ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

むくげ(スケッチ&コメント)

2010-06-30 10:17:33 | スケッチ



むくげ

江嵜企画代表・Ken



「むくげ」を広辞苑で引けば、アオイ科の落葉低大木。インド、中国の原産。庭木・生垣として栽培とある。近くの散歩コースにもそこここに今を盛りと花を咲かせている。

 フリ―百科事典『ウイキぺディア』によれば、夏から秋にかけて、白、紫、赤など美しい花を付ける。高さは3~4メートルにもなる。年ごとにまめに剪定する必要があると書いてあった。春になると剪定したところから生えた枝から次々新しい花芽が出てくる。生命力が強い木だなとつくづく思う。

 花は朝開き、夜に閉じる。スケッチをはじめたのはお昼前だった。花の予備軍であるつぼみが無数についている。夢中になってスケッチした。仕上がって時計を見たら午後1時を回っていた。  

 プロ野球ナイタ―をテレビ観戦のあと、サッカーワールドカップを見た。試合のあと、スケッチに彩色した。正直なもので、絵に勢いが出なかった。

 朝起きてNHK/BS[おはよう世界」を見た。ドイツZDFは、「パラグアイも日本も守備一辺倒、アイデアのない見るべきところの少ない試合だった。」と酷評していた。勝負の世界では、よくやったでは収まらないのであろう。

 29日、NY株式市場は、F&P500銘柄のうち499が値下がりした。中国の景気指標悪化、上海株急落、欧州株安のあと、米国の6月の消費者信頼感指数悪化を受けて、NYダウは前日比268ドル安、9,870ドルで取引を終了した。

 NY外国為替市場では、ユーロ、ドル共に対円で売られ、1ユーロ=107.88円、1ドル=88.50円で取引された。米10年物国債の利回りが年3%を割り2.953%へ下落したことで、日米の金利差が縮小したことも影響した。原油(WTI)相場も世界景気悪化懸念から売られ、前日比バレル2.31ドル下げ、75.94ドルで取引された。

 シカゴ日経株価指数も前日比330円安、9,375円で取引を終了したと「おはよう世界」が紹介していた。ワ―ルドカップ、日本敗退と重なって、マイナスに反応し易い日本人の国民気質が懸念される。

 休むも相場という格言がある。サッカー日本代表はワールドカップベスト16進出という思いがけないプレゼントを日本国民にくれた。ローマ一日して成らずである。ゆっくり休んだあと、4年後に備えて再出発して欲しい。

 むくげのスケッチから大いに脱線した。(了)

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G20,成果なく閉会、イベント終了で相場は夏休み入りか?(学校で教えてくれない経済学)

2010-06-29 11:24:45 | 経済学
カナダトロントで開かれていたG20で、「2013年までに財政赤字を削減する。ただし、日本は除外する。各国の足並みは揃わなかった。」と香港ATVは伝えた。ロシアRTRは、ヨーロッパが進めている銀行税導入に反対とロシア、メドベ―ジエフ大統領は語ったと共に今朝のNHK/BS「おはよう世界」が紹介していた。

28日、NYダウは先週末比5ドル安、10,138ドルで取引を終了した。G20で財政赤字削減が共同声明で盛り込まれ、世界景気回復に水を差すとの思惑が影響した。野放しで札びらを印刷して景気をてこ入れしてきた。見直しが入ることを意味するとWSJ紙が書いていた。

経済金融専門の米ブルームバーグは、28日のNY株式市場で、弱気派が強気派を上回ったと解説していた。7月2日に、直近の米雇用統計が発表される。雇用データを見てから動いても遅くはない。G20というイベントが終わった。相場自身がひと息入れたがっているのであろう。相場も人間のからだと同じだ。休みたがっている時は、無理をしないに限る。

