○Neo Ceramics 2013及び同時開催展示会に行ってみた。
○超音波霧化装置モジュール
本田電子株式会社では、超音波で霧を作る装置のモジュール部品だけというのも取り扱っていました。
「強制冷却が必要。」なので送風機が別途必要で、超音波振動子が水から出た状態で電源を入れると瞬間に壊れるので、別売のフロート式レベルスイッチも事実上必須。
超音波加湿器っていうのは揺らして超音波振動子が水から出てしまうと一瞬で壊れるものだったのね。そんなに神経質なものだとはしらなかた。音波の反射で水面を検出して止まるとか、振動や加速度センサーで止まるようにしとけば壊れずに済むのかも知れない。
http://www.honda-el.co.jp/industry/hm2412.html
モジュールだけでも結構高い。
以前紹介した超音波カッターも、この会社が製造元でした。
http://www.honda-el.co.jp/industry/usw334.html
○チタンブラック
三菱マテリアルがチタンブラックっていう粉末材料を展示していた。
http://www.mmc-ec.co.jp/biz/titan_black/
酸化チタニウムっていうのは白色顔料として一般的に使われるものなんだけど、謎の加工を施すことで酸素の一部を取り除き、真っ黒な微粉末顔料として製品化したんだそうです。
真っ黒な割には紫外線の透過率が高いんだそうで、紫外線硬化レジストにも利用出来るんだとか。
ご家庭で何かに使えるようなものではなさそうだけど、何だか不思議な材料だったので載せてみた。
○光波長選択フィルム
フジフイルムは誘電体多層膜と同じような効果が得られる様々なコーティングを施したフィルムを紹介していました。
単にフィルムの形で提供するだけでなく、プラスチック成形時にフィルムのコーティング層だけを表面に転写させたり、コーティング層をフィルムから剥離させることでコーティング薄膜を顔料として扱えるようにも出来るそうです。
Fig:
ちゃんと誘電体多層膜っぽい性質を再現してある。
Fig:
フィルムから剥離させた薄膜や、細かく砕いた顔料。
○高フッ素含有率の多官能アクリルモノマー
フッ素を41.1%分子構造に取り入れたアクリルモノマーというのもあって、硬化物の屈折率は1.42、アッベ数は60.0だそうです。フッ素化合物特有の異常部分分散性までも持つのかどうかまでは聞きそびれました。フジフイルムのブースは客が多くて話を聞けない。フッ素が41.1%っていうと、意外と少ないような気がしますが、フッ素「化合物」含有率として換算するればもっと数値的には多いことになるのかも知れません。
○ナノ構造Ni金型
シリコンの雄型を原板にして、ニッケルの雌型を50枚以上複製する技術というのも展示してました。ナノ構造の反射防止フィルムなどの製造価格を抑えることが出来るんだと思います。
フジフイルムは従来ガラスでしか作ることの出来なかった素材を、プラスチックで再現するのに情熱を燃やしているみたいですね。将来スマホカメラの性能が更に良くなったりするかも知れないので、ちょっと楽しみです。
○フレキシブル熱電変換モジュール
ゼーベック素子をフレキシブルフィルムにしちゃった発電素子です。熱源に貼付けるだけのお手軽発電なので、太陽電池パネルの裏側に貼付けても発電出来るそうです。
これは結構、何にでも使えそうな製品なので、ぜひ秋月電子通商で扱って欲しい。
○電気音響変換フィルム:BEAT
要するにフィルムスピーカーなんですけど、従来よりも壊れ難いとか、フィルム自体のビリつきによる音質の低下を抑えたんだそうです。
まぁ、でも。フィルムのビリつきに関しては、剛性の高い大理石の塊に貼付けたりすれば完全に抑えられるのではないかと思うのだけど。なぜかフィルムスピーカーっていうのはピュアオーディオとしては応用されないみたいですね。
原理としては圧電素子なので、マイクや楽器のピックアップとしても使えるそうです。
2013年2月2日現在フジフイルムのサイト内検索にはこれらの製品についての具体的情報は載っていませんでした。フジフイルムなどの大手企業のサイトっていうのは製品やサービスの数が膨大で、必要な情報を探し出すのが難しい。
○ナノファイバー高性能エアフィルター
テイジンが高性能不織布フィルターを製品化していて、花粉対策自体にはこんなに高性能は必要ないんだけど、最近では中国から大気汚染物質も飛来してくるので未知の粒子も捕えてもらえると気分的に安心かなと。
他にも高機能素材がいろいろ。
