サケの母川回帰 子孫を残す事への執念 排水溝に産卵したサケ で、
サケは、自分が生まれた極小さな支流にまで正確に戻り、その川に子供達の命を托しているのだろうと考えられた。
サケは、嗅覚機能を用いて各河川水に溶解している河川固有なアミノ酸組成を識別していると言われる。
では、自分が生まれた川まで戻ってきたサケは、産卵場所をどのようにして決めるのだろうか。
鼻先を川底につける、試し掘りをするなどして産卵場所を決めるという。
サケが産卵するのに適した場所としてよく言われている場所
- 水深10~40㎝程度
- 流速0~40㎝程度
- 川底は、サイズが15㎝までの砂泥を含まない砂利等、適度な通水性が確保される組成である。
- 川底からの湧昇流(すなわち伏流水あるいは湧水)があること。
- 逆に川の水が川底に浸透する場所でも産卵している。
水深や流速、川底の様子は、視覚や水の抵抗などで判断するかもしれない事は想像できる。
では、「湧昇流や浸透する水の流れ」をどのように検知するのだろうか。
シロザケ個体群の多様性維持における河床間隙水および河川地形の役割(卜部浩一・下田和孝(北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場))によると、
湧昇しているか浸透しているかを調べる方法として、数㎝程度の水頭差(圧力差)を測定している。
産卵床内の水温は、川底からの湧昇流がある所では河川水より高く、川の水が川底に浸透する場所では、河川水と一致していたという。
川の水が川底に沈み込む所でも産んでいるとされるので、「匂い」でも「水温差」だけでも無い事になる。
微小な圧力差を検知するセンサーをもっているのだろうか。