ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

原子力発電について考える(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-30 13:10:37 | 経済学
 友人のKさんから「地域ワークショップ 京都」、「共に語ろう 電気のごみ~もう 無関心ではいられない~」(資源エネルギー庁、原子力環境整備促進・資金管理センター主催)がハートンホテル京都で開かれるが時間が許せばいかがですかと案内をいただいたので出かけた。
 朝9時からはじまっていた肝心の講演と講義は終っていた。なんとか「ワークショップ」には途中からの参加となった。食わず嫌いで出不精を決め込んでいると進歩がないと常々思っている。今回も出かけて行っていろいろな立場の方の意見を聞くことが出来幸いだった。
「電気のごみ」とはなにか。要するに原子力発電から出る放射性廃棄物のことである。
 資源エネルギー庁が平成20年11月にまとめた「原子力と放射性廃棄物の地層処分について」という冊子と「電気を使うすべての人に読んでほしい」というタイトルの原子力発電に関する啓蒙のためのパンフレットと「原子力発電四季報」(電気事業連合会広報部)最新号が配布された。
 ワークショップは各班7~8名の5班に別れて討論の後チーフがまとめて発表する形式が取られた。
 A班は、原子力発電そのものに関する知識がない人が多い。それが電力会社に対する不信感を招いている。反対、賛成の場をもっと作ってもらいたい。原子力発電は「危険であること」と「必要であること」のギャップを短縮することが先だと話した。
 B班は、原子力発電の必要性と「なぜ大丈夫なのか」の議論が不足していると指摘した。不安は解消しないとなれば、お金(交付金)をどう受け入れるのか。地域としての使い道についてストレートに入ったほうがいいと発言した。
 C班は、はじめに原発ありきはおかしい。原発は減らすべきだと主張した。何が不安か?何が危険か?これすらわかっていない。知事から市民の合意へ進めても、市民同士の対立がいやだ。霞が関の地下に放射性廃棄物を埋めたらいいとう意見も出たと紹介した。
 D班は、廃棄物処理費用が電気料金に既に含まれていると初めて知った。電気事業者は電気代の内訳を具体的に出すべきだと指摘した。廃棄物を関電の地下に埋めるべきだという声も出たと紹介した。
 E班は、第一に都道府県レベルで放射性廃棄物の問題点を認識していない。真剣に考えるべきだ。第二に、電気は使うが負担はしないでは通らない。原子力発電の問題を自分の責任として考えることが先決だろうと発言した。
 資源エネルギー庁の資料によれば、オイルショック前(1973年度)では発電電力量シエは石油71%原子力2.6%、一般水力16%だった。2007年は石油12%、原子力25.4%、石炭25%、LNG27%水力7%と変化した。原子力なしには日本の電力供給は成り立たない。
 高レベル放射性廃棄物は火山ガラス固化体に閉じ込めて地下300メートルに埋められるため問題ないとされている。子孫は果たして大丈夫か。庶民レベルでの不安はなくならない。
 電気は使う。廃棄物は受け取らないでは問題解決しない。その一方で、はじめから原発ありきでもいいのか。代替エネルギー拡大の道はないのか。多くの課題を残している。(了)

