脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

脳卒中にならない5か条 その三「危うきを避け」糖尿病 3

2011年02月27日 | 脳卒中
糖尿病の人は、血糖をコントロールしましょう!
でも、毎日血糖値を測るのは大変です。針を刺すのは痛いですよね。
インスリンを注射する人は仕方がないとしても、内服薬や食事療法の人は定期的な外来診察時の採血程度でコントロールしたいものです。

でも血糖は1日の中でも食前、食後で大きく変化することが知られています。ではどうしたらいいのでしょうか?

そのよい目標となる数値があります。それはHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)。この数値は、 過去1-2ヶ月の血糖値の状態がわかる値です。
このヘモグロビンA1Cは血糖のコントロールだけでなく、糖尿病そのものの診断にも用いられます。というのも、糖尿病の中には、ポイント採血の血糖値だけでは診断できない場合があるからです。この検査を行うことで、見過ごされやすいタイプの糖尿病も診断することが可能です。

上の図にあるように、ヘモグロビンA1Cは6.5未満にコントロールすることが重要です。
私は外来では「HbA1Cを7以下にコントロールしましょうね」と指導していましたが、糖尿病専門の先生と一緒に講演させて頂いた機会があり、「7では甘いですよ!」と教えて頂きました。
ということで、やはり「6.5未満」がいいのですよ、と説明しています。

糖尿病の皆さん、専門の先生とともにがんばってくださいね!

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ラジオ出演のお知らせ

2011年02月25日 | 報道・出版関係
3月2日(水)、9日(水)に、FMラジオ「あったか応援団 元気な介護」という番組に出演します。電話取材という形式です。詳細は以下のとおりです。

・放送日時 3月2日(水)15:30~15:40(10分間)
      3月9日(水)15:30~15:40(10分間)

・放送局 衛星放送デジタルラジオ ミュージックバードSPACE DiVA 126ch
      他 全国コミュニティFM61局

 各地区の放送局は「あったか応援団 元気な介護」ホームページから確認できます。
 http://www.musicbird.jp/kaigo/index.html

お時間が合えば、ぜひご視聴ください。
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脳卒中にならない5か条 その三「危うきを避け」糖尿病 2

2011年02月23日 | 脳卒中
糖尿病の続きです。

さて皆さん、糖尿病には2種類あることをご存知でしょうか?
「1型糖尿病」と「2型糖尿病」という2つのタイプがあるのです。

「1型糖尿病」というのは簡単にいうと、血糖を下げるインスリンというホルモンが何らかの理由によって出なくなってしまうことが原因でおこります。これは小児期や若い人に発症することが多いタイプです。
一方「2型糖尿病」は、インスリンは出ているのですが、肥満などによってインスリンの働きが悪くなったり、インスリンの量が減少することが原因でおこります。こちらは生活習慣が原因ですから成人に多いタイプです。

ところで...
日本では、糖尿病患者の8割以上は「2型糖尿病」で、最近の日本の生活様式の変化で、増加傾向にあることが知られています。
やはり、魚や野菜をずっと食べてきた我々日本人が、洋式の脂質の多い食事を多くとりはじめたことが一つの原因なのでしょう。
みなさん、メタボに気をつけましょうね!
ハンバーガーよりも和食の方が健康的ですよ。
でもやっぱりハンバーガーやポテトはおいしいですよね(^^;)

そんな訳で(?)、現在、日本の糖尿病の患者さんの数は、なんと250万人!ということです。
みなさん、生活習慣に気をつけましょう。

次回は糖尿病の予防と治療についてお話しします。
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中華料理:杏杏(シンシン)

2011年02月19日 | グルメ
うちのスタッフが試験の手伝いに来てくれたので、一緒に食事に行きました。
中華街の食べ歩きも楽しいのですが、今回は中華街から外れたところにある、おいしいお店をさがしました。
入り口にカウンターが並ぶ小さなお店ですが、家庭料理がとてもおいしい。
スペアリブも水餃子もおしいしいし、エビのライスペーパー巻きなどは絶品でした。中国粥と肉まんも有名だそうです。神戸はいいお店がありますね。
普段は神戸では遊びに行く時間もありませんが、ほんのちょっとでも食事に出れると楽しいです。
値段も手頃だし、また行きたいお店です。
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日本脳神経血管内治療学会専門医試験

2011年02月19日 | 学会/研究会
今年も神戸で専門医試験がありました。
私も試験官として働きましたよ!
われわれの同門から4名の先生が受験しましたが、全員合格しました。
おめでとう!
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Shiga-Gifu Winter Conference

