関西ユダヤ教会礼拝風景
江嵜企画代表・Ken
8月22日の夕方7時から関西ユダヤ教会(078-221-7236) での金曜礼拝があり礼拝の後、礼拝にこられた方と一緒にユダヤ料理を経験できると聞いて楽しみにして出かけた。
平たく言えば神父さんだが、ユダヤ教ではRabbi(ヘブライ語でレバイと発音する)のロバート・ストラウスバーグさんのご好意で珍しい体験が出来た。
礼拝の前にスケッチはOKかと確かめたら問題なしということだったので着くなりスケッチをはじめた。祭礼は1時間以上続いた。最後に祭壇の前でストラスバーグさんが聖書を読み上げるところを書き込んで仕上げた。
スケッチの中の人物は不正確にも4~5人だが実際はシナゴーグ・ホールに20数名はいたように思う。礼拝のあと食堂に移ったが子供も含めて家族入れると50名近くの人と一緒に食事が出来た。
ユダヤ料理は香辛料が効いていたことと基本的には質素だという印象を強く受けた。過酷な環境を数千年生き抜いてきたユダヤ民族の秘密が意外に簡素な食事にも現れているのかもしれない。
ユダヤ人には博識家が多い。日々勉強を怠らない。好奇心が旺盛なことは一緒に食事をしていてもびんびん伝わってくる。ストラウスバーグさんに礼拝の前に10数分レクチャーをしていただいた。
今回は「カレッヂ芦屋」主催のツアの仲間に通訳するよう校長の富田先生に頼まれていた。ヘブライ語はだめ、日本語もだめで英語になる。その英語でも、専門の繊維の話なら退役将校でも何とかなる。ところがユダヤの歴史あり聖書の話ありで、敵前逃亡することも出来ず正直往生した。
キリスト教徒から見れば旧約聖書である。ユダヤ人には旧約聖書も新訳聖書もない。聖書はひとつである。4000年以上の歴史を持つ誇り高い民族である。「出エジプト記」が出てきた。「モーゼの十戒」も出た。スケッチにある正面祭壇の上に二つの石盤がはめ込まれている。十戒を左右に5つずつ分けて書いてあるのだと説明を受けた。ヘブライ語で書かれているから全く読めない。画面にあるボードはすべてヘブライ語である。ユダヤを知るにはヘブライ語を勉強しないと心底理解できないかもしれない。人生は酷なほど短い。
彼は3歳のときに聖書の勉強をはじめたそうだ。小さいときからユダヤの歴史を繰り返し聞かされて大きくなったと話していた。ユダヤ人というと悪徳商人の権化のように言う人は多い。しかし学者、医者、芸術家加えてマスコミ関係の人が実に多い。
なぜユダヤ人は勉強熱心なのか。勉強して力をつけていないと世界の中で生きていけないからだろうと思う。
なぜ日本人は勉強しなくなったのか。勉強しなくても生きていけたからであろう。これからの時代は全てに人任せにして地力をつけていないと日本人は世界の中で生き残れないだろう。
ユダヤ人は日本には2000人程度しか住んでいない。意外に少ない感じがした。世界では1500万おり、米国に5ないし600万、ロシアに2ないし300万いると話していた。
ここで面白い話を聞いた。母親がユダヤ人でない子供はユダヤ人にカウントされない。父親がユダヤ人で母親がユダヤ人以外は結構多いと話していた。
杉原千波さんの話は当然出た。彼にビザを発給してもらって命をいただいた恩義を忘れないという。彼らが最初に着いた日本が神戸港である。その後すぐに上海に向かったそうだ。そういう歴史をユダヤ人は子供の頃から教わるのであろう。
和やかな雰囲気の中でユダヤの人たちと食事を共にすることが出来た。時間の経過を忘れていた。時計を見たら9時40分を回ろうとしていた。すばらしいご縁を戴いたストラウスバーグさんにひたすら感謝である。(了)