ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

猪熊佳子・橋村誠聖人二人展

2008-01-31 12:39:21 | スケッチ


猪熊佳子・橋村誠聖人二人展

江嵜企画代表・Ken



 日本画家、猪熊佳子・木具師 橋村誠聖人二人展が、高島屋京都店(075-221-8811)で2月5日まで、開催されている。橋村先生の木具に、猪熊先生の絵を添えるという、画期的な試みが実現した作品を、一刻も早く見たいと朝一番で会場に駆けつけた。

 猪熊佳子先生に日本画の手ほどきを受けている生徒が、一人また一人と会場に顔を見せた。猪熊先生は、久しぶりの着物姿で、教え子たちと楽しそうに、話を交わしておられた。
会場の様子をいつものように、軽く、スケッチした。

 猪熊先生は、本来、決してひけらかして物を言わない。その同じ人が、今回の展覧会には、なにか期するところがあったようで、是非、展覧会を見に来て欲しいと、「教室」でも、かねてから話しておられた。猪熊先生は、 美しい木肌に筆を入れる緊張は大変だったと述懐しておられた。

 
 会場で、橋村誠人さんとも親しくお話を聞くことが出来幸いだった。樹齢数百年の杉の木が製材されたあと、数年乾燥させる。そのあとで制作にかかる。木の60%、70%は水分である。それが抜けるまで乾燥させる。気の遠くなるような世界である。

 今回の作品では、木肌が薄紅色の秋田杉の銘木と、赤みのある吉野杉を使ったそうだ。吉野杉は、淡山神社のご神木をわざわざ分けてもらったものだと言うからすごい。

 橋村さんから会場で、面白い話が聞けた。木の研磨材に木賊(とくさ)の茎を使う。木賊を、広辞苑で引くと、砥草の意とあるから、本来は、物を研ぐときに、とくさが使われたことがわかる。普通の研磨紙は、表面に石を使っている。当然、木肌に傷をつける。だから使えない。木肌を傷めないように植物を使う。理にかなっているではないかと、妙に感心した。

 話はこれで終わらなかった。木賊で磨いた後、椋(むく)の葉で仕上げするのだという。広辞苑によれば、椋の葉は、葉の表面がざらざらしていて、物を磨くのに用いると書いてある。何も知らなかった自分自身が恥ずかしくなった。

 極め付きはうさぎの話である。うさぎはねずみと同じで、ほっておくと、歯がどんどん伸びて物が食べられなくなる。そのため、うさぎは、自分の歯を削るために木賊(とくさ)を食べるのだそうだ。ひとはうさぎから学んだのだろうか。木具に命をかけておられる方の話は違う。知れば知るほど、自然の智恵の奥の深さに改めて思い致した次第である。

 猪熊佳子先生は、1956年京都で生まれた。現在、日展中心に精力的な作画活動を続けておられる。先日は、京都のさる子供センターに森の絵の大作を寄贈された。ご自身3人の子を持つ親でもあるが、子供のときから絵に対して親しみを、一人でも多くの人に持ってもらいたいとの想いから出ている。

 橋村誠人先生は、1959年、当代萬象の長男として京都で生まれた。ご自身絵にも書にも造詣が深い。橋村本家は、平安遷都のとき、奈良より皇室のお共をして京都に移住してきたという。今年、3月、晴れて萬象を襲名される。5月には個展開催の予定である。(了)

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米0.5%利下げ決定も、NYダウ37ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-31 08:29:57 | 経済学
 米FOMC(公開市場委員会)は、1月30日午後2時15分、短期目標金利であるFFレートを、0.5%下げ、年3.0%へ、公定歩合も、同じく0.5%下げ、年3.25%とすると発表した。同時に声明文を発表し、一読して、米金融当局が、現状をいかに厳しく認識しているかをあからさまに示し、3月予定のFOMCで、追加利下げを示唆する内容になっている。

 用意された声明文はB5判で10行程度の極めて短い中身である。冒頭3行に、金融市場は、依然として、厳しいストレスを受けていることから、家計部門など一部に、金詰りが強まった。さらに、労働需給緩和と同時に、住宅不振が進行していると指摘した。

