脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

もやもや病について その3 画像診断 CT

2010年03月28日 | 脳梗塞
もやもや病の検査について紹介します。
先日の「柴犬好き」さんのコメントにもありましたが、もやもや病はCTだけでは見逃されることが多いので注意が必要です。
教科書的には、頭部CTでも「脳の中心部にぷつぷつと穴があいている所見」があればもやもや病と診断可能とされています。
たしかにこういった典型的な所見が現れている場合には診断可能なこともありますが、実際にはCTだけでは診断がつかないことの方が多いのです。
このためもやもや病を診断するためには少なくともMRAを行う必要があります。

一時的なマヒ(TIA)や失語症があっても頭部CTだけを行い、「大丈夫」という診断になってしまうことがあるわけです。
特に症状が一時的だとそういったことが多くなります。
ですから必ず一度はMRAを受けてください。
通常のMRIのオーダーではMRAが含まれない病院があります。ですから必ずMRAを受けること。そして脳神経外科の専門医の診断を受けることが必要です。

次回はこのMRAを紹介します。
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菜の花

2010年03月26日 | 閑話休題
今日は神戸に班会議で出張でしたが、その途中の堤防ですごくきれいなところがありました。
菜の花って、ほんときれいですね。
自然に生えてるのにねー。
つい車を停めて、撮影。
ほんの2-3分だけど、ほっと一息。癒されました(^^)
新幹線には間に合いましたよ!
やっぱり、こういうきれいなものを見るとそれだけで幸せな気分になりますよねー。
でもまだ風が冷たかったな。
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チャロの冒険

2010年03月23日 | 閑話休題
車の中ではできるだけ英語を聞いている私ですが、2008年は途中で挫折しました。
それまでの英語講座は楽しかったのでずっと続いたのですが、上級にあげたとたんに挫折。
「とにかく続けること」を目標にしていたのに、背伸びしたのが原因かなと思いました。
車の中でしかほとんど聞かないので、テキストを読み込むタイプは継続が難しい。
聞くだけで分かるレベルにしないと、自分の場合には続かないのです。
良い教材がないかなと本屋さんで探していて、ちょうど1年前に見つけたのが「チャロの冒険」。
ちょっと簡単そうだけど、ストーリーがあって楽しそう、と感じました。
この予感は見事的中。とにかく楽しい!
ラジオよりもう少し簡単なバージョンがテレビでも放送されるので、1年間楽しく続けることができました。

この教材の主人公チャロがニューヨークの空港で迷子になり、色々な仲間に出会いながら日本に帰るために冒険をするというストーリーです。
今月は感動のラストシーンでした!
来年度からビジネス英語にしようかなと思っていたら、「チャロ2」が始まるとのこと。今回もチャロにしようかな?
ストーリーは新しいようなので、今回からでも始められますよ。
決まった時間に聴くことはできないので、私はいつもラジオ放送の付録CDを購入して車の中で聴いています。
みなさんもどうですか?
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テレビの録画

2010年03月22日 | 閑話休題
「柴犬好き」さん
また、テレビを見逃した皆さん
stroke_buster@mail.goo.ne.jp
にメールを下さい。
録画したものをお貸ししますよー。
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もやもや病について その2 症状

2010年03月22日 | 脳梗塞
それでは次に、もやもや病の症状についてお話しします。

もやもや病は脳の血管がつまってくるために毛細血管が広がってなんとか脳を守っている状態です。脳の血のめぐりが悪くなっていて「ぎりぎり」の状況にあることが多いのです。
ですから少し負担がかかると脳の血液が足らなくなり症状を起こします。たとえば熱いものをふうふうとさますしたり、泣いたりするような過呼吸の状態が発作を誘発することが知られています。このような場合には、手足の脱力、言語障害、意識障害等が起きることが多く、数分で治まる場合と、症状が残る場合があります。これらは脳の血液が足りない症状であり、医学的には「脳虚血症状」と呼ばれます。

一方、もやもや病はもともとが毛細血管ですから、拡張して太く見えても壁自体は薄いため、圧力に耐えきれずに出血してしまうことがあります。出血は特に大人で多いことが知られています。年月が経つと破綻してしまうんですね。
出血の場合には場所やその程度により症状は様々ですが、頭痛や麻痺が主なものですが、重症例では命を落としてしまうこともあります。

また、少数ですがけいれん発作が主症状のてんかん型、手足の不規則な動きを主症状とする不随意運動型があります。
さらには頭痛型と言われるタイプもあり(約7%)、小児に多く生じます。起床時から午前中にかけて吐き気や嘔吐を伴う強い頭痛が起きるのが特徴です。
一方、現時点で無症状の方(無症候性モヤモヤ病)でも、年間2~3%の脳卒中を生じることが分かっており注意が必要です。

以上、もやもや病の症状をまとめてみました。
脳梗塞、出血、てんかん、不随意運動、頭痛、無症状まで、さまざまですね。
ですから症状だけでは診断が難しいことが多いのです。
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第2回 楽座

