白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

遡上が続くウヨロ川のサケ(2)自然産卵するは…

2011-12-27 16:14:47 | サケの観察

凄まじいシロサケのオスの戦い! の最後に 

「このあたりは、概ね10月中に産卵が終るエリアです。

11月末に産卵するのは何故か?」と書きました。

 

1216日 「この何故か?」を知りたくて水温を計ってみた。 

凄まじいシロサケのオスの戦い!があった場所とその付近の

比較的新しい産卵床:9℃ 2か所、8℃ 1か所、6℃ 1か所

これらは、橋の真下の極限られた場所に集中していました。

 

 

9月中旬から産卵していたところ~産卵したばかり(推定)の

産卵床と思われる場所(川底-5㎝程度)の水温を数か所で測定ってみた。

アルコール棒状温度計なので極浅いところしか測定できなかった。

 

 河川水温は測定時間内で変わらず2℃であった。

 9月中旬~10月中旬盛んに産卵していた所:2℃ 2か所

11月上旬まで産卵が続いていた所:2℃ 3か所

11月上旬になり、スポット的に産卵していた場所:産卵床4℃ 

 11月下旬迄産卵していた場所(1):2℃ 1か所、比較的新しい産卵床 6℃ 1か所

 11月下旬迄産卵していた場所(2): 5℃ 1か所、4℃ 3か所、3℃ 1か所 

 まだ産卵が続いていた所付近:11℃ 1か所、9℃ 3か所、8℃ 2か所、7℃ 1か所、4℃ 2か所、2℃ 1か所

 

サケの卵は概ね積算温度480℃でふ化しさらに積算温度480℃(計960℃)で

砂利の中から浮上すると言われます。

 

 楽部川におけるサケの自然産卵環境調査(さけ・ます 資源管理センターニュース No. 4 )には

次のように書かれています。

河床からの湧昇流の有無については,サケが河床から地下水が湧き出ている所」に

産卵するという報告(小林 1968)に従い,冬季に河床内の水温と河川水温を比較することにより検討しました.

なぜなら,北海道において河川水温は冬季間0℃近くまで低下しますが,地下水は年間を通じてほぼ一定の

水温(一般に6-10℃)を保っているからです.したがって,河床内の水温が河川水温よりも高い場所には地下水が湧出し,

河床内水温が河川水温と同じ場所には河川水が浸透していると考えられます.

調査の結果,産卵床内の水温は河川水温に比べ高く産卵床のない河床の水温と河川水温との間には差がないこと

がわかりました(図 1).また,産卵床内の水温は平均4.2℃(範囲1.9-8.0℃)を示し,地下水温に比べ低い値を示しました.

水温が地下水よりも低く河川水よりも高い産卵床を流れている水は, 地下水に比べ水温の日変動や季節変動が

大きいという特徴を示すことからも(図2),河川の伏流水に由来すると考えられます.

これらの結果からサケの産卵場所選択において河床からの湧昇流の存在が重要な要因の一つであることが示唆されました.

 

野性のサケが再生産されるには、湧水伏流水、が大切だという事だと思います。

 

「野性のサケを保全するという事は、産卵できて、無事に稚魚が浮上でき、

育つエサが豊富にある健全な川(かつて川が流れた旧河道を含め)と流域の森を守る必要があるという事」なのだろう。

アイヌ民族博物館だよりNo. 47・48(合併号)によると(5頁)

“ウヨロ川は、町内でサケが最も多く遡上する川であり、昔から白老アイヌの重要な漁場であった。”という。

 

 

1215日に産まれた卵は、来年何月頃に泳ぐ姿を見る事ができるのだろう。

産卵床の温度が10℃のまま変わらないとすると、96日後(約3カ月後)の3月中旬という事になります。

今年(2011)は、330日に、元気に泳ぎ回る稚魚の姿を見ています。

ユスリカなどの川の虫などのエサを食べて大きくなり海へ旅立つという。

 

1216日  お腹のようすからほぼ「サケ人生?」を全うした幸福なメスサケ

 メスが産卵のための穴を掘るリズミカルな音は聞こえなくなりましたが、産卵は続いているようです。

 12月21日のこの付近

 

 

こんな立派なサケが遡上していました。二次性徴から、自然産卵に産まれたサケだろう。

うしろは野生のオスかもしれない。

 

 

今年は寒い12月です。

 

 

 

 

 


