「ギリシャ危機は欧米が新興国に追い抜かれる時代の序章か」と小見出しをつけ、近着のニュ―ズウイーク誌日本版に、ラ―ナ・フォル―ハ―記者(ビずネス担当)が、ギリシャ債務問題に絡めて、「世界経済の上下が逆転する」とのタイトルで、「イギリスもアメリカも笑っておれませんよ。」と書いていた。
「最近のヨーロッパでは失態が続いている。第一の誤りが、ギリシャが途上国並みの高い利回りの国債を発行した。ヨーロッパの上をゆく「劣等生」イタリアの債務はギリシャの5倍、破産寸前にある。ドイツは近隣諸国救済に嫌気してユーロから離脱しようとしている。イギリスの債務は、過去8年間急速に膨らんだ。アメリカ政府はリスクの高い株式を大量に保有している。これに対して貧困国は、より安全な米短期国債を保有している。短期国債の57%は外国が保有している。」と指摘した。
「メキシコやポーランドの方が、ギリシャより信用格付けは上だ。IMFは融資財源を7,500億ドルへ3倍に増やしたが、中国の外貨準備高はIMFの3倍の2兆4000億ドルである。アメリカの高速道路は老朽化し、携帯電話の電波は途切れがちだ。新興国の消費者は、ようやくお金を使いはじめた。ギリシャのような小国に投資してビズネスを始める人なんかいない。」と書いていた。
「16世紀以前は、中国とインドが1人当りGDP(国内総生産)で、ヨーロッパを上回っていた。19世紀にヨーロッパが逆転した。この両者の関係が再び逆転しつつある。50年には中国、インドなど新興国が世界経済に占める比率は60%に達する。欧米の大企業が上海やムンバイへ有能な重役を送り込むのは当然だ。」と書いていた。
ニュ―ズウイーク日本版最新号は、「ゴールドマン叩きの罠」のタイトルで、ファリ―ド・ガリア国際版編集長が、ゴールドマン・サックスに批判が集中しているが、感情的なバッシングは、アメリカの金融規制をゆがめると警告する記事を掲載していた。
29日のNYダウは、122ドル高、11,167ドルで取引を終了した。NYダウ急反発は金融株高がリードした。問題のゴールドマン株は前日の153ドルから160ドルへ急反発した。米FRBが実質ゼロ金利を長期に据え置くと声明文で確認したこととSECがゴールドマンを詐欺容疑で提訴、米上院公聴会も追求したがネズミ一匹出て来ないと見たのであろう。
EU委員会は29日、近日中に、ギリシャ支援策でEU,IMF、ギリシャで合意に達すると発表した。NY外国為替市場で1ユーロ=1.32ドル台(124円)へ小幅反発したにすぎない。ポルトガル、スペインに続きイタリアにまでギリシャに始まった財政破たんのドミノ倒しが続くと「水鳥」は見ているのであろう。日本はどうするかが見えて来ない。(了)
「最近のヨーロッパでは失態が続いている。第一の誤りが、ギリシャが途上国並みの高い利回りの国債を発行した。ヨーロッパの上をゆく「劣等生」イタリアの債務はギリシャの5倍、破産寸前にある。ドイツは近隣諸国救済に嫌気してユーロから離脱しようとしている。イギリスの債務は、過去8年間急速に膨らんだ。アメリカ政府はリスクの高い株式を大量に保有している。これに対して貧困国は、より安全な米短期国債を保有している。短期国債の57%は外国が保有している。」と指摘した。
「メキシコやポーランドの方が、ギリシャより信用格付けは上だ。IMFは融資財源を7,500億ドルへ3倍に増やしたが、中国の外貨準備高はIMFの3倍の2兆4000億ドルである。アメリカの高速道路は老朽化し、携帯電話の電波は途切れがちだ。新興国の消費者は、ようやくお金を使いはじめた。ギリシャのような小国に投資してビズネスを始める人なんかいない。」と書いていた。
「16世紀以前は、中国とインドが1人当りGDP(国内総生産)で、ヨーロッパを上回っていた。19世紀にヨーロッパが逆転した。この両者の関係が再び逆転しつつある。50年には中国、インドなど新興国が世界経済に占める比率は60%に達する。欧米の大企業が上海やムンバイへ有能な重役を送り込むのは当然だ。」と書いていた。
ニュ―ズウイーク日本版最新号は、「ゴールドマン叩きの罠」のタイトルで、ファリ―ド・ガリア国際版編集長が、ゴールドマン・サックスに批判が集中しているが、感情的なバッシングは、アメリカの金融規制をゆがめると警告する記事を掲載していた。
29日のNYダウは、122ドル高、11,167ドルで取引を終了した。NYダウ急反発は金融株高がリードした。問題のゴールドマン株は前日の153ドルから160ドルへ急反発した。米FRBが実質ゼロ金利を長期に据え置くと声明文で確認したこととSECがゴールドマンを詐欺容疑で提訴、米上院公聴会も追求したがネズミ一匹出て来ないと見たのであろう。
EU委員会は29日、近日中に、ギリシャ支援策でEU,IMF、ギリシャで合意に達すると発表した。NY外国為替市場で1ユーロ=1.32ドル台(124円)へ小幅反発したにすぎない。ポルトガル、スペインに続きイタリアにまでギリシャに始まった財政破たんのドミノ倒しが続くと「水鳥」は見ているのであろう。日本はどうするかが見えて来ない。(了)