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Richard Page “Shelter Me” リチャード・ペイジ/シェルター・ミー

日本盤と輸入盤
シェルター・ミー
1. ザ・ベスト・シング 2. マイ・オキシジャン 3. イーヴン・ザ・ペイン
4. シェルター・ミー 5. レット・ミー・ダウン・イージー 6. ア・シンプル・ライフ
7. ディペンデンス 8. ジャスト・トゥ・ラヴ・ユー 9. イフ・オール・エルス・フェイルズ
10. 1000億光年の彼方
                   
MCAビクター  1996


Shelter Me
1. The Best Thing  2. My Oxygen 3. Even The Pain
4. Shelter Me 5. Let Me Down Easy 6. A Simple Life
7. Dependence 8. Just To Love You 9. If All Else Fails
10. Heaven Is 10 Zillion Light Years Away  
                    Produced by Richard Page and Kim Bullard   
                    Engineered by Kim Bullard Mixed By Elliot Scheiner
Blue Thumb  1996


参加ミュージシャン
DRUMS,PERCUSSION:
DENNY FONGHEISER  JERRY MAROTTA  LUIS CONTE PAT MASTELOTTO
BASS:JIMMY JOHNSON  JOHN PIERCE
GUITAR:JamesHARRAH RICHAD PAGE  MICHAEL THOMPSON  STEVE FARRIS
KEYBORD,Piano,SYNTHESIZER:KIM BULLARD  RICHARD PAGE
HARMONICA:TOLLAK OLLESTAD
MANDOLIN:KEITH McCABE
FLUTE:SUZANNE TENG
VIOLIN:RICK SAILON
OCARINA:JERRY MAROTTA
VOCALS:RICHARD PAGE  ARNOLD McCULLER  LOUIS PRICE  
CARMEN CARTER  CECELIA BULLARD  STEVE GEORGE  LANCE EATON
 


今回はリチャード・ペイジの1stソロアルバム『シェルター・ミー』のご紹介。

Mr.Mister解散後、パトリック・レナードとのユニット、3rd.マチネーを経て、ようやく作られた初めてのソロアルバムです。
発売は トミー・リピューマのBlue Thumbレーベルからで1996年でした。

1995年の終わりにエイモス・ニュートンからジョージ・ベンソンのための楽曲提供を依頼され、その曲を気に入ったトミー・リピューマが「アルバムを出さないか」と話を持ちかけたのがことの発端のようです。

プロデュースはリチャード本人と、名キーボーディストでもあるキム・バラード。キムはニッキー・ブローンやマーク・ジョーダン、ザ・パーティーなどのポップ系の作品を多く手がけています。
ミキサーは名手エリオット・シャイナー。
ギターはマドンナのバンドで活躍したジェイムス・ハラー、そしてデイヴィッド・フォスター関連の作品でおなじみのマイケル・トンプソン。
ベースはLAの名ベーシスト、ジミー・ジョンソンとジョン・ピアース。2人ともものすごい数のアルバムに参加していて何をあげればいいのか迷うほど。(ピアースは現在はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースにも参加していますね)
ほかのアーティストも、LAの売れっ子ミュージシャンで、このあたりはリチャードの長年のスタジオ・ミュージシャンつながりですね。
そしてアルバムラストのスティーヴィー・ワンダーのカバー曲は、ファンサービスでしょうか、Mr.Misterのメンバーも参加した、ファンとしては涙もののセッション。スティーヴ・ファリスの名前もあって嬉しいです。

現在は日本盤は廃盤みたいで、中古でしか入手はできないのかな?どっかのCDショップに残ってたらラッキー。
海外盤、日本盤のアマゾンのリンクを上に上げてありますが、あとはアップルストアなどでダウンロードできます。

  
#01. The Best Thing /Richard Page & Marc Jordan
「ザ・ベスト・シング」
ドラムス:デニー・フォンハイザー
ベース:ジミー・ジョンソン
エレクトリック・ギター:ジェームス・ハラー
アコースティック・ギター、グランド・ピアノ、バック・ヴォーカル:リチャード・ペイジ
ハモンドB3:キム・バラード
ハーモニカ:トラック・オールスタッド