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NY為替ドル95円、ユーロ=121円、NY原油54ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-29 08:17:15 | 経済学
 「女に数学をやらせなさい」とニューズウイーク(日本版)(12月3日号)で、サイエンス担当のシャロン・べグリーさんは「劣ると言い続けるから劣る」と書いている。お前はだめだと子供の頃から親に言われ続けた子供が明るく育ったためしがないのと同じである。
 べグリーさんは、「脳の左半分が体の右半分、右半分が体の左半分をコントロールするというのも間違いだったことが最近のハーバード大学医学部の研究でわかってきている。」「社会的要因が脳の機能自体にも強い影響力を及ぼす」と書いておられる。
 花の絵をスケッチしていると、花も自分が喜んで描いてもらっているのが分かるのであろう。描いているうちに花が活き活きしてくるような感じになるから不思議である。以心伝心という言葉があるが、花も生き物だから、褒められて喜ばないはずはないと思う次第である。
日本人は情報に限らず頂き物をしても感謝の気持ちを素直に表せない人が多いが、人を褒めることもしない。素直な人は、すごいですね、なるほど、面白いですねと連発する。褒められて怒るひとはいないと先日さるセミナーで下川浩二さんから聞いた。
昭和シエルと出光興産が、原油価格急落を受けて、ガソリンの卸値段を12月1日以降値下げすると発表した。石油情報センターは、11月25日時の全国のレギュラーガソリン平均店頭価格はリッター127.9円と発表した。先日有田市で118円の看板を見かけた。
ガソリンの値段が下がったのは原油の国際相場下落と円高のお陰である。ところが日本の新聞では「デフレ再来懸念」と心配事が増えたと捉える。資源の99%を海外に依存している国が、国際相場が下がり自国通貨の値打ちが上がることがマイナスであるはずがない。
先のニューズウイーク(日本版)で、日本企業が円高を武器に海外企業のM&A(買収)を急増させていると前向きに評価した特集を組んでいる。例えば、二ユージーランド清涼飲料2位のフルコアを買収したサントリー佐治社長は「円高はチャンス。」と明言していた。
豪州炭鉱大手ニューサラジを買収した三菱商事はじめNTTドコモ、東京海上,ヤマハ、カゴメ、東芝、オンワード、武田、三菱レイヨンなど業種も多岐にわたっている。欧米ファンドと比べ日本企業は長い目でM&Aを捉えていると海外の評価も高いという。
11月28日、NY外国為替市場では、1ユーロ=1.2645ドルとユーロが対ドルで売られた。ユーロは1ユーロ=121.36円で取引された。WSJ紙は、この日のユーロ売りは、EU統計局が11月のインフレ率が10月の3.2%から2.1%へ低下との発表が響いたと書いた。
ECB(欧州中央銀行)はインフレ懸念から政策金利を高止まりさせていた。原油はじめ食糧の国際相場下落でインフレ懸念という箍がはずれ、利下げ余地が生まれた。利回りからみてユーロが買われにくい地合いがこの先も続くと見る専門家は多い。
NY原油先物市場では、OPEC臨時総会を控えて、様子見からバレル54.43ドルで取引を終了した。7月につけた史上最高値145ドルから90ドル近く安い。これ以上の価格下落はなんとしても避けたい。世界的な需要減とOPEC減産幅との綱引き状態が続いている。
「円高を悪、円安は善」と日本人の脳に刷り込まれた時代が戦後60数年続いた。「円高は善、円安は悪」と辛抱強く唱えることによって初めて呪縛から解き放たれるであろう。GDPの60%は個人消費が占める。政治家は民のふところが潤う政治を心掛けて欲しい。(了)

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神戸ワイワイ会:有田民宿「登喜輪」(スケッチ&コメント)

2008-11-28 15:23:34 | スケッチ


神戸ワイワイ会:有田民宿「登喜輪」

江嵜企画代表・Ken



 従兄姉がお世話している「神戸ワイワイ会」で「温州みかん」産地、有田(ありだ)へみかん狩りに出かけた。二日目は有田川の河川敷でグランドゴルフを2ゲーム3チームに分かれて楽しんだ。
 総勢18名(男10名女8名)のやや小ぶりのバスツアーとなったが、82歳(男2名)を頭に阪神青木(おおぎ)駅近くの無量寺前を午前11時半に出発した。バスに乗るなり缶ビールが配られ早くも「ミニ宴会」である。「湾岸高速」に乗ると途中トイレ休憩を挟んでも1時間半で早や有田川である。
 ご婦人メンバーのKさん手料理のちらし寿司が全員に用意され車の中でのお昼ごはんとなった。お酒もつまみも有志の寄付である。一泊二食つき神戸・有田二日間貨切り送迎バス占めて@11,000円はお値打ちだろう。
 さる農園でみかん狩りがはじまった。お代は@600円である。予算どおり食べきれるものでない。4~5個食べて落城した。店先に一袋15個は入っているだろうか、みかんが400円で売られていた。
 ヤフーのブログに「みかんの歴史」(御前明良氏)が詳しく出ていた。有田地方は400年余りの栽培の歴史があるという。特に紀伊国屋文左衛門のみかん舟は広く知られている。
 みかんがあらためて脚光を浴びたのは、温州みかんの果肉に含まれる色素の
「ベータ(β)・クリプトキサンチン」にガンの抑制作用があることを農林水産省果樹試験場が発見したことがきっかけとブログにあった。
 民宿「登喜輪」についた後恒例により早速スケッチした。紀州の山並みを背景になぎのように穏やかな海が広がっていた。軽く風呂に入ったあと、夕食までにまだ時間があると言って「小宴会」がはじまったところをもう一枚スケッチした。
 「本宴会」は午後5時半から前倒しで始まった。頃はよしと見はからったように一人二人と舞台に上がりカラオケ大会である。お開きの9時まで歌い踊った。年齢は関係ない。男女ともみなさん活き活きしている。
 食事は特に鯛の活き造りが良かった。有田はみかんどころであるが、魚も、とれとれだから実に美味い。
 旅は道づれ世は情けと言うではないか。70,80と齢はとっても、気心の知れた仲間との団欒は、人生の醍醐味のひとつである。(了)




