
喫茶いけだ&フライショップビザン
江嵜企画代表・Ken
喫茶「いけだ」とフライショップ・ピザンにお世話になってかれこれ10年以上になる。神戸住吉ダイエイ店を背にして、道ひとつ隔ててまっ正面にある店と言えば、分かり易い。
12時台は近くのサラリーガ―ルが食後のコ―ヒ―を飲みに来る。ほぼ満席となる。少し早く着いたので、時間調整を兼ねてスケッチを開始した。午後の仕事時間前に想定通り、彼女たちがぞろぞろと店を出てくる。それを見定めて店に入る。店は静かなサロンに変身する。
毎日ではないが、600円の和食を注文することが習いとなった。コ―ヒ―か紅茶を頼めばセット料金で代800円となる。その時々の都合でお茶を頼んだり頼まなかったりだ。新聞を読むときはお茶を注文する。日経がないのが難点だが、一般紙では、朝日、毎日、読売、産経の4紙とスポーツ紙2紙が置いてある。小1時間いることもある。
12時台を避けるという、同じような考え方をする人は世の中にいるものだ。この日、1時過ぎにおなじみのご婦人が入ってきた。定かに伺ったことはないが、2~3歳下とお見受けする。絵手紙を最近始めたと話していた。素人の分際で、一度絵のことでえらそうな話しをしたら、それだけは止めて欲しいと言ったが、それ以後、先生と呼ばれるようになって、迷惑している。
一方、フライショップ・ビサンは、評判のおでんやさんで通っている。ご夫婦で店を切り盛りしている。特に奥さんは気さくで実に明るい。人間明るいのが一番だ。ついつい注文の品数が増える。筆者はもっぱらおでんだが、店の名前どおり天ぷら屋さんでもある。焼き魚、煮魚なども用意している。おふくろの味と言えば月並みだが、この店は、味がやさしいのがいい。一人暮らしのお年寄りに喜ばれるゆえんだろう。若者の姿もよく見かける。
日本という国が、ぎすぎすした潤いの欠けた国になりつつある。温もりを感じさせてくれるお店を街中で見つけると、ほっとする。(了)