最近、脳動脈狭窄症で遠方から受診される方が増えています。
これは、この病気には良い治療法が確立されていないためです。
その経緯を説明いたします。
脳の血管が細くなっている場合、他の血管と同じように風船やステント(金属メッシュ)で狭いところを広げる血管内治療が可能です。
しかし、脳の血管は細くて壁が薄いために傷つきやすく、治療でかえってトラブルが起きることもあります。
このため、内科的治療と血管内治療のどちらが良いのか確認するための比較試験が行われました。
この試験の名前をSAMMPRIS studyといいます。
脳梗塞などの発作を来し、高度な狭窄(70%以上)を認める患者さんが対象となりました。
そして治療の内容によって以下の2群にランダムに振り分けられました。
1)積極的内科治療群
2)積極的内科治療+血管内治療群
その結果、なんと1)積極的内科治療の群の方が治療結果が良かったのです。
血管が狭いために脳梗塞が起きるのだから広げれば良い、という単純な発想だけでは良くないということです。
しかし「積極的内科治療」というのは聞き慣れない言葉です。
これは普通の内服治療とは違い、血液をさらさらにする薬を2種類内服し、血圧管理、コレステロール管理、さらには禁煙などのライフスタイルの改善も行うという徹底したものです。
内科的治療の進歩も目覚ましいですね!
しかしここで一つの疑問が生じます。
積極的内科治療を行っても再発を起こす人や、再発リスクが非常に高い人はどうしたらいいのでしょうか?
そうなのです。実はこの治療を行っていても年間10%以上の方が再発作を起こすことが分かっているのです。その意味では、積極的内科治療も決して満足できるものではないのです。しかも日本では脳血管専用のステントがまだ承認されていないこともあり、全国的に治療に関して消極的にならざるを得ない状況となっています。
以上のように脳動脈狭窄症は専門家でも頭を悩ませる病気の一つとなっています。
このような経緯から、私のもとを受診される方が増えているのです。
私は患者さんの状態を詳しく検査し、状況によっては血管内治療やバイパス手術などの血流を改善する治療を行っており、これまでの治療結果は良好です。
現時点では治療の難しい病気ではありますが、近い将来、より良い治療法が確立できることを夢見つつ、診療と研究に取り組んでいます。
これは、この病気には良い治療法が確立されていないためです。
その経緯を説明いたします。
脳の血管が細くなっている場合、他の血管と同じように風船やステント(金属メッシュ)で狭いところを広げる血管内治療が可能です。
しかし、脳の血管は細くて壁が薄いために傷つきやすく、治療でかえってトラブルが起きることもあります。
このため、内科的治療と血管内治療のどちらが良いのか確認するための比較試験が行われました。
この試験の名前をSAMMPRIS studyといいます。
脳梗塞などの発作を来し、高度な狭窄(70%以上)を認める患者さんが対象となりました。
そして治療の内容によって以下の2群にランダムに振り分けられました。
1)積極的内科治療群
2)積極的内科治療+血管内治療群
その結果、なんと1)積極的内科治療の群の方が治療結果が良かったのです。
血管が狭いために脳梗塞が起きるのだから広げれば良い、という単純な発想だけでは良くないということです。
しかし「積極的内科治療」というのは聞き慣れない言葉です。
これは普通の内服治療とは違い、血液をさらさらにする薬を2種類内服し、血圧管理、コレステロール管理、さらには禁煙などのライフスタイルの改善も行うという徹底したものです。
内科的治療の進歩も目覚ましいですね!
しかしここで一つの疑問が生じます。
積極的内科治療を行っても再発を起こす人や、再発リスクが非常に高い人はどうしたらいいのでしょうか?
そうなのです。実はこの治療を行っていても年間10%以上の方が再発作を起こすことが分かっているのです。その意味では、積極的内科治療も決して満足できるものではないのです。しかも日本では脳血管専用のステントがまだ承認されていないこともあり、全国的に治療に関して消極的にならざるを得ない状況となっています。
以上のように脳動脈狭窄症は専門家でも頭を悩ませる病気の一つとなっています。
このような経緯から、私のもとを受診される方が増えているのです。
私は患者さんの状態を詳しく検査し、状況によっては血管内治療やバイパス手術などの血流を改善する治療を行っており、これまでの治療結果は良好です。
現時点では治療の難しい病気ではありますが、近い将来、より良い治療法が確立できることを夢見つつ、診療と研究に取り組んでいます。