スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典兵庫ジュニアグランプリ&出発

2024-11-21 18:52:04 | 地方競馬
 第26回兵庫ジュニアグランプリ
 コパノヴィンセントが無理なく前に出てそのまま逃げることに。外の分だけ前に出られなかったべラジオドリームが2番手。ヤマニンシュラとコスモストームが並び,サンジュウロウとヴィグラスデイズとシャインミラカナの3頭が併走。ラピドフィオーレ,ハッピーマン,キミノハートの順で続き2馬身差でマナヴァルキューレ。4馬身差の最後尾にジーニアスレノン。ミドルペースでした。
 3コーナーを回ってサンジュウロウとシャインミラカナは後退。最内を回って追い上げてきたのがハッピーマン。べラジオドリームは直線の手前で一杯。2番手に上がったヤマニンシュラと逃げたコパノヴィンセントの間を突いたハッピーマンが粘るコパノヴィンセントを差し切って優勝。コパノヴィンセントが1馬身半差で2着。ヤマニンシュラが1馬身半差の3着。ヴィグラスデイズがクビ差の4着でコスモストームが半馬身差の5着と,総じて前につけていた馬がそのまま流れ込む決着。
 優勝したハッピーマンは重賞初制覇。このレースはJRAの1勝クラスで好走歴がある馬が3頭いて,そのうちの2頭によるワンツー。ハッピーマンは道中の位置取りが後ろになってしまい,展開面からは不利でしたが,内を回ることで相殺しました。それでも前にいた馬たちが有利なレースであったことは間違いありませんから,このメンバーの中では能力が上位であったとみていいと思います。小回りで器用なレースで勝ち切った点も評価できます。父はダノンレジェンド。母の父がキングカメハメハで祖母が2007年のフラワーカップを勝ったショウナンタレント。その父がアグネスタキオン
 騎乗した坂井瑠星騎手と管理している寺島良調教師は兵庫ジュニアグランプリ初制覇。

 『国家論Tractatus Politicus』の第六章の第一節では,人間は本性naturaの上で共同社会状態status civilisを欲求するので,人間が共同社会状態を解消してしまうことは起こり得ないという意味のことがいわれています。これは一読すると,スピノザがホッブズThomas Hobbesと同じことをいっているように見えます。ホッブズは,それがどんなにひどい共同社会状態であったとしても,自然状態status naturalisに戻るよりいいから,人間が共同社会状態を解消して自然状態に回帰することはないといっているからです。しかし実際には,人間が共同社会状態を解消することはないという同じことをいっているとしても,スピノザとホッブズでは違う意味のことを主張していると考えなければなりません。ホッブズは実際に自然状態があって,そこに回帰することはないといっているのに対し,スピノザはそもそも自然状態などというものは存在しないから,共同社会状態を解消して別の状態に移行することはできないといっているのだからです。すなわち人間は常に共同社会状態に現実的に存在することになるのですから,政治論を構築していくときは共同社会状態から出発しなければならないのであって,共同社会状態以前の状態としての自然状態から出発することはできないのです。
                            
 もちろん共同社会状態というのは,現実的に存在するあるひとりの人間だけを抽出するなら,その人にとって不本意で苦痛に満ちたものであるということがあり得ます。ホッブズの政治理論では,それでもその状態は自然状態よりよい状態であるということができますが,スピノザの政治理論ではそのようにいうことができなくなります。したがって人間は,というのは僕たちはという意味ですが,共同社会状態が現にあって,その中で現に暮らしているということをもってよしとするわけにはいかなくなります。自然状態など存在せず共同社会状態しか存在しないのであれば,現実的に存在している人間に対して苦痛を齎すのは共同社会状態にほかならないからです。それがどんなに無法で歪んだものであったとしても,共同社会状態は共同社会状態であって,そうした共同社会状態が現に生きる人間の苦痛の原因causaとなり得るということを弁えておかなければなりません。

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