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Mr.Mister “Welcome To The Real World”

Mr.Mister “Welcome To The Real World”

Welcome to the Real World
Produced by Mr. Mister and Paul DeVilliers
Engineered by: Paul DeVilliers and Lois Oki
Mixed by: Mick Guzauski and Mike Shipley
Musicians: Richard Page, Steve George, Pat Mastelotto, Steve Ferris
RCA 1985年


Produced by Mr. Mister and Paul DeVilliers
Engineered by: Paul DeVilliers and Lois Oki
Mixed by: Mick Guzauski and Mike Shipley
Musicians: Richard Page, Steve George, Pat Mastelotto, Steve Ferris


Mr.Misterレビューのお時間です。
前回先に3枚目のレビューをアップしましたが、今回は2枚目のアルバムです。

わたしが所持しているのは中学のときに買ったLPとCDで、1985年のもの。
ええええと、今はっきりわかるのでは1985年時点でいろんな国から28パターン発売されています。
データソースはこちら→http://www.discogs.com/Mr-Mister-Welcome-To-The-Real-World/master/57692
で、まあこの28パターンは音に関しては(「LP」版、「CD版」での違いはありますが)同じ。

その後RCA、BMGからもよそからもリマスターだの紙ジャケだの廉価版など、再発売いっぱい出ていますが、そこまでフォローできていません。
上に貼ったアマゾンのリンク、一応RCAの輸入盤で1990年10月に発売のものですが、
何度も版を重ねているCDをネットで買うのは要注意です。



例えばわたしがアマゾンでいろいろ物色した洋楽アルバムね、「これだ」って申し込んでも、違う品番のものがきたこと、ときどきあります。
でもまあ、実際に手にとってお店で買ったわけじゃないし、激しく収録曲が異なるものが届いたことはないので、文句も言わずそのままです。
『このときのリマスターCDで、ボーナストラックが3曲ついてるCD』が欲しかったのに全く違ってたらさすがに文句つけると思いますが、そういうことは幸い無くて。
収録曲の順番が申し込んだのと違ってて、「あれ?」と思ったらUK版とUS版の違いだったとか、そういう失敗はあります。

ま、でもわたし、できるだけ一番最初に出たオリジナルに準拠したものであれば、特にこだわらない人。
リアルタイムで出たときに買えなかったor 買わなかった、、、んだからしゃーない。
後から買うんだから、まあ、そのとき出会えたものでいいよなーってな感じ。

耳だって、ごく普通のレベルの耳ですから。(むしろ英語の聞き取りは駄目だ・笑)
楽器と歌をやってたから、「全然音楽に興味がない人」よりは多少音感がましな程度。
なんかの音聞いて例えば「この音はA5#だ」とすぐわかるくらい。
(高い高いラのシャープ、二点嬰イのことです。)
でも絶対音感は持ってない。両手の和音でこられると少し考えないとわからない。

デジタルリマスターとかも、あんまりこだわりません、、というかよくわかんない(笑)

ごくふつうの一軒家で、雑音だらけの日常で、てけとーなオーディオ機器で聴くので、音圧がどうとか、ちんぷんかんぷん。

このMr.Misterの2ndも、たっくさん版を重ねているから、こだわる人はいろいろこだわるんでしょうが、、

もし今持ってるCDが割れちゃったりしたら、さすがにもう1回買いますが、どれ買ったらいいのかお手上げだわね、これじゃあ。


われないことを祈るしかない。


では本題。
今回はMr.Misterのセカンドアルバム。

Mr.Mister “Welcome To The Real World”
「ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド」  1985年 RCA
録音:1984年10月~1985年4月
プロデュース:ポール・デヴィリアス & Mr.Mister
リチャード・ペイジ:ベース、リードヴォーカル
パット・マステラット:ドラムス、パーカッション、エレクトリック・パーカッション
スティーヴ・ファリス:ギター
スティーヴ・ジョージ:キーボード、シンセサイザー、ヴォーカル


ソングライティングのクレジットは全てMr.Mister&ジョン・ラングになっています。
(ジョン・ラングはリチャード・ペイジの従兄弟で作詞家です。)
このアルバムはワールドワイドで売れて全米で1位を獲得、メガセールスを記録しました。86年の年間アルバムチャートでは7位。


ようやく自分たちでプロデュースすることができ、彼ら独特のこだわりの音作りにはしってますが(特にA面)、
ライヴで再現できないような(4人で演奏できない)音ではなく、でも「うわー、なんじゃこりゃ!」って凄い演奏。
でも派手じゃなくて地味シブなんだよなあ。
適度にポップで適度にパワフル。
難しいことはこっそりかくしてて(わたしの友人は例のごとく「みんなだまされてる!!!」と・笑)。

