脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

You tube 第15弾 脳血管内治療:血栓回収療法の実際

2024年07月15日 | 脳梗塞

みなさん、こんにちは!

今回は脳梗塞に対する緊急治療について紹介します。

脳梗塞で病院に運ばれた時に、主に行われる治療は2種類あり、1)血のかたまりを溶かす点滴(t-PA静注療法)、2)血のかたまりを取るカテーテル治療(血栓回収療法)です。

1)の治療は発症から4.5時間以内に開始しなければなりません。このため、脳梗塞の患者さんの10%以下にしか適応できません。また治療を受けても、太い血管(主幹動脈)が詰まっている場合には1/3程度の開通率です。

このような背景から2)の血栓回収療法が始まりました。脳の血管の詰まったところまで細い管(マイクロカテーテル)を入れ、メッシュの筒(ステント)を開いて、血のかたまりを取り出す方法です。

この方法の治療効果は科学的に証明されていますが、

詰まったところをできるだけ早く、そしてより完全に再開通させた方が脳の障害が少なく済みます。

ですから治療は迅速に、そして血管ができるだけ開通するように行わなければなりません。

といってもなかなかイメージが湧きにくいかもしれません。やはり百聞は一見にしかず。

今回は実際の治療の様子を紹介します。カテーテル治療の実際をぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=4F650wSnzjk

 

 

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You tube 第12弾 脳動脈狭窄症 脳の血管が細いと言われたらどうする?

2024年06月02日 | 脳梗塞

皆さんこんにちは!

今回は脳梗塞のお話です。

私たち日本人は欧米の人達に比べて脳の血管が細い人が多いことをご存知でしたか?

これは遺伝子と関係があると言われていますが、まだ完全に理由が分かったわけではありません。

以前、頚動脈が細い場合には、ステントを使ったら、狭くなったところを手術する方法があって、どちらも有効だとお話ししました。

しかし、脳の血管の場合には、それほどシンプルではありません。

まず、脳の血管が細くて脳梗塞などを起こした場合には、その原因に3つのタイプがあります。

1) 細くなったところ(狭窄)の先の血流不足

2) 狭窄に出来た血栓が流れる

3) 狭窄からの細い枝が詰まる

このどれなのかをまず調べることが大切です。なぜなら、このタイプによって治療法が違うからなのです。

ではそれぞれのタイプなどの治療が良いか決めるためには、精密検査をする必要があります。

今回は

・どんな検査が必要か?

・どんな治療があるか?

・それぞれの利点と欠点は?

について紹介します。

https://youtu.be/MORM9bygBy8?si=aShJnoGkHqQL6mDU

ぜひご覧くださいね!

 

 

 

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You tube 第6弾 頚動脈狭窄症とは?適切な治療により脳梗塞を予防しよう!

2024年04月14日 | 脳梗塞

みなさん、こんにちは。

徐々に暖かくなってきましたね!

今回は脳梗塞の原因の一つ、頚動脈狭窄症について紹介します。

 

動脈硬化が起きると全身の色々な場所の血管が細くなってきます。頚動脈もその一つです。

では頚動脈はどの程度、細くなると危険なのでしょうか?

狭窄度(血管の細さ)は軽度、中等度、高度に分けられます。そして、この順にリスクが上がります。

もう一つ重要な要因は、症状があったかどうかです。

つまり、症状があった高度狭窄が最も危険で、無症状の軽度狭窄が最も安全ということです。

では検査や治療はどうしたらいいでしょうか?

今回の動画で詳しく紹介しています。

https://www.youtube.com/watch?v=3tgeg4v6tVk

ぜひご覧くださいね!

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You tube 第5弾 脳卒中の予防の薬って? 適切な服薬で脳卒中を予防しよう!

2024年04月06日 | 脳梗塞

みなさんこんにちは!

今回は脳卒中の予防の薬についてお話ししています。

https://www.youtube.com/watch?v=8fFnEpPgDzw

脳卒中の予防薬には大きく分けて2種類あります。

一つは危険因子(高血圧、糖尿病、高脂血症の治療薬、禁煙補助薬)

もう一つは脳梗塞予防に使われる血液サラサラの薬(抗血小板薬、抗凝固薬)です。

患者さんからよく質問されるのは、自分の薬はどっちが適しているのか、これらの薬はどう違うのか?ということです。

ざっくりと言えば、抗血小板薬は動脈硬化による脳梗塞、抗凝固薬は心臓が原因の脳梗塞に対して使われます。

ですから、そもそも診断がきっちり行われていないと、間違った薬が出ている可能性もあります。

では自分や家族に処方されている薬が正しいのかどうかをどう見分けるか?

そんなお話もさせていただいています。

自分自身やご家族に脳梗塞の人がいる場合にはとても参考になると思います。

ぜひご覧くださいね!

