脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

道端の花

2021年04月30日 | 閑話休題
先日の休みに自転車に乗っていて、ふと道端の花が目に入りました。
ピンクのものはレンゲですけど、他のものは名前もわからないのですが、とっさに撮影してみました。
ネットで調べると、黄色はかたばみ、紫のは右上はナヨクサフジ、左下はヤグルマギクでしょうか?
分かる方がおられたら教えてください。
それにしても春は道端にも色々な花が咲いていて、とても癒されますね。
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コロナワクチンと脳動脈瘤の関係

2021年04月23日 | トピックス
ご質問をいただきました。
「いつも先生のブログ拝見させて頂いております。コロナワクチンのことについて質問させてください。重篤な副反応は稀ということですが脳動脈瘤がある人でも接種によって悪影響がでることは考えられないでしょうか。まだわからないことが多いとは思いますが先生の見解を伺えたら非常に参考になります。お願いいたします。」

ご質問ありがとうございます。
まず結論から申し上げると、正確なデータはないものの、「おそらく無関係」だと思います。

なぜこのように推定するのかをお示しします。
上の図はコロナワクチンの接種数を示しています。
左のグラフを見ると、世界の累計接種回数は8億回をゆうに超えており、10億回に迫っています。
1回接種した人と2回接種した人が含まれていますが、総接種回数の半分と換算しても5億人です。つまり5億人以上が1回以上の接種を受けたと想定されます。

一方、脳動脈瘤は成人の2-5%にあるとされていますし、子供へのワクチン接種はまだ進んでいないはずです。
したがって、5億人のうちの2-5%、つまり1000万人から2500万人の脳動脈瘤を持つ人たちが、接種を受けたことになります。
もしそのうちのたった1%の人たちが破裂をきたすとしても、世界で10万人から25万人の方にくも膜下出血が起きることになります。
世界で10万人以上のくも膜下出血です。発展途上国が半分を占めてはいますが、半分は先進国です。
このような大規模な副反応が世界的に見逃されるとは考えにくいのではないでしょうか。

日本でもすでに200万回の接種が行われていて、100万人以上が一回以上の接種を受けています。
つまり、2-5万人の脳動脈瘤患者さんが接種を受けたことになりますが、くも膜下出血が増えたという報告はありません。
ですから、安心されても良いのではないでしょうか。

同じような心配をされる患者さんはとても多いです。
ただ、脳動脈瘤よりもむしろ脳梗塞を起こした方が心配されています。
外来で、「アストラゼネカのワクチンで血栓が起きたと報道されていた。自分は血栓ができやすいのだから大丈夫だろうか」と質問を受けることがあります。
しかし、ご安心ください。現時点で日本ではファイザーのワクチンしか認可されていません。
このため日本で接種を受けるワクチンは現時点ではすべてファイザー製です。
5月にはアストラゼネカのワクチンも承認される見込みとのことですが、先日、菅総理が米国訪問をして、ファイザー社に追加を依頼したのはご存知かと思います。
新しく開発されたmRNAワクチンの方が有効性と安全性が高いとされていて、それを追加輸入するのです。ちなみに米国モデルナ社のmRNAワクチンも2回接種で安全性、有効性が高いとされています。このワクチンは通常の冷蔵庫で保管可能です。

日本ではワクチンがまだ十分に普及していませんが、おそらくこれから入ってきます。
重度のアレルギーなどのない方は、ワクチンを接種して、ご自身と周囲の人を守りましょう。

図はhttps://answers.ten-navi.com/pharmanews/20139/から引用しました。



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脳動脈瘤 その30 外科手術が難しい動脈瘤:大型・巨大動脈瘤 治療の工夫5

2021年04月23日 | 動脈瘤
みなさん、こんにちは!
前回まで巨大動脈瘤や、深い場所にある動脈瘤に対して、「バイパスをして血管自体を止めてしまう」、という方法を紹介しました。
しかし、実際には単に脳の血管を止めてしまうだけでも問題ないことがあるのです(図)。
その場合、治療はとても簡単です。頭を全く切らずに、血管をコイルで止めるだけで良いのです。
このようなことが可能となる理由を、説明します。

