脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

総合ビタミン剤の内服は長寿と関係しない!

2024年08月12日 | トピックス

先日の医学ニュースで、「マルチビタミンで寿命を縮める可能性?」と題する記事が掲載されました。

健康維持のため、複合ビタミン剤を内服している人が少なくありません。米国では成人の3人に1人がマルチビタミン(総合ビタミン剤)を摂取しているそうです(そして、何を隠そう、私もその一人です)。

しかし、総合ビタミン剤が健康に有益かどうかについては、科学的に明らかになっていません。

本研究は米国で行われた3つの前向き研究からデータを収集し、総合ビタミン剤が健康に有益かどうかについて解析しました

JAMA Netw Open. 2024;7(6):e2418729. doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.18729)。

研究の参加者はすべて、がんや慢性疾患の既往歴のない、一般的に健康な米国成人でした。

20年間にわたる約40万人の参加者のデータを分析したところ、総合ビタミン剤の使用は長寿と関連しないことが明らかになりました。

またこの研究では、総合ビタミン剤を内服している人の死亡率が4%増加したと報告していますが、その明確な理由はわかっていません。

ある専門家は「栄養素の最も健康的な形は食品に含まれるものであり、工場で作られた加工錠剤ではない。また、良いものでも摂り過ぎれば害になることを知っておくべきだ」とコメントしており、確かにその通りだと思います。

今後、総合ビタミン剤を継続するかどうか?

私は、、、やめようと思っています。あなたはどうしますか?

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脊髄梗塞について

2024年06月14日 | トピックス

NHKの「おかあさんといっしょ」で「体操のお兄さん」として長く活躍された佐藤弘道さんが、脊髄梗塞を発症されたと報道されました。

この病気について質問を受けますので、簡単にまとめます。

 

1. 脊髄とは?

 脊髄というのは脳から全身に連絡を送る神経の束のようなもので、太さは約1センチくらいです。

 首から腰まで背骨(脊柱)の中を走っており、そこから神経が分かれて、手足などに連絡を送っています。

2. 脊髄梗塞とは?

 この脊髄は主に大動脈という太い血管から分かれた沢山の枝から栄養されています。これらの血管が詰まると、脊髄に血液が流れなくなり、脊髄が障害されてしまいます。

 脊髄梗塞の頻度は低く、脳卒中の1/50-1/100の頻度とされています。

3. 脊髄梗塞の原因は?

 原因には以下のようにさまざまなものがあります。

  1. 動脈硬化:動脈の壁が硬くなり、血管が詰まる。
  2. 血栓や塞栓:血管内に血の塊(血栓)ができたり、他の部位から血栓が流れ込んで血管が詰まる。
  3. 外傷:脊髄やその周囲の血管に物理的な損傷が加わる。
  4. 血管炎:血管の炎症によって血管が詰まる。
  5. 手術:大動脈の手術によって脊髄への血管が詰まる。
  6. 原因不明

4. 脊髄梗塞の症状は?

 前述のように障害された位置と範囲によって異なりますが一般的には以下のようになります。

  • 突然の背中や腹部の痛み
  • 腰のあたりが障害されると下半身の筋力低下や麻痺、頚部が障害されると首から下の広い範囲の障害
  • 感覚の喪失や異常感覚(しびれやピリピリ感など)
  • 排尿や排便のコントロールの問題

5. 治療

脳梗塞と違い、脊髄梗塞にはカテーテル治療など、有効性の確立した治療はありません。

このため、一般的な治療法として点滴や内服、リハビリテーションをするということになります。

 

6/15朝のウェークアップぷらすという番組でコメントする予定です。

https://www.ytv.co.jp/wakeup/

お時間の合う方はご覧ください。

 

 

