脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

手術指導@下呂

2011年08月31日 | 閑話休題
下呂温泉病院に開頭手術の指導に行ってきました。
手術はうまく行き、ほっと一息。車窓からきれいな川が見えました。

手術の成功率が100%であったらどんなに良いかといつも考えます。そのためには自身の経験の中で得られた情報をまずは十分に整理し、そして発信しなくてはなりません。
その情報をもとに、手術法やテクニックがさらに改良され、100%に近づいて行く。そんなことを夢見ています。
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Mt. Fuji workshop at Sapporo

2011年08月28日 | 学会/研究会
Mt. Fuji workshopに参加してきました。
今回は頚動脈狭窄症治療についてシンポジウムで発表させて頂きました。
この研究会は「脳血管障害の一つのテーマについて一日じっくりと勉強しよう」というのが主旨です。今年も大変勉強になりました。
この会は斉藤 勇先生と端 和夫先生が始められ、すでに30年の歴史があるということです。伝統ある会の運営委員に加えて頂き大変光栄です。
会は大変盛況でした。うちの江頭先生も発表していました。
ポスターセッションも盛り上がっていました。
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プラーク診断に関する論文がStroke誌に掲載されました。

2011年08月26日 | 報道・出版関係
以前、このブログで紹介した頚動脈狭窄症のMRAによる簡便なプラーク診断に関する論文が、Stroke誌に掲載されました。
「MRAで高信号に見える病変はCAS(ステント留置術)において危険である」というのが主旨です。
ぜひご覧頂きたいと思います。
下記から論文のPDFがダウンロード可能です。
(PDF自体をコピーして転送することは禁じられていますのでご注意ください)

http://stroke.ahajournals.org/content/early/2011/08/25/STROKEAHA.111.615708.full.pdf?ijkey=eSMqEpjPtoEo11g&keytype=ref

本論文は、我々脳神経外科と、放射線科、病理学教室との共同研究です。ご指導、ご協力いただいた先生方に心より御礼申し上げます。
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深川めし

2011年08月26日 | グルメ
先週末、東京での取材の後、松本で中部脳神経血管内治療懇話会がありました。
新宿からあずさで松本に向かいましたが、朝食を探していて、ふと目についたのがこれ。
以前から食べてみたいと思っていた「深川めし」です。
駅弁ですから、どんなものかなーと思って食べたのですが、とても美味しい!
とても懐かしい味がして、はじめて食べたのにとても気に入ってしまいました。
見つけたら食べてみてくださいね。

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Rescue-Japan Retrospective Survey論文化!

2011年08月24日 | 報道・出版関係
Rescue-Japanの最初の報告が論文化されました。本研究にご協力いただいた皆様に心から御礼申し上げます。
以前紹介したように、この報告は2009年の日本脳神経血管内治療学会で行った全国調査の結果を論文化したものです。メルシー導入前の脳動脈急性閉塞症の治療の実態と血管内治療の役割について様々な情報が得られました。本領域に関係する先生方にぜひご覧頂きたいと思います。
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紳助さん、引退

2011年08月24日 | 報道・出版関係
紳助さんが電撃引退!
先週撮影に行ったのに残念です。面白そうな番組だったんですけどねー。
テレビ局の方も対応が大変だと思いますが、がんばってください。
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紳助ER

2011年08月20日 | 報道・出版関係
昨日はテレビ朝日の特番、「紳助ER(仮)」の収録に行ってきました。
「歴史上の偉人を現代医療なら治せるか?」というテーマでした。
急性期脳梗塞、特にメルシーなどの再開通治療を紹介させて頂けるということと、聖マリアンヌ医大の植田先生も出演され、虎ノ門の松丸先生のところでのロケ映像もあるということで引き受けました。
しかしバラエティ的な番組でしたので非常に緊張しました。慣れない環境で芸能人の方々に話すということで、かみかみのコメントになってしまいました(;;)
プロの編集で修正されることを期待するしかありませんが、どんな感じになっているのか楽しみでもあり不安でもあります。
ただ、これをきっかけに全国の方に急性期脳梗塞治療のことをよく知っていただいて、一刻も早く病院を受診して頂けるようになれば幸いです。
番組内では3人の偉人(豊臣秀吉、坂本龍馬、上杉謙信)と最新医療紹介のコーナーがあり、大勢の医療関係者が出演されていました。
私たちの脳卒中編は最後でした。
本番組は9月3日午後7時から放映されるとのことです。お楽しみに!
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アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

2011年08月17日 | 脳卒中
次にアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬です。
名前からして難しいですよね。一般の方は何のことか分からないと思います。
私が知る範囲で出来るだけ分かりやすく説明してみます。

私たちの体は血圧を一定の値に調節する機能を持っています。
血圧が下がるとすぐに腎臓からレニンという物質が血中に出されます。
レニンはアンギオテンシノーゲンという物質に働き、これを1型から2型に変えます。
2型は血圧を上げる作用を持っているので、すぐに血圧が上がる、というわけです。
うまく出来ていますね。