財政赤字削減策を全面に出して本来景気が良くなるはずはない。空腹にすれば、腹が一杯になると言っている様なものだ。メルケルは何の提案も携えずG20に出席した。結果はお粗末なのものだったと野党がメルケル首相を厳しく非難したとドイツZDFは伝えていた。

28日のNY外国為替市場では、欧州の金融不安再燃からユーロが対ドル、対円ともに値下がりした。1ユーロ=1.24ドルが同1.22ドル台まで急落した。対円では1ユーロ=109円台へ値下がりした。つれて日本円は対ドルで値上がりし1ドル=89.40円で取引された。

ドル、ユーロ共に値下がりすれば、資金が商品市場へ流れるが、この日は逆で、NY金先物市場で、金相場は1トロイオンス17.60ドル安、1,2378.20ドルで取引された。NY原油(WTI)相場も値下がりし、バレル61セント安、78.25ドルへ反落した。

米FRBが実質ゼロ金利を長期にわたり継続することを確認したことが影響し、債券が値上り、米10年物国債の利回りが年3.023% へ3% 割れ寸前まで下落した。G20での共同声明で財政赤字削減を表に出したことで、世界景気回復は先延ばしされるとの思惑が強まった。

先の香港ATVは、中国の通貨政策がG20で正式に取り上げられなかったと指摘した。G20を意識して出した人民元相場弾力化声明が中国の思惑通りの展開となった。オバマ米大統領も、G20のあと人民元切り上げを期待するとの声明文を読み上げるにとどまった。

問題は日本だ。相撲協会の野球賭博事件が某紙朝刊の一面トップである。今朝の神戸は梅雨の晴れ間。キキョウ、むくげが元気一杯咲いている。自然は人の心を裏切らない。(了)

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救難飛行艇機器メーカー株主総会風景(スケッチ&コメント)

2010-06-29 06:13:27 | スケッチ


救難飛行艇機器メーカー株主総会風景

江嵜企画代表・Ken



 母校本庄小学校は、太平洋戦争当時、ゼロ戦の部品を生産していた当社の前身、川西航空機と道一つ隔てたところに位置していたことから、65年前の敗戦の年に米軍の空爆に遭った。小学3年のときに講堂の屋根が再築されるまでよしず張りの校舎での勉強を強いられた。雨の日は傘を差した。

 当社の業績は、リーマンショックの打撃を手ひどく受け、いまだ本復していない。知名度が低いこともあり、株価は340円前後を低迷している。ただ、豊富な内部留保があるお陰で、不況下にも関わらず、年10円の配当を維持している優良企業であることに変わりない。

 株主総会の様子をいつものようにスケッチした。まれにご婦人の姿を見る。しかし、大部分は高齢の殿方である。靴を脱いでくつろぎながら話を聞いている姿はいかにもローカル企業そのものの光景であろう。株主総会になぜ出るのか。社長さんが株主にどのように応対するか、その一点のみ注目している。この日3人の株主が質問した。

 まず、一株利益が前期赤字から黒字に増えているのはなぜかと聞いた。社長は、前期は特装車が惨憺たる結果を出した。当期は運営費などコスト削減を徹底したことと航空機部門で利益が出たと説明した。連結子会社の影響についても聞いた。要するに影響無しということだったが、説明は具体的でなく分かりにくかった。

 次にシンガポール、上海、インドへ事業を展開しようとしているが、トヨタの例のように先で心配だと質した。社長は日本国内はインフラ整備が進んだ。この先少子化がさらに進む。普通トラックで見れば、2004年がピークで6年間で2.5分の1に減った。海外で作り海外で売る。止むにやまれずやっていると答えた。

 最後に退職慰労金の具体的中身についてある株主が質問した。社長は退職慰労金制度は、会社に対するロイヤリティ―を維持してもらう意味から在職中の給与を一部後払いする考え方でやっている。今後も是非の議論は続けたい。ただ、公表は差し控えさせていただきたいと穏やかに答えた。