脳に向かう血管は首のレベルでは4本あるのですが、頭の中に入るとくっついたり、分かれたりしています。そのうち、左右の頚動脈だけを抜き出して模式的に示しました。
脳の血管は左右、前後で繋がりがあるので、根元の方なら血管が1本ぐらいなら詰まっても大丈夫なようになっているのです。
ただし、全員が大丈夫ではありませんし、止める血管や場所によっても安全度は違います。
このため、一旦風船で血管を止めてみて、それによって何か症状が出るかどうかを確認するのです(図)。
この閉塞テストの結果、症状が全く出ず、しかも脳の血流が低下しない場合にはバイパスをしなくても安全に血管を止めることが可能です。

実際、このようにバイパスをしないで血管を止める治療も行ってきて、比較的良い結果が得られています。ただし、脳の血流がどの程度低下したらどのようなバイパスをするのかについては科学的な結論が出ていません。このため、各施設の経験によって選ばれているのが実情です。

以上、治療が難しい脳動脈瘤の開頭手術について紹介してきました。
次回からは血管内治療をテーマとして進めていきます。最新情報も紹介していきますので、ご期待ください。
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コロナワクチン

2021年04月09日 | トピックス
先日、コロナワクチンの接種を受けました。
1度目はほとんど痛みはなかったのですが、2度目は打った後、1−2時間から違和感があり、その夜から翌日にかけて筋肉痛のような痛みがありました。
痛み止めを内服するのは良くないとの情報があったため、湿布を貼ってみましたが、あまり効果はなかったようです(^^;
翌日の夜には痛みはだいぶ良くなり、その後はなくなりました。
接種後に発熱をきたす方もおられるようですが、重度のアレルギーなどは極めて稀ということです。

上の図に示すように、接種回数がもっとも多いのはアメリカ、人口当たりの接種回数がもっとも多いのはイスラエルです。
アメリカは人口が多いので、まだ人口当たりの接種回数では第4位とのことですが、急速に接種数が増えており、6−7月には集団免疫を獲得するのではないかと言われています。

一方、日本はワクチンの接種が遅れており、100人当たり、1.2回という状況です。
ただし、4月12日からは65歳以上の高齢者への接種も始まる予定で、その対象者数は3600万人です。
その後、高齢者施設の従事者や基礎疾患を持つ人、60~64歳の人、16歳以上の一般の人の順番で接種が行われていく予定です。

気になる副作用ですが、先行接種者における副作用は接種部位の痛み(92.4%)で、倦怠感や頭痛、発熱などもあるとのことです。
急激なアレルギー症状(*)は、約58万回のうち47件と100万回当たり81件で、いずれも回復しているそうです。
  *:国際基準でアナフィラキシーと診断された人
このため、厚生労働省の専門部会は「現時点で安全性に重大な懸念はない」と評価しています。

関西や関東で再びコロナ感染者が増え、第4波が始まっています。
感染予防を徹底するとともに、ワクチン接種の加速が期待されます。



資料は日本経済新聞HPから引用しました。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/#dailyVaccinationsWorldwide
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脳動脈瘤 その29 外科手術が難しい動脈瘤:大型・巨大動脈瘤 治療の工夫4

2021年04月02日 | 動脈瘤
動脈瘤が巨大な場合や、深い場所にある場合、クリップができない、あるいはできるとしても大きなリスクを伴う場合にはどうしたらいいのでしょうか?

こういった治療が難しい動脈瘤に対しては、以前から様々な試みがされてきました。その中で現在でも行われる方法は、「バイパスをして血管自体を止めてしまう」、という方法です(図左)。とてもシンプルですし、技術的にも難しくありません。
以前は外科手術で首の顎の下を切開し、血管を糸でしばっていましたが(図左)、最近では血管内治療によってコイルで血管を詰める方法もよく行われます(図中央)。
こう説明すると、「脳に血液を送る血管を止めてしまって大丈夫ですか?」という質問が出ます。確かに直感的には脳への血管を止めてしまう場合には必ずバイパス手術が必要という感じがします。しかし、実際には単に脳の血管を止めてしまうだけでも問題ないことがあるのです。
これはどういうことなのでしょうか。もしそういうことなら治療はとても簡単ですよね?
これについては次回、詳しく説明します。
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