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慢性硬膜下血腫に対する血管内治療

2024年02月20日 | トピックス

頭部打撲のあと、しばらくして頭の中(硬膜と脳の間)に血液が徐々に溜まってくることがあり、慢性硬膜下血腫と呼ばれています。

初期症状としては、頭痛や言語障害、半身麻痺などの症状のほか、物忘れ、失禁、なんとなくぼーっとしている、といった認知症を思わせるような症状もあります。一方、重症の場合は意識障害を起こすこともあります。

進行は一般にはゆっくりで、自然治癒するケースさえありますが、徐々に血液が増えて脳を圧迫し、命に関わることもあります。

症状が強い場合には、外科手術が行われます。頭蓋骨に小さな穴をあけて、血液を洗い流す手術(穿頭洗浄術)が主流です。局所麻酔で行われることが多く、比較的安全な手術です。また、術後に症状が劇的に改善することがあり、脳神経外科の手術の中でもかなり多く行われている方法です。

ただ、この治療にも欠点があります。それは再発です。術後の再発率は2~35%とされており、無視できない数値です。以前は再発したら穿頭術を再度行い、何度も再発する場合には開頭手術を行うしかない、とされていました。

しかし最近、硬膜に行く動脈(中硬膜動脈)をつめたらなおってしまった、という興味深い報告があります。

実は私も10年以上前に同様の経験をしており、他院で2度の手術を受けた患者さんに対して、硬膜に行く血管をつめる血管内治療を行ったところ、その後2週間で完全に治癒してしまい、たいへん驚きました。

先週、Phoenixで開催された国際脳卒中学会(International Stroke Conference: ISC 2024)ではこの血管内治療の有効性確認のためのランダム化比較試験が3つ報告され、3つともに有効性が示されました。

 この治療に関しては、世界で12のランダム化比較試験が走っているということですが、最初の3つで有効性が示されたことで、世界的に流れが変わってくる可能性があります。

また一つ、外科から血管内へ治療が変わっていくのかもしれない、と強く感じた発表でした。

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速報:広範囲脳梗塞に対する血栓回収療法のエビデンス確立!?

2023年02月11日 | トピックス

アメリカ・ダラスで開催されているISC2023に参加しています。

私たちが昨年報告したRESCUE-Japan LIMITに続き、2つのランダム化比較試験の結果が報告され、広範囲虚血に対する血栓回収療法の有効性が示されました!

これでトータル3つのランダム化比較試験で有効性が示されたことになります。

3つもポジティブだったので、エビデンス確立!と言いたいところですが、今後もヨーロッパの学会などで複数のランダム化試験が報告される予定ですので、まだ時期尚早かもしれません。

今回の統合解析などの相談もできましたので、実り多い学会参加でした。

 

We are attending ISC 2023 at Dallas.

Following our report of a randomized controlled trial (RCT), RESCUE-Japan LIMIT, 2 RCTs showed efficacy of mechanical thrombectomy for large ischemic lesion!

The clinical evidence of effectiveness of thrombectomy for large infarction seems to be established, but several similar trials will be reported in the coming European stroke meeting this year. So it might be too early to conclude.

We discussed about meta-analysis of 3 RCTs regarding large ischemic lesion with 2 principle investigators, so it was very fruiteful to come here.

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オミクロン株対応ワクチンを摂取するかどうか?

2022年12月08日 | トピックス

下記のような質問をいただきました。私の知る範囲でお答えしたいと思います。

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先生 お忙しい中、申し訳ありません。
コロナワクチンについて質問させていただきます。
ワクチン接種後、血栓症のリスクを生じるとワクチンに反対しているドクターの方の意見を先日SNSで視聴しました。
ワクチン接種には賛否両論あるのは承知していますが吉村先生のお考えをお聞かせください。
また先生ご自身はワクチン4回目5回目はどうされてますでしょうか?
私自身5回目を接種すべきか迷っています。

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まず、質問者の方と同様、私も4回目の接種を終えており、近々5回目を摂取する予定です。