 1000円の図書券カードと4トンのダンプトラックの実物の43分の1の精巧な模型が手土産に配られた。豊かな内部留保があるから出来ることだが、年10円の安定配当に加えて、当社の株主に対する思いの一端は伝わった。当社が用意したJR甲子園口行きのチャーター車で帰路に就いた。当社は、しばらくは厳しい時期が続きそうだが、社長さんの心意気に賭けてみたい。(了)

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ききょう(スケッチ&コメント)

2010-06-28 06:12:01 | スケッチ


ききょう

江嵜企画代表・Ken



なんば高島屋友の会、猪熊佳子、日本画教室で、月をバックにキキョウを描いておられる生徒さんに大いに刺激され、帰宅後、青木にある猫の額ほどの空き地に植えたキキョウをスケッチした。

 キキョウは「秋の七草」のひとつである。そのため秋の花と思ってしまうが、さにあらず、こちら神戸では、6月はじめから中旬にかけて、つぼみを付け、6月末にかけて一気に花を開く。まさに今が盛りの花のひとつである。

 ちなみに、「秋の七草」を広辞苑で引くと、萩、すすき、撫子、くず、女郎花、藤袴、キキョウ。一説にはキキョウの代わりに朝顔が入るとあった。朝顔がここへきて気温が上がり始めたこともあって、一斉に芽を出しはじめた。7月末になれば花が咲く。

 つい先日まで百合が咲いていた。キキョウと相前後してむくげが花を開き始めた。芙蓉も後に控えている。キキョウの次はわたしの番よと催促されているようで、しばらくは花のスケッチで忙しくなりそうだ。

 花のスケッチをしていると元気をもらえるからありがたい。(了)

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日本人選手の活躍に感謝、気持一つで景気も、病気も回復する(学校で教えてくれない経済学)

2010-06-26 08:05:27 | 経済学
ワールドカップでの日本チームの活躍を今朝も外国のメディアは絶賛している。特に本田選手の芸術品的なフリーキックや彼は敵のゴールキーパーを欺いて、仲間にチャンスを与えて3点目を手にした頭脳的プレーも高く評価していた。

今朝はお元気そうですねと医者に声をかけられ、すっかりご機嫌になったという患者の話をよく聞く。日本画家の森田りえ子さんは、褒めればブタでも木に登ると、自分は褒められてここまで育ててもらったとしばしばおっしゃる。それにしても日本人は人を褒めない。

いただきものをしてもありがとうと言う人が稀になった。口に出して感謝しないと相手に伝わらないではないか。その一方、自分が言いたいことを言ったあとは、素知らぬ顔、人の話を聞かないと昨日も近くの喫茶店のマスターが話していた。外交ベタは語学の素養がないからではない。人の気持ちに心配り出来ない懐の狭さが影響していると思っている。

経済の世界でも客の心をとらえればその商品は買われる。特に相場の世界では、より素直に出易い。26日、NY原油先物(WTI)相場が、前日比バレル2.61ドル高、79.16ドルで取引された。原油はドル建てで取引される。ドルは対ユーロで1ユーロ=1.2377ドル前後まで値下りした。米国の景気展望に陰りが見え、ゼロ金利長期化の見方が影響している。

カナダトロントで26日からG8が始まった。翌27日はG20も開催される。今朝のNHKBS「おはよう世界」でも、米CNN,独ZDF,英BBCなど欧米のメディアに加え、ロシアRTRもサミット関連のニュースを取り上げた。ロシアとアメリカの親蜜振りの演出が目立つ。

今回のサミットでは、メルケル首相のいう、「財政赤字の負担を将来の子供たちに先送りしてはならない。財政健全化は景気回復と矛盾しない」との考え方と、景気刺激策を最優先すべきとのオバマ大統領との間での対立が際立っている。妥協点を見出せず閉会しそうだ。