ごくごくまっとうで、素直ないいアルバムだと思います。


最初にレコード買ったときの感動を思い出します。
家にダッシュで帰って聴いてました。
もう毎日毎日。
あの頃は全てが、Mr.Misterでした。


記事に貼ってるリッツのライヴのリンクはYou Tubeのものなので、音質がちょっとあれなのですが、
以前も記事に書きましたが高音質で聴けるサイトがあります。→こちら フリートライアルは1週間です。



#01. Black/White
「ブラック/ホワイト」
映像はリッツのライヴ デイトナビーチのライヴ
アルバム1曲目からガツン!(と・に・か・く、このアルバムA面がもうクセモノでね。)
かっこいい~
あ、もちろん、音がかっこいいんですよ。
ギターのリフがかっこいい。派手じゃないんだけども、渋くて素敵。
サビのうしろにかぶってくるシンセ・サウンドがこれまたいいんだなあ。
渋くてクールな曲です。たまらない。


#02. Uniform Of Youth
「ユニフォーム・オブ・ユース」
アルバムでは1曲目からほとんどつながるような感じで始まります。
違和感なくつながる感じでこれも渋さが光ります。ライヴ音源では87年のツアーのもの
このツアーのときは3枚目のアルバムの曲とあわせてのセットリストでした。
ヴォーカルは今のところレコード録音のものがクオリティが高く、これをライヴでのやるのはけっこう大変なんだなと思います。
弦楽器みたいな感じのメロディラインの上下なんですよねー。
単発のライヴならいいんですが、ツアーだと声がつぶれてきてて大変そうです。
You Tubeに上がってるのではなく、1985年12月のリッツのライヴを上に挙げたサイトで聴くと、
そこでの「ユニフォーム・オブ・ユース」は、、、、、素晴らしいです。
ヴォーカルレンジも演奏もスタジオ録音よりいいと思う。



#03. Don't Slow Down
「ドント・スロウ・ダウン」
これは「ユニフォーム・オブ・ユース」をもっちょいキャッチーにした感じでしょうかね。
適度なポップさとハードさでシングル向きな楽曲。
親しみやすさではこっちのほうが上だし、メロディアスなところもいいし、
バックのシンセサウンドがいかにも80'sしてます。
いい曲です。
個人的な好みでは「ユニフォーム・オブ・ユース」ですが。
友達は「両方ともこういうのが好きなのはあんたくらいだよ」と言われますが、、、、
この手の音に弱い人、わりといるんだぞ~。
ベスト盤にも入ってるんじゃなかったかな。



#04. Run To Her
「ラン・トゥ・ハー」
このアルバムの中での唯一のスローナンバーで、裏声を使ったサビが印象的なラヴバラードです。
シングルのキリエのB面だったんですね~。


#05. Into My Own Hands
「イントゥ・マイ・オウン・ハンズ」
大好きなデイトナビーチのライヴ映像
最後の最後でギターの弦が切れちゃったスティーヴさんとかスラッグのいい声とか、アホみたいなリチャードのヴォーカルレンジの上下っぷりとか鬼神のパットとかね、、、ああ、この曲ほんとに好き。
お友達のゆうとぴ子やん(TRファン)はきっとこういう変態コードがいやなんでしょう。
ペイジズの凝りに凝ったコードチェンジはここに引き継がれてる(と思う)んだけどなあ。
スティーヴのギタープレイの素晴らしさを聴きたかったら、リッツのライヴでどうぞ。



#06. Is It Love
「イズ・イット・ラヴ」
このアルバムからのシングルカット3曲目。
PVはこちら
ライヴはこちら
『「キリエ」と「ブロウクン・ウィングス」が素晴らしい曲なのはわかってる、
でも実は「イズ・イット・ラヴ」が一番好きなのかもしれない。。。』
そういうファンの声、けっこう多いです。

わたしはこのリズム・パターンがたまらなく好きです。
トータルな楽曲としてのクオリティが非常に高い作品。
この曲なら、どのパートでも演奏したいです!!!!
あ、まあ、、、ドラムはセットで叩けないからシンセパッドとトリプルと小太鼓でなんとかするしかない、、、、
ギターもベースも弾けないから全て鍵盤で再現するしかないですが。。。。
この手のリズムパターンものではS&Gの「セシリア」、ビートルズの「オブラディオブラダ」と並んで、3大好き好き大好きソングです。
簡単なようで難しいリズムででも楽しい!