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新規抗凝固薬の新たな中和薬が承認されました。

2022年03月29日 | 脳梗塞
脳梗塞の原因の一つに、不整脈があります。
特に心房細動というタイプの不整脈が脳梗塞の原因となりやすいことが知られています。
心房細動がある場合の予防薬として、ダビガトラン(商品名プラザキサ)、リバーロキサバン(商品名イグザレルト)、アピキサバン(商品名エリキュース)、エドキサバン(商品名リクシアナ)の4種類がよく使われています。
これらは血をサラサラにする薬の中でも、経口抗凝固薬というタイプに分類されます。
以前はワルファリン(商品名ワーファリン)が唯一の薬だったのですが、これらの新しい抗凝固薬はワルファリンよりも出血合併症が少なく、効果が同等またはそれ以上であるため、広く使われるようになっています。
ただし、ダビガトラン(商品名プラザキサ)だけは中和薬があるものの、他の3つには中和薬がないという問題点がありました。
しかし昨日、中和薬の製造販売が承認されたとの情報が入ってきました。
薬の名前は、アンデキサネット アルファ(製品名:オンデキサ®静注用200mg)といいます。
脳梗塞の予防薬内服中に、何らかの理由で出血を起こした場合に、中和できるかどうかはとても重要です。
使用できるのは薬価収載を終えてからになりますが、大変嬉しいニュースです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000390.000024308.html
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トピックス 脳梗塞の再生医療:Muse細胞

2020年08月17日 | 脳梗塞
「脳梗塞が点滴で治る?」というタイトルで始まる週刊朝日の医療コラムを紹介します。
東北大学で開発され、臨床応用が期待されているMuse(ミューズ)細胞に関する最新情報です。
医学系情報に詳しい山内リカさんが執筆されており、私も協力させていただきました。
ぜひお読みください。

https://dot.asahi.com/wa/2020080700028.html?page=1
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広い虚血巣を有する症例に対する血栓回収療法:垣田先生の論文

2019年05月16日 | 脳梗塞
RESCUE-Japan研究関連の情報です。
当科の垣田先生(現 シミズ病院勤務)が解析した広い虚血巣を有する症例に対する血栓回収療法の論文がStroke誌に掲載されました!
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.118.024646

これまでの臨床研究では、脳梗塞の小さい患者さんに対して血栓回収療法が有効かどうかが調べられてきました。その結果、多くの臨床試験で有効性が証明されましたが、脳梗塞の広い人に有効かどうかは分かっていません。今回の研究は、日本で実際に治療が行われた患者さんと行われなかった患者さんを比較して検討しました。その結果、血管内治療を受けた患者さんたちの方が、経過が良かったことがわかりました。
ただし、この結果にはバイアスが含まれている可能性があります。それは、医師が経験上、良くなりそうな患者さんを選んで治療しているのではないか?ということです。したがって今回の論文では「治療を受けたグループは経過が良かった」と記載しています。では、本当に有効なのでしょうか?
この疑問に答えるため、現在、全国の先生方と新たなランダム化比較試験(RESCUE-Japan LIMIT)を進めています。本研究で脳梗塞の範囲が広い場合にも有効性が証明され、より多くの患者さんが救われるようになることを期待しています。

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新しい血栓回収機器 その2

2019年04月16日 | 脳梗塞
新しいステント型血栓回収機器が使えるようになりました。
その名はTron (トロン)FX
世界初の直径2mmのものが含まれています。
これによってさらに細い血管の治療が可能となると思われます。
当院にも配備されました。楽しみです。
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末梢血管に対する血栓回収療法

2019年03月12日 | 脳梗塞
日米のガイドラインで急性期脳梗塞に対する血栓回収療法が推奨されています。
ただ、その対象血管は「内頚動脈または中大脳動脈近位部」となっていて、脳の血管の一番太い部分だけに限られています。
「もう少し先の血管(末梢血管)には有効ではないのか?」という疑問が湧いてきます。
そこで私たちが行った全国調査( RESCUE-Japan Registry 2)の登録データを当科に在籍していた三浦和智先生(現 熊本赤十字病院)が解析したところ、「末梢血管が閉塞した場合でも血管内治療を受けた患者さんの方が3ヶ月後の状態が良好な人が多い」という結果であり、米国の脳血管内治療学会(SNIS)の機関誌に論文として掲載されました。
Miura M, et al. J NeuroIntervent Surg 2019;0:1–6

全国で集めたデータをもとにどんどんと結果を配信していきたいと思います。
本研究にご協力いただいた皆様に心からお礼申し上げます。

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函館での応援講演

2019年01月28日 | 脳梗塞
先日、函館で開催された講演会に行って来ました。
函館でも脳梗塞治療が増えて来ていますが、まだまだ他の地域ほどでないということで、応援を頼まれたのです。
当日は救急隊、看護師、技師の皆さんと医師の方が参加されていました。
「一人でも多くの脳梗塞患者さんを救おう!」とエールを送りました。
北海道は、冬は雪のため搬送は大変とのことで、救急隊の人が事故に合わないよう安全を確保した上で、迅速な搬送を行ってもらわなくてはなりません。
病院内で患者さんを受ける立場の人たちもその点を踏まえて頑張ってもらわないといけません。
道南の方々の熱意を感じる講演会でした。皆さん、「情熱」を持ってさらに取り組んでください。
応援しています!
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