神戸ワイワイ会:団欒「磯の間」

江嵜企画代表・Ken

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米公的資金注入拡大でドル95円、原油50ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-26 13:31:10 | 経済学
 日本政府観光局(JNTO)が11月25日発表した今年10月の日本を訪れた外国人の数が前年同月比5.9%減、73万9千人で、最も訪日数の多い韓国が15.2%減ついで米国14.3%減、中国5%減と今朝の日本の新聞に出ていた。特に韓国は7,8,9,10月と連続で減少、9月以降2桁減が続いている。
 なぜ韓国から特に減ったのか。金融危機、消費マインドの低下などいろいろな事情が指摘できるだろうが、10月時点で韓国ウオンが対円で40%安くなったことが影響したと思われる。11月に入ってからも韓国ウオンは下げ続けている。
11月25日のNY外国為替市場では、1ドル=95.27円で円が対ドルで値上りした。一方、韓国ウオンは値下がりし、1ドル=1500ウオンで取引された。手数料を無視すれば95円出せば1500ウオン買えることになる。韓国の方の身に立って日本人も考えるべきだろう。
今朝の日経一面に『店頭値下げ広がる』の見出しで、食品などで店頭価格を引き下げる動きが広がっていると出ていた。つい3~4ヶ月前までは原油ガソリンが天井知らずで騰していた。それが9月15日のリーマンブラザーズ倒産を境に急落、今朝のNY原油先物市場では前日比3ドル安いバレル50.91ドルで取引された。正に様変わりである。
原油安に引きずられ、前日上げた小麦、大豆、トウモロコシの相場も上げた分をそのまま吐き出した。銅もアルミも値下がりした。日本は資源の99%を海外からの輸入に依存している。資源が下がり、自国通貨の値打ちが上がればそれだけ国は全体として豊かになる。
日経朝刊によるとカレールー、アルミホイル、インスタントコーヒー、ビスケットクッキーがピーク時の値段と比較して値下がりしたと出ていた。日本のGDPの60%は個人消費が支えている。個人が消費を増やさないと景気はよくならない。
仁徳天皇が村々の釜戸の火が立ち昇る様子をご覧になって人々の生活が賑っていると喜ばれたという有名な話がある。お隣の韓国は、韓国ウオンの値打ちが急落し、海外旅行どころでない深刻な事態に陥っている。日本は円高、資源安である。感謝こそすれなにが不満かと常々思う。最近の日本人は感謝することを忘れてしまった。不平不満は健康にもよくない。
今朝のNY外国為替市場では、ドルが売られ、1ドル=95円台で取引されたことは先に触れた。その他の通貨では、1ユーロ=124円、1豪ドル=62円、1NZドル=52円、1英ポンド=147円と基調としては円高傾向が続いている。
NY株式市場では、2日続けて大幅に値を上げた反動といい材料と悪い材料とが綱引き状態にあり、様子見気分から前日比36ドル高、8,480ドルで取引を終了した。ただ、ヒッユーレットパッカード5.9%、シスコシステム6%など大きく値を下げた銘柄も目立った。
米FRBが住宅ローン市場テコ入れに最大8,000億ドル(77兆円)の金融支援をすると発表した。輪転機をフル回転させてドル札をばら撒くことになるから当然先で副作用が出てくるに決まっている。
たかが相場。されど相場。米FRBの巨額公的資金の相次ぐ投入で今朝NY市場でドルが売られた。ドル先安と読んで、NY金先物市場で金相場は一時トロイオンス834ドルで取引された。悲観論も程ほどにして円高で値打ちが出てきた円をどう生かすか考えたい。(了)