 インフレがこの先数ヶ月続くと予想しており、FOMCは、インフレの動きを注意深くモニターするという文言を入れた。

最後のフレーズでは、先に実施した行動(大幅利下げ)と併せて、今回の措置は、穏やかな景気上昇と景気に対するリスクを和らげる助けになると期待している。しかしながら、成長の下振れリスク(downside risk)は残っていると指摘し、最後の2行で、引き続き、金融及びその他経済的効果を高めるために、一連のリスクに対応する必要があれば、FOMCは、タイムリーに行動すると結んでいる。

これを受けて、NYダウは、直後に、200ドル近く急騰したが、直後に急落、結局、前日比37ドル安の12,442ドルで取引を終了した。

FOMCの0.5%の追加利下げ決定の前に、米商務省は、07年、米GDPが、0.6%減少したと発表していた。インフレ率を勘案すると米国経済は、既にマイナス成長に入っているとのコメントをテレビ東京の番組で、一部、アナリストが話していた。

欧州系銀行、UBSが、サブプライムローン損失のからみで、07年10~12月期、140億ドル(ドル106円換算:1兆4,800億円)の損失を発表した。フランス最大の銀行、BNPが、07年10~12月、業績が42%減少したと発表したと今朝のWSJ紙は紹介している。

一方、NY外国為替市場では、米FOMCの発表後、ドルが対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4910ドルと、壁と見られた、1ユーロ=1.49ドルを一気に突破した。ドルの対ユーロ最安値は1ユーロ=1.4968ドルである。ドルは、対円でも売られ、1ドル=106.38円で取引された。米追加利下げとなると、金利差縮小からドル売りの流れが強まりそうだ。

日本人は相場の話を嫌がる人が多い。ただ、物事は、好き嫌いで動くほど単純ではない。植木鉢の下の丸虫やはさみ虫のように、ことが起こってから大騒ぎしないで欲しい。(了)

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ムンク展(兵庫県立美術館)

2008-01-30 10:54:44 | スケッチ


ムンク展(兵庫県立美術館)

江嵜企画代表・Ken



 「ムンク展」が、神戸市にある兵庫県立美術館(078-262-0901)で開催されており、楽しみにして出かけた。JR神戸線灘駅下車徒歩15分、阪神電車岩屋駅下車なら徒歩10分六甲山を背にして海側に向かって直進、緩やかな坂を下ると美術館の建物が目に入る。

 「ムンクの叫び」という、頬のこけた顔の絵の印象があまりにも強烈で、「あの人の絵はどうもね」、という人が結構多い。さにあらずである。3月30日まで開催されているから、時間の許す方は、是非一度、「ムンク展」へお運びいただきたい。

 「ムンク 愛のレクイエム」という映画の特別上映会を、同美術館ギャラリーで観賞する機会(1月25日)にも恵まれ、改めてムンクという画家の真骨頂を教えられた次第である。

 展覧会会場でスケッチをしていると、係員がすぐに飛んできてよく注意を受ける。たまたま椅子が置いてある前の絵を、覚悟の上で、スケッチを始めたが、お咎めもなく、ラッキーだった。「これがムンクの絵?!」という目を疑うような、明るい色調の絵が多数、並んでいた。

 スケッチした絵は1904年描いた「リンデ・フリーズ」の連作の一部である。ムンクは、1903年、ライプチヒにあるアトリエで、「絵を一緒に並べると、ひとつの交響曲になった。作品同士が響きあう。」という言葉を残している。ムンクは、作品群を「生命のフリーズ」と呼んだ。

 ムンクは、オスロ大学講堂、フレイア・チョコレート工場、オスロ支庁舎などの壁面に絵を並べている。オスロ大学では、ムンクの絵に囲まれて、ノーベル賞受賞式が行われたということも今回の展覧会ではじめて知った。

 チョコレート工場では、食堂の壁を、ムンクの絵が取り囲んでいる。会場に用意されたビデオ映像で、工場の従業員が食事する様子が紹介されている。そこには「頬のこけた」絵など一枚もない。色がなんと明るく、かつ優しいことか。見ていて、安らぎを覚える。

 ムンクは、1863年12月12日、ノルウエー、オスローで生まれた。父は医者、5人兄妹。5歳のとき母をなくし、8年後、14歳のときに、姉を結核でなくす。自らも胸を患うが奇跡的に助かる。特に姉の死が終生付きまとっていたようだ。

 病魔との闘い、死の恐怖が、ムンクの原体験として、ムンクの絵に色濃く浸み込む。有名な「叫び」の絵は、「絶望」、「不安」と言う三枚の絵の連作のひとつである。「叫び」だけが一人歩きしたことも今回はじめて知った。

