スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日刊スポーツ賞スパーキングサマーカップ&支配者と民衆

2022-08-26 19:14:16 | 地方競馬
 岩手から1頭が遠征してきた昨晩の第19回スパーキングサマーカップ
                                        
 発走後の正面では先行争いとなりましたが,最終的に先手を奪ったのはジョーパイロライト。2番手にスマイルウィで3番手にワイドファラオという並びに。2馬身差でファルコンビークとアヴァンティストとリネンファッション。2馬身差でトキノパイレーツとヴァケーションとフィールドセンス。10番手にリンゾウチャネルで11番手にメモリーコウ。2馬身差でライトウォーリア。2馬身差でトランセンデンス。2馬身差の最後尾にアランバローズ。前半の1600mは48秒8のハイペース。
 3コーナーで逃げたジョーパイロライトは一杯になり,スマイルウィが先頭に。ファルコンビーク,リンゾウチャネル,ヴァケーションの順で続きました。しかしこの追ってきた3頭はスマイルウィには追い付くことができず,迫ってきたのは直線に入って外から追ってきたフィールドセンス。残り50m付近でスマイルウィに並び掛け,そのまま差し切って優勝。3コーナー先頭のスマイルウィがクビ差で2着。内目から3番手に上がったアヴァンティストに外に出されたヴァケーションが迫ってきましたがこれは届かず,アヴァンティストが3馬身差で3着。ヴァケーションはアタマ差で4着。
 優勝したフィールドセンスは南関東重賞初制覇。前走のプラチナカップが南関東への転入初戦で3着でした。このレースは多士済々のメンバー構成で,スマイルウィが大きく崩れるケースは少なそうでしたが,それ以外の有力馬は優勝もあれば惨敗もあり得るというタイプに思えましたので,馬券的にはとても難しかったです。フィールドセンスはもう8歳馬ですから大きな上積みを見込むことはできないでしょうが,ここ2戦の結果から,南関東重賞で通用する能力があるということははっきりしたといっていいでしょう。母の父はスペシャルウィーク。母の従兄にゼンノロブロイ
 騎乗した船橋の本橋孝太騎手は東京ダービー以来の南関東重賞27勝目。スパーキングサマーカップは初勝利。管理している山下貴之調教師は南関東重賞5勝目。スパーキングサマーカップは初勝利。

 浅野によれば,スピノザは政治的論考をする上で,支配する側と民衆の間を循環する流通経路を制度として構築することによって,最終的に民衆のpotentiaが最も十全に展開する地点を探るという点で一貫していたという主旨のことをいっています。命令と決断の相違にスピノザが自覚的であったのは,命令によってはその地点に到達することができず,決断によってそこに到達することができるというようにスピノザは考えていたと解するのが適切でしょう。そのゆえにスピノザの観点からは,少数者による支配より大勢が討議や協議を積極的に行うシステムが有効だったのです。つまり君主制よりは貴族制が,そして貴族制よりも民主制が有効だったのです。
 僕はこの考え方は基本的に間違っていないと思います。とくに『国家論Tractatus Politicus』における君主制および貴族制に関連する論述を読む限り,確かにスピノザは支配する側と民衆との間を循環する流通経路をいかにして構築するかということに苦心しているように思えるからです。しかし民主制の場合はどうでしょうか。スピノザによれば民主制においては民衆自身が主権者であるということになっています。つまり民衆は,この経路でいえば単に民衆としてあるだけでなく支配する側でもあるのです。したがって,支配者の命令なり決断に従う立場であると同時に,命令なり決断なりを下す立場でもあるのです。つまり民主制では,支配する立場としての民衆と,被支配者としての民衆との間で循環する流通経路が構築されているのでなければなりません。浅野の主張に従えば,そこで重要なのは,大勢が積極的に討議や協議を行うということなのであって,それはシステムとして整備されていれば十分というものではないと僕は思うのです。もしかしたらスピノザ自身が,そのようなシステムが構築されてさえいれば,討議なり協議なりが自然発生すると考えていたかもしれません。ですが実際にはそうではないと僕は考えます。民衆が主権者として決断をするということは,個々の民衆は民衆として主権者が決断するように促すのでなければ成立しないでしょう。いい換えれば個々の民衆が主権者の命令を待っているなら成立しないのです。

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