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米シティ救済策好感、NYダウ396ドル高、原油54ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-25 10:16:14 | 経済学
 今朝のWSJ紙電子版によると11月24日、米政府がシティーグループに対して追加250億ドル支援を含む救済策発表を好感して、NYダウは一時500ドル以上上昇した。ただ引けにかけて急速に値を下げ先週末比396ドル、4.9%高い8,443ドルで取引を終えた。
 NY原油先物市場も一連の景気対策を好感してバレル4.61ドル値上り、54.60ドルで取引された。ガソリン、灯油もつれて値上がりした。今朝のブルームバーグニュースのテレビ画面に2ドル近辺まで下げていたガソリン店頭価格が2ドル22セントまで値を戻していた。
 NY金先物市場も先週末比オンス21ドル上げ821ドルで取引された。プラチナは858ドル、銀は10.49ドルへそれぞれ値上がりした。銅などその他金属相場も値上がりした。穀物相場も小麦、大豆、トウモロコシいずれも値上がりしている。
 一方、NY外国為替市場では、ドルが対ユーロで売られ、1ユーロ=1.29ドル台で取引された。NY株高を受けて、ドルは対円では買われ、1ドル=96.84円で取引された。
NY債券市場では、新規入札不調と株高、資源高の流れを受けて資金が流失して値を下げ、利回りが上昇、2年物で1.20%台、10年物で3.33%台へ上昇した。
WSJ紙によると、この日のNYダウの上げは、金融株と資源株上昇がリードした。シティは先週一時、3ドル割れの場面まであったが、60%近く値を戻し、5.95ドル台で取引された。JPモルガン21%、バンクオブアメリカ27%それぞれ値上がりした。
ブッシュ米大統領は「オバマ次期米大統領と緊密な協力関係を続け困難に直面しているその他の金融機関も支援する」と語ったと報じた。オバマ次期大統領はガイトナー氏を財務長官、サマーズ氏を国家経済会議委員長に指名後、局面打開に向けて迅速に対応すると語った。
 WSJ紙によると、シティグループは、世界106ヶ国、2億人以上の顧客を有する世界で最もよく知られている金融機関である。シティの株価は一年前は60ドル、それが年初に30ドルまで値下がり、あと五月雨的に下げ続け3ドル割れまで売られていた。
シティが発行している金融債残高は1000億ドルある。それが先週末50億ドル、週明けの月曜日、25万5000ドルまで時価総額が急落していた。シティ首脳と米政府関係者とのマラソントークは金、土、日曜日の朝まで続き、米政府がシティの損出の一部を肩代わりすることに同意したとWSJ紙が紹介していた。
今朝のブルームバーグニュースによれば、米国の実体経済は何一つ改善していないと伝えていた。10月の米中古住宅販売実績は498万件で前月比3.1%減、前年同月比11.3%減少、1968年に統計を取り始めて以降最大の下げ幅だった。7~9月期の米GDPは0.5%減と2001年来最大の減少幅となる見込みであると伝えていた。
WSJ紙は、シティを救済すれは問題山積のその他の金融機関が次々救済を求めてくる。GM救済策も全く具体化していない。クリスマス商戦も未知数だと指摘している。NYダウが一時500ドル上げてあと引けにかけて失速したところに投資家心理が出たかもしれない。
肝心の日本はどうか。政府の景気対策は迷走を続ける。世界的金融不安に巻き込まれた各種施設、大学に財政破綻の可能性も出てきた。たかが相場、されど相場。一つ間違うと経済問題は命取りになりかねない。後の祭りとなる前に今一度身の回りを見直して欲しい。(了)

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「源氏物語の愉しみ方」:森田登代子氏 (スケッチ&コメント)