http://www.teijin.co.jp/product/poly/museum/report.html
空気清浄機のフィルターっていうのは機種ごとに特定の規格で作られているため、フィルターの価格が結構高いので、フィルター材料の工場出荷サイズを基準に共通のフィルターサイズを規定してしまえば価格を下げることも可能かなと思う。
○垂直配向性CNTシート材
日立造船では金属シートの表面から垂直にカーボンナノチューブが「生えた」シート材を紹介していました。
CNT(カーボンナノチューブ)自体は電気導電性を持つため、電極や電磁波吸収シールド、熱伝導性を利用した放熱伝熱機能など、様々な機能を持ったシートとして広い応用範囲を持っているそうです。
CNTが表面に「生えて」いるナノサイズのベルベットみたいな構造であるため、ハスの葉っぱみたいに超撥水性も持っていたり、光をほとんど反射しない性質も持っています。
写真用レンズのフードにつこたら効果は高そうだけど、CNTが抜けてレンズに付着したりするかも知れないし、そもそも価格的に無理がありそう。
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2013/01/000799.html
他にも電話の受話器コードのような形にクルクルねじれた形のカーボンナノコイルというのも紹介していて。すでにエラストマー樹脂に添加して電磁波吸収性能を持たせられることが確認されているんだそうです。
○カップ積層型カーボンナノチューブ
GSI Creosに見たこともない構造のCNTが商品化されていました。細胞培養に使っているものだそうです。
Carbere
これもまたご家庭では直接的には何の役にも立ちそうにありませんが、CNTのバリエーションっていろいろあるんだなと思って載せてみた。
Yahoo!検索:カップ積層型カーボンナノチューブ
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97%E7%A9%8D%E5%B1%A4%E5%9E%8B%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_table&x=wrt
○フォルテ(製品名)
積水成形工業では、どんなに折り曲げても破断しない不思議なプラスチックを紹介していました。
http://www.sekisuiseikei.co.jp/detail/?caid=40&pid=89
従来のプラスチック材料の物性とは随分異なり、手で折り曲げると比較的「ひにゃ」っと曲がった状態で形状を保持しようとします。何度曲げ伸ばしを繰り返しても引きちぎれる気配はありませんでした。
ただ、折り曲げる方向性というのがあって、縦方向に爪を立てて折り曲げたり、強く捩るとパキッと裂けてしまいます。
既に不織布マスクの鼻部分に採用されていたり、サンリオのキャラクターぬいぐるみ(シナモンロール)の耳にも使われているそうです。
海洋堂のリボルテックとは異なるフィギュアの関節部材として使えるかも知れません。
どこまで折り曲げて大丈夫なのか、万力を用いて折り曲げた部分を潰してみたんですが、層状になった繊維が少し剥離することはあっても破断することはありませんでした。手で折り曲げている限り曲げる方向さえ間違えなければ、ちぎれることはないのではないかと思います。
この樹脂の不思議な性質というのは、実際にあれこれ自分の手で捩曲げてみないと感覚的に伝わないんじゃないかな。
この樹脂は局所的に「折り」曲げると金属板のような形状保持をしてくれるんですが、不織布マスクの鼻部分のように顔のやんわりした曲面に沿わせてもあんまり形状保持をしてくれないので、何か有り難みが半減する。
不織布マスクの場合、顔に装着してから鼻に押し当てただけでは上手く形状保持してくれないので、一旦外して指で強く「折り」曲げて癖をつけてやると密着性が高まる。この樹脂の性質はあんまり一般には知られていないので、マスクの取り扱い説明で明記しておいた方が良いと思う。
積水化成工業には他にもいろいろ。
http://www.sekisuiseikei.co.jp/?mode=products
○極細チタンパイプ
以前にも取り上げたような気がするんだけど、外径0.15㎜×内径0.08㎜のチタンパイプをこさえているのは日本特殊管製作所でした。
サンプルに短く切った極細金属パイプを数種類もらいましたが、あまりに細すぎて1/700scale艦船模型とかにしか使えそうにありません。意外にも模型業界からの受注は特にないんだそうです。