さて、これまでもワクチンの有効性と安全性についてはこのブログで紹介してきました。

ワクチン接種が始まった当時は、「ワクチンは危険である」というコメントがよくSNSで発信されていました。確かにワクチンの副作用はあり、その中に血栓症もあります。このため、ご覧になったSNSが間違いであるとは言えません。また報道でも重度の副作用の事例を見かけます。このような報道を目にすると私も胸が痛みます。

ただ、何事も重要なのはバランスです。効果と副作用を天秤にかけて、総合的に見て判断すべきだと考えます。ワクチンの感染予防、重症化予防効果が高いことはよく報道されていますが、副作用はどうなのでしょうか?これまで世界で膨大な数のワクチン接種が行われてきましたが、重度の副作用は多かったのでしょうか?病院に勤務する私たちでも重度の副作用の患者さんに遭遇することは極めて稀で、実際、当科ではワクチン接種による脳血管の血栓症は経験していません。

ただ、オミクロン株は従来よりも軽症が多いことから、「もしかかっても大丈夫」との認識が広がっており、ワクチン接種を避ける傾向も見受けられます。特にこれまでのワクチン摂取で発熱などの副作用が重度だった方にワクチン接種をやめる方が多い印象があります。

そのような中、厚生労働省はホームページで「新型コロナワクチンについて」という下記の記事を掲載しています。https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0147.html

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現在、日本ではオミクロン株の流行が続いています。

WHO(世界保健機関)、FDA(米国食品医薬品局)、EMA(欧州医薬品庁)では、オミクロン株系統の成分を新型コロナワクチンに含め、追加接種を実施するよう見解が示され、諸外国において、2022年秋のオミクロン株対応2価ワクチンによる追加接種の方針が示されています。

日本では、ファイザー社とモデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1)による追加接種について、臨床試験における中和抗体価(ウイルスの感染力または毒素の活性を中和できる抗体の数値)の上昇等の有効性についてのデータ及び有害事象の発生頻度等の安全性についてのデータをもとに、令和4年9月12日に薬事承認されました。

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とあります。有効性と安全性を確認してオミクロン株対応ワクチンが承認された、ということです。

オミクロン株は軽症!という声もありますが、重症化して人工呼吸器管理となることもありますし、もう一つ、心配なのがコロナ感染後の後遺症です。私の外来にも「後遺症でにおいがなくなった」「全身がだるい」「頭がぼーっとする」いう方が来られます。そこで、コロナ感染後の後遺症はどのぐらいの確率なのかを調べたところ、最近の報告では、8人に1人が後遺症を経験すると報告されていました。https://medical.jiji.com/news/53855

また、コロナ感染後の後遺症として認知機能低下が多いとする報告があります。

Nat Med. 2022 Sep 22.(doi.org/10.1038/s41591-022-02001-z)

なぜ認知機能が低下するのでしょうか?コロナ感染後に「においが分からなくなる」後遺症はよく知られています。これはウイルスがにおいの神経(嗅覚路)を通じて、脳に入り込み炎症を起こす(脳炎)ことによるとされています。これがさらに進めば、前頭葉から脳全体に伝搬することになりますので、認知機能低下につながることが想定されます。このような事象は、高齢者に多いと報告されています。

Cell Reports. Oct 12, 2022(doi.org/10.1016/j.celrep.2022.111573)

 

いかがでしたでしょうか?

少し難しい情報もあったかもしれませんが、ワクチンを打つかどうかの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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New England Journal of Medicineのアニメーションで紹介されました!

