スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&間接無限様態と個物

2013-07-04 18:52:16 | 将棋
 第26期竜王戦本戦トーナメントが2日に開幕。いきなり1組3位の羽生善治三冠が登場し,2組優勝の小林裕士七段と対戦しました。対戦成績は羽生三冠の2戦2勝。
 振駒で羽生三冠の先手となり,小林七段が横歩取りに誘導。先手が飛車を引かずに中住いに構えたので,相中住いの相横歩取りに進展しました。
 内容は後手が無理気味の攻めを仕掛け,先手が余しにいったというもの。やや一方的な将棋であったと思うのですが,先手の勝ち方は印象に残りました。
                         
 ここで▲5六飛と打ちましたが,これが決め手でした。詰めろ馬取りですから△同馬しかありません。もちろん▲同歩。△3八飛で一瞬だけは危ない形ですが,▲4九金と打ってしまえばそれまでで,先手の勝勢です。
                         
 羽生三冠が初戦突破。次の相手は森内名人,谷川九段,豊島七段のいずれかです。

 人によっては,res singularisが無限にまで拡大されると間接無限様態となり,res singularisはres particularisであるからres particularisのうちには間接無限様態と個々のres singularisの両方が含まれると考えることと,間接無限様態自体がres particularisであると考えることの間には,問題視しなければならないような差異はないと理解するかもしれません。しかし僕にはそのようには思えないのです。なぜなら,前者の場合,個物をres particularisであるとみるかres singularisであるとみるかの相違というのを脇におけば,個物の無限の集積が間接無限様態であると主張していることになります。というか,この主張を僕はそのように理解します。これに対して後者の場合にはそうではなく,間接無限様態はひとつの個物であると主張していることになると僕には理解できるからです。
 本性から切断された一特質としてみる限り,間接無限様態は確かに個々の物体の無限の集積であるということは,スピノザが第二部自然学②補助定理七備考で示唆していることです。そして物体は延長の属性の個物,res singularisであると考えられます。実際にはスピノザは物体の定義である第二部定義一では,第一部定理二五系すなわちres particularisへの参照を読者に促していますが,物体がres singularisであるという点に異論はなかろうと思います。したがってこの観点から,間接無限様態はres singularisであるという認識は生じ得ます。さらに事物の特質はその事物の本性から必然的に生起します。したがって間接無限様態の本性の認識から,間接無限様態がres singularisであるという認識が生じ得るということを,僕は認めないではありません。
 しかし,間接無限様態はそれがres particularisであれres singularisであれ,個物であるという言明が,真の命題であるかといえば,僕にはそうは思えないのです。
コメント
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