煮洗い、アルコール消毒、紫外線照射…ウイルス対策マスクの再利用は可能か? -人民網日本語版
この記事の結論は「再利用は不可能」というものである
それでは厚生労働省が「マスクを2〜3回再利用しても良い」としているのは嘘なのかというと ちょっと話が違う
人民網の記事というのは あくまで医療用の高性能マスクについて空気感染に対しての有効性を述べているのであって 今回の新型コロナウイルスは空気感染の形跡はないというのが日本の医療関係者の分析である
実はマスクと言っても医療用の高性能なものと そこらへんで売っている不織布マスクは仕様や性能が全く異なる
医療用の高性能タイプというのは価格も非常に高くて それこそ脳外科手術にも使われるような厳格な仕様のものであり ウイルスそのものを97%もカットする能力を有しているものもある
それに対してそこらのドラッグストアで60枚入400円くらいで売っているマスクというのはウイルスそのものを吸着する能力などなく パッケージをよく読んでもらえばわかるが「ウイルスを含む飛沫」を防ぐ能力しかないのだ
なので何らかの「除染」を行ったとしても「ウイルスを含む飛沫」を防ぐ能力が著しく劣化するとは言えず 今回の新型コロナウイルスでは空気感染能力はないと言われているので 飛沫感染を防ぐ上においては一定の有効性があると言える
飛沫感染を防ぐだけであれば 何も不織布製のマスクである必要性はなくて 新品のキッチンペーパーや洗濯したてのハンカチでも一定の効果は期待できる
むしろ 不織布マスクの場合 頬の部分に隙間が生じてしまうケースもあるので この隙間からウイルスを含んだ飛沫を吸い込んでしまう可能性というのも充分考えられるので 必ずしも不織布マスクの方が有効とも言い切れない
○マスクの除染方法
コロナウイルスやインフルエンザウイルスというのは その感染力とは無関係に不活性化をすることはそれほど難しくはないという
記事の冒頭で紹介した人民網で紹介している除染方法は そこいらへんで売っている普通の不織布マスクの再利用においては有効性があると言えるだろう
一番いけないのは 汚染された可能性のあるマスクを顔に装着してしまうことであるが 充分に除染されていれば再利用しても一定の予防効果は期待できると考えられる
ウチでやっているのは ポリ製のチャック袋にアルコール除菌ティッシュと一緒にマスクを封入して一晩おくとか ファンヒーターやドライヤーで加熱している
一応言っておくけど アルコールは可燃性なのでアルコールスプレーをして火元に近づけるのは火災の原因になるのでやってはいけない
乾いた熱風を当ててしまうとウイルス自体が部屋に飛散してしまう可能性が否定できないので 換気しながら行った方がより確実だと思う
「まるごと煮る」というのは病院などでの煮沸消毒の手法だが おそらくヤカンでお湯を沸かしている時に出ている蒸気に当ててもウイルスは活性を失うと考えられる
もちろんヤケドにはくれぐれも注意
紫外線殺菌も有効だとは思うのだが 紫外線は白内障や皮膚癌の原因にもなるので 紫外線を照射している間は近づかない方が良いと思う
飛沫感染を防ぐためには一定の効果が期待できる「そこらへんで売っているマスク」だが
医療関係者にいわせれば あくまで「オプションに過ぎない」というので
「マスクをしていた方が していないよりは良い」というレベルの信頼性しか無いと考えた方が良い
今回の新型コロナウイルスの場合 密閉閉鎖空間に不特定多数の人が集まった場合の集団感染事例が多いそうなので マスクの有無に関わらず密閉閉鎖空間に集まるようなことを避けることの方が予防には有効だろう
また 感染者との近接会話などでも感染したらしい事例もあるので 他人とは1メートル以上近づかないようにすることも有効だと言える
とは言え スーパーマーケットやコンビニでのお買い物ではレジに並ばな買えないので どうしても不特定多数の他者と一定時間近接して待たなければならないわけで
こうした環境下で感染拡大を抑えるためには「咳エチケット」や「クシャミエチケット」に加え 「大声で話さない」という「会話エチケット」も必要かも知れない
喋るとどうしても目に見えない「おつゆ」が飛び散ることになるので これが感染を拡大してしまう要因になってしまうからだ
「自分は何の症状もないから感染していない」という思い込みは根拠がなく 今回の新型コロナウイルスの潜伏期間は12.5日もあるので「もしかしたら自分も感染源になるかもしれない」という前提で行動すべきであろう
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