もう少し詳しくお話しすると、このアンギオテンシンⅡが血圧を上げる仕組みは
1)血管平滑筋収縮
2)アルドステロン分泌による腎臓でのナトリウム再吸収
の2つの機序によります。

これについては次回もう少し説明します。

代表的な薬品名
カプトリル、ロンゲス(ゼストリル)、レニベース、アデカット、インヒベース、コバシル、タナトリル(ノバロック)、コナン、エースコール、チバセン、プレラン(オドリック)

主な副作用
空咳、発疹、味覚異常、尿蛋白、高K血症、血管浮腫等
腎機能悪化、妊婦には使用不可

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カルシウム拮抗薬

2011年08月14日 | 脳卒中
カルシウム拮抗薬

 カルシウム拮抗薬は、正式には「カルシウムチャネル拮抗剤」というものです。細胞膜上のカルシウムチャンネルに結合し、細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害する薬剤です。といってもちょっと難しいですね。もう少し簡単に説明します。
 まずカルシウムです。カルシウムは、骨の成分として有名です。背が伸びるようにカルシウムのいっぱいあるものを食べましょうと学校で教えられましたね。ではなぜカルシウムと血圧が関係あるのでしょうか?
 カルシウムは骨の成分として有名ですが、実はもう1つ、大事な働きがあるのです。それは筋肉の収縮(しゅうしゅく)、つまり筋肉がちぢむことをコントロールすることです。カルシウムがカルシウムチャンネルという細胞膜の表面にある穴から細胞内に入ると、血管が縮み、その結果、中の圧力である「血圧」があがるのです。
 カルシウム拮抗薬はカルシウムイオンが細胞の中に流入するのをとめますから、血管の筋肉(血管平滑筋)をゆるめ、血管を拡張させることにより血圧を下げるのです。
 カルシウム拮抗薬の作用機序、分かりましたか?

代表的な薬品名
1. ジヒドロピリジン誘導体
 (血管拡張作用が強く、主に降圧に使用される)

 商品名:アムロジン、ノルバスク、ペルジピン、アダラート、ニバジール、カルスロット、コニールなど

2. フェニルアルキルアミン誘導体
 (このタイプは降圧降下はあまりなく、心臓内の刺激伝導系
 の機能を抑制し、頻脈発作に多く使用される)

 商品名:ワソラン

3. ベンゾチアゼピン誘導体
 (1と2の中間のタイプで、降圧や頻脈発作に使用される)

 商品名:ヘルベッサー

主な副作用
 過度の降圧による低血圧や頻脈
 顔面紅潮、頭痛、熱感(血管拡張作用のため)
 下肢浮腫、歯肉腫脹
 徐脈、ブロック、心不全 (特にワソラン、ヘルベッサー)
 その他(便秘、発疹、消化器症状等)

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脳卒中にならない5か条 その四「薬を煎じ」:高血圧つづき

2011年08月11日 | 脳卒中
さて、血圧を下げる薬(降圧剤)には色々な種類があります。
1)カルシウム拮抗薬
2)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
  またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
3)利尿薬
4)交感神経β受容体遮断薬(β遮断薬)
5)交感神経α受容体遮断薬(α遮断薬)
などです。
なんだか難しい名前ばかりですね。でも自分がどんな薬を飲んでいるのか、飲むことになるのか、ご関心があるところだと思いますし、飲むなら効果の高い薬を内服したいところです。

さて、以上の1-5のうち、ガイドラインでは前3者が脳卒中患者さんに対して推奨されています。しかしこれだけの薬の種類の中からどうやって選んでいるのでしょうか?

 それは以前説明した統計の手法です。つまりそれまでに行われた複数のランダム化試験の結果を再解析して、膨大な数の患者さんのデータからどの薬が脳卒中の予防効果があったかを割り出すのです。この方法はメタ解析(Meta-analysis)と呼ばれ、最も信頼性の高い解析法とされています。
 「本当は毎回新たにランダム化試験を組み直した方がいい」という見解もあります。「過去の報告のデータを集めて各群3,000例になった」とは言っても、それぞれ患者さんの背景が異なるので、「人種や持病、年齢などが違うグループをごっちゃまぜにして何が分かる!」というわけです。生データを集めるのではなく、ネット上(論文上)のデータだけで解析することが多いことも批判の対象になります。
 しかし一方で、多くのランダム化試験で設定される条件自体が薬の効果を出すために仕組まれたものであって、「様々な患者さんが混じっても差があるということこそ真実である」、という見解もあります。
 こういった意味からは、より多くの人を調べればいいわけですが、臨床においては人を対象とするために条件が限られてきます。国民全員、あるいは地球上の人を2群に分けて効果を試すことは事実上不可能ですので、ある集団を調べてそのデータを普遍化するという手法をとらざるを得ません。このため様々な意見があるものの、今のところ医学の世界ではメタ解析が最も信頼性が高いとされていて、このガイドラインも基本的にメタ解析の結果を重視しています。

さて、次回はそれぞれの薬についてもう少し説明します。
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