米国議会上下両院協議会で金融改革法案が成立した。これを受けて26日、金融株が3%以上値上がりした。お決まりのコースである。金融ロビストが活躍して、金融企業有利に、法案を骨抜きにしたのであろう。規制強化を進めるEUと米国の立場はここでも対立する。

経済も政治も薄皮一枚の際どいせめぎ合いで勝負は決まる。ワールドカップのお陰でサッカーの試合を見るようになった。日ごろの修練の結果が、ここ一番の大舞台で発揮されるのであろうが、球際薄皮一枚の差が勝敗を分けることが素人ながらだんだんわかってきた。

本田選手のFKが決まりよし行けるぞという空気が日本チームに生まれた。気持ち一つで治らぬと思われた病気も回復に向かうことがよくある。日本人選手の活躍に感謝したい。(了)

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欧州不安と米景気懸念からNYダウ145ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2010-06-25 09:44:12 | 経済学
ワールドカップで日本はデンマークを3-1で破り、ベスト16、決勝トーナメントに進出した。日本に初得点をフリーキックでもたらした本田圭祐選手は、試合後のインタビュ―で、「勝ったらもっと嬉しいと思っていた。優勝すると言って日本を出て来た。まずベスト4に向けた試合に勝たないと。」とニコリともしないで答えていた姿が印象的だった。

3点目のゴールは後半試合直前に入った岡崎慎司選手が、本田選手からのクロスパスを押し込んだ。本田選手は先のインタビューで「お前と一緒にゴールを決めようと約束していた。」と答えていた。2点目は遠藤保仁選手のフリーキックだった。岡田監督も選手、裏方全体の勝利だと眼をうるませて答えていた。

NHK・BS「おはよう世界」では、ドイツZDF,フランスF2,スペインtveいずれもワールドカップを取り上げていた。ZFFは強いドイツチームを誇らしげに伝えていた。F2は敗退して帰国したフランスチームが出迎えのサポーターにも一言も答えず、空港から姿を消したと伝えていた。チリとの対戦を控えたスペインは絶対に勝たねばならないとアナウンサーが、自分のことのようにこわばった顔で放送していた。

英BBCは、テニスのウインブルドン選手権で、3日越し延べ11時間5分で,第5セット70-68でジョン・イスナ―(米)が二コラ・マユ(仏)相手にテニス史上最長の試合を制したと紹介していた。テニスフアンならずとも聞いただけでワクワクする二ュ-スだった。

「おはよう世界」は、25日のNYダウが、前日比145ドル安、10,152ドルで取引を終了した。欧州金融不安、米国景気が雇用、住宅2つのマイナス情報で気重い展開に終始したとブルームバーグ二ュ-スを紹介していた。欧州もおかしいが、アメリカもおかしい。

NY金先物市場では、トロイオンス11.40ドル上げ1,245.50ドルで取引されたと先の「おはよう世界」(経済情報)が紹介していた。25日のテレビ東京の夜の番組で「中国がドルも買えない。ユーロも買えないと中国農業銀行が金を積極的に買い始めた。」と金相場先高を専門家が指摘していた。素人にはなかなかついていけないが中国が動くとなると話は別だ。

24日付けのCNBC.COM電子版で、Rufftimes newsletter編集長、投資家のHoward Ruff氏は「オバマは一期止まりだろう。11月の中間選挙で民主党は敗北する。オバマの支持率は45%を既に割った。アメリカは、政治的不安定な状態に入る。金相場は2,300ドルまで値上がりする。」と予測したと紹介していた。

週末26,27日にG8,G20が始まる。メルケル(ドイツ)とオバマ(米国)は金融規制問題で口もきかない関係に悪化とドイツZDFが紹介していた。政治の空転が懸念される。(了)

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老補合繊メーカー株主総会風景(スケッチ&コメント)

