脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

Dicom画像を見るソフトウェア OsirixとHoros  

2024年05月31日 | 学会/研究会

ごめんなさい!今回は脳卒中には直接関係のない、コンピューターに関するマニアックなお話です。

ただ、マックユーザーの医療関係の方にはひょっとしたら役立つ情報かもしれません。

患者さんが持参されるCTやMRI画像はCDにコピーしてあり、主にDICOM(ダイコム)という形式で保存されています。DICOMは、Digital Imaging and Communications in Medicineの略で、医療データ通信の国際標準規格です。

私は遠方にお住まいの患者さんから相談を受けた場合、ご希望があればMRI画像を送っていただいて、それを元に電話などで相談することがよくあります。

ただ、私はマックユーザーで、持参されたCDをそのままマックで開くことはできません。DICOMデータを閲覧するには専用のソフトウェアが必要なのです。

これまで私が使ってきたのはOsirix (オザイリクス)というソフトウェアで、以前は無料でうまく使えました。しかし、無料版は徐々に制限が加わってうまく使えなくなってきたので、最近は有料のOsiriX-MDというものを購入して使用してきました。

「患者さんのためなんだから、この出費はやむを得ない」と考えてきたのですが、年額70,374円は個人には結構大きな負担です。

先日、1年の契約が終わったため、突然、患者さんの画像が見れなくなりました。

このため、またOsirixを契約しようとしたのですが、「待てよ、ひょっとしたら、そろそろ無料のソフトが出ているんじゃないか?」と思い探すと、なんとあるではありませんか!

その名はHoros(ホロス)。

https://horosproject.org/

このホームページから入って、上の図で示すように進めば無料でダウンロードできます。

医療関係者の方、ぜひ試してみてくださいね!

 

 

 

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川西市立総合医療センターでの市民講座

2024年04月22日 | 学会/研究会

先週末に川西市立総合医療センターで市民講座をさせていただきました。

アルツハイマー病の研究で有名な理化学研究所の西道隆臣先生が先にお話しされ、私は脳卒中の最新治療と予防についてお話ししました。

多くの方が参加されており、質問もたくさん頂きました。

私のお話がみなさんの健康維持に少しでもお役に立てたのなら嬉しいです。

Youtubeではもっと詳しくお話ししておりますので、お時間があれば、ぜひご覧いただければと思います。

この度、貴重な機会をいただいた関係者の皆様に心から御礼申し上げます。

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米国への出張:コロナ関連の手続きについて

2022年06月29日 | 学会/研究会
2年半ぶりに米国の学会に来ています。
まだ海外出張は控えようと考えていましたが、主催の先生方から声がけをいただいたため、思い切って大学に申請したところ、許可が出ました。
まだ出入国には様々な規制があります。
・出国には3度のワクチン接種証明書が必要
・入国(帰国)には滞在国でのPCR検査陰性の証明が必要
となっています。

十分準備したつもりでしたが、出国については一度つまづいてしまいました。
スマホのアプリケーション「接種証明書」を使って海外用の接種証明書を作成したのですが、スキャンで取り込まれたパスポートの文字に間違いがあったのです(1とlです)。空港でそれが発覚したため、予定していた便に乗れず、急遽変更となりました(涙)。
一度、自宅に戻ってマイカードを使って再度スキャンしなおし、慎重に確認。2度目は大丈夫でした。コンピューターを信用しすぎてはダメですね!

あと、この2年半でESTAが切れており、しかも申請後、承認まで12時間程度かかったため肝を冷やしました。現在でも5-10分で承認されることもあるようですが、以前よりも長時間かかるケースが増えているそうです。ESTAのホームページには「72時間以上前に申請すること」としっかり記載されているのでご注意を!

