脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

長浜ラーメン

2010年10月31日 | グルメ
学会中、長浜ラーメンを食べました。
地元で美味しいと評判のナンバーワンというお店に行きました。
祇園にラーメンだけの店舗もあるそうですが、本店の屋台にしました。
まさに本場、長浜の屋台。いい雰囲気です。
写真にあるようにラーメンだけでなく色々なものがありますが、ラーメンは非常においしかったです。
麺もスープもあっさりしていますが、くさみがなくクリーミーで、とても食べやすいラーメンです。
近くに寄られたら試してみてくださいね。
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ハンズオン

2010年10月29日 | 学会/研究会
学会2日目はハンズオンの講師を担当しました。
血管内治療のデバイスに関するハンズオンは、良く行われています。
しかし今回は非常に準備が良くされていて、参加者は勉強になったと思います。
血管内治療の経験がほとんどない先生方ばかりでしたが、コイルを一通りモデルの中で出し入れした後、上の図のVISTというシミュレーターを使ってみました。みんなどんどんうまくなる。このシミュレーターはすごいです!
以前に頚動脈ステント留置術をやってみたことはあったのですが、動脈瘤の塞栓術はまるで本当に治療しているような錯覚を覚えます。
実際の患者さんの治療の前に、これでしっかりと練習しておけばかなり安全になると感じました。
トレーニングにもってこいです。

欲しくなって値段を尋ねると1千万円以上とのこと!
うーん、ちょっと高いなあー。
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Merciの威力

2010年10月27日 | 脳梗塞
当科でもとうとうMerciを使用しました。tPA禁忌のため血管内治療しかない状況でした。
わずか1回の使用で、閉塞血管(M1)が見事に再開通しました。
その後、閉塞の残存した枝(M2)には、バルーンとウロキナーゼの動注でまず対処しましたが開通せず、結局この枝にもMerciを使用したところ再開通させることができました。
術後は出血もなく、患者さんはマヒも言語障害もほぼ完全に回復されています。

急性脳血管閉塞の新しい時代の幕開けです!
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弘前での講演

2010年10月24日 | 学会/研究会
弘前大学脳神経外科の先生方に講演に呼んで頂きました。
「急性期脳梗塞を血管内治療は救えるか?」という題名でお話しさせて頂きました。
会場には弘前大学脳神経外科の先生をはじめ、弘前脳卒中センターの先生方が参加しておられ、多くのご質問を頂きました。
有り難うございました。

私ははじめて青森県に行きました。
翌日の早朝、青森空港に戻るまでに八甲田山に寄ってきました。
青森は風光明媚だし、食べるものも美味しいし、とても良いところでした!
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低侵襲のダブルバイパス

2010年10月21日 | 脳梗塞
いいお医者さんネットでも紹介したダブルバイパスが論文になりました。
日本脳神経外科学会の学会誌であるNeurologia medico-chirurgicaに掲載されたのです。
上の図を見てもらえば、非常に小さな傷で血管を2本つないでいるのが分かると思います。
皮膚の壊死などの問題もなく、いい方法を開発したと思っています。

しかし、この論文が掲載されるまでには実は2年以上の時間がかかっています。
「なぜ2年も?」と思われますよね。

その理由はというと、実は海外では脳梗塞慢性期におけるバイパスは保険で認められていないからなのです。
脳梗塞慢性期におけるバイパスは1980年代に行われた国際比較研究でその効果が否定されているのです。ただアジア地区に限って言えば効果があった、とのことです。
だからなのか日本ではずっと保険で認められていますが、アメリカではこの保険の問題のため、ほんのわずかしか行われなくなり、技術が低下して治療成績が悪くなっているとのことです。
ですからバイパスに関する論文を海外の雑誌に投稿すると、「まだその効果が証明されていない」などと一蹴されてしまいます。

日本では最近、JET studyという比較研究が行われ、効果が確認されていますが、まだ論文化されていないため、相手にされません。どう主張しても、雑誌の査読者は「まだJET studyは論文化されていないから、継続中のはずだ」と主張してきます。やはり論文化するまでは認められないのですね。
そんなこんなで、この論文は巡り巡ってやっと今回、日の目を見たわけです。
実際にこの手術法で多くの患者さんを良好に治療していますから、自分たちはその効果を十分実感していますが、世の中に広く知られるのはとてもうれしいことです。
英語であれば世界中の人が見れますからね。
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旭川ラーメン

2010年10月19日 | グルメ
滞在時間、わずか数時間の旭川でしたが、講演後にラーメン屋さんに寄ってきました。
私は旭川ラーメンの中では「蜂屋」が好きだったのですが、「塩ラーメンやしょうゆも食べてみてほしい」というタクシーの運転手さんのおすすめに従ってトライしてみました。
周囲の方のおすすめだったのが「すがわら」。
会場の旭川グランドホテルから歩いてすぐでした。
お店の外観は、「大丈夫かな?」と思うような質素な感じでしたが、とてもすっきりとした美味しい塩ラーメンでした。クセのないスープで、麺もチャーシューも本当においしい。
写真を見ていたら、また食べたくなってきました(^^)。
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旭川