2010-06-24 09:09:54 | スケッチ


老補合繊メーカー株主総会風景

江嵜企画代表・Ken



大阪堺筋本町に本社を置くある老舗合繊メーカーの株主総会に出席した。気持ち例年より出席者が少ないように感じた。毎年、株主総会に出席している。なぜかと言えば、社長さんが株主の質問にどのように対応されるかに興味があるからだ。

この日は7~8人が質問した。いきなり減収減益の責任を誰がとるのかとある株主が質問した。社長は責任は役員全体だと答えた。別の株主が、アドバイザリー・ボードをなんのために置いているのか。一つでいいから具体的に答えて欲しいと質した。「社長任命や役員の報酬も決めている。アドバイザリー・ボードは大きな役割を果たしている。」と、社長は答えた。

ある株主は、「毎年株主総会に出ている。その都度、儲かる事業、将来性ある新事業にもっと力を入れて欲しいと言い続けて来た。やります、やりますと言うだけではないか。スピードが遅い。株価は下がり続けている。儲からない事業はやめて欲しい。これからどうするのか。」と質問した。

「不採算事業は徹底的に整理する。ポリエステル繊維事業ではタイへ集中した。モノフィラメント事業から撤退した。当社の強みを発揮するためだ。二年かけて役員で協議して結論を出した。」と社長は答えた。「アラミド、高機能樹脂、炭素繊維、医薬も入れて、グローバルな成長を考えている。」と答えた。

「M&A(吸収合併)についてどう考えているのか」と別の株主が質問した。担当役員が議長(社長)から指名され、「パートナーが見つかれば、今後も積極的にM&Aを進める。現に医薬事業で欧米で進めている。」と答えた。

「配布された事業報告書に海外の動きが具体的に説明されていない。どうなっているのか」とある株主が質問した。08年度で売り上げで海外40%国内60%だった。これを新興国中心に海外60%へ拡大する。売り上げ1兆円企業、2011年には利益の出る企業を目指す。」と社長さんは力説した。

会場入り口で、出席者にエコバッグ(ポリエステル100%)と「吸水タオル」(ポリエステル70%ナイロン30%)がお土産に配られた。1枚の挨拶状が同封されており、その中に「環境経営を強力に推進し、環境保全と利益創出を高いレベルで実現していく。」と書かれていた。現実問題として、企業としての高邁な理想と足元で低迷する株価と配当金額に最大の関心がある株主との間のミスマッチは、残念ながら続きそうだ。

会場の様子をいつものようにスケッチした。(了)

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ルノワール展;国立国際美術館(スケッチ&コメント)

2010-06-23 14:02:58 | スケッチ


ルノワール展;国立国際美術館

江嵜企画代表・Ken



ルノワール展が大阪市内にある国立国際美術館で開かれている。会期も27日までと迫ってきたので、家族と出かけた。阪神電車「福島駅」下車、会場には、早足だと10分強で着ける。お昼をどこでいただこうかと考えながら歩き始めた。たまたま赤い暖簾にお食事処とあり、「つばめ」という名の店に入った。
 
気場が実にいい。女将さんともなにかと座が弾んだ。親子丼とそば定食をそれぞれ注文した.これが実にうまい。ご夫婦で切り盛りしている。三代目だそうだ。大阪大空襲の際も、この界隈は爆撃を逃れた。今も昔をそのまま残していると女将が話してくれた。機会があれば是非もう一度訪れたい店である。店内風景をスケッチして女将さんに渡して店を出た。

国立国際美術館に入って驚いた。人、人、人で溢れていた。絵の前は二重、三重に固まりになっていた。平日だから空いているとの思惑は見事はずれた。ご婦人がほとんどだった。ルノワ―ル大好き人間がいかに多いかを改めて実感した。会場内ではスケッチは禁止である。出口近くにビデオブースが用意されていたのを幸いに席の後ろからスケッチした。

