奥田 順之(獣医師)は
「犬は家族を順位付けする」が迷信にすぎない
「犬が上に立っているからかむ」は迷信
と称しておきながら
「オオカミが順位を作り、犬も同じように順位を作るという話は、正しいかどうかは別として」
などとちぐはぐな言い逃れやはぐらかしをしている
イヌなどの動物が凶暴化する理由の全てが順位欲によるものではないのは確かであるが ヒトの感覚でイヌを過剰にかわいがってしまうと服従対象としての順位欲が満たされずに凶暴化の大きな要因であることは確かである
イヌを散歩させる時にはリードを引っ張って飼い主に服従させることでイヌは飼い主の顔色を窺うようになり 無駄吠えや凶暴化を著しく抑えることができることは確かであり 疑う余地はない
だが 例えばヒトやチンパンジーに見られる「虐待の連鎖」のように 暴力的に服従を強要するばかりだと飼い主などの怖い相手以外に対してはむしろ暴力的になることもある
つまり 状況をわきまえずに むやみに暴力威圧的に服従させても凶暴化が抑えられるわけではないことは言える
実際に盲導犬や救助犬の生育においては決して頭ごなしな服従を強要するような暴力威圧的な育て方や訓練をするわけではなく イヌの意欲を削ぐようなことはしない
あくまで順位序列を勘違いしないよう 愛情を持って訓練することで信頼関係のある優秀な盲導犬や救助犬として育てることができることは確かである
だが ひたすら過剰にかわいがって甘やかし 順位序列を勘違いさせてしまえば暴力威圧的な服従を強要しなくても凶暴性を発揮することは確かである
つまり 「順位序列だけが凶暴性を決定するわけではない」のであって 「凶暴性の原因は順位欲だというのは迷信だ」というのは間違いである
出典:https://toyokeizai.net/articles/amp/397957?page=3 -東洋経済
先天的な本能としての順位序列を形成する 生物学上の社会形成習性というものは ヒトにおける封建的差別格差や暴力威圧的紛争の原因でもあり
これを「オオカミ同様にイヌも順位序列を作ることが正しいかどうかは別にして」おいて「迷信だ」などと決めつけてしまうことの方が科学を逸脱した大衆迎合である
獣医師であればイヌのことだけ心配していれば満足かも知れないが 科学的論証をねじ曲げてヒトの危険性については無視しても良いという無責任な話にはならない
封建的格差や威圧的暴力の原因となる順位序列への本能的な執着性というものが イジメやヘイトスピーチや紛争や戦争の原因である可能性が極めて高い以上 「正しいかどうかは別にして」しまったのでは社会的に無責任極まりない
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