素敵なシンガーソングライターのマーク・ジョーダンとの共作。

Richard Page - The Best Thing (Acoustic)

↑こちらのバージョンは同じ年にほんのちょっとの人が入手できた、ミニアルバム『ACOUSTIC』におさめられた「ザ・ベスト・シング」


『ACOUSTIC』は『シェルター・ミー』のプロモーション用に配布されたミニCDらしくて(販売もしてたのかもしれませんが)わたしも持っていません。残念。
(このCDに入ってる「ブロウクン・ウィングス」、かなりブルージーでお気に入りなのですが。
また、、、ちょっと鼻声のリチャードの声がいいんですよ。。。
鼻声は『ソングス・フロム・ザ・スケッチブック』の中の「 I Think It's Gonna Rain 」でも聴けますが)



メロディ、ヴォーカルがとても素敵なラヴソングです。うっとり。
ドラムスのフォンハイザーはハートなどに参加しているドラマー。
楽器のサウンドがものすごくヒューマンチックで、温かいです。
その温かいサウンドに「入ってもいいよ」という感じで入ってくるギターとハーモニカがこれまた温かみがあって心地いいです。


CITY PULSE - Save The Rainforest - "Burning down the amazon

このアルバムとは関係ないですが、
マーク・ジョーダンやエイミー・スカイとのセッション



#02. My Oxygen / Nick Kershaw & Richard Page
「マイ・オキシジャン」
ドラムス&パーカッション:ジェリー・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
エレクトリック・ギター:ジェームス・ハラー
エディショナル・エレキ・ギター:マイケル・トンプソン
ウーリッツァー・ピアノ、シンセサイザー:キム・バラード
アコースティック・ギター、バック・ヴォーカル:リチャード・ペイジ

こちらはイギリスのシンガーソングライター、ニック・カーショウの曲「Oxygen」のリメイクです。
ジェイソン・ドノヴァンも歌っていましたね。
リメイクするにあたり、ニックと何度も電話で話し合ったそうです。

「君は僕の酸素、命、僕の全て、愛」という、とっても情熱的な歌詞の、でもメロディは優しげな曲。

アルバムを買った日。
この2曲目までを最初に聴いたときは「今度はラブソングが主体のアルバムなんだな~。新鮮だな~。」などとうっとりしていたのですが、、、、そのあとえらいことになっていくのでした・苦笑



#03. Even The Pain / Richard Page
「イーヴン・ザ・ペイン」
ドラムス:ジェイ・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
エレクトリック&アコースティックギター:ジェームス・ハラー
エレクトリック&アコースティックピアノ:リチャード・ペイジ
ハモンドB3:キム・バラード
マンドリン:キース・マッケイブ
フルート:スザンヌ・テン
ヴァイオリン:リック・サイロン
パーカション:ルイス・コンテ
バック・ヴォーカル:アーノルド・マックレール  ロイス・プライス  カルメン・カーター

Richard Page - Even The Pain (1996)


Richard Page "Even The Pain" Live

とても大好きな美しくて切ない音楽
ソロになってからのもので一番好きで大切な曲です


この3曲目からが全ての始まりというか(苦笑)
この美しい曲で何度泣いたかわかりません。
世の中にこんなに美しくて哀しい曲があっていいものかと、最初はものすごくショックでした。(過去記事参照)

さんざん泣いたせいか、一時はこれを聴くと条件反射で涙が出てきてしまいましたが、
今は大丈夫です。
そして、ソロ・アコースティックでのピアノの弾き語りを聴いてからは、これを弾きたくてうずうずしています!



