脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

脳血管撮影法の工夫:齋藤 誠先生を招いて

2024年01月29日 | 人物紹介

先週は横浜新都市脳神経外科病院の放射線技師 齋藤 誠先生を招いて、脳血管撮影法の工夫についてご指導頂きました。

私は横浜新都市で多くの患者さんの治療をさせて頂いていますが、治療中の画像が非常にきれいですし、さまざまな工夫がされていることに感銘を受けていました。

この検査を中心的に担当しているのが齋藤 誠先生です。今回私の希望で兵庫医大にお招きし、実際の治療に立ち会って頂き、その後、講義をしてもらいました。たくさんのアドバイスをもらい、当院の更なるレベルアップに繋がりそうです。

ところで、齋藤先生の何がすごいか?

私は、何よりも先生の検査や治療にかける情熱がすごいと思います。その情熱からさまざまな工夫が生まれている。そう思います。

脳血管内手術は患者さんの人生や命のかかった治療ですから、工夫の積み重ねで治療の安全性が高まることは大変素晴らしいことです。

これからも先生には折に触れ、アドバイスを頂きたいと思います。

齋藤先生、忙しいところ兵庫まで来ていただき有難うございました。

当院の技師さんたちとより良い検査・治療ができるよう頑張っていきたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳動脈瘤についてのQ&A その9 コイル塞栓術後の検査は何が良いか?

2024年01月17日 | 動脈瘤

コイル塞栓術を受けた場合には術後の検査は何が良いのでしょうか?

実はコイルはCTでは強く光ってしまい、周辺の血管や脳が見えなくなります。つまりコイル塞栓術後に動脈瘤やその周囲を確認するのに、CT検査は適していません。

一方、MRIではコイルは無信号になるため、血管がよく見えます。従って、動脈瘤の再発も分かります。MRIは放射線被曝もないので、患者さんにとってとても良い検査法です。

しかし、ステント(金属メッシュの筒)を併用した場合には、ステントの金属メッシュが邪魔をして血管が見えにくくなってしまいます(図左)。つまり、ステントとコイルを併用すると(ステント併用コイル塞栓術)、CTでもMRIでも血管がうまく見えないことが多いので、カテーテル検査でしか確認できませんでした。ただしカテーテル検査には通常入院が必要ですし、少ないながら合併症リスクもあります。

多くのケースでは頭部レントゲンでコイルの形が変形しておらず、治療部よりも末梢(脳側)への流れが良いかどうかでカテーテル検査をするかどうか判断していたのですが、内服薬を減らす場合などにはやはりステントの内部に狭窄や血栓がないかを確認した方が安全です。

ステントを併用したコイル塞栓術はネックの広い動脈瘤にも適応できるため、全国的に治療件数が増加しています。治療後の患者さん全員に定期的カテーテル検査をすることは患者さんにも、病院側にも負担が大きいため、どうするか悩んでいました。

このような場合、前回紹介したサイレントMRIが役立つことが分かってきました。サイレントMRIではステント留置部の血管も良好に描出されることが多いのです(図右)。このケースでは動脈瘤の再発も見えています。

サイレントスキャンができないMRIの場合には特殊な撮影法(Ultrashort TEなど)での確認が必要です。

医療機器の進歩は非常に早く、より良質な検査が可能となっています。ステント併用コイル塞栓術を受けた方はぜひ一度、血管が見えるサイレントMRI検査か、それに近い検査法を受けてみてください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明けましておめでとうございます!

2024年01月04日 | 閑話休題

皆さん、明けましておめでとうございます。

今年も精一杯の診療をして参ります。

メール相談、ご紹介なども受け付けていますので、いつでも下記の「無料相談はこちらから」からご連絡ください。

http://www.e-oishasan.net/site/yoshimura/index.php

それでは本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする