急に大きな声で話す。

　大脳辺縁系の活動が活発な人というのは、話始めで急に大きな声を出す傾向がある。

　電話口とかだと、かなり鬱陶しい。

　こうした鬱陶しさによって、相手の気分を捩じ伏せ、意識的論理思考を停止させてしまうのである。これが生物学的な社会形成習性であり、生物学上の「コミュニケーション能力。」というものである。


　振り込め詐欺の場合、予め原稿を用意しているとのことなので、ひたすら大量の情報を聞かせることによって、論理的思考を停止させ、強迫観念によって行動選択をできないように仕向けることができるらしい。

　このように、相手を丸め込んで他人の行動を制御する「コミュニケーション能力。」というものでは、人間としての論理的理解を伴わないものであり。人間社会にとって価値を持たない。

　他人から自分の行動を制御されないようにするためには、常日頃から自分の行動自体を客観的に検証しておく必要がある。それが気分的に「嫌。」であるとか言われても、騙されるのは私ではないから、知ったことではない。

　「強く主張する。」といった、単なる「勢い。」によって作りだされる「説得力。」などというのも。そこに論理的根拠が伴わない場合には、全く意味がないのである。

　たとえ一面的、一時的に意味を持ったとしても、それが普遍的な意味であるとは言えないのである。逆の効果も持っているのであれば、あらゆる「力。」の全ては、それを用いる人の意識に依存するものである。

　「力。」というものに短絡的に依存するというのは、社会的な「甘え。」に他ならない。それは自律的には何も判断していないのであり、子供じみた屁理屈でしかない。

　振り込め詐欺に引っ掛かって、「自分は純粋だから。」などと勝手に思い込むことで満足されても。そんなものは社会的には糞の役にも立たないのである。

　自分が愚かであることを、論理的に認識し、今後の行動選択に反映させることによって、一つ一つ自分の愚かさを克服することになるのである。

　ヒトとは愚かなものである。しかし、自らの愚かさを地道に一つ一つ認識してゆくことによって愚かさを克服ゆくことが可能なのである。

　「自分は愚かだ。」と気分的に凹んでも。「自分は騙される程に純粋だ。」と気分的に満足しても愚かであることは正当化することなど出来ないのである。

　「自分はバカで構わない。」というのであれば、詐欺が横行しようとも、原発が暴走しようとも、何も文句は言えないのである。

　手続き上民主主義制度を導入しても、「民。」自体がバカであるなら、それはバカ主主義にしかならないのである。民主主義の根幹は制度手続きにあるのではなく、より多くの「民。」の意識、論理的思考選択によって、初めて成立するものなのである。