学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
雑誌Newtonニュートン3月号に、
名古屋大学大学院、鷺谷威助教授は、
「神戸-新潟ひずみ集中帯」では、周囲に
比べて数倍のひずみが集中している。
ひずみが蓄積された大地が耐え切れ
なくなって破壊される結果地震が発生
する。それが相次いでこの地域に発生
している断層地震であると説明している。
ひずみとは物理学では、物体に外力が
加わったときに、その部分だけ沈んだり、
膨れたりして、全体として正しい形が
失われることであると説明している。
病気もこれと同じで、からだのどこかにひずみが
出来るとつぎつぎ内臓を引っ張りそれが病気を
引き起こすことが知られている。
経済の世界では現在発生しているひずみは
異常な量と早さで進行している中国買いによる
ひずみによってもたらされている。
中国が突出して物を買うものだから、特に、
原油に代表される資源について、いま、
地球規模でひずみが蓄積されていると
考えることが出来る。
中国買いは当面収まりそうにないから
これから先しばらくは世界経済も中国の
ひずみとだましだまし手に手を携えながら
お付き合いしていかざるを得ないだろう。
日本の鉄鋼メーカーは鉄鋼原料の
鉄鉱石を1年前の値段の7割増しで契約した。
石炭は2.2倍である。こともなげに7割高とか
2.2倍という数字が飛び交うようになったこと
自体異常であるといわれている。
米国時間、2月24日、サウジアラビア石油相、
Ali Naimi氏は、「現在のファンダメンタルズから
見て、2005年の石油の値段はバレル40から50ドルの
間で安定するだろう」とCBCテレビのインタービューで
答えたと報じられた。
具体的な石油の値段を公の場でサウジの石油相が
語るのは異例だといわれている。それだけ石油需要の
先行きに産油国が確信を持っている証拠であるとマーケットも
自信を深めたようだ。
中国政府は、2005年1月の中国の石油輸入が
前年比24%減の日量184万バレルと発表した。
ところが石油精製業界では日量570万バレルと
過去2番目に高い稼働率を続けていると発表した。
1月輸入は55ドルから40ドルへの急落の過程での
様子見期間の影響との見方が多い。しかも中国の1月の
輸入は数量では24%減ったが、金額では2%しか
減っていない。
石油の値段は2003年に一端はバレル10ドル
近くまで暴落したが、地政学的リスクによる供給不足を
材料に04年10月に55ドルまで暴騰した。
そのあと55ドルから40ドル寸前まで暴落したが、
一呼吸入れて再び51ドルまで戻して来た。
産油国が石油需要の先行きを楽観していると見抜いた
投機家の読み勝ちであろう。
ところで自分自身のからだのひずみをいざ知ると
なるとなかなかむつかしい。しかし、他人のひずみは
簡単に見ることが出来る。
自分の前を行くひとの後姿を注意して眺めて見ると
からだが右か左かどちらかにゆがんでいることに
気づくから怖い。
からだのひずみは悪い臓器がからだを引っ張る
ことから生まれるように、中国の異常な需要が
世界経済というからだ全体にゆがみ・ひずみを
生み出していると考えることが出来るかもしれない。
冒頭述べた神戸-新潟ひずみ集中帯では、
1891年の濃尾地震、1948年の福井地震、
1995年の阪神淡路大地震、2004年末の
新潟中越地震含めてマグニチュード7クラスの
地震が多発している。
いずれにしろ、中国でのひずみが解消されない限り、
異常な資源の高値が続く世界経済の不健康な
状態は当面解消されないだろう。
半永久的につづく可能性があるコスト高を吸収
出来る魅力ある商品を適地適者に提供出来るか否かが
21世紀生き残りのカギとなりそうだ。(了)
雑誌Newtonニュートン3月号に、
名古屋大学大学院、鷺谷威助教授は、
「神戸-新潟ひずみ集中帯」では、周囲に
比べて数倍のひずみが集中している。
ひずみが蓄積された大地が耐え切れ
なくなって破壊される結果地震が発生
する。それが相次いでこの地域に発生
している断層地震であると説明している。
ひずみとは物理学では、物体に外力が
加わったときに、その部分だけ沈んだり、
膨れたりして、全体として正しい形が
失われることであると説明している。
病気もこれと同じで、からだのどこかにひずみが
出来るとつぎつぎ内臓を引っ張りそれが病気を
引き起こすことが知られている。
経済の世界では現在発生しているひずみは
異常な量と早さで進行している中国買いによる
ひずみによってもたらされている。
中国が突出して物を買うものだから、特に、
原油に代表される資源について、いま、
地球規模でひずみが蓄積されていると
考えることが出来る。
中国買いは当面収まりそうにないから
これから先しばらくは世界経済も中国の
ひずみとだましだまし手に手を携えながら
お付き合いしていかざるを得ないだろう。
日本の鉄鋼メーカーは鉄鋼原料の
鉄鉱石を1年前の値段の7割増しで契約した。
石炭は2.2倍である。こともなげに7割高とか
2.2倍という数字が飛び交うようになったこと
自体異常であるといわれている。
米国時間、2月24日、サウジアラビア石油相、
Ali Naimi氏は、「現在のファンダメンタルズから
見て、2005年の石油の値段はバレル40から50ドルの
間で安定するだろう」とCBCテレビのインタービューで
答えたと報じられた。
具体的な石油の値段を公の場でサウジの石油相が
語るのは異例だといわれている。それだけ石油需要の
先行きに産油国が確信を持っている証拠であるとマーケットも
自信を深めたようだ。
中国政府は、2005年1月の中国の石油輸入が
前年比24%減の日量184万バレルと発表した。
ところが石油精製業界では日量570万バレルと
過去2番目に高い稼働率を続けていると発表した。
1月輸入は55ドルから40ドルへの急落の過程での
様子見期間の影響との見方が多い。しかも中国の1月の
輸入は数量では24%減ったが、金額では2%しか
減っていない。
石油の値段は2003年に一端はバレル10ドル
近くまで暴落したが、地政学的リスクによる供給不足を
材料に04年10月に55ドルまで暴騰した。
そのあと55ドルから40ドル寸前まで暴落したが、
一呼吸入れて再び51ドルまで戻して来た。
産油国が石油需要の先行きを楽観していると見抜いた
投機家の読み勝ちであろう。
ところで自分自身のからだのひずみをいざ知ると
なるとなかなかむつかしい。しかし、他人のひずみは
簡単に見ることが出来る。
自分の前を行くひとの後姿を注意して眺めて見ると
からだが右か左かどちらかにゆがんでいることに
気づくから怖い。
からだのひずみは悪い臓器がからだを引っ張る
ことから生まれるように、中国の異常な需要が
世界経済というからだ全体にゆがみ・ひずみを
生み出していると考えることが出来るかもしれない。
冒頭述べた神戸-新潟ひずみ集中帯では、
1891年の濃尾地震、1948年の福井地震、
1995年の阪神淡路大地震、2004年末の
新潟中越地震含めてマグニチュード7クラスの
地震が多発している。
いずれにしろ、中国でのひずみが解消されない限り、
異常な資源の高値が続く世界経済の不健康な
状態は当面解消されないだろう。
半永久的につづく可能性があるコスト高を吸収
出来る魅力ある商品を適地適者に提供出来るか否かが
21世紀生き残りのカギとなりそうだ。(了)