ビデオブースでは、たまたま「水のなかの裸婦」のX線と赤外線調査結果を時間をかけて解説していた。今回のような大掛りな光学調査は始めてだそうだ。赤外線で調べた結果、もともとは全身がもっとスリムだった。水の色の緑は、エメラルドグリーンとより深みのあるヴィリシャーの2色を巧みに使い分けていたことも分かった。

ルノワールは緑を巧みに使っている。先の裸婦では2色だったが、晩年はヴィリシャ―1色で描き上げている。「勝利のヴィーナス」は描き直し無しで一気に描いている。出来上がりでは短髪だが、元の絵は髪の毛が肩まで垂れていた絵もある。ルノアール自身、後世、自分の絵が丸裸にされて、どう思っておられるのであろうかとふと思った。

ルノワールは、下絵に鉛白を使う。下絵の白の上に赤や青を細かく柔らかい筆で薄く塗ることによって、透明感のあるなめらかな肌が表現されていることも光学分析で分かった。この描法は、グラッシ(グレーズ)と呼ばれる油彩画の伝統的手法と解説していた。

日本画では胡粉を下絵に使う。胡粉は濃すぎても薄すぎてもうまくいかない。日本画は絵具の接着剤に膠(にかわ)を使う。膠も薄過ぎても濃すぎてもいい絵は出来ない。日本画を習い始めて8年経った。それでも、かすかにわかり始めた程度である。色使いも大事である。構図も大事である。しかし、下絵の胡粉を使いこなせないといい絵は描けないとも聞いた。

ルノワ―ルは40代はじめからリュウマチに悩まされた。「イチゴのある静物」という最晩年の小品が出口近くにあった。イチゴの赤が見事だった。リュウマチが悪化して、震える不自由な手一本で車いすに座って描いたという。ルノワールは、絵画の伝統を守りながら、近代主義の革新の間で絶えず模索していたと解説にあった。

今回の展覧会には、初公開作品含め77点が展示されている。見ごたえがあった。時間が許される方は、是非、ルノワール展にお運びいただきたい。(了)

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人民元切り上げに過剰反応、週明けNYダウ一時145ドル高、終値では8ドル安

2010-06-22 08:28:33 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


「人民元相場の弾力化」のニュ-スを受けて、今後人民元が切り上がるとの期待から、21日のNYダウは、一時、先週末比145ドルドル上げた。しかし、「中国には人民元を直ちに大幅切り上げの意思はない」と頭を冷やして、8ドル安、10,442ドルで取引を終了した。

21日のWSJ紙のPeterAMackay記者は、「一足100ドルの中国製のシューズが、せいぜい101ドルか102ドルになる程度のことだ。」とのDearBornPartnersマネジングディレクター、PaulNolte氏の話を紹介していた。

21日NY金先物市場で、人民元切り上げが進めば金需要が増えるとの思惑から、金先物相場は一時、トロイオンス1,266ドルへ新高値を更新したが、終値では17ドル安の1,239ドルへ値下りしたとNHK・BS「おはよう世界」が紹介していた。ここでも投資家は、冷静さを取り戻したようだ。相場にまだ、自律神経が機能している。

「おはよう世界」が伝える香港CNNテレビは、「人民元は5年振りの高値を付けた。しかし、対ドルの基準値はそのまま、変動幅も0.5% で据え置き、何も変わっていない。G20で各国からの非難をかわすだけの発表だ。」との専門家の発言を紹介していた。

21日のNY外国為替市場では、取引開始早々はドルが対ユーロで買われた。しかし、格付け会社フィンチが、フランスの銀行BNPの格下げを発表後、ヨーロッパ金融の先行きに対して不安感が再燃、1ユーロ=1.2374ドルから1.2321ドルへユーロが売られた。ユーロが下げに転じたあと、NYダウもつれて下げ足を速めたとWSJ紙は解説していた。

