5月30日付けのWSJ紙によると、NY金先物相場は、ドル相場がこのまま下がりつづければであるが、来週にも、オンス1,000ドルに近付くとマット・ウイッタッカ―記者は書いている。
この日NY金先物相場は、薄商いの中、オンス前日比17.30ドル上げ、978.80ドルで取引を終了した。5月ひと月で88.1ドル、9.9%上げ、2ケ月続いた下げ分を取り値返した。08年3月の過去最高値オンス1,014.60ドルクリアが目標とWSJ紙は解説している。
NY原油(WTI)先物相場は、世界景気の回復期待から5営業日連騰、バレル当り1.23ドル、1.9%上げ、昨年11月4日以来の高値の66.31 ドルで取引を終了した。5月1ケ月で15.19ドル、29.7%、1983年にNY原油取引開始以来最大幅の値上がりを記録した。ブレント(重質油)も値上がりし、バレル64.39ドルで取引を終了した。
原油、金相場の値上がりにつれて資源関連通貨が値上がりし、特にリスク通貨とされ敬遠されていた豪州ドルが値上がりした。豪州ドルは、昨年10月来高値の1豪ドル=80セント、カナダドルは、1ドル=1.0907カナダドル、1NZドル=64.01米セントと昨年10月初来の高値で取引された。ドルは対資源通貨で値下がりしたが、対ユーロでも値下がりし、昨年11月来の安値、1ユーロ=1.4168ドルで取引された。対英ポンドでもドルは値下がりし、1英ポンド=1.62ドルで取引された。
米国政府は金融危機回避のためドル紙幣を刷り続ける。余ったドルが投機資金となり商品市場へ流れる。安全通貨として買われていたドルがいまリスク通貨と変化したと在NY Barclay Capital,為替ストラテジスト、Steve Englander氏の見方をWSJ紙は紹介している。
ここ数日のWSJ紙を読むと、scare(スケア・怯えさせる)、fear(フィア・怖れさせる)、uncertain(アンサーティン・不透明)という単語がアメリカの金融政策に対してしばしば出てくる。これらの単語はリーマン破たん以降も絶えず出ていた。
最近は米国の金融危機が落ち着きを取り戻し、米国以外の国の景気に底入れ機運が出て来たところで、改めてドルに対する怯え、怖れ、不安定さを感じはじめたのであろう。30数年前の古い話であるが、アメリカ駐在時代、一般のアメリカ人の会話の中でスケア・ミ―という言葉が日常的に使われた。
あぜ道を歩いていて蛇が飛び出して来た時に感じるあれがスケア・ミ―に近い。ご婦人なら、スケアの感覚は、台所でゴキブリが姿を現したときの驚きに近いかもしれない。最近の日本の子供はどんな昆虫でも怖がるそうだから、実にやわになったものである。
なにも為替に限らない。北朝鮮が地下核実験を強行した。アメリカ人はスケアしたのではないかと思う。アメリカ人は自分では核兵器を保有している。ところが自分以外が核兵器を持つと必要以上にスケアするところがある。それを百も承知で北はアメリカを挑発しているにすぎない。
欧米人は基本的に動物相手に古来、生活してきた。田んぼの中で稲作業して暮らして来た日本人とその点で基本的に違う。リスク(危険)に対する認識が基本的に日本人と違う。日本人にリスク回避といってもリスクという感覚が日本人にそもそもないからぴんと来ない。日本人の外交べたもこのあたりから来ている。
日本人に相場は苦手だと言う人が多い。相場を毛嫌いする人も多い。毛唐相手に生活するには好き嫌いでことは済まない。そいうことを子供の時からしっかりと親鳥はひなに教えておいて欲しい。
為替や原油というからぴんと来ないだけだ。彼らを鳥だと思えばいい。原油相場がバレル66ドルを達成した。鳥が原油市場に群がり始めたからである。金相場がオンス1000ドルに近づいた。鳥が金市場に集まりだしたからである。ドルが値下がりを始めた。鳥がドルの周辺から逃げ始めたからである。
日本という国は資源の99%を海外に依存している。原油や資源価格がかま首をもたげてきた動きは無視できない。しかしながら、為替は風に例えられる。為替の風が円高方向に流れているから原油高の風の抵抗を和らげてくれる。