#07. Kyrie
「キリエ」
このアルバムからのシングルカット第2弾で、彼らにとって2曲目の全米No1ヒット曲。
.Mr. Mister-Is It Love/Kyrie live at The Ritz (video) NYリッツのライヴ。Is it Love~Kyrie
パットとスティーヴの演奏が素晴らしいです。
デイトナ・ビーチのライヴ
リチャードのヴォーカルが神です~。

Mr.Misterの曲の中で世界中で最も知られているポップでキャッチーな作品。
PVはおなじみのこれ→PVはフェイドアウトで終わらない
(。。。このフェイドアウトで終わらないバージョン欲しさに翻弄されたファンは多いかと。
アルバム収録のものはフェイドアウトで終わるので、このフェイドアウトで終わらないパターンのものが入っているベスト盤を求める人多いですよね。)
これを当時見たり、ラジオで聴いて、洋楽の深みにはまった中高生は多かったと思います。
ある意味罪深い楽曲。(←グレゴリアンの歌詞を用いているのに罪深い)
それくらいインパクト強かった。
でもほんと、いい歌です。
いい歌って、理屈じゃないですよね。
もう、単純なくらいメロディーと歌詞がキャッチーで、声の力があったら、それでいいじゃんね。
Ringo Starr - Warszawa 2011 (09) Richard Page - Kyrie

☆2011年ワルシャワで。25年後のキリエ
最初にオールスターバンドに参加したシーズンのライヴ



26年後のキリエのライヴこちらは2012/2013年のオールスターバンドのツアーにて


#08. Broken Wings
「ブロウクン・ウィングス」
デイトナビーチのライヴ
PV
彼らにとって初めての全米No.1ソングで、このアルバムの中でも、
そしてきっとMr.ミスターの全ての歌の中での最高傑作。

この曲をラジオで初めて聴いたときの衝撃といったら、、、、。
暗いメロディーなんだけども(この暗い曲がはじめての1位獲得なのは驚きだとよくいわれる)、
不思議な浮遊感と熱っぽさもあって、
でも乾いてて、、、、
シンセの音もなってるんだけどもピコピコではなく(あ、わたし、80年代特有のあのピコピコも好きですよ)、
でもやっぱり、声かなあ。
いや、声とあの楽曲、両方だよなあ。
うーん。
言葉にするのはほんとに難しいです。
ワタクシの80年代はこれにつきます。。。。。

リッツのライヴ
このライヴは全米チャート1位を2週記録した直後ドンピシャのタイミングでのライヴでした。

よくよく考えたら86年の年間チャートのトップ10に2曲入ってるのって、Mr.Misterだけなんですよ。
驚いた。へー、そんなに売れてたの?というのが素直な感想。
そりゃ、レコード会社の立場だったら、「この路線でずっといけ」というのは当然なんだろうね。
それだけ短くパーっと輝いた、ってことなんだろうなあ。。。
彼らのことは全然知らない、でもこの2曲だけは知ってるっていう人がいてもおかしくないわけですよね。
1発ソングの人といわれるのも仕方ないわけだよなあ。



わたしが知ったのはラジオでですが、11月に入ったころだったかなー。
なんで11月なのかというと、わたしは当時水泳部でして、4月後半~10月半ばまで屋外プールで泳ぐんです。
秋になって外気温も下がっていて、水温9度くらいになると厳しく(わたしは8度の水が一番辛かった。)さすがに部活は陸トレに切り替わって、、、、
そうすると凄く早く家に帰れるんです(笑)
ミュートマも「金八先生」や「トミーとマツ」の再放送も見られるし、ラジオもたくさん聴けるわけ。(←勉強しろよ)
部活は砂浜をざーっと走っておしまいだから(大笑)←いいのかこんなオフシーズンで。
ま、とにかく、泳いでた記憶がないので、11月だと。

そのころ全米でもトップ20圏内に入ってたんじゃないかなあ。でなきゃ日本のラジオでもかかんない、、、かと。

最初は全然売れなかったそうです。
リリースして3週間くらいは100位以内にも入っていなかったとか。
ただ、この頃アルバムは20以内に入りそうな頃で、これに手ごたえを感じたリチャードは、シカゴへのお誘いを断っています。

でも「ブロウクン・ウィングス」、とうとう1985年10月19日付けのチャートにぽつんと入ってきます。
それは地方ラジオ局でたくさん流れるようになったのが原因だと言われています。
ミネアポリスやデンバーのDJに感謝しますよ!!!!