2022年04月08日 | トピックス
私たちが行った広範囲脳梗塞に対するランダム化比較試験(RESCUE-Japan LIMIT)がNew England Journal of Medicineのホームページのトップにアニメーション付きで紹介されています。
動画は、「QUICK TAKE」というところをクリックすると開きます。
もしよろしければご覧ください。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2118191?query=featured_home
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コロナワクチンの副反応:アナフィラキシーについて

2021年05月06日 | トピックス
コロナワクチンの副反応であるアナフィラキシーについて質問がありましたので、お答えいたします。

まず、アナフィラキシーとは、なんのことでしょうか?
アナフィラキシーとは「アレルギー反応が短い時間で全身に激しくあらわれること」です。
症状としてもっとも多いのは、じんましん、赤み、かゆみなどの「皮膚の症状」です。
次にくしゃみ、せき、息苦しさなどの「呼吸器の症状」。
そして、目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなどの「粘膜の症状」が多いとされています。
他にも、腹痛や嘔吐や、血圧低下などをきたすことがあります。
こういった症状が全身に急速にあらわれるのが、アナフィラキシーの特徴です。
数分~数時間で症状が現れることが多いとされていますが、注射などの場合には早く症状が出るとされています。

次にNHKのホームページの情報を引用します。
------------------------------
厚生労働省によりますと、4月22日までに報告された接種後の症状のうち、国際的な評価指標でアナフィラキシーに該当したのは合わせて94件で、およそ2万6800回に1件の割合でした。これらの報告について、厚生労働省の専門家部会は「現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」として引き続き接種を進めていくことを了承しました。
(2021年4月30日)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/progress/#mokuji6
-------------------------------

コロナワクチンでアナフィラキシーが起きる確率は1/26800、つまり0.0037%で、しかもほぼ全員が軽快していると記載されています。

厚生労働省のホームページに詳しく掲載されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html

さて、これまでのコロナ感染者数を見てみましょう。
総感染者数は5月5日時点で61万7622人です。
日本の総人口は1億2557万人と報告されていますので(2021年1月20日 総務省統計局から)
これまでの感染率は約0.5%と推定されます。
死亡者数は1万547人なので、全感染者の1.7%前後です。
もちろん、これらの数値は検査を受けた人だけを登録しているので、もっと感染者数は多いかもしれません。

最近、米国の友人と話す機会があったのですが、「アメリカではコロナに勝った、という雰囲気になっている。ワクチン接種率が地域で30-40%を超えたあたりから感染者数が激減して、自分の病院では入り口の体温測定もなくなった」と言っていました。
日本も早くワクチンが普及して安全な社会になってほしいと思います。

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コロナワクチンと脳動脈瘤の関係

2021年04月23日 | トピックス
ご質問をいただきました。
「いつも先生のブログ拝見させて頂いております。コロナワクチンのことについて質問させてください。重篤な副反応は稀ということですが脳動脈瘤がある人でも接種によって悪影響がでることは考えられないでしょうか。まだわからないことが多いとは思いますが先生の見解を伺えたら非常に参考になります。お願いいたします。」

ご質問ありがとうございます。
まず結論から申し上げると、正確なデータはないものの、「おそらく無関係」だと思います。

なぜこのように推定するのかをお示しします。
上の図はコロナワクチンの接種数を示しています。
左のグラフを見ると、世界の累計接種回数は8億回をゆうに超えており、10億回に迫っています。
1回接種した人と2回接種した人が含まれていますが、総接種回数の半分と換算しても5億人です。つまり5億人以上が1回以上の接種を受けたと想定されます。

一方、脳動脈瘤は成人の2-5%にあるとされていますし、子供へのワクチン接種はまだ進んでいないはずです。
したがって、5億人のうちの2-5%、つまり1000万人から2500万人の脳動脈瘤を持つ人たちが、接種を受けたことになります。
もしそのうちのたった1%の人たちが破裂をきたすとしても、世界で10万人から25万人の方にくも膜下出血が起きることになります。
世界で10万人以上のくも膜下出血です。発展途上国が半分を占めてはいますが、半分は先進国です。
このような大規模な副反応が世界的に見逃されるとは考えにくいのではないでしょうか。

日本でもすでに200万回の接種が行われていて、100万人以上が一回以上の接種を受けています。
つまり、2-5万人の脳動脈瘤患者さんが接種を受けたことになりますが、くも膜下出血が増えたという報告はありません。
ですから、安心されても良いのではないでしょうか。