#04. Shelter Me / Richard Page
「シェルター・ミー」
ドラムス:ジェリー・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
エレクトリック・ギター:ジェームス・ハラー
ハモンドB3、エレクトリック・ピアノ:キム・バラード
エディショナル・キーボード:リチャード・ペイジ
ハーモニカ:トラック・オールスタッド

Richard Page - Shelter Me Acoustic (1996)

こちらもミニアルバムに収められたバージョン


ソフトなレゲエ調が心地よい(はずの)サウンドのタイトルナンバー。
いい曲です。
わたしはこのアルバムのバージョンも好きですが、よりブルージーな『アコースティック』と『ソロ・アコースティック』収録のものがお気に入り。
自分のもろさや弱さをさらけ出したような内容で、彼の作品でここまで直接的な表現で「守って」と歌うのはめずらしい作品です。 



#05. Let Me Down Easy / Richard Page & John Rind
「レット・ミー・ダウン・イージー」
ベース:ジョン・ピアース
ナイロン弦ギター:ジェームス・ハラー
アコースティック・ギター:リチャード・ペイジ
キーボード:キム・バラード

ジョン・リンドは元フィフス・アヴェニュー・バンドのシンガーで、マドンナの「クレイジー・フォー・ユー」などを手がけたことでも有名です。ジョンとはパトリック・レナードとコラボレーションしていた頃に知り合いました。その後の2人での他人への楽曲提供共作も多く、どうやらパトリックとではなく、ジョンとのほうがフィーリングは合ってるみたいです。

#06. A Simple Life  / Richard Page & John Rind
「ア・シンプル・ライフ」
ドラムス:ジェリー・マロッタ
ベース:ジミー・ジョンソン
エレクトリック&アコースティックギター:ジェームス・ハラー
エディショナル・アコースティックギター、エレクトリック&グランドピアノ、バック・ヴォーカル:リチャード・ペイジ
ハモンドB3:キム・バラード
パーカッション:ルイス・コンテ
バック・ヴォーカル:アーノルド・マックレール  ルイス・プライス

5曲目と6曲目はなんとなくペアのような作品に感じています。
「レット・ミー・ダウン・イージー」で大事な恋人との別れのとき、「シンプルライフ」は喪失から再生への過程のように聞こえます。
5曲目は静かな余韻に浸れます。
6曲目はまだ立ち直れてはいないけれども、やわらかい明かりが見えてきたような雰囲気に満ちていて、毎日を大切に過ごそうという気持ちになれる曲です。


#07. Dependence / Richard Page
「ディペンデンス」
ドラムス&パーカッション、オカリナ:ジェリー・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
ナイロン弦ギター:ジェームス・ハラー
アコースティック・ギター、バック・ヴォーカル:リチャード・ペイジ

小さく聴こえるオカリナの音色や、サウンドの雰囲気がなんとなくラテンっっぽいです。
ギターサウンドは軟らかいのですが、情熱的なフラメンコ奏法で弾いても似合いそう。
「シェルター・ミー」同様自分のもろさをさらけ出した曲でとても切ない気持ちになります。
オカリナの音が動物的なのよね。近くで静かに見守ってくれる梟とか、わんことか、、、わんこはじゃれてきそうですが(笑)


#08. Just To Love You / Richard Page
「ジャスト・トゥ・ラヴ・ユー」
ドラムス:ジェリー・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
アコースティック&エレキ・ギター:マイケル・トンプソン
エディショナル・エレキ・ギター:ジェームス・ハラー
ハモンドB3:キム・バラード
エディショナル・パーカッション:パット・マステラット

もっのすごく、ロマンチックでですね、、、まっすぐな問答無用なラヴソングです。
ある意味、これが現実に戻ってこられなくなる曲かもしれません。。。。。照れる。





#09. If All Else Fails / Richard Page
「イフ・オール・エルス・フェイルズ」
ドラムス:ジェリー・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
アコースティック・ギター:ジェームス・ハラー
ウーリッツァー・ピアノ&キーボード:キム・バラード
ハーモニカ:トラック・オールスタッド
パーカション:ルイス・コンテ
バック・ヴォーカル:リチャード・ペイジ

