勢、その後日本政府は円売り・ドル買い介入を実施していない。 

一匹一匹のイワシは弱い。しかし4兆ドルのイワシの大群を敵に回して買い向かうことにいかほどの成果が期待できるというのであろうか。ドルを青天井で印刷し、ドルを放し飼いにしている現状を放置している限り、ゼ―リック世銀総裁の発言に味方したい。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1ドル=90円突破で海図なき航海へ突入か(学校で教えてくれない経済学)

2009-09-28 10:18:04 | 経済学
近くの喫茶店のおかみさんが、この間、店を閉めての帰り道、JR神戸線「住吉駅」ビル内にあるスーパー近くをイノシシが家族連れで歩いていたのでたまげたと話していた。深夜にイノシシが街中の国道2号線まで南下して徘徊している話は先日書いた。

イノシシが大胆になったのか、最近特に里山の開発が進んで、人間に餌場を追われたイノシシが、食べ物に窮して、怖いもの知らずに、ついに時間帯をいとわず、ごみ箱あさりに出没するに至ったのではかいかなどと、話に花が咲いていた。

先日、乗鞍岳のバスターミナルの売店にクマが現れた。新聞報道によれば、従業員と買い物客9名が重軽傷を負い、熊は猟友会の手で射殺されたと出ていた。未確認情報だが、昨年1年間で3,500頭の熊が射殺されたという。熊の意見は新聞に出ない。熊の住み家近くまで人間が出没して迷惑していると、熊さんは話しているかもしれない。

9月26日のWSJ紙を読んでいたら、個人がコンピュータの前に24時間座り込んで為替取引する人間が増えたと、米カリフオル二ア州、ElkGroveに住むRayFiretagさん(43)の話が紹介されていた。彼は商品相場反発と読み、対豪ドルペアのレバリッジ取引で儲けた。

レバリッジ取引には、200:1が一般的である。つまり初期投資5万ドルで1,000万ドル商い出来る。ところが相場が裏目に出れば一瞬にして全ての財産を失う。WSJ紙は、Firetagさんはまれな成功例だと、その他4人の失敗談話を2ページにわたって紹介していた。

WSJ紙によれば、世界全体の一日の為替取引量は4兆ドル(ドル89円換算:356兆円)である。大部分はCitiグループなどの機関投資家の商いである。ただ、Firetagさんの様な小口投資家の商いも1,200億ドル(約11兆円)まで拡大していると書いていた。

Firetagさんは、「1ドル=100円から89円までは成功した。これから先は分からないから為替取引から完全に撤退する」とWSJ紙に語っていた。熊と小口投資家を同列に論じられない。しかし、1ドル=90円突破で、海図なき未知の世界に足を踏み入れたようだ。

前3月期決算では急激な円高を不採算のせいにした企業経営者が多かった。そのあとドル円相場はさらに円高・ドル安へ進んだ。一気の1ドル90円割れは、藤井新財務相がガイトナー米財務長官に、「いかなる通貨に対しても介入には反対だ」と語ったことが引き金になったとWSJ紙は解説していた。日本では円高は悪・円安は善で、藤井発言は人気がない。

9月27日の日経朝刊は「週内にも87円巡る攻防も」と書いた。アメリカは青天井でお札を増刷している。年末にかけてだらだらとしたテンポだろうがドル売りが続きそうだ。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

森田りえ子さん大いに語る(スケッチ&コメント)

2009-09-26 09:36:33 | スケッチ


森田りえ子さん大いに語る

江嵜企画代表・Ken



いまや売れっ子の日本画家となられた森田りえ子さんによる90分トークショーが、京都で開かれるというのでとるものとりあえず家族と出かけた。今回のようなまとまった形で森田りえ子さんのお話を聞ける機会はひさし振りである。会場には日本画教室の仲間の顔も見えた。いつものように会場の様子をスケッチした。

 会場の仏教大学四条センターは、JR京都駅下車、地下鉄烏丸線に乗り換え、四条駅で降りて徒歩3分のところにある。幸い近くの京都大丸店でたまたま日本画家の橋本関雪の展覧会が開かれており、美術の世界を満喫でき幸いだった。

 橋本関雪は神戸生まれである。京都で竹内栖鳳の画塾に入門、本格的に日本画を学んだ。森田りえ子さんも神戸生まれである。彼女は、いまは京都を本拠にしてご活躍だが、「神戸には風が流れているから好きだ」といつもおっしゃる。神戸の街をこよなく愛しておられることが言葉の端々にいつも感じる。