 映画「ムンク 愛のレクイエム」(監督:ピーター・ワトキンス)では、恋人ハイベルグ夫人が、ムンクの人生と作品に大いに関わったことを教えてくれる。映画は、ムンクの青年期、恋人との愛の日々を生々しく伝えていた。ムンクは「日記」を丹念につけていた。この映画も「日記」に忠実に作られた。

 映画は、ムンクの絵が、彼が存命中、いかに悪評ふんぷんだったことも教えている。、個展を開くたびに、「ムンクの絵は落書きだ!!」、「個展会場を直ちに撤去しろ!!」とたたかれた。マスコミも悪評を煽った。ムンクは評判の余りの悪さにしばしば落ちこむ。絵を描き直す場面もリアルに映画は写していた。

 今回、神戸で開かれている、「ムンク展」には、オスロ市立ムンク美術館所蔵作品を中心にデッサンも含めて108点の展示は見事である。

 ムンクは「叫び」の絵一枚だけの画家ではない。ムンクは、装飾性にも優れた多くの作品を残し、今も、多くの人の心を癒し続けていることを教えられた次第である。(了)


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米住宅悪材料、米利下げ催促、NYダウ176ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-29 10:05:35 | 経済学
 米新築一戸建て住宅販売件数が、07年12月、12年来最も低い、600,400件、前月比4.7%減と、1月28日、米商務省は発表した。12月の新築平均価格は、一年前の301,900ドルから12%安い、267,300ドルと発表した。

 High Frequency Economics,チーフエコノミスト、Ian Shephderdson氏は、「この程度のデータでは、底打ちのサインにならない。販売件数も値段もこの先、数ヶ月、ダウンサイド状態が継続する。」と話したと今朝のWSJ紙は紹介している。

 NY外国為替市場は、米住宅データに敏感に反応し、米景気後退、追加利下げ期待から、ドルは対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4798ドルで取引された。ただ、対円では、1ドル=106.89円でまちまちの動きに終始した。ドルも弱いが円も弱い地合いが続いている。

 ただ、奇妙なことに、NYダウが値上がりすると日本円が反発する。NYダウが反発に転じた後、円を売ってドルを買い、買ったドルで米株を買う流れが復活したと今朝のWSJ紙は解説した。NYダウが上げれば円売り、ダウが下がれば円買いと決めているかのようだ。
 
NY株式市場は、住宅データ発表を受けて値下がりしてはじまった。悪いデータが出たことで、1月末開催の、米FOMCの会合での0.5%の追加利下げのお膳立てをしたとして、金融株が反発、連れて市場に安心感が広がり、結局、先週末比176ドル高の12,383ドルで取引を終了した。ただ、サブプライム問題があく抜けしたとの見方は、全く見られない。

  NY金先物市場で、金が急騰した。世界第二の産金国・南アフリカでの電力不足から工場閉鎖が続いている。米住宅データを見たあと、景気悪化、追加利下げ、ドル安の流れが再度、裏づけられたとして、金、プラチナ、パラジウムに買い物が殺到した。金相場は、一時、オンス史上最高値の929.80ドルを記録、先週末比16.40ドル高い、927.10ドルでこの日の高値圏での取引を終了した。目先、950ドルを目指すと投機筋が興奮している。

 NY原油先物市場では、様子見気分が強く、WTI(軽質油)相場は、バレル91.09ドル前後で取引された。中東産原油の主力油種である、重質油ブレント相場は、バレル91.51ドルとWTI相場を逆転した。週末のOPEC総会では新規の材料なしとの読みのようだ。 

 日本ほど金利に鈍感な国はない。金利が0.5%では鈍感にならざるを得ないだろう。米国は3.75%まで下げた。追加0.5%下げ後でも、なお3.25%である。ユーロ圏は4.0%で動かない。豪州は6.75%である。米ドル売り・豪ドル買いが見られたようだ。

 円は1ドル=100円を目指すとの声が出てきた。米景気鈍化、株安示唆かもしれない。(了)

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原油相場、景気後退から一部に67ドルの見方も(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-28 20:42:36 | 経済学
 1月28日付けのWSJ紙電子版に、一部原油専門家の見方として、米シカゴ、Alaron Trading Corp,アナリスト、Phill Flynn氏が、「原油相場(WTI)は、早ければ、ガソリンが不需要期に入る、今年3月なし4月に、バレル67ドルまで値下がりする」と大胆予測していると紹介した。