遡上が続くウヨロ川のサケ(1)

2011-12-21 21:16:50 | サケの観察

 

今年も秋サケは不漁でした。後半やや持ち直し、新聞には、

「いぶり中央漁協のサケの漁獲量が、昨年-7%減」と書かれていました。 

 

しかしながら、孵化放流事業用の親鮭の捕獲施設は例年(12月初旬)より早い1128日に撤去されました。

来年の放流数は確保できたのでしょう。 

 

129121521日と何度かウヨロ川を観察しています。 

遡上数は徐々に減っているようだが、遡上は続いています。 

しかし、産卵の場所はごく限られた範囲のようです。

12月9日

 

時折産卵のために、メスが穴を掘るリズミカルな音がきこえました。 

  カワガラスは良く見かけるが、久しぶりにミソサザイに出会いました。

ホッチャレを食べに来ているのかもしれない。

カワガラス

 

 

II サケ属魚類とは (社団法人水産資源保護協会)によると

これまでサケを摂餌することが確認されている主な鳥類は、ミソサザイ、ハク

トウワシ、カワガラス、カケス、カラス類の他にカモメ類があげられる。

 

河畔のエゾノヌヤナギが芽鱗の一部を脱捨てていました。特別早いわけではなく毎年の事です。

 


凄まじいシロサケのオスの戦い!

2011-12-17 17:41:38 | サケの観察

自分の子孫を残そうという凄まじい♂サケの戦いです。

先頭の3匹に注目。

腹を見せ産卵のため川底の砂利を掘るのは♀。大きくやや緑っぽい色をしたのが♂。

傷だらけの体をしたのも♂で、腹の色は♀に化けているが(擬態)です。

まともな喧嘩では勝ち目はなく、産卵の瞬間あわよくば自分の精子を...

と狙っているらしいのだが、本命の♂には見破られているらしい。

本命の♂は、執拗に傷だらけの♂に噛みつき攻撃しています。

此処までしなくとも…という感じもします。 ♀は我関せず…

 

tagawacc さんの動画 

喧嘩に負けた♂も割込んで放精するのがわかります。

 

 人類が戦争をせずに生延びていくには、

 「汚染物質(CO2も放射性物質も当然含まれる)の排出量を自然が吸収してくれる範囲に留めること。

再生可能資源の採取は再生量を超えないこと。

枯渇性資源の採取は“再生可能な代替資源”の再生量を超えないこと。」が必要だといいます。 

 

 人間社会では、草食系男子とか少子化とかが問題?になっているが、これらの現象は、

「人間という動物が無意識に(本能的に)、戦争を回避しつつ地球上に生延びようとしているのかもしれない」と、

サケのオスの戦いを見ながら考えました。 

 

 2011/11/29 新ウヨロ橋の上から撮影したものです。

 このあたりは、概ね10月中に産卵が終るエリアです。11月末に産卵するのは何故か?

 

 

 

 

 

 


ベトナムへの「原発輸出」に税金19億9,900万円

2011-12-06 20:46:01 | 原発・エネルギー

 

ベトナムへの「原発輸出」に(ひとまず)税金19億9,900万円を投入(社会学習ネットワーク「市民社会フォーラム」のブログ)

 

☆原発導入の事業化調査で契約:日本原電と越国営電力(NNA.ASIA

http://nna.jp/free/news/20110929icn001A.html

http://www.asyura2.com/11/genpatu16/msg/875.html

 

ニントゥアン第2原発(原子炉2基の計2,000メガワット=MW)のFS事業費は、

経済産業省の「低炭素発電産業国際展開調査事業費補助金」の199,900万円を活用。

 

仕分け人の目は節穴か?

 

 

低炭素発電産業国際展開調査事業費補助金

 

日本の企業の支援をするのが先だろう!!