2010年03月21日 | 脳梗塞
脳血管内治療を安全に行うための研究会「楽座」。
今回は血栓症を中心テーマとして行いました。
特別講師として三重大学医学部 臨床創薬研究学講座 の西川政勝教授をお招きしました。西川先生は止血血栓の専門家で、大変ご高名な先生です。今回は血管内治療に関する抗血栓療法に関する素晴らしいご講演を頂きました。心から御礼申し上げます。
さてこの会の中で、「現在、治療の前後にどういった薬をどの程度使っているか?」ということが話題となりました。
参加者の中で誰がどのようにしているかを尋ねると、10数名の中でもずいぶん違いがあることが分かりました。
頚動脈ステントでは2剤、動脈瘤では1剤の抗血小板薬を使っている施設が多かったのですが、最近は動脈瘤でも2剤使用するケースが増えていることがわかりました。
私たちの施設では作用発現に時間のかかるクロピドグレルをまず内服して頂き、その後、血小板凝集能を測定して追加する量や種類を選んでいます。この方法がもっともきっちりとしていると考えているのですが、まだまだ経験が多くないので今後の症例の蓄積が必要です。

以上のように今回も非常に学ぶことが多かった会でした。薬を使えば使うほど血栓はできにくいが、万一の出血の際に止まりにくいということになります。まだまだ分からないことが多い領域です。
三重から来て頂いた西川先生に心より感謝申し上げます。今後もどうぞご指導のほどお願い申し上げます。
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みなさん、有り難うございました。

2010年03月19日 | 閑話休題
昨日のテレビ放送後、多くの方から励ましのお言葉を頂きました。
ご協力頂いた皆さん、放送を見て頂いた皆さん、有り難うございました。
テレビは医学的間違いも全くなく、そのできばえに驚きました。
中京テレビの担当の方々に心から御礼申し上げます。
ただ、実際には自分はまだまだ努力の足りない人間です。
もっと勉強し、スタッフと力を合わせて皆さんのお役に立てるよう頑張ります。
これからもどうかよろしくお願い申し上げます。
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もやもや病について

2010年03月18日 | 脳梗塞
これまで脳梗塞について順にお話してきました。
今回からもやもや病について説明したいと思います。

まずこの「もやもや病」という名前からどのような病気を連想されますか?
以前、市民公開講座で一般の方にお聞きしたところ、一番多かった答えは「気分がもやもやとする病気」でした。
でもそうではありません。「もやもや病」は脳の血管がつまってくるために、脳梗塞や脳出血を起こす病気なのです。

ではなぜ「もやもや」?
これはこの病気の患者さんの血管を調べるための検査(脳血管撮影)を行ったところ、あたかもたばこの煙のように「もやもや」して見えたことに由来しています。
ちなみにこの名前を付けたのは、当時の東北大学教授の鈴木二郎先生です。
日本で付けられた名前なのです。

では英語では何と呼ばれているのでしょうか?
英語でも、なんと!、「モヤモヤ」と言います。正式には「病」にあたる英語をつけて、「Moyamoya disease」といいます。

まず名前の由来についてお話ししました。
次回からその症状や検査法、そして治療法について説明していきたいと思います。
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テレビ

2010年03月15日 | 閑話休題
今週の18日(木)、18時に中京テレビ(地デジ4チャンネル)のリアルタイムというニュース番組に出ます。
もともと脳卒中救急をとりあげてもらうはずでしたが、まず今回は「もやもや病のバイパス手術」や「脳動脈瘤の血管内治療」を取り上げてもらうことになっています。
どんな仕上がりになっているか私にも分かりませんが、中部地区のみなさん、もしお時間が合えば見てくださいね。
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近位閉塞による脳保護

2010年03月15日 | 脳梗塞
久しぶりに本論に戻ります。
頚動脈ステント留置術(CAS)における脳保護法において最後に紹介するこの方法は「最も確実な脳保護法である近位閉塞法」です。
この方法はまず、理論的に最も優れています。
つまり、病変部にワイヤーを通す前から頚動脈を遮断できるのです。
また治療中に発生した血管の破片や血栓を常に吸引しながら治療できますし、外頚動脈へ流れ込むこともありません。
欠点として太いシステムを用いること、そして脳血流を遮断することが挙げられます。
しかし閉塞はワンステップごとに開放したり、軽い麻酔を使えばそれほど問題になりません。
結局、脳に血栓や破片を飛ばさなければいいのです。

昨年VIVAというアメリカの学会に出席した時も、「近位閉塞法でCASの合併症が0.99%に減少した」という報告がなされていました。アメリカでは近位閉塞法専用のシステムがとうとう使えるようになったのです。
私たちのこれまでの経験でも、この方法が最も確実に脳梗塞を予防できていましたし、日本の他施設からも同様の報告があります。
現在は図に示す閉塞バルーンを流用して行っているこの方法ですが、正式に認可されるデバイスがそろった場合には、主流となりうる脳保護法です。
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