スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

優駿牝馬&存在しないものの存在論

2020-05-24 19:23:38 | 中央競馬
 オークスの第81回優駿牝馬
 桜花賞でも逃げて3着に粘ったスマイルカナがハナへ。1コーナー過ぎからじわっと上昇していったウインマリリンが向正面に入るところでは単独の2番手。3番手はクラヴァシュドールとアブレイズ。5番手にウインマイティーとホウオウピースフルとフィオリキアリ。8番手にミヤマザクラとウーマンズハートとマルターズディオサ。ここから3馬身差でリアアメリア。12番手にデアリングタクトとインターミッション。14番手にリリーピュアハートとデゼル。16番手にマジックキャッスルとサンクテュエールで最後尾にチェーンオブラブ。最初の1000mは59秒8のミドルペース。
 直線に入るところでスマイルカナのリードは1馬身。2番手がクラヴァシュドールで3番手がアブレイズ。この中から一旦はクラヴァシュドールが先頭に立ちましたが,すぐにその外からウインマイティーが伸びてきて先頭に。直線に入るところでは一旦は内に控えたウインマリリンもそのまま最内から伸び,まずはこの2頭の争い。それを馬群の中ほどを捌いて伸びてきたデアリングタクトがまとめて差し切って優勝。ロスなく内を回ったウインマリリンが半馬身差で2着。ウインマイティーがクビ差で3着。
 優勝したデアリングタクト桜花賞に続き大レース2勝目。デビューからの連勝を4に伸ばしました。桜花賞の回顧でもいったように,内容的にほかの馬たちの能力を明らかに上回っていると思えましたので,ここも中心。今日も2着馬と3着馬は直線の入口では4番手の内と外にいた馬で,そうした位置取りの馬に向いたレースだったのでしょうから,それを後ろから差し切ってしまうというのは,やはり能力が抜けていたからこそできた芸当であったと思います。2着馬と3着馬は桜花賞には出走しておらず,着差は桜花賞より小さかったので,おそらく距離適性は2着馬と3着馬の方が上で,デアリングタクト自身は2400mよりは1600mの方が向くということなのではないでしょうか。父はエピファネイア。祖母に2006年にクイーンステークスと府中牝馬ステークス,2007年に府中牝馬ステークスを勝ったデアリングハート
 騎乗した松山弘平騎手は桜花賞以来の大レース4勝目。オークスは初勝利。管理している杉山晴紀調教師は桜花賞以来の大レース3勝目。オークスは初勝利。

 存在論というのは,もしもそれを文字通りに解するならば,存在するものについての論理です。したがって,存在しないものについての考察は,この意味においては存在論とはいえません。いい換えるなら,存在しないものは存在論の中に組み込むことが不可能なあるものであるということになります。
 しかし,何を存在論であるというのかは別としても,存在論の中に存在しないもの,いい換えれば非実在的なものが組み込まれている場合というのは,実際にはあると僕は解しています。もしも存在するものについて探求する場合に,存在しないものについても考慮しなければならないという論理構成を構築するなら,その存在論の中には存在しないものが組み入れられなければならないからです。たとえば,Deusの本性essentiaには自由意志voluntas liberaが属すると仮定して,現実的に存在するものは神の意志によって存在するとしましょう。この場合には,神がある特定の意志を発揮したがゆえに現実的に存在するものが存在するということになるので,もしも神が現に意志をしたのとは異なった意志を発揮していたとすれば,現にあるのとは異なったものが存在するようになっていたことでしょう。他面からいえば,現に存在しないものが存在することになったでしょう。したがって,もしもこのような理論構成の下で存在論を構成するのであれば,その存在論の中には,存在するものだけが含まれれば十分であるとはいえず,むしろ存在しないものについても含まれていなければなりません。とくに神の本性に自由意志が帰せられる場合には,無限に多くのinfinita可能性のひとつとして現にあるものが存在するということになるので,存在しないもの,非実在的なものについては,存在するもの,実在的なものよりも多く含まれていなければならないということになります。ライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizのモナド論を存在論的に解するならこのようなことになると僕は考えます。ですから,存在しないものが存在論の中に含まれるということは,それが数学的な対象であるかないか,あるいはそれが数学の対象になり得るかなり得ないかということと無関係に,つまり単に哲学的にも,あり得るのだといわなければなりません。
コメント
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