 


さよなら民主党 原子力協定が衆院通過=今国会で承認、来年発効へ 

2011-12-06 20:33:48 | 原発・エネルギー

 

原子力協定が衆院通過=今国会で承認、来年発効へ

衆院は6日午後の本会議で、ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国との原子力協定の国会承認案を

民主、自民両党など の賛成多数で可決した。承認案は同日、参院で審議入り。

4協定は今国会中に承認され、 来年1月にも発効する見通しだ。

 承認案は2日に衆院外務委員会で可決され、与野党の事前の合意では、

同日の衆院本会議に緊急上程されることになっていた。

しかし、自民党が、原発輸出に対する政府方針が不明確として上程先送りを求めたため、

本会議採決が6日にずれ込んだ。

公明党は、政府の原子力政策の見直しが終わっていないことを理由に「承認は時期尚早」として反対。

社民、共産両党も反対した。(2011/12/06-13:25

 

原子力協定 原発輸出へ国会の承認を急げ123日付・読売社説)

本性を現した読売新聞

 


国際原子力開発 産業革新機構 日本原子力国際協力センター 国際人材育成機構 原発輸出村

2011-12-06 20:04:46 | 原発・エネルギー

 

原発輸出関係機関を私なりに調べてみました。 

 

際原子力開発株式会社

 

“「国際原子力開発株式会社」の設立について”から 抜粋

 

国際原子力開発は、原子力発電プロジェクトの受注を通じて、新規導入国での安全で

信頼性の高い原子力発電の確立に貢献するべく、日本政府による制度整備や資金等

に関する支援をいただきながら、わが国がこれまで培ってきた原子力発電所の建設、

運転保守、人材育成等の技術・ノウハウを官民一体となって包括的に提案してまいります。

 

株主

北海道電力株式会社  東北電力株式会社  東京電力株式会社  中部電力株式会社

 北陸電力株式会社  関西電力株式会社  中国電力株式会社 四国電力株式会社

 九州電力株式会社  株式会社東芝  株式会社日立製作所  三菱重工業株式会社

 そして、見慣れない会社

株式会社産業革新機構 官民一体の「官」が隠れているようです。

 

株式会社産業革新機構プロフィール

 ここに「官」が現れました。

政府出資 920億円 政府保証枠8000億円

 

2009727日 株式会社産業革新機構が営業開始

2010.10.15 「国際原子力開発株式会社の設立」を決定

 

一般財団法人 日本原子力国際協力センター

 

センター設立の目的

エネルギー・セキュリティの確保や地球温暖化問題に対応する観点から、原子力発電の

再評価が世界的に進んでいます。 このため、原子力発電の導入を計画する国が増えてきており、

わが国に対し人材育成を始めとする基盤整備に関する協力要請が多く寄せられています。

この要請に適切に応えるためには、官民が緊密に連携し、情報・ノウハウを集約して、

効果的・効率的に進めることが求められます。

 当センターは、このような活動を実施する中核的組織として設立されました。

 

 

公益法人 国際人材育成機構(旧(財)中小企業国際人材育成事業団)

 

厚生労働省の天下り機関らしい

役員簿

理事長  澤共 榮 (元福島労働基準局長)

常勤理事 覺 正寛 治  (元鹿児島労働局長)

常勤理事 中 村 (元札幌入国管理局長)

 

ベトナムから原発技能実習生6千人規模 国際人材育成機構(アイム・ジャパン)とは

 

NGOがG8各国の輸出信用機関による原発輸出支援の実態についての報告書を発表

 

『破局への財政支援-G8各国による原子力技術国際移転への財政支出の実態』

 


原発輸出になぜ税金? 東芝、日立、三菱がやりたきゃ勝手にやれば良い!

2011-12-06 19:52:45 | 原発・エネルギー

原発輸出になぜ税金? 東芝、日立、三菱がやりたきゃ勝手にやれば良い! 

 

“原発輸出”再開の愚“(日経ビジネスオンライン)20111111日(金) 

 

「日本政府は事業への出資をはじめ、政府開発援助(ODA)を通じた技術者育成、

国際協力銀行(JBIC)による融資なども検討、至れり尽くせりで支援する構えだ。」そうだ。

東芝、日立製作所、三菱重工業といった民間企業が独力で原発ビジネスを継続することに

異論を差し挟む余地はない(コンバインドサイクル発電などガスタービン事業で高い競争力を

持つ三菱重工や地熱タービンで世界シェア首位の東芝が原発事業で経営資源を浪費するの

は惜しいが…)。失敗してもオウンリスク(自己責任)だから、経営者が判断すればいい。

 しかし、政府が金融支援するとなると話は違ってくる。公的資金を投じる海外プロジェクトの

採算性を官僚や政治家が判断できるのか。稼働した原発が万一事故を起こした場合に巨額

の賠償請求を断ち切れるのか。

 

原発輸出の公的支援に、NGO4団体が共同提言

 

日本政府の原子力技術輸出と公的金融機関(国際環境NGO FoE Japan