2008-11-24 11:40:25 | スケッチ


「源氏物語の愉しみ方」:森田登代子氏

江嵜企画代表・Ken



 西宮神社会館で「『源氏物語』の愉しみ方」と題して、森田登代子氏(国際日本文化
センター共同研究員、桃山学院大学・京都女子大学非常勤講師)の講演会が11月22日、午後2時から開かれるという案内をいただいたので出かけた。
 恒例により会場の様子をスケッチした。お見受けしたところ70歳代前後の方が多かった。一人私語を最後まで続けたご婦人を除いては熱心に話を聞いておられた。
 西宮文化協会講演会で『源氏物語』をとりあげられたのは始めてだそうだ。今年は『源氏物語』千年紀にあたる。宝塚大劇場(0570-00-5100)で公演中の『夢の浮橋』を当文化協会会長の吉井貞敏さんはフットワークがいい、この日の講演の前日見てこられたというからさすがである。
  講師は現在も32歳の重度障害児をお持ちの母親でもある。ヘルパーさんに気軽に頼めるようになったお蔭で少しは手がかかりにくくなった。もともと専門が「近世」でなぜ『古代』なのか。1000年前と近世がつながっているからだという。氏は40歳を過ぎて博士号を取られた。京大を定年退官された多田道太郎先生との出会いのお蔭だと話された。お陰という言葉を二度使われた。
 現在、「チベットの文化と歴史について」講義しておられる。チベット文化と『源氏物語』が又つながっている。『源氏物語』は日本文化のあらゆる領域に深く影響している。日本の生活文化の基層をなしていると表現された。
 「源氏の君の女性遍歴の話と思ったら間違いです。源氏は仕事が出来、高貴性と人間臭さという両極端を持ち合わせた男性だった。ドンファンと言う表現よりストーカーに近い」という言葉を森田さんは使われた。
 『源氏物語』は人生経験を踏んでから読むと一層味わい深い。いまでは『源氏物語』にすっかりのめりこんでしまった。作者の紫式部なる人物は尋常でない博覧強記だったという。「博覧強記」をあらためて広辞苑で引いた。「ひろく古今東西の書物を見て物事をよく覚えていること」と出ていた。
 作中人物の情念や心理描写の巧みさ、ことばの深遠さについて、プロジェクターで「源氏絵」(大和絵)を写しながら『若菜』『柏木』『横笛』などの場面を解説された。
 出産場面がある。当時は座産だったという。 ひとがなくなると庶民は直ちに土葬された。「もがり」の信仰があり高貴な人は死後しばらく放置された。当然ウジが沸く。紫の上は死んだらすぐに火葬してくれと強く望んだ。若い男性と年上の女性との激しい性愛描写も出てくる。氏は「『源氏物語』の愉しみ方」の一つと訴えたかったのかなと勝手に想像した。
 大和絵の江戸時代の解説でもわざとはずしている絵がある。自分でインテリだと思い込んでいる日本の男性ならやりかねないなと話を聞きながら思った。
 『源氏物語』が敬遠された理由の一つに学校での授業が楽しくなかったこと、テスト用に棒暗記させられたことも影響していると話され大いに納得した。
 注釈書には本居宣長『玉の小櫛』ほか契仲など数多く存在している。いずれも男性が書いた。
 『源氏物語』はそもそも女性の読み物だった。それと声を出して読むものであると言われた。 『源氏物語』を知ることが、公家のたしなみ・常識・インテリの条件にされ、男性の聖典(カノン)化したことが禍したと話された。
 『源氏物語』の現代語訳には、与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、玉上琢也。村山リウ、田辺聖子、瀬戸内寂聴と並ぶ。いまでは図書館でしか読めないが村山リウさんはお勧めと話された。
 「いずれの御時にか、女御,更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやんごとなき際にはあるぬが、優れてときめきたまふありけり」などの文言が画面で紹介、ゆっくりとしたテンポで音読された。
 「声を出して『源氏物語』を読んでください。声を出して読むと健康のためにもなります。もともと日本語です。読んでいると不思議と意味も分かるようになりますよ。」と森田登代子さんは講演を結ばれた。質問の時間をいれて1時間半、中身の濃い講演だった。ご縁をいただいた吉井貞敏さんにあらためて感謝する次第である。(了)

