それではクリッピング術の実際について紹介します。
まず準備です。
私はこの手術を行う場合に、必ず行うことがあります。
それは
1)頭部固定をカーボン製メイフィールドで行う。
2)血管撮影ができるように、機械を準備しておく。
3)MEPモニターを装着する。
4)血管撮影は3次元のものを表示し、実際の術野と同じ方向で表示しておく。
です。
それ以外にも顕微鏡の準備やビデオカメラの準備をして、術中の記録が鮮明に残るようにしています。
「術野のきれいな手術こそが安全な手術である」というのが私の信条です
さてまず1)ですが、私が研修医の頃は頭の固定はメイフィールドではなくマジック枕というものでされていました。
これに似たものは今も体の固定には使っています。
体の下に入れたマットを体に合う形にした後、中の空気を吸引するとその形で固まるのです。
これは実に便利で、我々の施設では複雑な体位(側臥位など)には今も使っています。
しかし頭の固定は体位に関わらず全例メイフィールドです。これは私が自動脳べら固定器を使って手術をするためです。
自動脳べら固定器を使った手術は現在では主流と言える方法で、頭部はしっかりと固定されていなければなりません。
しかし通常のメイフィールドは金属でできているので、術中の血管撮影をする場合には影を作ってしまいます。
カーボン製のものは影がわずかですので、鮮明な術中画像を得ることができるのです。
2)「血管撮影の機械」ですが、これに助けられることが今までにも多くありました。
とくに頭蓋底部の大型動脈瘤やバイパスを併用する難しい症例では必需品です。
しかしどんな手術でもすぐに使えるようにしておくことが治療成績を高めるのに重要と考えています。
つぎに3)MEPですが、これについてはホームページに紹介していますがきわめてスグレものです。
http://www.e-oishasan.net/doctors_site/yoshimura/treat02.html
術中に麻痺が出ているかどうかがわかるこのモニターはクリッピング術の必需品で、自分はもう手放せません。
このおかげでこの数年は未破裂脳動脈瘤で合併症が一例もなく治療できています。
最後の4)3次元血管撮影です。私が専門医をとるぐらいまでは「いかにして2次元の血管撮影を頭の中で3次元に構成して術中のオリエンテーションをつけられるか」というのがクリッピング術のひとつの壁でした。
しかし画像診断が進歩して、3次元画像をコンピューターが構成してくれるようになり安全になりました。頭の中で構成したイメージが多少の勘違いを含んでいる場合、「おっとそうか、この血管は上に走っていたのかー」などということがありました。3次元画像の表示でこういったことはなくなりました。
これらが周辺機器の準備ですけど、大事なんですよ、こんなことが。
手術がはじまる前に準備をしっかりする。
ここがひとつの分かれ目です。
手術で実際にみてみたら血栓化した大型動脈瘤だった!とします。
「術中血管撮影は?」 「あ、用意してないです。」
「メイフィールドはカーボン?」 「あ、今日はカーボンじゃないです。」
「MEPは?」 「...今日はつけてないです。」
「3D画像は?」 「あれ、どこいったかな...」
なんてことでは、安全な手術とは言えないですよね。
まず準備です。
私はこの手術を行う場合に、必ず行うことがあります。
それは
1)頭部固定をカーボン製メイフィールドで行う。
2)血管撮影ができるように、機械を準備しておく。
3)MEPモニターを装着する。
4)血管撮影は3次元のものを表示し、実際の術野と同じ方向で表示しておく。
です。
それ以外にも顕微鏡の準備やビデオカメラの準備をして、術中の記録が鮮明に残るようにしています。
「術野のきれいな手術こそが安全な手術である」というのが私の信条です
さてまず1)ですが、私が研修医の頃は頭の固定はメイフィールドではなくマジック枕というものでされていました。
これに似たものは今も体の固定には使っています。
体の下に入れたマットを体に合う形にした後、中の空気を吸引するとその形で固まるのです。
これは実に便利で、我々の施設では複雑な体位(側臥位など)には今も使っています。
しかし頭の固定は体位に関わらず全例メイフィールドです。これは私が自動脳べら固定器を使って手術をするためです。
自動脳べら固定器を使った手術は現在では主流と言える方法で、頭部はしっかりと固定されていなければなりません。
しかし通常のメイフィールドは金属でできているので、術中の血管撮影をする場合には影を作ってしまいます。
カーボン製のものは影がわずかですので、鮮明な術中画像を得ることができるのです。
2)「血管撮影の機械」ですが、これに助けられることが今までにも多くありました。
とくに頭蓋底部の大型動脈瘤やバイパスを併用する難しい症例では必需品です。
しかしどんな手術でもすぐに使えるようにしておくことが治療成績を高めるのに重要と考えています。
つぎに3)MEPですが、これについてはホームページに紹介していますがきわめてスグレものです。
http://www.e-oishasan.net/doctors_site/yoshimura/treat02.html
術中に麻痺が出ているかどうかがわかるこのモニターはクリッピング術の必需品で、自分はもう手放せません。
このおかげでこの数年は未破裂脳動脈瘤で合併症が一例もなく治療できています。
最後の4)3次元血管撮影です。私が専門医をとるぐらいまでは「いかにして2次元の血管撮影を頭の中で3次元に構成して術中のオリエンテーションをつけられるか」というのがクリッピング術のひとつの壁でした。
しかし画像診断が進歩して、3次元画像をコンピューターが構成してくれるようになり安全になりました。頭の中で構成したイメージが多少の勘違いを含んでいる場合、「おっとそうか、この血管は上に走っていたのかー」などということがありました。3次元画像の表示でこういったことはなくなりました。
これらが周辺機器の準備ですけど、大事なんですよ、こんなことが。
手術がはじまる前に準備をしっかりする。
ここがひとつの分かれ目です。
手術で実際にみてみたら血栓化した大型動脈瘤だった!とします。
「術中血管撮影は?」 「あ、用意してないです。」
「メイフィールドはカーボン?」 「あ、今日はカーボンじゃないです。」
「MEPは?」 「...今日はつけてないです。」
「3D画像は?」 「あれ、どこいったかな...」
なんてことでは、安全な手術とは言えないですよね。