2011年02月16日 | 学会/研究会
先週末は滋賀医科大学と高山市で「第一回滋賀ー岐阜ウィンターカンファレンス」を行いました。この会は滋賀医科大学の野崎教授(写真前列中央)からのご提案で企画しました。岐阜と滋賀は隣にありながら、それぞれが関西、中部に属しているため、スタッフ間でほとんど交流がないことから、この機に仲良くなろう!というコンセプトです。
それぞれの大学病院と関連施設から演題を出し、医師、看護師だけでなく、リハビリ技師さんや、放射線技師さんとともに勉強しました。
私たちが普段、診療している範囲では知り得ない情報もあり、大変参考になりました。
また、昼間は希望者はスキー(写真)や市内観光をして楽しみました。
はじめての試みであったため不安もありましたが、皆さんに楽しんでもらえたようで安心しました。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
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家庭血圧の正常値について

2011年02月11日 | 脳卒中
KYさんから家庭血圧の正常値について質問がありました。
「このところ測ってみたのですが、血圧の目安を教えてもらえないでしょうか?現在150/85ぐらいが多いです。よろしくお願いいたします。」

このご質問に、脳卒中内科医の (waiwai)先生から下記のごとく、ご回答いただきました。コメント欄に頂きましたが、すばらしいコメントですので改めてここにご紹介いたします。waiwai先生、ありがとうございました。


2011-02-10 18:25:17
KYさん

私は脳卒中を専門とする内科医です。
お忙しい吉村先生の代わりに家庭血圧についてお答えします。

一般に高血圧は140/90mmHg以上とされていますが、家庭血圧での基準は異なります。
家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧、125/80mmHg未満が正常、125/75mmHg未満が確実な正常血圧と決められています。
では、125-135/80-85mmHgの間は…というと、正常高値とされ、高血圧の可能性があると判断します。

血圧は常に変動するものですから、一度測定して高値がでると、たいていはもう一度測定しますよね。
そして2回目は下がる場合が多いです。
この2回目の下がった値を血圧手帳に記載したくなると思いますが、脳卒中などになりやすいかどうかをよく反映しているのは1回目の血圧といわれています。
複数回測定した場合には、すべての値を記載するのがよいです。

御参考になりましたでしょうか?
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脳卒中にならない5か条 その三「危うきを避け」糖尿病

2011年02月09日 | 脳卒中
次に挙げる危険因子は糖尿病です。みなさん名前はよくご存知だと思いますし、多くの人を悩ませている病気の一つです。
糖尿病とは読んで字の如く「糖が尿に流れ出てしまう病気」です。しかし実際には尿に糖が出ることよりも、血液の中の糖分が高いことが問題なのです。
少し糖尿病について説明しますね。

私たちが食事をすると、食べ物の中に含まれている糖質が胃や腸で吸収されて「ブドウ糖」になり、血液中に入ります。
そしてこの「ブドウ糖」が血液の中をめぐり、インスリンというホルモンのはたらきで体内の細胞に取り込まれ、細胞の栄養となるわけです。このように私たちの体は「糖」で維持されています。「糖」は栄養分なのです。

ですから食事の後は誰でも血糖値は上がるものなんです。
健康な人の血糖値(血中のブドウ糖の濃度)は食事前で70mg/dlぐらい、食後の最も高い時で130mg/dlくらいです。しかし中には食後200mg/dl以上になる人がいます。
血糖値があまりに高くなると血液中の余分なブドウ糖が尿へと出てきます。この状態が糖尿病です。

さて糖尿病の症状としては、(1)血糖が高いことによる症状と、(2)高血糖が長期にわたるために起きる症状があります。

まず(1)としては無症状の状態から、のどの渇き(口渇)や尿が多く出る状態(多尿)、さらに重症の人では、あまりに血糖が高くなるために意識が障害されるようなことさえあります。

さて(2)としては、高血糖が長期にわたるため徐々に体中の細い血管(微小血管)が障害され、目や腎臓など体中のさまざまな臓器に障害を起こします(上図)。体の臓器はすべて血管から栄養を受けていますから、糖尿病の影響は全身に及ぶのです。糖尿病が全身病である理由がお分かりいただけましたか?

糖尿病治療の主な目的は、普段の症状(1)を抑えることだけでなく全身の合併症(2)を防ぐことにあります。
糖尿病を、「放っておいたら、悔い残る」理由はここにあります。

みなさん、健康診断の結果「糖尿病の疑いあり」と出たら、症状がなくても、すぐに専門医を受診しましょう!
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家庭血圧

2011年02月05日 | 脳卒中
高血圧の続きです。
みなさん、白衣高血圧ってご存知ですか?
そう、病院に行くと血圧が上がることをいいます。病院って緊張するんですねー。

さてそういう人はどうしたらいいのでしょうか?
そう、家で血圧を測って、メモに書いて持参すればいいのです。
この家で測る血圧のことを「家庭血圧」といいます。一番リラックスした状態で測ったこの血圧はとても重要です。

測り方を紹介します。
「朝起きて1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食前」に測ります。
測る時の腕の位置は、心臓と同じぐらいの高さです。

これを毎日測定し、かかりつけのお医者さんにみてもらえば、最も正確な血圧管理ができます。
血圧の高い方は、ぜひ明日から実行してくださいね。
ちなみに血圧手帳は各病院や薬局に行けばたいてい無料で手に入ります。活用してください。


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