 トークショーは美術大学での素晴らしい先生に恵まれた話から始まった。彼女がプロの画家になろうと決めたきっかけは、大学院を出た年に2ケ月の欧州旅行での師匠の石本正先生との出会いだった。石本先生がいくところいくとろでひたすら写生する姿を目のあたりにした時であると話された。

 ひたすら写生することの大切さを、大阪なんば高島屋での日本画教室でも、森田りえ子先生に繰り返し教えられた。なんといっても、絵の原点は写生である。若冲さんも写生の虫だった。ひたすら写生することによって、目の前の自然が啓示してくれるのですと、話された。

 森田りえ子さんは、学生時代からカルチャーセンターで絵を教えていた。ところが生徒に花の絵の描き方を教えられないではないか。素直に反省した。ゼロから花の絵を勉強した。

 森田さんはもともと人物画を得意としていた。この日最初のスクリーンに写された絵は50号の電車の中の老人の姿である。いまも手元に置いていますと話された。森田さんは、花の画家と言われている。特に糸菊の花は見事である。しかし、「人物は絵画の根本です。」とこの日もきっぱり語られた。

 1986年、菊の絵を描いて第一回川端龍子大賞をもらった。賞をもらう前の年の秋、花は、花が咲くように描けばいいんだと始めて思った。それが大賞になった。自信がついた。女の厄の31歳の時だった。そのころ女流画家がどんどん世に出て来ていた。そのなかで20代をなんもなしに過ごしていました。31才でやっとだったんですと,話された。

 トークショーの最後に、今年5月19日~7月18日の間、開かれたパリ個展の話に進んだ。フランス人は藤の絵に一番心を奪われたという。神社の中にある藤の絵である。藤の姿に、フランス人は、何かおどろおどろしいものを感じる。自分で描いていても、何かしら妖気めいたものを感じますと、森田りえ子さんは話された。

 パリ展のために描いた3人の少女を描いた「かわいい」という絵も印象的だった。「KAWA・i.i」といえば、パりでも通じますよ、といわれた話は面白かった。

 最後に宣伝になりますがと、やや、はにかみながら、「月刊美術」10月号の紹介があった。大袈裟でなく、さながら日本画家 森田りえ子特集号の観を呈している。10月14日~26日の間「パリ帰国展」が東京日本橋三越で開かれることも紹介された。

 日本画教室の仲間と会場のある京都三井ビルディング地下一階の軽食堂でビール、ソーダで乾杯、しばし余韻を楽しんだ後、帰路に着いた。

 森田りえ子先生、日本画教室の生徒だった私たちを追いとけぼりにして、あんまり遠くまで、飛んでいかないでくださいね。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お人よしの日本人はいつも蚊帳の外か?NYダウ41ドル安、原油65ドル(学校で教えてくれない経済学)

2009-09-25 11:20:27 | 経済学
9月25日のNY株式市場は、米労働省が直近の新規失業保険申請件数が、予想以上に減ったことを好感して高く始まった。ところが全米不動産協会が、8月の米中古住宅販売が前月比2.8%減少したことを嫌気して、前日比41ドル安、9,707ドルで取引を終了した。

NY原油(WTI)相場は、米国内の原油在庫の予想外の増加に加えて2日続きの株安を嫌気して、一時65ドル台まで値下がりした。逃げ足の速い投機資金が入って上げて来た相場だから下げる時も早い。今朝のWSJ紙は、一部のアナリストは、目先バレル59ドルまでの値下がりもありうるとの予測を紹介している。

NY外国為替市場では、NY株安を受けて、逆にリスクマネーへの流れにブレーキがかかり、1ユーロ=1.4656ドル、1ドル=91.28円、1ユーロ=133.82円とややドルが買い戻された。ガイトナー米財務長官は「強いドルはアメリカの国益」とこの日も発言していた。ドルの先行きを彼自身が懸念しているからこその発言であることは万人お見通しである。

米ピッツバーグでの2日間のG20の会合が始まった。今朝のWSJ紙は、為替問題は正規の議題に含まれていないと書いていた。ただ、出席者のほとんどはドル相場の行き先を心配しているのではないか。中国はどう動く?ロシアは?ブラジルは?とホテルロビーで探りを入れる姿が目に浮かぶようだ。

ニューズウイーク日本版(9月20日号)に、「中国タイヤの貿易戦争ジレンマ」のタイトルで、当紙エコノミストのロバート・サミエルソン氏が、「オバマのタイヤ関税上乗せは危険だが、中国への正しいメッセージでもある」と書いていた。