 同氏は、「米国経済は、既に、リセッションに入っており、米国以外の国々も、早晩、リセッション入りする。世界景気が後退すれば、原油需要は減少する。価格に圧力がかかる。それに伴い、過去5年間続いた、原油上昇トレンドは終わる。」と話している。

ただ、現時点では、2008年の世界の原油需要については、見方はまちまちである。OPEC(石油輸出国機構)は、08年1~3月期、日量87.4百万バレル,同4~6月期、85.6百万バレルと需要は落ちる。現在の原油高騰は、投機的な、作られた相場と見ている。

一方、国際エネルギー機関(IEA)は、08年1~3月期、88.2百万バレル、同4~6月期、86.7百万バレルと予測している。OPECもIEAも、今年に入ってからは、石油の需要見通しを修正していない。

在ニューヨーク、ドイツ銀行、チーフエコノミスト、Adam Sieminski氏は、2008年の原油相場(WTI)は、年間平均で、バレル85ドル、08年4~6月平均、バレル80ドルと予測している。原油相場は、世界景気のバロメーターだから、景気後退を予見している。

今週末、ウイーンで開かれる、OPEC総会を控えて、OPECは、原油は世界的に、十分供給されており、追加生産の必要はないとのスタンスを堅持している。原油相場の値下がりは、国家予算の枠組み変更を迫るから、OPECにとって、原油増産は禁句であろう。

NY原油相場(WTI)は、08年1月3日、バレル100.09ドルと過去最高値を記録した。その後材料で尽くしから、利益確定の売りに押され、高値から10%近く値下がり、バレル90ドル前後で推移している。下げても80ドル、高値圏での推移が予測される。

先日、ベルギー訪問の機会があり、途中、アムステルダム上空から見る街が、妙に暗いことに気がついた。空港からホテルまで、街が暗い為、車のヘッドライトが明るく感じた。オランダは電気を輸入している。徹底した節電が強制的に実施されていることが分かった。

それに引き比べて日本はどうか。電気も水も使い放題である。重油生炊きにより、温室栽培で出来た、季節はずれの野菜や果物が、店頭に山積みされている。日本人の常として、深刻な事態に直面して始めて、大騒ぎするのであろう。(了)

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玉村豊男氏、「父を語る」(玉村方久斗展)

2008-01-28 11:10:04 | スケッチ



玉村豊男氏、「父を語る」(玉村方久斗展)

江嵜企画代表・Ken



 玉村方久斗展が、京都国立近代美術館(075-7561-4111)で、1月8日から2月17日期間開かれている。方久斗(ほくと))と聞いて、自虐的な絵を描く日本画家と答えるひとも稀にいるが、一般にはほとんど知られいない。展覧会には140点の絵と雑誌など展示されており、見ごたえがあった。

 一方、玉村豊男氏は、おびただしい数の本を出し、テレビにもしばしば出演しておられる、俗に言う有名人の一人である。恥ずかしながら、この日まで、豊男氏は知らなかった。方久斗のことは、遠縁の吉田義三郎から、大昔、ちらっと聞いたことがあった。義三郎の長男、吉田勇から、玉村豊男氏が、講演すると聞いたので、楽しみにして出かけた。

 方久斗展を小1時間かけて、じっくり見た。講演は、午後1時半から始まり、質問入れて3時までだったが、豊男氏のひとことひとことに、父に対する熱い想いが、びんびん胸に響いてきた。

 豊男氏は、方久斗の8男で、末っ子。父を5歳のときになくしている。よって、母親から聞いた話が中心になる。方久斗は、絵を描くのが早く、旅先で、宴席を前にして描いた沢山の絵が、いま、全国で発見されている。絵を描いて宿代の足にもしたようだ。

 たまにお金が入ると、出版や宴席に使った。相撲取りを呼んだりもしたそうだ。絵の勉強もしたが、書の勉強もしていたようだ。方久斗が名を残した、「雨月物語」絵巻は、圧巻であるが、絵に添えられた字は、書のたしなみのない筆者が見ても、並々ならぬ風格を感じた。

 お金は、家計に入らなかった。余りに芸術家過ぎてお金がない。「絵描きにはなるな」というのが母親の口癖だった。その息子の自分が、絵描きになり、もの書きをしている、と豊男氏は、呵々大笑された。その笑顔が実に、すばらしかった。豊男氏が、いかに、おおらかに、日々送っておられることが、正直に笑顔に出ていた。