お高いのかしら。
大抵価格は聞かないと教えてくれない。聞けば大体教えてくれるけど。
配布しているサンプル自体も商品として成立しそうな気もするんだけど、そうは模型問屋が卸してくれないんだろうな。
http://www.nittoku.com/
○マイクロ歯車
田口電気工業ではシンクロトロン光X線フォトリソグラフィ(ちんぷんかんぷん (?_?;) )微細加工で直径0.1㎜の歯車を作れる技術を展示していました。
http://www.taguchi-dk.co.jp/
以前からNゲージ(およそ1/150scale)の鉄道模型用に踏切遮断機を作れたら面白いかなと思っているんですけど、微細ギアをネジで駆動するウォームギアを用いれば、駆動源を地下に組み込むことで実現可能かも知れない。
ただ、商品化するには動作安定性の確保と、価格がどこまで抑えられるかだと思う。腕時計の針みたいな大きさだから、密閉されていないところで使うと簡単に壊れてしまうかも知れない。
ちなみにスカイツリーを1/150で再現すると、およそ4.2mになる。吹き抜け2フロアにしないと建物の中には入らない。
○電子レンジるつぼ
羽根田商会では、家庭用電子レンジでも1200℃程度まで加熱することが出来るカーボン電磁波コイル内蔵の坩堝を紹介していました。坩堝と防熱ケースのセットで10万円近くするとのこと、防熱ケースがないと電子レンジごと熔けてしまうので必須です。
http://www.haneda-shokai.co.jp/seihin/category14/index.html
ご家庭で金属鋳造やガラス工芸とか出来ないかなとかおもたんですが、若干敷居が高めです。放射温度計で温度制御も出来る専用の電子レンジ(リアクター)というのもあって、セットで100万円くらいになるそうなので、そんなにお手軽な機材ではありませんでした。
○可視光応答型光触媒
光触媒っていうと紫外線でしか働かないと思ってたけど、可視光でも動作するものをダイセルファインケムが開発したそうです。塗料としてLED光の当たる部分に塗ったり、繊維に混ぜて医療機関のユニホーム、バスや列車のシートなどにも応用出来るんだそうです。
CelMuse
http://www.daicel.com/search/?q=CelMuse
http://www.daicel.com/csr/feature2011/index05.html
原料は普通の酸化チタン系だそうで、商品形態としては水に混ぜたもの、水と分散液に混ぜたもの、そのまま水性塗料として使えるものがあるそうです。
○高耐熱透明柔軟樹脂
ダイセルでは高耐熱柔軟導光材っていうのは以前から販売していたけど、液体原料も販売を始めたようです。紫外線か熱で硬化するので、紫外線で硬化させる場合は厚みに制限はありそうだけど、ご家庭でも何か応用出来そうな気がする。
あえて表面だけ固めてみるっていうのも何かに応用出来そうな気もする。経時変化で固まってきたり、破けて中身が出て来ちゃったりするかも知れないけど。
ちなみに透明シリコンというのは紫外線透過率は高いそうなので、透明シリコン型の外から紫外線を当てても固まるみたいです。でも脱型性が良いのかどうかは、やってみないとわからない。脱型性が悪いなら接着性は高いってことになるので、自己粘着フィルムと一体化させるには良いことになるのかも。
この樹脂を用いて光ファイバーをこさえると、屈曲性の高いものが出来るんだそうで。ただ、曲率が高いとそこから光が逃げちゃうので、一時的に屈曲させても壊れないっていうことがミソ。押し曲げたとこだけ光らせるとか逆に利用してもオモロイかも。
触った感じは塩化ビニールっぽかた。
○超分散ナノダイヤモンド
TNTとRDXっていう「爆薬」を密閉容器内部で爆発させると、高温高圧によって爆薬中の炭素原子がダイヤモンド構造に変化するんだそうで、これを精製して4~5nmサイズのダイヤモンド粒子が作れるんだそうです。
TNTっていうのはトリニトロトルエンで、RDXっていうのをググったら(本当はYahoo!検索だけど)Research Depertment Explosiveの頭文字で、トリメチレントリニトロアミンのことを意味するそうです。共に高性能爆薬のことでした。こんなもの国内で製造取り扱いしても良いものだったんですね。しらなんだ。
ダイヤモンドは熱伝導率が高くて熱膨張率が低いので樹脂に含ませて放熱性を持たせるとか膨張率を抑制したり、ナノ粒子は分散性が高くて光の波長よか小さいので透明樹脂に混ぜると屈折率を上げることも出来るんだそうです。
