IAEA(国際原子力機関)は、4月28日、議長声明で決めた30日間の期限を迎えても、イランがウラン濃縮活動停止処置をとっていないと発表した。
NY原油先物市場は即反応、前日比91セント値上がり、バレル71.88ドルで取引された。金相場は一時20ドル急騰、終値でも18.20ドル高の1オンス654.50ドルで取引された。
前日の4月27日、中国中央銀行が一年物貸し出し金利を5.58%から5.85%へ引き上げたことを嫌気して、金相場は5.70ドル下落、633.30ドルへ値下がりしていた。利上げは中国の需要全般を冷やし中国のGDPも10%から8%へ低下させると売り材料に使われた。
ブッシュ米大統領は、対イラク開戦当初、「彼は石油の匂いがする。」と揶揄された経緯がある。IAEAの報告を受けて、「イラン問題とイラク問題とは全く異なる。イランが核兵器を持とうとしていることは極めて危険であるが、外交交渉はまだ始まったばかりである。」と「彼は原油利権に味方している」との厳しい目をかわそうと腐心しているかのようだ。
ただ、イラン核問題解決には中国、ロシアの対イラン説得が不可欠といわれている。ところが中国もロシアも劇場の後部座席に座って、米国主導のショーの行方を眺めながら、火中の栗を一向に拾おうとしないかのように見受けられる。
それどころか、特に中国は、油欲しさであろう、イランに加えて、内戦が絶えないスーダンやチャドそして今回米国の帰途立ち寄ったナイジエリア、ケニアでも、胡錦濤中国国家主席を先頭に、特にアフリカ諸国にラブコールを送り続けていると外電は中国の動静を日々詳しく報道している。米国が石油を節約し中国が石油がぶ飲みをやめない限り、原油高騰の根本問題の解決は見えてこないだろう。
2006年は米中間選挙の年である。民主党は、支持率が36%台へ急落しているブッシュ大統領の傷口を攻めようと、石油・ガソリン高騰を選挙の争点に持ち出した。しかし、高騰してもガロン3ドルの米国。6割が税金にとられる英国の6ドルと比較されるとまだ割安だ。
一方、この日のNY為替市場は、米商務省は06年1~3月、GDPが実質4.8%成長し、このうち70%を占める個人消費が5.5%増加したと発表したにもかかわらず、バーナンキ「利上げ一時休止」発言が尾を引いてのドルは売られ、1ドル=113.83円、1ユーロ=1.2626ドルで取引された。
もし円が投売り状態になれば、まさかと思うが100ドル原油時代になればどう対応するのだろうか。強い通貨を素直に喜べない日本という国のもうひとつの不思議がある。(了)
江嵜企画代表・Ken
NY原油先物市場は即反応、前日比91セント値上がり、バレル71.88ドルで取引された。金相場は一時20ドル急騰、終値でも18.20ドル高の1オンス654.50ドルで取引された。
前日の4月27日、中国中央銀行が一年物貸し出し金利を5.58%から5.85%へ引き上げたことを嫌気して、金相場は5.70ドル下落、633.30ドルへ値下がりしていた。利上げは中国の需要全般を冷やし中国のGDPも10%から8%へ低下させると売り材料に使われた。
ブッシュ米大統領は、対イラク開戦当初、「彼は石油の匂いがする。」と揶揄された経緯がある。IAEAの報告を受けて、「イラン問題とイラク問題とは全く異なる。イランが核兵器を持とうとしていることは極めて危険であるが、外交交渉はまだ始まったばかりである。」と「彼は原油利権に味方している」との厳しい目をかわそうと腐心しているかのようだ。
ただ、イラン核問題解決には中国、ロシアの対イラン説得が不可欠といわれている。ところが中国もロシアも劇場の後部座席に座って、米国主導のショーの行方を眺めながら、火中の栗を一向に拾おうとしないかのように見受けられる。
それどころか、特に中国は、油欲しさであろう、イランに加えて、内戦が絶えないスーダンやチャドそして今回米国の帰途立ち寄ったナイジエリア、ケニアでも、胡錦濤中国国家主席を先頭に、特にアフリカ諸国にラブコールを送り続けていると外電は中国の動静を日々詳しく報道している。米国が石油を節約し中国が石油がぶ飲みをやめない限り、原油高騰の根本問題の解決は見えてこないだろう。
2006年は米中間選挙の年である。民主党は、支持率が36%台へ急落しているブッシュ大統領の傷口を攻めようと、石油・ガソリン高騰を選挙の争点に持ち出した。しかし、高騰してもガロン3ドルの米国。6割が税金にとられる英国の6ドルと比較されるとまだ割安だ。
一方、この日のNY為替市場は、米商務省は06年1~3月、GDPが実質4.8%成長し、このうち70%を占める個人消費が5.5%増加したと発表したにもかかわらず、バーナンキ「利上げ一時休止」発言が尾を引いてのドルは売られ、1ドル=113.83円、1ユーロ=1.2626ドルで取引された。
もし円が投売り状態になれば、まさかと思うが100ドル原油時代になればどう対応するのだろうか。強い通貨を素直に喜べない日本という国のもうひとつの不思議がある。(了)
江嵜企画代表・Ken