TOP40内の推移は
35位→27位→20位→11位→7位→4位→3位→1位→1位→2位→7位→年末でお休み→9位→21位→36位
1位獲得は12月7日、14日2週連続でした。



#09. Tangent Tears
「タンジェント・ティアーズ」
リッツのライヴ映像
タンジェントって三角関数ではなくてもともとの意味のほうです。
切ない心を軽やかなメロディーにのせて歌った隠れ名曲。
ファンタスティックで好きです。


#10. Welcome To The Real World
「ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド」
アルバムの最後を飾るタイトルナンバーです。
明るい曲で終わるところがアメリカのバンドらしくていいですね。
コーラスのところはついつい一緒に歌いたくなります。
自転車こいでるときは要注意。車と違って歌ってるとすぐばれますからね。
ライヴ映像

歌詞が子供への呼びかけになっていて、ノリのいい楽曲なんですが、実は美しくて優しい曲なんです。
それがなんか、ドラマティックというか、奥行きのあるような、ワイドレンジのアレンジになってて、
生まれてきたばかりの赤ちゃんとか、まだ胎内にいる子への呼びかけにも聞こえるし、
胎内で聴こえるお母さんの心拍、血液の流れみたいな音っぽい部分もあったりして
はたまた宇宙っぽいような、森っぽいような響き。
単純に、目の前にいるちっちゃな子供に歌っているのかもしれませんが。
(もっともっと素直に、メンバー誰かのお子さんのための曲なのかもしれないし)

違うアレンジで聴いたらまた面白そうな曲です。

ラスト2曲はいろんな涙について歌ってて、こういう言葉の感覚が、ジョンの面白いところなんですよね。

歌詞については他の曲でも詳しく触れたいところですが、、、
あまりにも聴き込んでて、なんか、いろいろ思い出しちゃいますね、あの頃のことを。
照れくさくて上手く語れない。
一生懸命ノートに歌詞を写して、覚えたものでした。(そのくせ英語の成績は・・・・)
「ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド」はその点「新しい命」がテーマだから触れやすいんですけども。





このアルバムはもうねえ、自分の血と肉に化してしまっているようなアルバムですので、
改めて言葉で表現するのは難しかったです。
へんてこりんなコードチェンジやリズムパターン満載のA面については、「このクセになりそなところを伝えたい」という気持ちがあるんですが、B面については言葉はいらないと思います。


全部聴きやすく仕上がっていて、ごく普通に「良い」アルバムだと思います。

というか、良い「普通の」アルバムだと思う。

拍子抜けするくらい、飾り気がないです。

80年代の音楽シーンは良くも悪くも爛熟っていうんでしょうか、何でもありのごった煮、腐る一歩手前の芳醇な果物のような、
水炊きのはずが練り物もりだくさんでもはやおでん状態の鍋のような、、、、、カオスでした。
で、今みたいに個人でジャンル分けを楽しめる環境は整っておらず、否応無く全部聴くような状態でした。
だからそんな頃に、適度にポップで、でも「爽やか明朗快活健康ロック」まではいかない、ちょっと暗い部分もあって、緊張感もあり、、、日本刀みたいな鋭利な雰囲気を合わせ持ち、、、でもほんとに「普通」なんですよ。
演奏部分も超絶技巧に走っていなくて(そういうのはライヴで適度に披露してガス抜きしてたんだと・笑)。
そんな彼らのサウンドが受け入れられたんじゃないのかな。


歌はリチャードとスラッグがとにかく素晴らしい。
4人の演奏が、みんな上手いんですけども、何かが突出しているわけじゃなくて、お互いを引き立てているバランスもいいんです。
4人とも良くも悪くも根っからのスタジオミュージシャンだから、「ヴォーカリストをたてる」ことが身体にしみついている。
売れっ子スタジオミュージシャンゆえの職人根性というか、良い音へのこだわりは強いんですが、
同じステージに素晴らしいプレーヤーが一緒に立っていること、それを絶対に忘れていない、、、
歌声や曲を引き立てようとしているのが伝わってきて、気持ちいいんです。



これ1枚あったら幸せだよー。
そういう存在のアルバム、誰しもそのときどきの年齢で出会うと思うのですが、
80年代半ばにティーンエイジャーだった人で、このアルバムがそうだという人、決して少なくはないと思うのです。
わたしがもうちょっと早く生まれていたら、それは「シカゴ」だったり「フォリナー」だったりしたかもしれません。
でもわたしにとってはこのアルバムであり、Mr.Misterというバンドでした。


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