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ガイトナー効果で、NYダウ494ドル高、原油50ドル回復(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-22 08:54:55 | 経済学
 NY連銀総裁のティモシー・ガイトナーが米次期財務長官に指名されるとのNBCニュースが流れた直後、NY株式市場は急反発、前日比494ドル、6.56%高、8,046ドルで取引を終了した。この人になって欲しいと思っていた意中の一人がウオール街お膝元NYから出るということでテレビ画面を見ているだけで雰囲気がパッと明るくなったことが分かった。
 次期財務長官にはクリントン政権の財務長官だったローレンス・サマーズ氏の呼び声も高かった。ガイトナー氏はロバートルービン、サマーズ財務長官の下で経験を積み、クリントン政権では国際問題担当の財務次官を務めたことでもよく知られている。
 今朝のWSJ紙によれば、NYダウはガイトナー報道で急騰したが、問題のシティグループは、自身の身売り話も出ている中、この日も20%近く下げ、今週だけでシティ株は60%も暴落した。金融危機を取り巻く環境は何一つ改善していないと解説していた。
 シティ株に関心が集中しているが、その他の金融株ではゲンワース9%、ハートフォードフィナンシャル11%それぞれ下げ金融不安が収まっていないとWSJ紙は指摘している。
英国銀行協会が発表する銀行間ランバート金利は、銀行同士が貸し借りするレートである。からだで言えば体温のようなものだが、翌日物で0.44375%から0.7%へ3ヶ月物は2.15313%から2.1575%へ上げた。ほぼ平熱に戻ったがまだ病上がり状態にあるようだ。
米FRBが短期の目標金利を年1.0%まで下げたが、米金融機関は、クレディツトカードの金利をむしろ上げてきている。一部の銀行は外為交換レートを2.0%から2.7%へ引き上げたと今朝のWSJ紙の記事に出ていた。
金利はシートベルトのようなものだ。庶民に一番身近なカードローン金利を銀行が締め直したところを見るとまだまだ金融不安解消には時間がかかることを教えているのだろう。
NY外国為替市場では、目立った動きはなかった。1ユーロ=1.2554ドル、1ドル=95.65円前後で取引された。外食チエーンのサイゼリアが豪ドルの先物相場を読み間違えて140億の損を出したと昨日記者会見で発表していた。為替はエコノミストの墓場と言われる。プロでも簡単に読み間違う。素人が外国為替に手を染めるのは危険極まりないことであろう。
NY原油先物市場では、OPECが12月17日、アルジエリアで開催される予定の臨時総会で日量150万バレル程度の追加減産が協議されるとの思惑から、前日比51セント高いバレル49.93ドルで取引された。CNNテレビの画面をみていると、その後の電子取引では50.20ドルまで上げていた。50ドルで底が見えたという一部専門家の指摘を紹介していた。
この日目立ったのは金先物市場である。前日比で一時50ドル上げ795ドルで取引された。プラチナも金相場につれ高して前日比50ドル上げたがまだ809ドルである。金相場が1000ドルをクリアしたときプラチナは2200ドルだった。
プラチナが輝きを失ったのは自動車用に大量に使われているためである。自動車産業が花形だったころは自動車の周辺が全て輝いて見えた。いま全く逆の現象が起っている。米ビッグ3首脳が救済をデータを並べて懇願しても米議会は冷ややかな反応を見せている。
今朝のNYダウはガイトナー効果で沸いた。しかし、実態悪はむしろこれから表に出てくる。日本で経済の話をすると嫌がる人が多いが、他人事に出来ないことは確かである。(了)