今朝のWSJ紙も、今回のG20は中国経済が今後どうなるか一点に大方の関心が集まっていると書いている。アジア開銀は今年の中国の成長率を8%と予測している。日本円で54兆円の景気刺激策がどこまで効果を発揮するか。中国株価は3月安値から56%値上がりした。NYダウも安値から50%値上がりした。相場自身は、休みたがっているかもしれない。

米FOMC(連邦公開市場委員会)は、昨日、事実上のゼロ金利政策を当面継続することを明言した。1.2兆ドルの住宅ローン担保証券の買い取りを来年3月まで継続する。その矢先の8月の米中古住宅販売の2.8%減はNY株式市場にショックを与えたようだ。

オバマ大統領は、金融危機克服よりアメリカの医療保険制度改革の方に政治生命をかけているようだ。ところが医療保険協会は金に糸目をつけずロビストを総動員して成立阻止に動いている。G20では金融機関規制強化に動いているが、米金融機関はロビー活動を活発化して議会を封じ込めようと画策している。お人よしの日本人はいつも蚊帳の外だ。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米FOMC金利据え置き、不良債券政府買い取り期間延長、NYダウ81ドル安

2009-09-24 09:46:46 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



米FOMC(連邦公開市場委員会)は、9月23日、政策金利を現行のゼロから0.25%での据え置きと1.25兆ドル(約100兆円)の住宅ローン担保証券の政府買い取りを来年の3月まで延長することを決め、併せ、8月に決めた米国債3000億ドルの政府購入を今年10月で打ち切ると発表した。

NYダウは、FOMCの発表を好感し、10,000ドルまであと100ドルに迫った。ところが、①FRBの景気見通しは楽観的であるとの見方が台頭したこと、②米エネルギー情報局がアメリカの原油・ガソリンの在庫が共に増加したとの発表のあと原油(WTI)相場がバレル68ドル台まで急落した。

これを受けて、エネルギー株売りが先導して、利益確定の売りが出た。その他の銘柄にも連鎖反応が起こり、ほぼ全面安になり、前日比81ドル安い9,748ドルで取引を終了した。今朝のWSJ紙は、ダウ採用銘柄のJPモルガン株3%、キャタピラー、シスコシステム、ファイザ―が2%以上値下がり、NYダウの大幅値下がりに影響したと解説していた。

今朝のNHK・BS「おはよう世界」が紹介するブルームバーグの番組で、出演したあるトレーダーが、「米政府は金融の量的緩和政策の一環として、現在保有する2兆ドルの住宅ローン担保証券を年内にさらに6,000億ドル追加購入を決めている」と指摘していた。

今回米FRBは、声明文で景気は底を打ったと認識した。しかし、現実の対策としては、①ゼロ同然のレベルに金利を据え置く期間を「ある一定期間延長する(for a extended period)」、②金融の量的緩和政策をさらに拡大を確認した。ドル札を増刷するのであろう。

今朝のNHK・BSで、ロシア国営テレビのニュースとして、「ドルの値下がりが続いている。ルーブルが対ドルで1ドル=30ルーブルまで値上がりした。原油相場は値下がりしている。ルーブルは1ドル=33ルーブル程度が妥当である」とのコメントを紹介していた。ドルの値下がりに当惑しているロシアの姿を垣間見た思いで、興味深く拝見した。

世界からさまざまなニュースがNHK国際部に毎日入って来るだろう。ただ流すのでなく、あらかじめ選択したものをNHKのスタッフが翻訳する。それを大急ぎで、限られた時間の中で、何を流し、何を没にするかを決めることは、大変な作業であろうと感心している。
 
今朝の「おはよう世界」では、EUが緊急議会を開き、G20で高額ボーナス制限ほか金融規制に対するEU方針を決めたとドイツテレビを紹介していた。その中である議員が、金融危機を非難して「酔っぱらいのパイロットはいらない」という言葉が印象に残った。米FRBは信頼できるのか。第2、第3のバブルの再来だけは避けなければなるまい。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドルは胡散臭い通貨か?ドル売り続く(学校で教えてくれない経済学)

2009-09-23 10:32:12 | 経済学
子供の頃お医者さんに行くと、体温計をわきの下に挟む。脈を取る。目を見る。ア―ンと口を開けさせ、のどの左右を手でおさえ口の中の様子を医師は見ていた。今は頭から検査である。データも大事だが、患者の目を見て、触診しない。医師は基本を忘れておられる。

原油・為替・金利3点セットを、懲りもせず観察している。3点セットで見ておれば、経済の動きが、全て分かると言わないが、経済の兆候を知る上で、結構参考になることが多いと常々、思っている。

9月22日のNY外国為替市場で、ドルが対ユーロで、ここ9ケ月で最低の1ユーロ=1.4822
ドルで取引された。対円ではドルは、1ドル=91.18円と様子見している。アジア開銀が、今年のGDPを3.3% から3.9% へ上方修正したことがドル売りを加速させたようだ。

