白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

ジイソブとバアソブ(ツルニンジンとヒメツルニンジン)

2016-09-01 21:43:55 | 植物(草本)の観察

ツルニンジン(蔓人参)・ジイソブ(爺蕎)  キキョウ科 ツルニンジン属

 山地の林内や林縁に生え、他のものに巻き付いて2~3mに伸びる多年草。

茎を傷付けると白い乳液が出て、強い匂いがする。

葉は短い枝に4枚輪生状に付き、両丹が尖った楕円形で裏面は白っぽい。

花は3㎝ 程の釣鐘形で、下向きに咲き内面に紫褐色の斑がある。大きく裂けた萼に包まれている。

林内を探していて歩いても、細いつる性植物なので、蕾や花が付いていないとその存在に気付かない。だが、足に引っ掛ると強い匂いですぐわかる。

地中に人参状の根があり、高麗人参と同じような効能があるといわれ薬用にされる。

根の焼酎漬けやツルニンジン酒 が売られているようだ。 

花期:8~9月 分布:北海道~九州

2004/08/28 萩の里自然公園 一本杉付近

花の後 2004/09/11 〃

冬にも残る実

中には翼が付いた種

葉の裏は白っぽいが毛はない。 ジイソブとバソブの違いの覚え方「爺さんツルッパゲ」だそうだ。 

 

アイヌ語: チルムク cirumuk

     根を焼く、煮るなどして食べた。産後の母乳がでないときに煮た汁を飲んだ。バアソブとは区別をしなかったようだ。

 

8月28日

萩の里自然公園の皆伐更新実験地で、ヨブスマソウに絡んだツルニンジンが咲いていた。

入口のシカ除けの網を登ったツルニンジンは、葉をシカに食べられ元気がない。

こんな臭いやつを良く食べるものだ。

 

 

バアソブ(婆蕎)・ヒメツルニンジン(姫蔓人参) キキョウ科 ツルニンジン属

ツルニンジンが林内や林縁に生えるのに対して林縁や原野が好きな様だ。

ツルニンジンによく似ているが、やや小型で葉の縁や裏に毛が有る。花の内面の紫褐色の面積が多いようだ。

花期: 7~8月 分布:北海道~九州

2016/08/27 ヨコスト湿原 花はほぼ終わり

2009/08/23 ヨコスト湿原

葉の裏と縁には毛が生えている。 

 

和名の由来:

 「ソブ」は長野県の方言で、雀斑(そばかす)のことで、花の内側の斑点を老婆の顔のそばかすにたとえたものだという。

 

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ナガボノシロワレモコウ(長穂白吾亦紅)バラ科ワレモコウ属

2016-09-01 16:41:32 | 植物(草本)の観察

先月28日 ヨコスト海岸の清掃作業の後、時間があったので海岸や湿原を歩いてみた。

ちょうど、ナガボノシロワレモコウが咲いていました。

 

 

 

ナガボノシロワレモコウ(長穂白吾亦紅)バラ科ワレモコウ属

低地や山地の湿原・湿った草地に生える高さ0.85~1.4mになる多年草。

葉は奇数羽状複葉。長さ3~8㎝の広線形で鋸歯がある小葉が5~7対ある。

枝分れした枝先に円柱状の花序が垂れ下がる。花序は長さ2~8㎝の円柱形。

花に花弁は無く、長い雄しべが4枚の萼片の中心から突き出る。 

花期:8~9月 分布:北海道・本州(中部・北部)

2010/09/09 ヨコスト湿原 ナガボノシロワレモコウ群落 

 

2004/08/14 萩の里自然公園 オロフレ山と夕日の丘

 

 

ナガボノシロワレモコウは、ゴマシジミ[絶滅危惧II類(VU)]の 幼虫の食草だという。

「札幌の昆虫」によると、ゴマシジミの幼虫は、3齢までナガボノシロワレモコウの花やつぼみ食べ、以後はアリの幼虫に擬態することでクシケアリの仲間に巣へと運ばれ、アリの幼虫を食べて成長するという。詳しくはこちら⇒ゴマシジミ

ヨコスト湿原のナガボノシロワレモコウ群落は、近年水がジャブジャブの事が多い。

こんな場所に棲めるアリがいるのだろうか?

 ヨコスト海岸清掃

 

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