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米金融不安からパニック売り、NYダウ444ドル安、原油49ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-21 09:02:51 | 経済学
 『自分のDNA気質を知ろう』〈筑波大学大学院教授 宗像恒星次氏〉の講演要旨を娘が送ってきてくれた。「人間の気質には6つのタイプがある。①循環気質,②粘着気質、③自閉気質,④執着気質、⑤不安気質、⑥新奇性追求気質だ。」と上げたあとである人の話と前置きして以下紹介していた。
 「自殺しようと思って富士山麓に入り、家族への最後のお別れに携帯電話をかけた。叱られると思った。ところが、電話の向うから返って来たのは『おとうさん、一緒に行きたい!』この声で生還したという。重要なのは家族愛だ。」とあった。
 縁起でもないが、昨日はJR京都線と阪神電車で人身事故が発生した。共に朝7時頃だったためほぼ終日ダイヤが乱れた。仏さんには罪はないと思うが、昨今、自ら命を絶たれる方は、住宅ローン返済に窮するケース含めて経済的理由が80%を占めているとの話も聞いた。
経済的理由と言えば世界的に株価暴落が続いている。NY株式市場で、11月19日、NYダウは、前日比444ドル、5.6%値下がり、7,552ドルで取引を終了した。金融株が前日に引きつき相場の下げをリードしたと今朝のWSJ紙は伝えている。
シテイーグループ株が26%、JPモルガン18%、バンクオブアメリカ14%、モルガンスタンレー10%、ゴールドマンサックス5.8%それぞれ大幅値下がりした。
NY原油先物市場で、WTI(軽質油)相場が一時、バレル48ドルまで値下がり、結局49.62ドルと2005年5月23日来の安値で取引を終了した。高値145ドルから48%下げたことになるとWSJ紙は解説している。ガソリンは9%下げ卸値で遂にガロン1ドルを割った。
原油相場下落につれて、大豆856ドル、コーン364ドル、小麦531ドルへそれぞれ大幅に値下がりした。銅はトン1.54ドル、プラチナはオンス786ドルへ値下がりした。ただ、金相場は一時前日比8.5ドル上げ744ドルで取引を終了した。
今朝6時のブルームバーグニュースをテレビで見ていたら、サウジアラビアのアルワリード王子が「米シティグループ株の持ち株比率を現在の4%から5%へ増やす。今の相場は劇的に過小評価だ。」と語ったと紹介していた。
原油相場がバレル50ドル割ってくるとコスト以前の状況だろう。サウジアラビアのタンカーを海賊に乗っ取られる事件が起った。軽率に物は言えないが、日本国籍のタンカーが危険に曝されることもあるだろう。日本への原油輸入にブレーキがかからないとも限らない。
先の宗像教授講演記録によると、「不安気質の人の遺伝子は、『損害回避の遺伝子』と呼ばれる。要は神経質なのだ。急に言われるとパニくる。関係妄想も持ち易い。ただ反面,予知能力を持っており、20~30年先の欲求を感じ取れる」と同氏は述べておられる。
お金は一番臆病な生き物だとよく言われる。お金が臆病ではなくお金を扱う人が臆病なだけであるともいえる。お金は汚いと日本人はよくいう。お金は汚くない。お金を使う人間のこころ根が卑しいからだということを日本人はなかなか認めようとしない。
神戸は63年前の昭和20年米軍の空爆で焦土と化した。14年前の平成7年には震度7強の地震を経験した。70年前の昭和13年には小説『細雪』に詳しい大風水害に見舞われた。
ゼロからスタートする気持ちになればなんとか生き抜けるものだと常々思っている。(了)

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アメリカーナ(ゼラニウム) (スケッチ&コメント)

2008-11-21 06:53:51 | スケッチ


アメリカーナ(ゼラニウム)

江嵜企画代表・Ken



 毎週木曜日は神戸三宮のフラワーショップ「潤」に新しい花が入荷する。それをお目当てに店を訪れる人が多い。この日も大勢のご婦人が店に集まっていた。平日のせいもあるのだろうか、いつもだが、男性客はまず見かけない。
 たまたまひと鉢だけ残っていた花が今回スケッチに選んだゼラニウムである。
 花の色が上品で輝いていた。それにつぼみが実に可憐である。大いに絵心を刺激されて衝動買いしてしまい、自宅でスケッチした。
 いつものようにヤフーのブログでゼラニウムを検索した。原産地は南アフリカで花の色は赤、桃色、赤紫、白など様々あると出ていた。広辞苑でゼラニウムを引くと南アフリカ中心に650種類分布しており園芸種はその内の数種が交雑されて作られたとあった。適温であれば 開花期は周年とあり、丈夫で作り易く美しいので人気があるとヤフーのブログにあった。
 花と向かいあってスケッチをしていると花のほうから語りかけてくれるような気がする。花と仲良しになるからだろう。描いているとひとりでに花からエネルギーをもらうのであろう、不思議と元気になる。
 たかがスケッチ、されどスケチ。これぞスケッチの効用と自画自賛している。〈了)