帰国については滞在国の出発時刻72時間以内のPCR陰性を示す必要があります。
また、入国時には「My SOS」というアプリケーションを使うことが推奨されています。

ここにまず、3度目の摂取証明を入れるのですが、なんと「接種証明書」の3回目の接種部分のスクリーンショットでは審査で承認されませんでした。色々試しましたが、全情報を1枚の紙やPDFに印刷ができず(やり方がわからず)対応できませんでした。このため日本で摂取証明書をスキャンしてメールで送ってもらい、それを添付するとOKが出ました。

PCRは「出発時刻から72時間以内」となるタイミングを計算して、現地のPCRクリニック(上図左)で受けてその情報を添付しました。でも航空便が遅れるとダメになってしまう可能性もありますのでしっかり計算しないといけません。

My SOSは最初は画面が赤色ですが、順に摂取証明やPCRの結果を入れ、審査で全て承認されると青色に変わります(上図右)。これで一安心です。

米国入国時にはワクチン接種やPCRの確認はありませんし、街の中ではすでにマスクをしている人はいません。
学会でも普通にプレゼンをされていて、2年半前にタイムスリップしたようで違和感がありましたが、これで感染が爆発しないのなら良いのかもしれません。
日本ではいまだにクラスターが発生したりして大変ですが、米国ではかなり事情が違っています。
日本も早く、通常の生活に戻るといいですね!

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ISC interview

2022年02月11日 | 学会/研究会
今回のISC 2022ではLate breaking sessionという最も権威あるセッションで発表させていただきました。
本当は大会場で発表したかったのですが、コロナ禍のため現地参加できず残念でした。
ただ情報が広く伝われば良いわけですので、医学雑誌だけでなくさまざまなメディアで発信していきたいと思っています。
すでに海外からも多くのメッセージが来ていますが、その中で私たちへのインタビューがYou tubeに掲載されているというものがありました。
拙い英語が恥ずかしいのですが、もしよろしければご笑覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=RpJnZ0pmOWo

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ISC2022発表とNew England Journal of Medicine掲載のお知らせ

2022年02月10日 | 学会/研究会
本日朝に学会発表が終わりました。
発表後、国内外の先生方から多くのご連絡をいただきました。
今回のランダム化比較試験の結果を一言でまとめれば、「脳梗塞が大きい状態でも血管内治療が有効」ということです。
日本から世界に向けてこのように重要な研究結果を発表できて感無量です。
ご指導、ご協力いただいた皆様に心から御礼申し上げます。
特に共同主任研究者の坂井信幸先生と山上 宏先生には研究に関するアドバイスを、森本 剛先生には研究の計画と解析、及び論文化を、さらに各委員の先生方にも本当に大きなご指導をいただきました。
また、何よりもコロナ禍で脳梗塞患者さんに救急対応をしながら登録するこの研究に、実際にご尽力いただいた参加施設の先生方、当科のスタッフたちに心より感謝いたします。
なお、この研究結果はNew England Journal of Medicineに同時出版されました。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2118191
この研究結果をもとに一人でも多くの脳梗塞患者さんが血管内治療を受け、良くなられることを期待しています。

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International Stroke Science 2022 Late Breaking Scienceで発表します

2022年01月29日 | 学会/研究会
2月9日に全国の多施設と進めてきたランダム化比較試験RESCUE-Japan LIMITの結果を米国のISC2022で発表します。

これまで、脳梗塞が大きい患者さんについては、カテーテル治療をした方が良いのかどうかがわかりませんでした。
治療して劇的に良くなる方もあれば、良くならない方や悪くなる方もいるからです。
私たちが行ってきた登録調査を調べた結果では、カテーテル治療をした方が良い結果だったのですが、本当に効果があるかどうかはやはりランダム化比較試験をしないと証明できません。
このため、全国の施設とともに研究を行なったのです。

そのプロトコールは下記に公表されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34955488/

ISCのホームページで2022.2.9のLate-breaking scienceのMain Event 1のトップバッターになっています。
https://isc.hub.heart.org/daily-coverage/promotion/22005658/latebreaking-science-headlines-daily-main-events-at-isc22


多くの方のご協力により、このような大舞台で結果を発表することとなりました。関係者の皆様に、心から御礼申し上げます。
コロナ蔓延のためWebでの発表となりますが、精一杯の準備をして臨もうと思います。
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オンライン市民講座