まぁ、お高いんでしょうね。
○柔軟多孔性シリコンゴム
ジーエルサイエンスではマシュマロゲルって呼んでたけど、撥水性はあるけど油は吸い取るとか、吸音性がウレタンフォームやグラスウールの3~4倍もあるとか、液体窒素でも凍らないので液体窒素を染み込ませて絞り出すなんていう使い方も出来る素材だそうです。
ブースにはサンプルが置いてあって、来場者がみんなで触ったためか結構ボロボロになっていた。強度はそんなにないらしい。
ジーエルサイエンスは検索かけても引っ掛からなかた。マシュマロゲルの話題はニュースでは取り扱っていた。
○オハラのブースでは、ガラス基板の内部にフェムト秒レーザーで回折格子を形成する技術を紹介していました。ガラスの内部にレーザーで傷をつけるっていうのは見たことあるけど、屈折率を変化させることも出来るんだそうですが、もしかすると専用のガラス材料を開発したってことなのかも知れない。その辺りは聞いてこなかた。
http://www.ohara-inc.co.jp/jp/news/2012.html#neo2013
○セラテックジャパンっていうのは、電子部品関係のガラス部材を主に販売している企業で、フィルター類は一般向けにも直販しているんだけど、レンズなどの曲面研磨設備はないらしい。
http://www.crtj.co.jp/
○バイコウスキージャパンも光学素子を販売していて、こっちにはジンクセレナイド結晶基板とかも展示してました。
マニアにしかわからないだろうなセレン化亜鉛の結晶を生で見たい気持ちって。取り扱っている業者的にはただの高価な危険物に過ぎないしね。
http://www.baikowski.co.jp/
○独立行政法人 物質・材料工学研究所のブースにSiAlON蛍光材料の展示があるんだと思って見に行ったらなかた。案内のおねいちゃんに聞いても何もわからなくて、意味わからん。
展示会の出展料も税金なのに、これは納得いかない。パネルしか置いてないのに無駄にブースもデカイし。
葛西橋のナトリウム街灯が昼間も点灯し放しでした。これも税金の無駄。
Fig:
街路灯とか自販機の照明が真っ昼間もつけっぱなしになっていることって結構多い。
Ende;
○超音波霧化装置モジュール
本田電子株式会社では、超音波で霧を作る装置のモジュール部品だけというのも取り扱っていました。
「強制冷却が必要。」なので送風機が別途必要で、超音波振動子が水から出た状態で電源を入れると瞬間に壊れるので、別売のフロート式レベルスイッチも事実上必須。
超音波加湿器っていうのは揺らして超音波振動子が水から出てしまうと一瞬で壊れるものだったのね。そんなに神経質なものだとはしらなかた。音波の反射で水面を検出して止まるとか、振動や加速度センサーで止まるようにしとけば壊れずに済むのかも知れない。
http://www.honda-el.co.jp/industry/hm2412.html
モジュールだけでも結構高い。
以前紹介した超音波カッターも、この会社が製造元でした。
http://www.honda-el.co.jp/industry/usw334.html
○チタンブラック
三菱マテリアルがチタンブラックっていう粉末材料を展示していた。
http://www.mmc-ec.co.jp/biz/titan_black/
酸化チタニウムっていうのは白色顔料として一般的に使われるものなんだけど、謎の加工を施すことで酸素の一部を取り除き、真っ黒な微粉末顔料として製品化したんだそうです。
真っ黒な割には紫外線の透過率が高いんだそうで、紫外線硬化レジストにも利用出来るんだとか。
ご家庭で何かに使えるようなものではなさそうだけど、何だか不思議な材料だったので載せてみた。
○光波長選択フィルム
フジフイルムは誘電体多層膜と同じような効果が得られる様々なコーティングを施したフィルムを紹介していました。
単にフィルムの形で提供するだけでなく、プラスチック成形時にフィルムのコーティング層だけを表面に転写させたり、コーティング層をフィルムから剥離させることでコーティング薄膜を顔料として扱えるようにも出来るそうです。
Fig:
ちゃんと誘電体多層膜っぽい性質を再現してある。
Fig:
フィルムから剥離させた薄膜や、細かく砕いた顔料。
○高フッ素含有率の多官能アクリルモノマー