同じような心配をされる患者さんはとても多いです。
ただ、脳動脈瘤よりもむしろ脳梗塞を起こした方が心配されています。
外来で、「アストラゼネカのワクチンで血栓が起きたと報道されていた。自分は血栓ができやすいのだから大丈夫だろうか」と質問を受けることがあります。
しかし、ご安心ください。現時点で日本ではファイザーのワクチンしか認可されていません。
このため日本で接種を受けるワクチンは現時点ではすべてファイザー製です。
5月にはアストラゼネカのワクチンも承認される見込みとのことですが、先日、菅総理が米国訪問をして、ファイザー社に追加を依頼したのはご存知かと思います。
新しく開発されたmRNAワクチンの方が有効性と安全性が高いとされていて、それを追加輸入するのです。ちなみに米国モデルナ社のmRNAワクチンも2回接種で安全性、有効性が高いとされています。このワクチンは通常の冷蔵庫で保管可能です。

日本ではワクチンがまだ十分に普及していませんが、おそらくこれから入ってきます。
重度のアレルギーなどのない方は、ワクチンを接種して、ご自身と周囲の人を守りましょう。

図はhttps://answers.ten-navi.com/pharmanews/20139/から引用しました。



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コロナワクチン

2021年04月09日 | トピックス
先日、コロナワクチンの接種を受けました。
1度目はほとんど痛みはなかったのですが、2度目は打った後、1−2時間から違和感があり、その夜から翌日にかけて筋肉痛のような痛みがありました。
痛み止めを内服するのは良くないとの情報があったため、湿布を貼ってみましたが、あまり効果はなかったようです(^^;
翌日の夜には痛みはだいぶ良くなり、その後はなくなりました。
接種後に発熱をきたす方もおられるようですが、重度のアレルギーなどは極めて稀ということです。

上の図に示すように、接種回数がもっとも多いのはアメリカ、人口当たりの接種回数がもっとも多いのはイスラエルです。
アメリカは人口が多いので、まだ人口当たりの接種回数では第4位とのことですが、急速に接種数が増えており、6−7月には集団免疫を獲得するのではないかと言われています。

一方、日本はワクチンの接種が遅れており、100人当たり、1.2回という状況です。
ただし、4月12日からは65歳以上の高齢者への接種も始まる予定で、その対象者数は3600万人です。
その後、高齢者施設の従事者や基礎疾患を持つ人、60~64歳の人、16歳以上の一般の人の順番で接種が行われていく予定です。

気になる副作用ですが、先行接種者における副作用は接種部位の痛み(92.4%)で、倦怠感や頭痛、発熱などもあるとのことです。
急激なアレルギー症状(*)は、約58万回のうち47件と100万回当たり81件で、いずれも回復しているそうです。
  *:国際基準でアナフィラキシーと診断された人
このため、厚生労働省の専門部会は「現時点で安全性に重大な懸念はない」と評価しています。

関西や関東で再びコロナ感染者が増え、第4波が始まっています。
感染予防を徹底するとともに、ワクチン接種の加速が期待されます。



資料は日本経済新聞HPから引用しました。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/#dailyVaccinationsWorldwide
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日本脳卒中学会:COVID-19 対応 脳卒中プロトコル

2020年04月25日 | トピックス
昨日は血管内治療の東海大学マニュアルを紹介しましたが、今回は日本脳卒中学会のCOVID-19対応 脳卒中プロトコルを紹介します。

https://www.jsts.gr.jp/news/pdf/jss_pcs_ver1_2.pdf

このプロトコルでは、「脳卒中救急受け入れの条件」や「脳卒中救急受け入れ体制はどのようにすれば良いか?」など、実際の診療で役立つ事項が、Q&A形式でわかりやすく解説されています。
脳卒中診療関係者はぜひ目を通すべき内容だと思います。
私たちも早速勉強して、今日からの診療に生かしたいと思います。
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