白老の自然情報

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不漁続くサケ 自然産卵で資源回復なるか 

2018-01-04 16:27:13 | サケの観察

NHK WEBNEWS 不漁続くサケ 自然産卵で資源回復なるか

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171229/k10011275091000.html

 から一部を転載

記録的な不漁となっているサケについて、日本では人工授精で生まれた稚魚を放流することでしか漁獲が保てないと考えられ、国を挙げて「ふ化放流」が続けられてきました。ところが、高齢化で放流が減っている川などの8割余りでサケが自然に産卵していることが研究機関の調査で分かり、「ふ化放流」のみに頼らない資源回復の可能性を示す形となっています。

日本ではサケを養殖並みに増やすため人工授精させて稚魚を川に放流する「ふ化放流事業」が国の制度として続けられていて、治水工事などで産卵できる川が少ないことからこの取り組みがなければ漁獲が保てないと考えられてきました。

しかし本州では高齢化などからふ化場の閉鎖が相次ぎ放流が減り始めている場所もあるため、サケが減ってしまうと懸念する声があがっています。

このため国の水産研究・教育機構が秋田県から富山県にかけての全長が5キロ以上ある94の川すべてでサケの生態を初めて調べた結果、8割を超える川で海から戻ったサケが自然に産卵していたほか、ふ化放流事業が行われていない小規模な川でも7割余りで産卵が確認されました。

この結果は「ふ化放流事業」のみに頼らずに資源を維持できる可能性を示す一方、今回の調査では、川に「せき」などがあるためにサケが川を上れずに産卵場所を奪い合い卵が死んでしまう現象も確認され、自然産卵の課題も浮かび上がっています。

水産研究・教育機構の飯田真也主任研究員は、「放流していない川にこれだけのサケが上ってくることに率直に驚いた。自然産卵を妨げる要因を取り除くことで、サケを増やす方策を検討したい」と話しています。

自然産卵への期待と課題
サケの漁獲量が減り続ける中、従来からの「ふ化放流」に加えて「自然産卵」を増やすことで、サケの数を2倍に増やせる可能性があるという試算もあります。

産卵のため日本に戻ってきたサケは8割から9割が沿岸で食用として捕らえられ、残ったサケも川を上る途中で「ふ化放流事業」のために多くが捕獲されるため、日本では自然産卵で生まれたサケはほとんどいないと考えられていました。

ところが、水産研究・教育機構の森田健太郎主任研究員が北海道の8つの川で「耳石」と呼ばれるサケの頭の組織から自然産卵で生まれたかふ化放流されたかを調べた結果、平均すると川に上ってくるサケの5尾中の1尾は自然産卵で生まれたものとわかりました。捕獲を免れたサケが自然に産卵したと見られています。

森田研究員の試算では、現状でふ化放流をやめると稚魚の数が減り、日本に帰ってくるサケが数十年で絶滅してしまう一方、自然産卵とふ化放流を同時に行えばサケの数を2倍に増やせる可能性があるということです。

その一方、北海道ではふ化放流事業に必要なサケの数が「計画数」としてあらかじめ決められていますが、実際にはこの10年で計画数の2倍余りが捕獲され、繁殖に利用されずに加工品などに回されています。

森田研究員は、「ふ化放流に使わないサケを自然産卵させれば稚魚の放流を1.5倍に増やすのと同じ程度の効果が見込まれる。稚魚だけでなく親も放すことが大切だ」と指摘しています。

自然産卵を増やす試みも
サケの自然産卵を促そうと、北海道南部の日高地方では5年ほど前から上ってきたサケを捕獲する「ウライ」と呼ばれる仕掛けを7つの川のうち4つで撤去し、サケが自由に川を上れるようにしています。

当初は漁業者などからサケが減るのではないかと不安の声も上がりましたが、仕掛けを撤去した川の1つでことし行われた調査では、ふ化場で生まれた稚魚と同じだけの稚魚が自然産卵で生まれたと見られることがわかりました。

効果の検証ができるようになるまでには時間がかかるということですが、資源の増加が期待されています。

「日高管内さけ・ます増殖事業協会」の清水勝専務理事は、「自然の力を生かして資源を安定化させられることはすばらしい」と話しています。

調査を行った水産研究・教育機構の森田健太郎主任研究員は、「ふ化放流と自然産卵とを車の両輪のようにとらえることが大切だ」と話しています。
サケ この10年で激減
ことしは北海道でサケの記録的な不漁となっていて、今月20日現在の漁獲はおよそ1570万尾と去年の3分の2にとどまっています。

このため年末年始に需要が高まるイクラも値上がりしていて、イクラを狙った密漁が相次ぐなど社会問題ともなっています。

日本沿岸でのサケの漁獲量は昭和30年代には年間300万尾から500万尾でしたが、昭和50年代から「ふ化放流事業」の技術の進歩とともに急増し、平成16年のピーク時には6000万尾を超えました。

ところがその後、サケの漁獲量は減り続けていて、北海道ではこの10年で半分ほどに激減したほか、本州でも減少傾向にあります。

このうち北海道ではほぼ同じ数の稚魚を放流し続けていますが、サケが減った原因はわかっていません。

ふ化させる設備の制約から放流する稚魚を増やすことは難しく、どうやって資源を回復させるかが大きな課題となっています。

転載部は以上

 森田さんご指摘の「赤字」標記にした部分のデータ(サケマス増殖事業協会HPから胆振の部分を抜粋)

私は、上の表を見る数年前までは、ウライはあくまで「孵化放流事業に必要な親ザケ」を捕獲しているだと思っていました。

必要な親ザケを捕獲した後もウライを撤去することなく「加工品」(多分イクラ)に回されているという事が判りました。

「イクラ」を採る為に捕獲を続けているらしいのです。

「ウライ」については、ウヨロ川サケ遡上情報(2017/9/9)

http://blog.goo.ne.jp/shiroikumo_2004/e/04477e38b2bc33cc4012d6d16534c5a8

をご覧ください。

 ウヨロ川の野生の稚魚(2013年撮影)

 メスの腹には約3000粒の卵が入っています。 

ウライで捕獲せず川で産卵して、3000粒の卵の1%が数年後に再び川に帰ってくるとすると、30匹です。

今3000粒のイクラを獲るのか、数年後に30匹のサケを採るのか?ということになります。


本当に「川はだれのもの」なのでしょうね。

 

 

 

コメント
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