フッ素を41.1%分子構造に取り入れたアクリルモノマーというのもあって、硬化物の屈折率は1.42、アッベ数は60.0だそうです。フッ素化合物特有の異常部分分散性までも持つのかどうかまでは聞きそびれました。フジフイルムのブースは客が多くて話を聞けない。フッ素が41.1%っていうと、意外と少ないような気がしますが、フッ素「化合物」含有率として換算するればもっと数値的には多いことになるのかも知れません。
○ナノ構造Ni金型
シリコンの雄型を原板にして、ニッケルの雌型を50枚以上複製する技術というのも展示してました。ナノ構造の反射防止フィルムなどの製造価格を抑えることが出来るんだと思います。
フジフイルムは従来ガラスでしか作ることの出来なかった素材を、プラスチックで再現するのに情熱を燃やしているみたいですね。将来スマホカメラの性能が更に良くなったりするかも知れないので、ちょっと楽しみです。
○フレキシブル熱電変換モジュール
ゼーベック素子をフレキシブルフィルムにしちゃった発電素子です。熱源に貼付けるだけのお手軽発電なので、太陽電池パネルの裏側に貼付けても発電出来るそうです。
これは結構、何にでも使えそうな製品なので、ぜひ秋月電子通商で扱って欲しい。
○電気音響変換フィルム:BEAT
要するにフィルムスピーカーなんですけど、従来よりも壊れ難いとか、フィルム自体のビリつきによる音質の低下を抑えたんだそうです。
まぁ、でも。フィルムのビリつきに関しては、剛性の高い大理石の塊に貼付けたりすれば完全に抑えられるのではないかと思うのだけど。なぜかフィルムスピーカーっていうのはピュアオーディオとしては応用されないみたいですね。
原理としては圧電素子なので、マイクや楽器のピックアップとしても使えるそうです。
2013年2月2日現在フジフイルムのサイト内検索にはこれらの製品についての具体的情報は載っていませんでした。フジフイルムなどの大手企業のサイトっていうのは製品やサービスの数が膨大で、必要な情報を探し出すのが難しい。
○ナノファイバー高性能エアフィルター
テイジンが高性能不織布フィルターを製品化していて、花粉対策自体にはこんなに高性能は必要ないんだけど、最近では中国から大気汚染物質も飛来してくるので未知の粒子も捕えてもらえると気分的に安心かなと。
他にも高機能素材がいろいろ。
http://www.teijin.co.jp/product/poly/museum/report.html
空気清浄機のフィルターっていうのは機種ごとに特定の規格で作られているため、フィルターの価格が結構高いので、フィルター材料の工場出荷サイズを基準に共通のフィルターサイズを規定してしまえば価格を下げることも可能かなと思う。
○垂直配向性CNTシート材
日立造船では金属シートの表面から垂直にカーボンナノチューブが「生えた」シート材を紹介していました。
CNT(カーボンナノチューブ)自体は電気導電性を持つため、電極や電磁波吸収シールド、熱伝導性を利用した放熱伝熱機能など、様々な機能を持ったシートとして広い応用範囲を持っているそうです。
CNTが表面に「生えて」いるナノサイズのベルベットみたいな構造であるため、ハスの葉っぱみたいに超撥水性も持っていたり、光をほとんど反射しない性質も持っています。
写真用レンズのフードにつこたら効果は高そうだけど、CNTが抜けてレンズに付着したりするかも知れないし、そもそも価格的に無理がありそう。
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2013/01/000799.html
他にも電話の受話器コードのような形にクルクルねじれた形のカーボンナノコイルというのも紹介していて。すでにエラストマー樹脂に添加して電磁波吸収性能を持たせられることが確認されているんだそうです。
○カップ積層型カーボンナノチューブ
GSI Creosに見たこともない構造のCNTが商品化されていました。細胞培養に使っているものだそうです。
Carbere
これもまたご家庭では直接的には何の役にも立ちそうにありませんが、CNTのバリエーションっていろいろあるんだなと思って載せてみた。
Yahoo!検索:カップ積層型カーボンナノチューブ
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97%E7%A9%8D%E5%B1%A4%E5%9E%8B%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_table&x=wrt
○フォルテ(製品名)