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米シティー株投売り嫌気、NYダウ427ドル安、NY原油53ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-20 14:13:08 | 経済学
 抜けるような青い空というのは今朝のようなことを言うのだろう。窓から見える六甲の山並みが空を背に輝いている。英語で快晴のことをクリーンという。あらためて感心する。英語ついでに言えば秋のことをフォールという。一夜にして木々の葉が落ちるからいうが30 数年前の古い話だがアメリカで生活して初めて実感した。大陸性気候は天候の変化がきつい。
 今朝のWSJ紙電子版に「ダウ・フォールズ・ビロウ・8000・アズ・シティ・スウーンズ」という見出しが踊っていた。一夜にして葉が全て落ちたわけではないがNYダウが8000ドルを割った。それも米大手銀行のシティーが足を引っ張った。スウーン(swoon)という言葉はきれいな景色にうっとりするという時に使う。ここから卒倒するなどの意味が派生した。
 11月19日、NYダウは、前日比427ドル、5.1%下げ、7,997ドルで取引を終了した。リーマンブラザーズが9月15日倒産後30%値下がりしたことになる。シティーお前もかとリーマン倒産後の悪夢がよぎったのかシティの株価はこの日一日で23.4%値下がりした。
 シティ株暴落が引き金で金融株は軒並み二桁台の値下がりとなった。NYダウ暴落の背中を押したのは米自動車ビッグ3である。GM9.7% ,フオード25%,クライスラー変らずで取引を終了した。ビッグ3首脳が米上下両院で2日間救済を訴えたが色よい返事がもらえなかったことに失望した投資家が嫌気して投げた結果である。
 米商務省は、10月の米住宅着工件数が前月比4.7%減の79万1000件、調査を開始した59年1月来最低を記録したと発表した。米労働省は、10月の米消費者物価指数が前月比1.0%下落したと発表した。47年調査開始以降最大の下げ幅とWSJ紙は紹介していた。
 エネルギーと食品を除く俗にコア指数は0.1%減だった。何が米国の消費者物価指数を押し下げたのか。エネルギーが6.8減と過去最大の率で下げたからである。その中でもガソリンが14.2%減少した。ガソリンの大幅値下がりが消費者物価下げに大きく貢献した。
 NY原油先物市場で、WTI(ガソリン用に主として使われる軽質油)相場は、前日比77セント値下がりしバレル53.62ドルで取引された。54ドルを割ったのは2007年1月22日以来である。石油の値段が原油暴騰の出発点の二年前の振りだしに戻ったことを意味する。
 NY外国為替市場では、ユーロが対ドルで売られ、一時、1ユーロ=1.2520ドルで取引された。過去2年間原油相場はユーロの対ドルでの急騰にあたかも合わせるかのように値上がりした。ユーロが対ドルで急落をはじめると原油相場もユーロと肩を並べて値下がりした。
 ユーロは対円でも値下がりした。1ユーロ=120.27円で取引された。1ユーロ=124.30円まで買い戻されていたからここへ来ての急落が目立つ。ユーロだけを見ているとドルの値打ちが見え難い。しかし、ドルは対円では売られ、1ドル=95.94円で取引された。
 日本では自国通貨の値打ちが上がったこと(つまり円高)を喜ばない。戦後一貫して60数年輸出で飯を食っていたことで日本人の頭の中が円安は善、円高は悪と完全に刷り込まれてしまったことが影響している。日本人は本気で円高で強くなると思っていないのだろう。
 昨晩、テレビ東京の午後11時の番組で円高とアジア内需で日本が貢献できるという番組を放映していた。ところが腹の底からそう思っていないため全く迫力が無かった。
 本気か本気でないか人の目が教えている。目を逸らさずにしっかり生きていきたい。(了)

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