 方久斗がなくなる前、「そらで絵を描くな。よく見て描きなさい」といった言葉をよく覚えているという。「父がモノをよく見て絵を描いている姿は記憶していない」、とここでまた、笑顔が出た。 母親から聞いた話で、なくなる前の年に、「これからは、売れるような絵を描くからな」といったそうだ。方久斗は売る絵は描かなかった。

 面白いエピソードが紹介された。東京大空襲のとき、「防空壕にはいると死ぬ。おれは一人でも生き残る。生きてすばらしい絵を描きたい」と言って、母と大喧嘩になったと母親が話していたのを覚えているそうだ。

 方久斗は、京都なまりが抜けなかった。絵の仕事しか関心がなかった。東京に出て、3人の子連れの母と再婚した。母親は再婚して5人子供を生んだ。豊男氏は末子。神童の誉れ高かったという、すぐ上の兄は5歳で夭折した。兄が死んだとき懐妊したらしいので、兄の生まれ変わりだと母親が話していた。

 豊男氏は、大病をした。不思議と生還した。転んでクギが眉間に刺さった。ところが両目のど真ん中だったので事なきを得た。パリでの留学時代ふくめたびたびの事故や事件を無事切り抜けた。兄の生まれ変わりだと実感すると、話された。

 今回の「玉村方久斗展」は、大がかりな個展としてははじめてだそうだ。今回の展覧会をきっかけにして、方久斗の絵が見直されそうな予感がする。

 豊男氏は、明るいトーンの上下のスーツが実に良く似合う。現在は、長野県東部町に住んで、農業。執筆、絵と悠然と生きておられるそうだ。

 講演会場の様子を軽くスケッチした。ご婦人の客が多かった。(了)

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南アフリカ、電力不足材料に、金相場、一時、924ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-26 08:02:21 | 経済学
 ここ数日、眠っていた金相場が、目を覚ましたのか、突然、走り出した。1月25日、シカゴ商品先物市場で、一時、オンス924.30ドルを記録した。プラチナ、パラジウムも値上がりピッチを早めてきていると今朝のWSJ紙は伝えている。

 WSJ紙によれば、金相場反発に火をつけたのは、世界第2の産金国、南アフリカが、極端な電力不足に直面、この先数週間は操業停止を余儀なくされる事態に陥ったためのようだ。

プラチナも値を上げ、4月先物で、史上最高値、オンス1700ドルに迫る、1,660ドルまで上昇した。南アフリカは、世界のプラチナ生産の80%を占めている。金以上に南アフリカの電力不足による操業一時停止は相場に即響くようだ。

金相場の値上がりは、南アフリカでの電力不足に加えて、米FRBが、1月末のFOMCの会合で追加利下げするとの思惑が底流を流れていることが影響している。この先、米国で利下げが一段と進めば、ドル先安必至との思惑が相場を支えている。

米国発のサブプライムローン問題懸念から米国株式の混乱、それが世界同時株安に発展した。投資家の不安心理から、900ドルを突破したところで、換金売りが出て、一時、オンス840ドル台まで値下がりしていた。それがここへ来ての急反発である。

一方、1月25日、NY原油先物(WTI)相場も、バレル1.42ドル上昇、90.86ドルで取引された。一時、バレル91.23ドルまであった。重質油のブレント相場もバレル1.65ドル上昇、90.72ドルと再び、90ドル台へ戻してきた。ドル先安を見越した動きと思われる。

1月25日、WSJ紙は、世界最大の重機メーカー、キャタピラー(Caterpillar)社の07年10~12月期決算と2008年業績見通しを紹介した。10~12月、北米地域は、11%減少したが、海外で稼ぎ、11%増益と発表した。2008年については、米住宅不況から、建設機材の低迷で、米国は1.5%増を1%増に下方修正、欧州は微減の2.3%増と、欧米での低迷が続くと予測した。ただ、欧米以外では、特に、石炭など鉱物資源開発が活発で、米国を除く地域全体では8~13%増加すると予測した。世界景気の先行きを占う指標として参考になる。

米国が、利下げを継続する一方、景気刺激策を同時に実施すれば、米国の機械需要のサイクルは、2008年でボトムをつけるとキャタピラー社は予測した。利下げ継続ならドル安、ドル安なら海外での稼ぎが増える。米多国籍企業は、ドル安を歓迎している。

