1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

ヴィオラスペース2006

2006年05月24日 | Weblog
たけまんさんの徒然日記を読んで、今日ヴィオラスペースに行ってきました。

毎年開催されていることは知っていましたが、足を運んだのは今回が始めて。
徒然日記を読んですぐにヴィオラスペースのHPを見たら、東京公演は24日~27日でほっとしました。
でも、マスタークラスの申し込みは往復ハガキで、となっています。
ダメ元で問い合わせメールを送ってみたら、24日も25日も1名だけ空きがあるとのこと。
というわけで、運良く聴講することができました。
ついで、と言ったら申し訳ないんですが、マスタークラスの前にあった、ミニコンサートも申し込みました。

会場は紀尾井小ホール。
紀尾井ホールはいいですね。
ホールがいいのはもちろん、場所がいい。
イグナチオ教会と、1年間だけマンドリン部に通ったキャンパスの前を通り、ニューオータニの手前。
石橋メモリアルホールだと、ホールまでの道のりが、高速の下やバイク用品街で、どうも音楽会の気分が盛り上がらない、と思うのは私だけでしょうか・・・。

小ホールに入ったのは初めてでした。
200席少しの、横に広いすっきりとしたホール。
ルーテルと違って、ステージが高いのが気になりましたが、建物自体が新しくてきれいですし、マードレの演奏会をここでやるのもいいかも。

<マチネ・ミニ・コンサート>

・ヒンデミット:ヴィオラソナタ作品11-4
川本嘉子(ヴィオラ) 野平一郎(ピアノ)

・ヤナーチェク:ヴィオラソナタ(原曲ヴァイオリンソナタ)
ガース・ノックス(ヴィオラ) 野平一郎(ピアノ)

500円、ということだけしか事前の情報がなくて行ったので、ロビーコンサートのようなものを想像していました。
こんな立派な奏者がしっかり2曲も弾いてくれるなんてー。
本当に500円では申し訳ないようなコンサートでした。
しかも、それなのに空いていた・・・。
これまた申し訳ないような気分になりました。

川本さんは、お名前は聴いたことがあるけれど演奏を聴くのは初めてでした。
どっしりとした体格で、安定感のある感じ。
この曲も初めて聴きましたが(いや、今日の曲全て初めてでした)、とても引き込まれる音色と演奏でした。
逆に、ノックス氏は見た目とても頼り無く(すみません、見たまま)気弱そうな感じでした。
音も、川本さんと比べると線が細い。
そして、妙に直立(足を開かずに、気をつけの姿勢)なので、弾きにくくないのかしら、と余計な心配をしてしまいました。
心配といえば、彼は靴を履かずに演奏したんですが、靴下に穴が空いていて、ついそこに目が行ってしまいました。こんなことばかり書いて、ファンの方には叱られそうですが・・・。
曲は、ヒンデミットのほうが私は好きでした。
ピアノの方は、いつかどこかでお見かけしたことがある方でした。

約45分のコンサートが終わり、休憩をはさんでそのままマスタークラスへ。
マスタークラスはなんと無料なんです。
これも会場でパンフレットをもらってからわかったことなんですが、1時から6時までの長丁場。
私は「熱狂の日」のパターンで、勝手に1時間くらいだろうと思っていたのでたいそうびっくりしました。
6時までホールにいる段取りをして出てこなかったのと、今日はまたまた息子が学校を休んでるので、ヴィオラのソロお2人分(2時間)の聴講だけしました。

<若手演奏家のための公開マスタークラス>

・シュトニケ:ヴィオラ協奏曲
原 麻理子(ヴィオラ) 桑生美千佳(ピアノ)
講師 アントワーヌ・タメスティット

講師は、昨日日本に着いたばかりで、しかもロストバゲッジで衣装がないことをまず謝っていました。慌しいスケジュールなんですね。
このタメスティット氏、去年の「熱狂の日」で演奏を聴いた気がします。
樫本大進さんとピアノカルテットをやっていたような。
受講生の原さんは大学4年生で、とても若々しくチャーミングな方でした。

曲はなんだかとても大変そうな(ものすごく体力のいりそうな)曲。聴いているのもかなり力が入ります。
まず言われたのは、音には緊張感を持たせつつ、体はリラックスさせること。
弓の持ち方や弦に接触させる場所(何か専門用語があるのかも)を少し変えると、まるで違う印象に聴こえるんです。
音の出やすい弾き方をちゃんとすれば、弓を弦に押し付けたような音ではなく、開放的に大きい音が出る。楽器そのものが響くので、無駄なエネルギーを使う必要がない、ということでした。
全てをテンション高く弾き続けるのは無理なので、腕の重みを利用して体に負担をかけずに大きい音を出すことや、うまく力を抜く部分を作ることで、音の変わり目もわかりやすく、全体的にすっきりとしました。
最初は、なんか疲れる曲だなと思ったんですが、先生のアドバイスでどんどん魅力的な曲になっていきました。
そして、これは金管も入るオケをバックに弾くコンチェルトなので、ピアノ伴奏で弾くときもそれを意識して弾くべきだそうです。
タメステット氏は、金曜日にこの曲をコンサートで演奏するとのことで、そちらもぜひ聴きたいと思いました。
先生が弾くと本当に楽そうで、それでいてメリハリがあって、それはもう素敵な音なんです。
練習方法の提案もあれこれあり、興味深かったです。
ポイントを押さえたわかりやすい指導で、あっという間の1時間でした。

・ホフマイスター:ヴィオラ協奏曲 ニ長調
蘇 哲弘(ヴィオラ) 増田桃香(ピアノ)
講師 菅沼準二

台湾の高校2年生です。
シュトニケに比べて曲がおとなしいので、ほっとするような、物足りないような。
何かがなんか変だなと思ったら、どうも彼は音程を低目に取るクセがあるようです。先生がまずそこを指摘していました。
和音を鳴らすときも、まずどの音を基準にするか、そしてそこから何度、何度、ときっちり作っていくように、と。こういうことってマンドリンを弾いている限り意識をすることがまずありません(私は)。
こういうところがヴァイオリン属の良さであり、大変さでもあるんだろうなぁ。
あとは運指のことを細かく注意されていました。
なぜその運指なのか、開放弦を使わないのはなぜか。
他には、メロディーの音を大切にすること、音が高いところへ飛ぶときは、かならず1の指の音を確認して正確にとる練習をする必要があること。
こちらの生徒はさんはとてもおとなしく、先生も物静かな方だったので、前の授業と比べると少し停滞した雰囲気でした。

このあとは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第4番(講師は野平氏、川本さん)、アレクサンダー・テクニーク(心身の余計な緊張を解きほぐす学習法)の講義、レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲第3番(講師は今井さん)、と続くのでした。
私は後ろ髪を引かれつつ、会場をあとにしました。

明日もレッスンの帰りにまた行ってきます。
でも夜は仕事があるから、また最初の2時間しか聴講できないのです。
それでもやはり行きたい。

はぁ、ひさしぶりにたくさん書きました。
自分の練習をしなきゃ・・・。
コメント (2)
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