積水成形工業では、どんなに折り曲げても破断しない不思議なプラスチックを紹介していました。
http://www.sekisuiseikei.co.jp/detail/?caid=40&pid=89
従来のプラスチック材料の物性とは随分異なり、手で折り曲げると比較的「ひにゃ」っと曲がった状態で形状を保持しようとします。何度曲げ伸ばしを繰り返しても引きちぎれる気配はありませんでした。
ただ、折り曲げる方向性というのがあって、縦方向に爪を立てて折り曲げたり、強く捩るとパキッと裂けてしまいます。
既に不織布マスクの鼻部分に採用されていたり、サンリオのキャラクターぬいぐるみ(シナモンロール)の耳にも使われているそうです。
海洋堂のリボルテックとは異なるフィギュアの関節部材として使えるかも知れません。
どこまで折り曲げて大丈夫なのか、万力を用いて折り曲げた部分を潰してみたんですが、層状になった繊維が少し剥離することはあっても破断することはありませんでした。手で折り曲げている限り曲げる方向さえ間違えなければ、ちぎれることはないのではないかと思います。
この樹脂の不思議な性質というのは、実際にあれこれ自分の手で捩曲げてみないと感覚的に伝わないんじゃないかな。
この樹脂は局所的に「折り」曲げると金属板のような形状保持をしてくれるんですが、不織布マスクの鼻部分のように顔のやんわりした曲面に沿わせてもあんまり形状保持をしてくれないので、何か有り難みが半減する。
不織布マスクの場合、顔に装着してから鼻に押し当てただけでは上手く形状保持してくれないので、一旦外して指で強く「折り」曲げて癖をつけてやると密着性が高まる。この樹脂の性質はあんまり一般には知られていないので、マスクの取り扱い説明で明記しておいた方が良いと思う。
積水化成工業には他にもいろいろ。
http://www.sekisuiseikei.co.jp/?mode=products
○極細チタンパイプ
以前にも取り上げたような気がするんだけど、外径0.15㎜×内径0.08㎜のチタンパイプをこさえているのは日本特殊管製作所でした。
サンプルに短く切った極細金属パイプを数種類もらいましたが、あまりに細すぎて1/700scale艦船模型とかにしか使えそうにありません。意外にも模型業界からの受注は特にないんだそうです。
お高いのかしら。
大抵価格は聞かないと教えてくれない。聞けば大体教えてくれるけど。
配布しているサンプル自体も商品として成立しそうな気もするんだけど、そうは模型問屋が卸してくれないんだろうな。
http://www.nittoku.com/
○マイクロ歯車
田口電気工業ではシンクロトロン光X線フォトリソグラフィ(ちんぷんかんぷん (?_?;) )微細加工で直径0.1㎜の歯車を作れる技術を展示していました。
http://www.taguchi-dk.co.jp/
以前からNゲージ(およそ1/150scale)の鉄道模型用に踏切遮断機を作れたら面白いかなと思っているんですけど、微細ギアをネジで駆動するウォームギアを用いれば、駆動源を地下に組み込むことで実現可能かも知れない。
ただ、商品化するには動作安定性の確保と、価格がどこまで抑えられるかだと思う。腕時計の針みたいな大きさだから、密閉されていないところで使うと簡単に壊れてしまうかも知れない。
ちなみにスカイツリーを1/150で再現すると、およそ4.2mになる。吹き抜け2フロアにしないと建物の中には入らない。
○電子レンジるつぼ
羽根田商会では、家庭用電子レンジでも1200℃程度まで加熱することが出来るカーボン電磁波コイル内蔵の坩堝を紹介していました。坩堝と防熱ケースのセットで10万円近くするとのこと、防熱ケースがないと電子レンジごと熔けてしまうので必須です。
http://www.haneda-shokai.co.jp/seihin/category14/index.html
ご家庭で金属鋳造やガラス工芸とか出来ないかなとかおもたんですが、若干敷居が高めです。放射温度計で温度制御も出来る専用の電子レンジ(リアクター)というのもあって、セットで100万円くらいになるそうなので、そんなにお手軽な機材ではありませんでした。
○可視光応答型光触媒
光触媒っていうと紫外線でしか働かないと思ってたけど、可視光でも動作するものをダイセルファインケムが開発したそうです。塗料としてLED光の当たる部分に塗ったり、繊維に混ぜて医療機関のユニホーム、バスや列車のシートなどにも応用出来るんだそうです。
CelMuse