日本ひとり、落ち込んでいるだけでは済まされない厳しい状況に直面していると思われるが、昨今特に、日本発の明るいニュースが見当らないのは、眞にさびしい限りである。(了)

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ビッグ5(BRICS+南ア)経済チャート(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-25 13:20:05 | 経済学
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 1月24日のWSJ紙に、Big Fiveのタイトルで、ブラジル、中国、インド、ロシアに加えて南アフリカの経済チャートが出ていた。大きく躍進してきた開発途上国だが、今回のサブプライムローン問題が水を差す危険性がある。

 スイスのダボスで開かれる、経済フオーラムで、デカップリング(Decoupling)問題がテーマになると伝えていた。デカップリングとは、開発途上国が先進国に対する依存度を減らすことである。

 ところが、米国発のサブプライ問題を契機として、株が暴落、それが開発途上国に波及する懸念が出てきた。米国がこければ、中国とインドをはじめこのところ躍進が目立つロシアを含めても米国の消費が減速に向かえばたちまち窮地に追い込まれると記事は指摘していた。

 1月24日、NYダウは、ホワイトハウスが発表した、1500億ドルの景気対策を米議会が支援するという動きが出てきたことを歓迎して、前日比108ドル戻し12,378ドルで取引を終了した。投資家に買い安心感が出てきた兆しである。

 1月24日、NY外国為替市場では、ユーロが、対ドルで、買い戻され、1ユーロ=1.4769ドル前後で取引された。ECB(欧州中央銀行)総裁が利下げ拒否の姿勢を鮮明に打ち出したことが背景である。ユーロは対円でも買われ、1ユーロ=158円台まで戻した。

 1月24日、NY原油先物(WTI)相場は、バレル2.32ドル上げ、89.31ドルで取引された。米FOMCがさらなる利下げを迫られることを材料に、利下げはドル先安の読みで、投機資金が再び商品市場に流れ込んできた。 1月24日、NY金先物相場は、原油相場と同じ流れで、オンス29.20ドル急騰、912ドルまで戻した。

 ダボス会議は、日本ではほとんど話題されない。世界の政治家、財界人が大きな関心を持って集まる会議で、米国発の株安、それが開発途上国の命運も左右するとの視点で真剣な議論が予測される。(了)


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米国金利は何処まで下がるのか(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-24 14:43:01 | 経済学
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 1月23日のWSJ紙に、ここ20年間の短期の目標金利の
推移が出ていた。米国金利は何処まで下がるのであろうか。

 1月23日のNYダウは、取引開始早々から様子見から
300ドル近く値下がりしていたが、サブプライム問題で
株価が1/7まで値下がりしていたAmbacが72%、MIBIAが
33%値上がりしたをきっかけに、その他金融株に波及、
J.P.MorganChase株が12%値上がりした。

 投資家に、安心感が広がり、結局NYダウは
前日比298ドル高の12,270ドルで取引をア終了した。

 サブプライム問題は本復していいない。米景気後退は
確実に進んでいる。原油相場はこのところおとなしく
しているが、バレル90ドル手前で高値圏にある。インフレ
懸念は消えていない。失業率は5%まで上昇してきた。

 米GDPの70%を占める米個人消費の先行きに警戒
信号が点滅している。 Merril Lynchは、1月22日、
2008年のはじめの3四半期(1~9月)景気後退が
続くとレポートを出した。

 ところが、株式市場は、痺れを切らしたのか、今回の
緊急利下げ0.75%に追いかけて、1月末の米FOMCの
会合で0.5%の追加利下げを折り込み始めた。

 米FOMCは、祝祭日の1月20日にバーナンキ議長は
休日出勤して各理事と協議、翌1月21日に予定外の
ビデオ会議を開き、緊急利下げを決めた。

 理事の一人、William Poole氏は、1週間待って正式の
米FOMCで決めればいいと発言した。理事のひとり、Mishkin氏は
週末にかけてスキーに出かけており参加できなかった。いかに
ばたばたと召集をかけ、あわただしく緊急利下げという結論を
出したと今朝のWSJ紙は裏話を生々しく伝えた。

