スッキリしない天気が続いている。
かなり風があったので、田んぼのコースを歩く。
風が強いと、虫の集団が出て来ないので歩くには好都合。
(緑の波)
風に吹かれて稲の葉がそよぐ。
緑の田んぼ一帯に、波が打ち寄せるように広がっていく。
風に正面から向かうと、まるで足元に打ち寄せる浜辺の波のよう。
稲の葉先のそよぎ具合で、風が塊になって不規則に通過していく姿を見せられる。
ただ南寄りの風はジメジメしていて、上空を流れる雲と共に湿気そのものが流れている感じ。
(ジャンボタニシの卵)
用水路のコンクリート壁に、ジャンボタニシが卵を産み付けている。
濃いピンクの、ちょっと毒々しい色合いで好きにはなれないタイプ。
この色と、卵にだけあるという神経性の毒物のため他の動物も敬遠してしまう。
ほとんど天敵がいないので放って置けばどんどん増える。
(稲の株や雑草に付着した卵)
水中では孵化出来ないそうで、水に浸からない程度の高さに卵は産み付けられる。
手で触ったりするのは拙いそうで、水の中に落とすとか薬剤とかで駆除する。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は淡水棲の大型巻貝で本来のタニシとは異なるらしい。
南米原産で、日本へは食用として戦後に台湾から持ち込まれ、それが野生化し稲を食害する。
(田んぼのジャンボタニシ)
えら呼吸と肺呼吸の両方をこなすので、水が無くとも生きていく。
ただ寒さには弱く、大型になると土に上手く潜れずに生き延びるのは小型のものばかり。
土の中で越冬するので、冬期に耕耘機などで表面の土を細かく反転粉砕することである程度防除出来る。
田植えしたばかりの若い苗を食べるが、株が大きく育って固くなると食害は少なくなる。
田んぼの出てきたばかりの雑草も食べるので、水の量を適切に管理することで除草効果はあるらしい。
アイガモ農法と同じく、管理がややこしくコストの問題を解決出来ての話だが。
愛玩用や観賞用、食用や天敵として持ち込まれた外来生物が、本来の生態系を壊す事例は枚挙にいとまがない。
そう言えば、子供の頃タニシやカワニナを食べさせられた記憶がある。
いい思い出でない証拠に、今でも巻き貝の類は例えサザエの壺焼きでも一歩引く。
「きっかけで好きも嫌いになる子供」・・・しろ猫