http://www.daicel.com/search/?q=CelMuse
http://www.daicel.com/csr/feature2011/index05.html
原料は普通の酸化チタン系だそうで、商品形態としては水に混ぜたもの、水と分散液に混ぜたもの、そのまま水性塗料として使えるものがあるそうです。
○高耐熱透明柔軟樹脂
ダイセルでは高耐熱柔軟導光材っていうのは以前から販売していたけど、液体原料も販売を始めたようです。紫外線か熱で硬化するので、紫外線で硬化させる場合は厚みに制限はありそうだけど、ご家庭でも何か応用出来そうな気がする。
あえて表面だけ固めてみるっていうのも何かに応用出来そうな気もする。経時変化で固まってきたり、破けて中身が出て来ちゃったりするかも知れないけど。
ちなみに透明シリコンというのは紫外線透過率は高いそうなので、透明シリコン型の外から紫外線を当てても固まるみたいです。でも脱型性が良いのかどうかは、やってみないとわからない。脱型性が悪いなら接着性は高いってことになるので、自己粘着フィルムと一体化させるには良いことになるのかも。
この樹脂を用いて光ファイバーをこさえると、屈曲性の高いものが出来るんだそうで。ただ、曲率が高いとそこから光が逃げちゃうので、一時的に屈曲させても壊れないっていうことがミソ。押し曲げたとこだけ光らせるとか逆に利用してもオモロイかも。
触った感じは塩化ビニールっぽかた。
○超分散ナノダイヤモンド
TNTとRDXっていう「爆薬」を密閉容器内部で爆発させると、高温高圧によって爆薬中の炭素原子がダイヤモンド構造に変化するんだそうで、これを精製して4~5nmサイズのダイヤモンド粒子が作れるんだそうです。
TNTっていうのはトリニトロトルエンで、RDXっていうのをググったら(本当はYahoo!検索だけど)Research Depertment Explosiveの頭文字で、トリメチレントリニトロアミンのことを意味するそうです。共に高性能爆薬のことでした。こんなもの国内で製造取り扱いしても良いものだったんですね。しらなんだ。
ダイヤモンドは熱伝導率が高くて熱膨張率が低いので樹脂に含ませて放熱性を持たせるとか膨張率を抑制したり、ナノ粒子は分散性が高くて光の波長よか小さいので透明樹脂に混ぜると屈折率を上げることも出来るんだそうです。
まぁ、お高いんでしょうね。
○柔軟多孔性シリコンゴム
ジーエルサイエンスではマシュマロゲルって呼んでたけど、撥水性はあるけど油は吸い取るとか、吸音性がウレタンフォームやグラスウールの3~4倍もあるとか、液体窒素でも凍らないので液体窒素を染み込ませて絞り出すなんていう使い方も出来る素材だそうです。
ブースにはサンプルが置いてあって、来場者がみんなで触ったためか結構ボロボロになっていた。強度はそんなにないらしい。
ジーエルサイエンスは検索かけても引っ掛からなかた。マシュマロゲルの話題はニュースでは取り扱っていた。
○オハラのブースでは、ガラス基板の内部にフェムト秒レーザーで回折格子を形成する技術を紹介していました。ガラスの内部にレーザーで傷をつけるっていうのは見たことあるけど、屈折率を変化させることも出来るんだそうですが、もしかすると専用のガラス材料を開発したってことなのかも知れない。その辺りは聞いてこなかた。
http://www.ohara-inc.co.jp/jp/news/2012.html#neo2013
○セラテックジャパンっていうのは、電子部品関係のガラス部材を主に販売している企業で、フィルター類は一般向けにも直販しているんだけど、レンズなどの曲面研磨設備はないらしい。
http://www.crtj.co.jp/
○バイコウスキージャパンも光学素子を販売していて、こっちにはジンクセレナイド結晶基板とかも展示してました。
マニアにしかわからないだろうなセレン化亜鉛の結晶を生で見たい気持ちって。取り扱っている業者的にはただの高価な危険物に過ぎないしね。
http://www.baikowski.co.jp/
○独立行政法人 物質・材料工学研究所のブースにSiAlON蛍光材料の展示があるんだと思って見に行ったらなかた。案内のおねいちゃんに聞いても何もわからなくて、意味わからん。
展示会の出展料も税金なのに、これは納得いかない。パネルしか置いてないのに無駄にブースもデカイし。
葛西橋のナトリウム街灯が昼間も点灯し放しでした。これも税金の無駄。
Fig:
街路灯とか自販機の照明が真っ昼間もつけっぱなしになっていることって結構多い。
Ende;