あまりにもロマンチックな曲のあとは、歌詞はロマンチックでもサウンドは少しブルージーな雰囲気で始まります。
サビは甘いんですけども。
そんなに寛大でいいのかなあ、、なんて思うくらい、相手の気持ちを大事にする歌です。



#10. Heaven Is 10 Zillion Light Years Away / Stevie Wonder
「1000億光年の彼方」  
ドラムス:ジェリー・マロッタ
ベース:ジョン・ピアース
エレクトシック・ギター:スティーヴ・ファリス
ハモンドB3&ピアノ:キム・バラード
パーカッション、ドラム・プログラミング:パット・マステラット
バック・ヴォーカル:アーノルド・マックレール  ロイス・プライス  カルメン・カーター  セシリア・バラード  スティーヴ・ジョージ  ランス・イートン  リチャード・ペイジ

元Mr.Misterのメンバーもゲスト参加したスティーヴィー・ワンダーの曲のカバーです。
リチャードは音楽家としてスティーヴィー・ワンダーをとても尊敬して、アマチュア時代スティーヴィーの曲をよくカバーしていたそうです。
たくさんあるスティーヴィーの曲から何故これを選んだのはわからないのですが、
想像するに、Mr.Misterのアルバムの最後は未来への展望のある楽曲にするパターンだったので、
それでこの曲なのかな、、って思うのです。
推測ですが。
どのアルバムも「前へ進もう」「光の先へ」的な歌で終わってるのです。


今聴くと、なんでこんなに癒されるアルバムでやたらと泣いていたのか不思議ですが、とにかくたくさん泣いたアルバム。
しかし当時も思っていたのですが、
「絶対にアルバムの最後は、リチャードは背中を押してくれる曲で〆るはずだ!」というのが心の支えで・笑。
リチャードはなんてったって、ハッピーエンド遺伝子が組み込まれているアメリカ人であり、海っ子海ぞうですから(裸足になるの大好きだしな・・・)
絶対に「悲劇では終わらせない」と思うのですよ。(←だから、このアルバム、別に泣かせるために作られたわけじゃないはずだども・笑・・・)

そういうわけで、わたしはさんざん泣いてから、このスティーヴィーの曲のカバーで現実に戻るというパターンでした。しかし、わたし、すぐ寝ちゃう人なので、なかなか夜だとここまで至らず。

「イーヴン・ザ・ペイン」と「シェルター・ミー」で泣いてそのまま寝落ち、、、というパターンも多かった。

しかし昼間聴いてるときはちゃんとここまで辿り着き(アルバムは最初から聴かねば、という変なこだわりがあるのがよくない)
「もうすぐスラッグの声が!!!!」とまさに天にすがる気持ち(笑)でね。
ようやく、♪Shine some Love on Everybody♪のリチャードの声のバックに「とろけるようなスラッグの美しい声」がかぶさり、狂喜乱舞!してると、これまたすぐにリチャードの硬質なコーラスに切り替わり、
「ええええ!これだけかよ!!!リチャードのバカーーーー!!!!」などと身もだえしつつ、

世の中で一番好きなシンガーであるリチャードのリード・ヴォーカルを

邪険にしたのはこれが最初で最後・笑


でもちゃんとスラッグのお声はそのあとも美しく響いています。
他の方々とのコーラスももちろん素敵です。

あっという間に、1000億光年先の天国に辿り着く前に終わってしまい(楽しいときはすぐ終わるのよ・笑)

あ、アタシ、何してたんだろ、、、、、
と、はたと気づき、「ご飯の支度しなくちゃ」になるわけです。





今でもこのアルバムは、、、感動したり、一緒に沈み込んだり、癒されたり、、、
いろんな気持ちにしてくれる音楽に満ちています。
喪失と再生がテーマになってるようなのですが、たぶん20代30代のあのころは喪失の部分に共鳴しすぎてたのかもしれないなあ。




とても大好きなアルバム。宝物です。




このアルバムは1996年に発売されました。
ライナーの最後には
This album is dedicated to the memory of my beautiful mother, Joice Horton Page(1924-1996)
と書かれています。


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