 バーナンキ議長は、緊急利下げを、日本、英国、カナダ、
ECB(欧州中央銀行)に電話で事前に伝えた。カナダ中央
銀行のみ米国に協調して0.25%利下げを実施した。

 英国は追加利下げを示唆した。しかし、ECBは、トリシエ
総裁はインフレ懸念を盾に利下げに断固反対している。

 米FOMCは、1月29/30日のあと、3月18日、4月29 /30と
続き、6月24/25 ,8月5日、9月16日、10月28/29、12月
16日と会合予定は決まっている。

  WSJ紙のGreg IP記者は、1月23日の記事で、
1月末に0.5%下げれば3%になる。年末までに2%まで利下げ
することになるだろうと予想している。

 今回の住宅バブル崩壊は、支払い能力の乏しい借り手に
お金を貸した。家の値段が上がれば返済余地が生まれる。
いまだ住宅の値段は下げ続けている。話は簡単で、150万軒
ともそれ以上ともいわれる大量の売り物件が控えているからだ。

 現役時代、「余り物に値なし」ということばをしばしば
耳にした。下げ相場になれば下手に動くと逆効果になる
という話も聞いた。腹が空けば、自然に食欲が出てくる。

 サブプライムローン問題は人間の病気で言えば
悪性のガンである。早期に発見、早めに利下げして
処置しておけば、ここまで苦労しなくて済んだといわれる。

 病気と経済は同じで、手遅れになると、本復までに
時間がかかる。家族も含めて、あまり周りが騒げば、
本来治る病気も治らなくなる。ここまで病状が悪化すれば、


 性急な大幅利下げはモルヒネと同じである。モルヒネは
一時的に患者(投資家)の痛みはとってくれるが、からだ
(経済)にガン細胞(サブプライム問題)が息づいている限り
本復はほど遠いであろう。

 米FRBも1月末に仮に0.5%追加利下げすれば3.0%である。
残されたカードは少ない。(了)

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米0.75%緊急利下げ、NYダウ128ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-01-24 00:46:18 | 経済学

米FOMCは、1月末の会合を待たずして、短期の目標金利であるFFレートを、0.75% 緊急利下げし年3.5%とすると発表した。1月22日、NYダウは、取引開始早々前日比460ドル近く暴落していたが、サプライズ利下げで持ち直し、前日比128ドル安の11,971ドルで取引を終了した。

サブプライムローン問題は、この程度の利下げでは、本復しないとの投資家の率直な気持ちがNYダウに反映している。10年物国債は値上がりした(利回りは低下)。月末のFOMCの会合で、さらに0.5%の追加利下げを、マーケットは早くも催促している。

NY外国為替市場は、米FOMCの緊急利下げに対して、ドルは、対ユーロ、日本円共に値上がりし、1ユーロ=1.4618ドル、1ドル=106.66円前後で取引された。対ユーロでのドル反発は、ECB(欧州中央銀行)が、米利下げで、早ければ3月利下げを迫られるとの思惑が背景にあるようだ。信じられないことだが、日銀に0.5%から利下げを迫る声が出始めた。

NY原油先物(WTI)相場は、米緊急利下げに伴い、米国での原油消費減少に歯止めがかかるとの思惑から、バレル72セント戻し、89.85ドルで取引された。ただ、年初バレル100.09ドルと100ドル突破とした時の勢いはない。

NY金先物相場も、緊急利下げを受けて買い戻され、前日比28ドル高い、890ドルで取引された。銅、錫、アルミなど非鉄金属相場も連れ高した。ただ、原油同様、あくまで売られ過ぎの買戻しの域を出ていない。金についても、900ドル突破、1000ドルを目指すとした年末の勢いはない。

今朝の米CNNテレビを見ていると、緊急利下げはサプライズだったようだ。しかし、これで問題が解決したと見る専門家はいない。今朝のWSJ紙には、米FOMCの今回の緊急利下げに対して、内部で政策に混乱が起きているのではないかと危惧する見方もあった。

CNNテレビを見ていて、シカゴの個人投資家の一人が、マイクに向かって、「バーナンキは、責任を果たしていない。いまアメリカに必要なのは、葬儀委員長ではない。救急車のドライバーだ。」と発言していた。

WSJ紙のブログ書き込み欄を読んでいると、緊急利下げを歓迎する声は多い。ただ、「米国は、輪転機を回して、ドル札(ペーパードル)を増やしては、利下げを繰りかえす。ドルは張子のトラだ。目先の株式市場の動きに捉われて、長期的視点がない」と批判していた。

福田首相は、株暴落を「注目している」と語った。注目するだけでは誰でも出来る。(了)

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