柄手に帆を揚げるという格言がある。円高を追い風にして、再び襲いかかろうとする資源高に対してひるむことなく力強く荒波を乗り切りたい。(了)
この日NY金先物相場は、薄商いの中、オンス前日比17.30ドル上げ、978.80ドルで取引を終了した。5月ひと月で88.1ドル、9.9%上げ、2ケ月続いた下げ分を取り値返した。08年3月の過去最高値オンス1,014.60ドルクリアが目標とWSJ紙は解説している。
NY原油(WTI)先物相場は、世界景気の回復期待から5営業日連騰、バレル当り1.23ドル、1.9%上げ、昨年11月4日以来の高値の66.31 ドルで取引を終了した。5月1ケ月で15.19ドル、29.7%、1983年にNY原油取引開始以来最大幅の値上がりを記録した。ブレント(重質油)も値上がりし、バレル64.39ドルで取引を終了した。
原油、金相場の値上がりにつれて資源関連通貨が値上がりし、特にリスク通貨とされ敬遠されていた豪州ドルが値上がりした。豪州ドルは、昨年10月来高値の1豪ドル=80セント、カナダドルは、1ドル=1.0907カナダドル、1NZドル=64.01米セントと昨年10月初来の高値で取引された。ドルは対資源通貨で値下がりしたが、対ユーロでも値下がりし、昨年11月来の安値、1ユーロ=1.4168ドルで取引された。対英ポンドでもドルは値下がりし、1英ポンド=1.62ドルで取引された。
米国政府は金融危機回避のためドル紙幣を刷り続ける。余ったドルが投機資金となり商品市場へ流れる。安全通貨として買われていたドルがいまリスク通貨と変化したと在NY Barclay Capital,為替ストラテジスト、Steve Englander氏の見方をWSJ紙は紹介している。
ここ数日のWSJ紙を読むと、scare(スケア・怯えさせる)、fear(フィア・怖れさせる)、uncertain(アンサーティン・不透明)という単語がアメリカの金融政策に対してしばしば出てくる。これらの単語はリーマン破たん以降も絶えず出ていた。
最近は米国の金融危機が落ち着きを取り戻し、米国以外の国の景気に底入れ機運が出て来たところで、改めてドルに対する怯え、怖れ、不安定さを感じはじめたのであろう。30数年前の古い話であるが、アメリカ駐在時代、一般のアメリカ人の会話の中でスケア・ミ―という言葉が日常的に使われた。
あぜ道を歩いていて蛇が飛び出して来た時に感じるあれがスケア・ミ―に近い。ご婦人なら、スケアの感覚は、台所でゴキブリが姿を現したときの驚きに近いかもしれない。最近の日本の子供はどんな昆虫でも怖がるそうだから、実にやわになったものである。
なにも為替に限らない。北朝鮮が地下核実験を強行した。アメリカ人はスケアしたのではないかと思う。アメリカ人は自分では核兵器を保有している。ところが自分以外が核兵器を持つと必要以上にスケアするところがある。それを百も承知で北はアメリカを挑発しているにすぎない。
欧米人は基本的に動物相手に古来、生活してきた。田んぼの中で稲作業して暮らして来た日本人とその点で基本的に違う。リスク(危険)に対する認識が基本的に日本人と違う。日本人にリスク回避といってもリスクという感覚が日本人にそもそもないからぴんと来ない。日本人の外交べたもこのあたりから来ている。
日本人に相場は苦手だと言う人が多い。相場を毛嫌いする人も多い。毛唐相手に生活するには好き嫌いでことは済まない。そいうことを子供の時からしっかりと親鳥はひなに教えておいて欲しい。
為替や原油というからぴんと来ないだけだ。彼らを鳥だと思えばいい。原油相場がバレル66ドルを達成した。鳥が原油市場に群がり始めたからである。金相場がオンス1000ドルに近づいた。鳥が金市場に集まりだしたからである。ドルが値下がりを始めた。鳥がドルの周辺から逃げ始めたからである。
日本という国は資源の99%を海外に依存している。原油や資源価格がかま首をもたげてきた動きは無視できない。しかしながら、為替は風に例えられる。為替の風が円高方向に流れているから原油高の風の抵抗を和らげてくれる。
柄手に帆を揚げるという格言がある。円高を追い風にして、再び襲いかかろうとする資源高に対してひるむことなく力強く荒波を乗り切りたい。(了)