2021年10月01日 | 学会/研究会
9月4日に開催させていただいた
第80回 日本脳神経外科学会 近畿支部学術集会の一環として、オンライン市民講座を開催しています。
下記から視聴可能です。
私は「脳動脈瘤の最新治療」についてお話ししています。
無料ですので、ぜひご覧ください!

http://kinki2021aut.umin.jp/neurosurgery/index.html
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ABC WIN seminar in Val d'Isère

2020年01月19日 | 学会/研究会
今年もABC WIN seminarに参加してきました。
Geneva空港からバスで3−4時間かかる山奥にある、フランスのスキーリゾートVal d'Isèreで40年以上開催されている最も歴史ある脳血管内治療の学会です。
今回の目玉はなんといってもカナダ・トロント大学のVitor M Pereira先生のロボット手術のプレゼンでした。写真右上がそのロボットで、コントロールパネルを操作することでステントやコイルを挿入することが可能です。実際の脳動脈瘤患者さんの治療を行う動画が示され、間違いなく歴史的な発表であったと思います。まだかなり手作業の補助が必要ですが、今後このようなロボットによる脳血管内治療は遠隔医療としても発展していくものと思います。
それ以外にも新しい機器を使った先進的な発表が目白押しでした。同行した金城先生、千田先生とともにプログラムの合間にスキーも楽しめましたし、国内外の先生たちと交流を深めることもできました。
今後も世界の最新治療に関する知識を常にブラッシュアップし、今後の医療の展開に生かしていければと思います。

We attended ABC WIN seminar!
It was held in Val d'Isère ski resort, deep mountain in France, and this neuroendovascular meeting has the longest history in the world.
This years biggest topic was the world first Robot neuroendovascular therapy by Prof. Vitor M Pereira in University of Tronto.
Upper right panel was the picture of the Robot. Stent and coils were inserted by operating the control panel.
The real procedure for human cerebral aneurysm was shown, and that was an undoubtedly historical presentation. I think that this kind of robotic surgery would be progressing as a telemedicine although it required many manual assistances in the current version.
Other than this presentation, I learned from many interesting presentations with advanced new technologies.
We enjoyed international friendship with Dr. Kinjo and Dr. Chida.
I hope to advance our future treatment of cerebrovascular diseases by continuous learning of newest treatments in the world.
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見学

2019年12月12日 | 学会/研究会
昨日は国内から3名の先生が脳血管内治療の見学に来てくださいました。
ステント併用コイル塞栓を見ていただきましたが、予定通り無事終えることができました。
治療困難例についてのプレゼンテーションではディスカッションが盛り上がりました。
来ていただいた下記3名の先生方、サポートいただいた日本ストライカーのみなさまに感謝申し上げます。

聖マリア病院  脳神経外科 坂井 英生先生
広島市民病院  脳神経外科 木谷 尚哉先生
松山赤十字病院 脳神経外科 渡邊 陽祐先生

ありがとうございました!

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WANS meeting

2019年12月09日 | 学会/研究会
インドのムンバイで開催されたWANS meetingに参加してきました。
完全なclosed meetingで、世界のトップリーダーがそれぞれ講演をする会です。
一人一人の持ち時間は少ないのですが、範囲は広く、内容は深く、とても勉強になりました。
頭蓋底手術などの専門家が多いのですが、私は脳動脈瘤治療の二刀流について話してきました。
自身の発表の前に、脳神経外科医が血管内治療をすべきかどうかでもめにもめた後でしたが、普段の調子で思い切って発表したところ、多くの先生方に「Your talk was good!」といってもらえてホッとしています。
なぜ自分のようなものが選んでいただけたのかよく分かりませんが、できるだけ参加して日本の取り組みを紹介したいと思います。
会場では、東京医大の河野教授、広島大学の栗栖教授、大阪市大の大畑教授とご一緒させていただきました。
ありがとうございました!
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