白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

サケは産卵場所をどう決めるのだろうか?  温度・匂い・圧力センサー

2016-01-28 18:04:34 | サケの観察

 

サケの母川回帰 子孫を残す事への執念 排水溝に産卵したサケ で、

サケは、自分が生まれた極小さな支流にまで正確に戻り、その川に子供達の命を托しているのだろうと考えられた。

サケは、嗅覚機能を用いて各河川水に溶解している河川固有なアミノ酸組成を識別していると言われる。

では、自分が生まれた川まで戻ってきたサケは、産卵場所をどのようにして決めるのだろうか。

 

鼻先を川底につける、試し掘りをするなどして産卵場所を決めるという。

 

サケが産卵するのに適した場所としてよく言われている場所

  1. 水深10~40㎝程度
  2. 流速0~40㎝程度
  3. 川底は、サイズが15㎝までの砂泥を含まない砂利等、適度な通水性が確保される組成である。
  4. 川底からの湧昇流(すなわち伏流水あるいは湧水)があること。
  5. 逆に川の水が川底に浸透する場所でも産卵している。

 

水深や流速、川底の様子は、視覚や水の抵抗などで判断するかもしれない事は想像できる。

では、「湧昇流や浸透する水の流れ」をどのように検知するのだろうか。

 

シロザケ個体群の多様性維持における河床間隙水および河川地形の役割(卜部浩一・下田和孝(北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場))によると、

湧昇しているか浸透しているかを調べる方法として、数㎝程度の水頭差(圧力差)を測定している。

産卵床内の水温は、川底からの湧昇流がある所では河川水より高く、川の水が川底に浸透する場所では、河川水と一致していたという。

 

川の水が川底に沈み込む所でも産んでいるとされるので、「匂い」でも「水温差」だけでも無い事になる。

微小な圧力差を検知するセンサーをもっているのだろうか。

 

 

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サケの母川回帰 子孫を残す事への執念 排水溝に産卵したサケ

2016-01-06 17:51:46 | サケの観察

先月ある方から、ここでサケが産卵していたという情報をいただいた。

場所は、ウヨロ川のすぐ近くの道路の傍の雨水の排水溝だ。

後日その写真をいただいた。11月5日の写真だ。サケが道路脇の雨水の排水溝に熱心に産卵している様子だ。

 

もう一枚は、近くの道端にあるサケの死骸だ。産卵が終らないうちに、一足早く力尽きたオスかもしれない。

 

なんでこんな所に生むのだろう。

大雨でどこが川かわからなくなるほど増水して、排水溝にとり残されたなら、分らないでもないが、2~30mも下ればイサカナイ川へ戻れるし、更に200mほど下ればウヨロ川本流に戻る事ができる。なぜ戻らなかったのだろう。どこで生まれたサケなのだろう。

どうしても納得できないので、年末に現地を調べてみた。

しばらく雨が降っていないのに、産卵していた「排水溝」には、水が流れていた。

流れを辿ると、何かの作業の為に使われていたと思われる道を横切り、イサカナイ川の小さな支流につながっていた。放置された簡易トイレも見える。

 

かつての流れの痕跡がおぼろげながら残っている。

昨年(2014年9月)の大雨で流れが変わったのだ。

流れに沿って遡ってみた。

数百m先まで行くと、サケが産卵しそうな場所が20mほどの長さであり、これより先は浅すぎて遡上は無理だろう。川の水は3℃、礫の内部の水温は7℃ほどあった。

 

 

あのサケは、この川で産まれた可能性がある。

いや、数年前に間違いなくこの辺りで生まれたのだろう。

北太平洋から遥々、この小さな川のこのあたりを目指して帰ってきた。

しかし、川の流れが変わってしまい、ここまでしか遡上できなかった。間違いないだろう。

では、なぜこんなに生まれた川に帰ろうとするのだろう。

自分が生まれて育った川だ。そこに生めば自分と同じように、子供も間違いなく育つ。

そんなプログラムが親から子へと受け継がれているのだろう。

では、どうして生まれた川を知り帰る事ができるのだろう。

北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 上田 宏 教授が、その一部を科学的に明らかにしている。

サケの感覚機能と母川回帰(バイオメカニズム学会誌)

 

生まれた川へ帰ろうとする執念、子孫を残す事への執念 そのすさまじさに圧倒される。

ますます、生き物としてのサケの魅力に取りつかれそうだ。

笹薮に、ヒロハノヘビノボラズの実がまだ残っていた。

 

 

 

 

 

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さわやか自然百景 北海道 白老町 ウヨロ川 

2016-01-05 15:43:29 | そのた

NHK「さわやか自然百景」でウヨロ川が紹介されます。

放送予定日

本放送 総合 2016年1月24日(日曜日) 午前7時45分~59分

 

さわやか自然百景 「北海道 ウヨロ川」

https://www.nhk.or.jp/sawayaka/contents/program/2016/01/2016_0124_uyoro.html

https://www.nhk.or.jp/sawayaka/contents/monthly/index.html

違和感がある言葉が幾つかありますが、どんな放送になるのでしょう。楽しみです。

 

12月に遡上した立派なサケ 2011/12/21 撮影

 

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萩の里自然公園 冬の自然観察 愉快な冬芽や葉痕

2016-01-05 15:23:13 | 萩の里自然公園

 萩の里自然公園お知らせブログ より転載

      

 萩の里自然公園 冬の自然観察

                愉快な冬芽や葉痕

 

皆伐実験地では、 “ひこばえ”や実生が

小さな冬芽にエネルギーを蓄え、寒さに耐えて春を待っています。

特徴的な15種ほどの樹木の冬芽や葉痕を観察することができます。

狭い面積で容易に多くの冬芽を観察できるのは

「皆伐実験地」ならではの事です。

雪があれば動物の足跡も観察できます。

 

■日  時:1月16日(土曜日)9:30~ 2時間程度

強風・大雪・吹雪の時は中止します。

■集合場所:萩の里自然公園駐車場

■靴に雪が入らない工夫をして、暖かい服装で!

■樹木図鑑やルーペがある方はお持ち下さい。

■参加無料 申込不要

             萩の里自然公園管理運営協議会

 

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