ここ数日のWSJ紙を読んでいると、米ドルのキャリートレードという言葉が目立つようになった。かってキャリートレードと言えば、金利の安い円を借りてそれを売り、金利の相対的に高い通貨を買う動きと決まっていた。それが今ドル・キャリートレードである。

FRB(米連邦制度理事会)のバ―ナンキ議長は、この1年間で新たに1兆2,000億ドル
(約110兆円)を発行した。オバマ大統領は先日バ―ナンキ議長再任を早々と決めた。今回の金融危機は底なし沼だと認め、ドル札を天井知らずに刷り続けると水鳥は嗅ぎ付けた。

余談ながら、最近の日本人の変化をひとつ挙げろといえばそれは匂いに対する感覚が麻痺したことである。人間臭いという言葉が日本では死語になった。嗅覚をなくせば生き物は生きられない。親が臭いからいやだ、汚い仕事は嫌いだと言うから子供をダメにさせた。

9月22日、NY金先物相場がオンス1,014ドルを付けた。銅もアルミもスズも値上がりした。NY原油(WTI)は再びバレル72ドルを付けた。ブラジルの株価が14ケ月来の高値を更新した。ドルを売って、ドル以外の通貨やリスク資産に走った結果である。

今朝のWSJ紙は、米FOMCの会合もG20の結果も待たずに、ドルは対スイスフランで売られたと特記していた。アメリカの低金利は当面続くと読んだのであろう。胡散臭いという言葉も死語になったがドルは、胡散臭い通貨だと世界各国で思われ始めた証拠だろう。

オバマ大統領は、環境問題で危機感を訴えたが、温室効果ガス削減で具体的発言をしなかった。各国が失望していると、NHK/BS「ワールドニュース」で伝えていた。リップサービスと思うが、中国の温家宝首相の方が精一杯踏み込んだ発言をしていた。ただ米国も中国も輪転機を回し続けている点では同じ穴のムジナであることを忘れてはなるまい。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20kgの岩塩

2009-09-22 12:33:11 | 情報や案内及び雑談



不思議なことがありました。
ブログで知り合った静岡の方が、わざわざ「あげる」と持ってきてくれた20kgの岩塩です。

塩は昔から「邪を払い福を呼ぶ」(浄化作用)といわれ、相撲の対戦前やお店の前の盛塩などにも使われています。

この岩塩の前に座ると、「内臓が動くのを感じる」という人もいます。
特に、 炭酸泉 に入ってからだと、その効果もわかりやすいようです。
塩の電子運動が人体にも影響を与えるようです。

この岩塩が来てから、私たちの体や環境に大きな変化が出たように思われます。

9月27日の 無料健康講座 で、その話をしようかと考えています。
「骨盤を始めとした骨格矯正」の話をしようと考えていますので、この塩を使った矯正法も検討してみることにします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中原淳一展:神戸大丸(スケッチ&コメント)

2009-09-21 09:14:43 | スケッチ


中原淳一展:神戸大丸

江嵜企画代表・Ken



 中原淳一展が大丸神戸店で9月23日まで開催されている。二回目の訪問となったが、小学校一年の孫にも是非見せておきたいとの思いから、ベビーシッターを兼ねて家族と一緒に出かけた。

 大丸9階にあるレストラン街も、昼前から順番待ちの客であふれていた。店とタイアップして、入場券の半券を持参すれば、一口ビールをつけたり、ドリンクをサービスしてくれるという試みも成功しているようだ。連休最中ということもあって、人いきれで会場はむんむんしていた。圧倒的にご婦人客が多い。外見では人は分からないが、どちらかといえば比較的お歳をめした方が目立った。

 今回の展覧会のテーマは、「美しく生きる」である。

 会場には1946年発刊の「それいゆ」、47年の「ひまわり」、54年の「ジュニアそれいゆ」、70年の「女の部屋」のオリジナルが並べてあった。写真も豊富にあった。お歳を忘れてと言えば失礼だが、食い入るように、あぁともうぅとも聞こえないような、ため息ともつかず、なにやら独り言めいた塩梅で、口に出しながら見ておられた。会場には、中原淳一さんご自身のアトリエとリビングを再現したものも展示されていた。