2010年10月17日 | 学会/研究会
日本脈管学会のサテライトの会、血管無侵襲診断セミナーでランチョンセミナーをしてきました。
いろいろと予定があり、日帰りで行ってきました。
旭川はいい天気でしたが、肌寒いぐらいでしたよ!
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メール相談について

2010年10月13日 | 閑話休題
このところこのブログのコメント欄へのメール相談が増えていますが、個人への返信ができません。このため個人的なご質問は左のブックマークにある「Dr. Yoshimura's website」に入り、メール相談としてお送りください。
私の専門である脳血管障害については無料で相談に乗ります。
ただ画像診断や病院・医師紹介は行っておりませんのでよろしくお願いします。
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海綿状血管腫に対する治療について

2010年10月11日 | 脳卒中
このところ本疾患に対する相談やコメント、診察・治療依頼が多いのでwebsiteの記載に少し追加します。

まずこの病気は腫瘍ではなく血管奇形の一種と考えられています。ですから、生まれつきの病気ということになりますが、小さな血管の塊なので周囲に小出血を繰り返し大きくなることがあります。ただ一般的な脳腫瘍とは別の病気と考える必要があります。このため英語では「先天性」の要素を示すためにcavernous malformation(海綿状血管奇形)とも言われています。

診断にはCTやMRIが用いられますが、確定診断は主にMRIで行われます。
また他の血管奇形との鑑別のために脳血管造影検査も行われます。脳血管撮影では他の血管奇形は血管撮影でその流れが写りますが、海綿状血管腫は写らないからです。これは血管腫とは言うものの、その中を流れる血流はほとんどないか、ごくわずかであるためと考えられています。しかし海綿状血管腫のうち3割程度の患者さんは静脈性血管奇形(venous malformationまたはdevelopmental venous anomaly: DVA)を合併しており、その場合には脳血管撮影で描出されることになります。

治療に関しては私のWebsiteは脳卒中合同ガイドライン委員会の「脳卒中診療ガイドライン2009」の記載と自身の経験をもとに記載していますので、ここにガイドラインの推奨文のみ紹介します。

推 奨
1. 無症候性海綿状血管腫は保存的治療が勧められる(グレードC1)。
2. 症候性海綿状血管腫(出血、痙攣ほか)のうち、摘出可能な部位(テント上脳表付近)に存在する症例では外科的切除術を考慮する(グレードC1)。
3. 出血により神経症候をきたした表在性の脳幹部海綿状血管腫の症例には外科的治療が勧められる(グレードC1)。
4. 定位放射線治療には出血防止効果はあるが、合併症の危険が高く、外科的治療が困難な例にのみ考慮すべきである(グレードC2)。

そのもととなるエビデンスも同時に紹介されていますので、
http://www.jsts.gr.jp/guideline/168_170.pdf
をご覧下さい。

ここで、「グレードC」というのは、ランダム化比較研究などが行われていないため、エビデンスの質が高くないことを示しています。海綿状血管腫については、真にどの治療が有効であるかが比較研究で確定されたわけではないということです。このためひとりひとりの患者さんの病変の部位や大きさ、症状の程度、家族歴の有無、全身状態や年齢などを総合的に判断する必要がありますし、複数の専門家による意見を統合して選択されるべきです。
実際に海綿状血管腫と診断された場合には脳神経外科専門医、脳卒中専門医、放射線治療専門医などと良く話し合い治療法を決定されることをおすすめ致します。
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新しい血栓回収法

2010年10月09日 | 脳梗塞
今回の学会でもう一つ目立ったのは、血栓回収の新しいデバイスです。
これまでMerciやPenumbraについて紹介してきましたが、今回の学会のブースではステントをつかった血栓除去デバイスが目立ちました。
血栓より奥までステントを入れて、そこで開いて(あるいは半開きにして)ずるずると引っ張ってくるという方法です。
血管壁が傷つく可能性があると思いますが、触ってみるとかなり柔らかいので大丈夫なのかもしれません。
このSolitare (ソリテア)というステントは動脈瘤のネック形成用に開発されたもので、留置した後に切り離すシステムです。しかし、すでに血栓回収にかなり使われているようで、パンフレットにもその様子が掲載されていました。
また、Balt社や、何とMerciを開発したConcentric社さえも(!)、ステント型の血栓回収デバイスの開発に取り組んでいることが分かりました。
将来は症例ごとに使い分ける時代がくるのかもしれません。
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