「大山鳴動して鼠一匹」ということわざがある。広辞苑によれば「前触れの騒ぎばかりが大きくて、実際の結果は小さいことのたとえ。」と出ている。今回の「人民元弾力化」のニュ-スも、G20をクリアするためのしたたかな中国の戦略ではなかろうか。

昨日の「経済学」で、「人民元が切り上がれば、円はつれ高」と書いた。愛読者のお一人から「つれ高」とはどういうことですかと質問を受けた。「人民元につれて円が上がることです」と答えたら、「つれしょん」と同じ意味なら分かりますと即返事がはいった。

広辞苑で「つれしょん(しょうべん)」を引くと、「つられて他人と一緒に小便すること」と至極あたり前のことが書いてあった。「つられる」を広辞苑で引くと、「巧みな誘いに乗せられ、それに沿った行動をする。思わず周囲の動向に引きずられること。」と出ていた。

世界ジョーク集に「豪華客船が沈み始めた。皆さん飛び込んでますよと言うと、日本人は必ず飛びこむ。」と出ていた。ひとが並んでいるからというだけで並んではいけない。(了)

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人民元切り上げに幻惑されるな、中国企業による日本企業丸のみにこそ備えよ

2010-06-21 20:09:50 | 経済学
(学校で教えてイくれない経済学)




話題の「人民元切り上げ」は、週明けの外国為替市場では変化はなかった。26,27日にカナダトロントで開かれるG20を前にした、中国の時間稼ぎのための声明だと、はじめから指摘されていた。中国にとってプラスと彼ら自身が判断すればであるが、それも、「急激にではなく、せいぜい金曜日の相場の1ドル=6.8275ドルから6.8265ドルへ切り上がる程度だろう。」と21日のWSJ紙にShen Hong記者が書いていた。

数週間前に、温家宝首相は、「景気を余りにも急激に余りにも強力に進めることは避けるべきである」と語っていた。中国の1~3月期のGDPは11.9%増加した。しかし、4~6月期は、不動産投資規制と欧州信用不安のため減速すると見られている。

中国は、新たな労働者不足に直面している。中国全土で賃金が急激に上昇している。中国経済は依然、輸出に依存している。人民元切り上げは、事態を悪化させるだけだ。今、中国は、これらリスクに神経質になっている。人民元が切り上げではなく、逆に切り下げになるような事態になっても、決して驚かないことだとHong記者は原稿を結んでいた。

21日付けの経済紙の日経夕刊の一面トップに「人民元上昇は小幅、弾力化後初の取引、大幅上げ認めぬ構え」と出ていた。同日の一般紙の一つである読売夕刊は、一面トップは、相撲協会、午後に臨時理事会,琴奨菊野球賭博がトップ、横に並んで「人民元基準値据え置き、対ドル、市場取引0.22%高」と出ていた。

21日の東京外国為替市場では、人民元高期待から小幅円が上昇した。しかし、中国が、人民元の基準値を据え置いたことを確認したあと、円が対ドルで売られ、1ドル=90円後半で取引された。ただ、中国が人民元を切り上げれば、円も対ドルで目先つれ高するとの思惑は消えていない。

いずれにしろ、08年7月から23ケ月続けた、金融危機下の緊急避難的に実施していた、ドルと一体に動くペッグ制は終了した。今後は、ユーロ、円など含めた通貨バスケットに対し動く制度に戻る。バスケットの中身は見えない。中国の狙い通りの展開かもしれない。

中国にとって、通貨政策は一国の安全保障に関わる最重要事項である。他国に指図されて右顧左眄することは基本的に許されない。G20で自国の通貨政策がテーブルに置かれること自体容認できない。米国が圧力をかければかけるほど、人民元切り上げ実施時期は大きくずれる可能性さえ十分考えられる。こういう時期こそ大局を見失わないことだろう。

中国にとって優れた技術を持つ日本企業は垂涎の的である。人民元の小賢しい上げ下げより中国企業による日本企業買収に対する備えをする方がはるかに重要と思われる。(了)

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