 「あなたが一番美しく見えるときは、あなたが一番立派な服を着たときではなくて、あなたが一番美しい心を持ったときではないでしょうか。」

 「顔に、お化粧をしたり、華やかな服装をすることによって美しく見えたとしても、あなたが心の美しい人でなかったら、間もなく嫌われてしまうでしょう。」

 「あなたが本当に人から愛されるのは、美しく粧った顔や、美しい服装ではなくて、あなたが明るい表情と飾らない素直な心が、相手の胸を打つ時だと思います。」

 会場の壁に貼られたパネルに書かれていたことばである。いずれも今の日本人が忘れかけている、はっとするような胸打つ言葉が並んでいた。なぜか、会場には男性の姿をほとんど見かけなかった。

 会場の外から、入口の看板と大いに賑う売店の様子をスケッチした。7冊3万円の「それいゆ」などの復刻版が結構売れている。心をとらえれば物は売れる。心を捉える企画をすれば人は入る。今デパートは不景気にあえいでいる。しかし、今回の様な企画をすれば、それがどこまで売り上げにつながるかは未知数だろうが、少なくともデパートに人は足を運ぶことを教えている。

 日本は今もって男社会である。男どもが、円高だ、金融危機だと、日々の地道な勉強を怠り、責任を他に転嫁し、なにかと人任せにして、ダメだ、ダメだと言いつづけている。

 今回の中原淳一展は、心が貧しくなれば、なにもかも貧しくなることを教えている。一人でも多くの男性が会場に足を運んで欲しいと思う次第である。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

尚歯会:住吉学園風景(スケッチ&コメント)

2009-09-20 11:13:11 | スケッチ


尚歯会:住吉学園風景

江嵜企画代表・Ken



 神戸市住吉小学校体育館で開かれた、第96回「尚歯会」(財団法人・住吉学園)に始めて参加した。神戸市東灘区の住吉地区に住む数えで70歳以上の人全員をお祝いするための会である。住吉学園から招待状が送られて来る。年々、資格者が増えて、今年は6,800人と聞いた。全員に手土産が用意される。そのお土産の中身がすごい。

 大粒の梅干し[紀州産]が50粒詰まったひとケース、地元では老舗の虎屋吉末の瓦煎餅、お菓子の3箱セットである。高齢で出て来れない家族の代わりにお土産だけ貰って帰る人の姿も結構見られた。会場の住吉小学校の校門には、養護学校や住吉小の生徒が元気な声で出迎え帰りには、会場出口と校門で見送ってくれた。

 式展は午後1時半に始まっていた。午後2時過ぎに会場に着いた。プログラム1番の住吉中学校の吹奏楽の演奏が始まったところをスケッチした。

 プログラム2番目に住吉小学校合唱部が登場した。昨年NHK全国コンクール金賞を獲得した今や全国トップの学校である。今年も近畿大会で優勝、10月10日(土)午後2時からNHKで本番、生放送があるから是非見て欲しいと紹介があった。

 課題曲「夢の太陽」も良かったが、特に自由曲「耳をすませば」は小学校の子供とはとても思えない。子供の資質にもよるだろうが、指導者に恵まれると子供はどこまでも化けるのではないかと驚いた次第である。

 「青い山脈」、「銀座カンカン娘」、「川の流れのように」とよどみなく続き、アンコールでは「ふるさと」を聴かせてくれた。今朝、近くの喫茶店でも、子供たちと一緒に歌った「ふるさと」はジーンときたといい、昨日の「尚歯会」は良かった、よかったと大いに盛り上がっていた。あと漫才、曲芸、美空ひばり物まねショーとつづき午後4時までを堪能した次第である。

 住吉学園は山持ち、土地持ちで有名である。旧住吉村が持っていた全ての財産を昭和19年に設立された住吉学園に移譲したのがはじまりである。戦後神戸市との合併話が出た時、住吉村は合併を拒否したことは語り草として残っている。15年前の大震災の時には、住吉地区の被災所帯として10万円見舞い金を、住吉学園からいただいた。

 金持ち、土地持ちは世間に多くおられる。しかし、住吉学園のような存在は日本全国でも稀有なケースでなないかと思われる。余談ながら、六甲山ケ―ブルカ―は阪神電鉄(現阪急阪神HD)の経営であるが、土地は住吉学園からの借物だと今朝、くだんの「喫茶店」で土地の人間から聞いた。

 この日一番嬉しかった話を是非紹介したい。住吉小学校の生徒が会場でのお茶サービスを手分けしてやっているではないか。さきほどまで見事な演奏を披露してくれた子供たちが、入れ換わり、立ち替わりお茶を配って歩いていた。

 年寄りは結構のどが渇く。4時にお開きになるまで途切れることなく5百人は入った席をゆっくりとしたペースで回っていた。ありがとうと年寄りが答える。子供たちのこぼれんばかりの笑顔が印象的だった。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする