脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

兵庫県脳血管内治療研究会

2014年11月28日 | 学会/研究会

今日は兵庫県脳血管内治療研究会に初めて参加しました。

フランクな会で、発表中にもどんどん質問が出ます。

最近は大人しい会が多いので、逆にとても新鮮でした。

来年も楽しみです。

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脳梗塞に対する細胞治療

2014年11月22日 | 学会/研究会

脳梗塞に対する細胞治療の会議出席のために岡山に来ています。

脳梗塞とは脳の血管がつまり、脳細胞が障害されてしまうことを指します。

「一旦障害されてしまった脳は再生されることはない」というのがこれまでの常識でした。しかし最近では中枢神経系も一部再生することが分かってきています。

私自身の米国留学中の研究テーマは脳内の神経新生(neurogenesis)でした。私たち大人の脳の中にも新たに生まれる神経細胞があるのです。すごいですよね?

これは主に記憶に関係する海馬という部分や脳室(脳の水の部屋)の近くで起きている現象ですが、大脳皮質内でさえわずかながら神経が新生しているとする報告もあります。

さて私たちが共同研究させて頂いている兵庫医科大学先端医学研究所の松山研究室ではこの脳内の幹細胞を取り出して培養することに成功しています。

細胞の名前は「傷害誘導性神経幹細胞: Injury-induced Neural Stem/Progenitor Cells: iNSPC」です。脳になんらかの傷害が加わった時に誘導されるということですから、これを活性化すれば脳の機能改善が得られる可能性があります。従って、私たちはヒトの脳梗塞の一部を取る手術の際、これを破棄せず、神経幹細胞を取り出す研究に着手する予定です。成功すれば、自分の脳梗塞から幹細胞を取り出して培養し、自分に戻す再生治療が可能になるはずです。

私たちは脳を守ることに全力で取り組んでいますが、残念ながら全ての神経機能を守ることは困難です。このためこういった新たな治療にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

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4種のNOACの違い その2:1日1回か2回か?(追加修正)

2014年11月16日 | その他

次に、内服の回数で2つに分けられます。

ダビガトラン(プラザキサ)とアピキサバン(エリキュース)は1日2回

リバーロキサバン(イグザレルト)とエドキサバン(リクシアナ)は1日1回です。

1日1回の方が飲み忘れも少なく、便利で良いように思います。

ところが1日1回か2回かで効果にも微妙に違いがあるのです。1日1回の製剤では1日分を1度に内服するため血中濃度のアップダウンが大きくなります。このため予防効果や出血率にわずかながら差が出るとする報告があるのです。

しかし一方で、夜の内服を忘れてしまう方も多くおられます。そうなると話は全く変わってきます。この手の薬はきっちりと内服することで予防効果が得られる証明が得られており、半量で脳梗塞の予防効果が得られるかどうかは全く分からないからです。

「1日1回か2回か?」

これは単純にどちらが良いとは言えない状況です。患者さん一人一人のライフスタイルや既往症、そして内服が規則正しく出来るかどうかといった問診などを基に選ばれるべきと考えます。

さて、私たちは患者さんが出血を起こしやすい状態かどうかについて、HAS BLEDという評価法を参考にしています。

HAS BLEDは、心房細動患者に抗凝固療法を行う際に、重大な出血の発現リスクを評価する方法です(表)。

この表で点数を計算し、3点以上の場合には抗凝固薬で出血しやすくなることが示されています。このような場合には薬を減量したり、出血しにくいとされる種類を選ぶ必要が出てくると考えられます。(Clinical Cardiology 37, Issue 1, 32–47, 2014)

 

 

 

 

 

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入局おめでとう!

2014年11月13日 | 人物紹介

今日は嬉しいことがありました。

棚田秀一君と能勢明徳君が、当科への入局を決めてくれたのです!

4月からが楽しみです。

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RESCUE-Japan Registryのサブ解析論文がアクセプトされました!

2014年11月12日 | その他

RESCUE-Japan Registryで予後良好因子を調べた結果を今年のInternational Stroke Conferenceで発表しました。それを当科の宮地先生が論文として投稿してくれていましたが、査読の結果、数点の小修正を経て昨日受理されました!

Effect of Edaravone on Favorable Outcome in Patients with Acute Cerebral Large Vessel Occlusion : Subanalysis of RESCUE-Japan Registry

Miyaji Y, et al.  Neurol Med Chir (Tokyo) (in press)

エダラボン(商品名 ラジカット)は日本で開発された脳保護薬です。今回のデータでエダラボンの投与は患者さんの予後を有意に改善することが示されました。

現在行っているRESCUE-Japan Registry2でも患者さんの背景因子などをふくめた詳細なデータを登録しており、日本の脳梗塞治療の最新データを得ることが出来ます。

日本の患者さんにより良い治療が提供出来るよう、参加メンバーの先生方と頑張って行きたいと思います。

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4種のNOACの違い その1:作用の違い

2014年11月11日 | 脳梗塞

現在、新規経口抗凝固薬(NOAC)には4種類あります。つまり複数の中からそれぞれの患者さんに合うものを選択出来るようになったのです。

それぞれの違いについて順に見て行きたいと思います。

その1:作用の違い

実はこの4種類の薬は、働きかける凝固因子の違いによって大きく2つに分けられます。

ダビガトラン(プラザキサ)はトロンビン(第IIa因子)が標的であるのに対して、リバーロキサバン(イグザレルト)、アピキサバン(エリキュース)、エドキサバン(リクシアナ)は第Xa因子が標的です。

ただこの違いによってどちらが良いとも言えないと考えています。

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陰山先生と徳田先生

2014年11月06日 | 人物紹介

当教室の陰山博人先生と徳田 康先生の誕生会をしました。

陰山先生は脊髄疾患の専門医で、とても熱心に診療する先生です。 手術の治療成績も極めて良好で、患者さんも徐々に増加しています。

徳田先生は後期研修医1年目で、病棟や手術室でバリバリ仕事をしてくれています。

二人ともとてもいい笑顔ですね! さらなる成長を期待しています。

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新規抗凝固薬(NOAC)について

2014年11月05日 | 脳梗塞
心臓が原因となる脳梗塞を心原性脳塞栓症と言い、重症が多いことで知られています。
その予防には心臓の中で血液が固まるのを防ぐ薬(抗凝固薬)が有効です。
以前はワルファリンという薬しかありませんでしたが、ここ数年で作用機序の異なる新たな薬剤が4種類認可されました。プラザキサ(薬品名ダビガトラン)、イグザレルト(薬品名リバーロキサバン)、エリキュース(薬品名アピキサバン)、リクシアナ(薬品名エドキサバン)です。
これらの薬は新規抗凝固薬と呼ばれ、英語ではNovel Oral AntiCoagulant (NOAC)といいます。

さてこれらの薬の利点には以下があります。
1)定期的な採血が不要
2)ワルファリンと同等、あるいは上回る塞栓予防効果
3)出血合併症が少ない(特に頭蓋内出血)
4)迅速な効果発現(内服を開始するとすぐに効く)
5)血中半減期が短い(効果が早く切れる)

一方、その欠点は、
1)高価である
2)微調整が行いにくい
3)長期のデータがない
4)僧帽弁狭窄症や人工弁には適応にならない

などです。

次回から、もう少し詳しく解説していきます。
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山口での講演

2014年11月01日 | 学会/研究会
本日は宇部興産中央病院の池田典生先生にお招き頂き講演をさせて頂きました。
難しい症例をどう治療するか、どのように若手を教育するかについてお話しさせて頂きました。
講演後は治療に対する心構えや、術者のメンタルコントロールに関しても話しあうことが出来ました。
私も大変参考になりました。
本会の参加者と関係者の皆さんに、心から感謝申し上げます。
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