脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

オミクロン株とは?

2021年11月28日 | その他
新型コロナウイルスの「オミクロン株」の出現に関する情報を目にしました。
世界各国で入国制限が強化され、今後の感染拡大が懸念されています。
一体どんな変異株なのでしょうか?

世界保健機関(WHO)は、南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの変異株を、最も警戒度が高い「懸念される変異株」に指定し、「オミクロン株」と命名しました。これまでの調査から「過去の変異株よりも、一度コロナにかかった人が再感染しやすかったり、急速に広がったりしやすい可能性がある」としています。
南アフリカで発見されたこの変異株は、すでに香港やイスラエル、ベルギーでも確認されているということです。

その感染力や重症化度合いについてはまだよく分かっていないようですが、日本に入ってきてしまう可能性もあり得ます。
感染者数が激減したことで会食や旅行者も急増していますが、ワクチン接種の有無に関わらず、感染防御に引き続き注意していきましょう。
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脳動脈瘤 その44 脳血管内治療:その14 フローダイバーター Pipelineの初期治療成績

2021年11月28日 | 動脈瘤
昨日まで日本脳神経血管内治療学会で福岡に出張していました。
しばらく間が空いてしまいしたが、フローダイバーター治療の説明を進めていきます。

今回はフローダイバーターの治療成績を紹介します。
まずは日本に初めて導入されたフローダイバーターであるPipelineを用いた治療の初期成績を見てみましょう。
2008年から2013年の世界17施設のデータです。(AJNR Am J Neuroradiol 36:108 –15 Jan 2015)
この頃の治療適応は最大径10ミリ以上の内頚動脈近位部動脈瘤でしたが、この研究によると実際には、内頚動脈遠位や椎骨脳底動脈、10mm未満の小型瘤や破裂動脈瘤も含まれていました。
トータル793名の患者さんの906動脈瘤の治療が解析対象となりました。
未破裂脳動脈瘤が824個 [91%]、破裂脳動脈瘤が76個 [8.4%]、不明が 6個 [0.7%]でした。
その結果、全体としての合併症は後遺症7.4%、死亡3.8%という成績でした(図左)。
これを見るとかなり後遺症・死亡の確率が高いです。
なぜでしょうか?

上述のように、この研究には破裂脳動脈瘤や椎骨脳底動脈などが含まれていることが理由と考えられます。
そこで未破裂と破裂動脈瘤を比較したデータを示します(図右)。
これを見ると、どの場所、サイズにおいても破裂脳動脈瘤の後遺症・死亡率が高いことがわかります。
このような条件から、日本では未破裂脳動脈瘤のみが治療適応になっていると考えられます。
また、ここで気づくのは、10mm未満のサイズの動脈瘤における治療成績が最も良く、椎骨脳底動脈瘤の治療成績が不良なことです。

このデータは2008年から2013年に取得されているため、当時の治療器具や薬剤、医師の経験度を考慮に入れる必要があります。
このため、その後、どのような治療成績になっているかが気になります。
一方、大型脳動脈瘤においては開頭手術の治療成績も良くないとされていますが、この治療成績との優劣についてはまだわかっていません。

しかしこれらの成績を元に、世界的に一気にフローダイバーター治療が広まっていきました。



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脳動脈瘤の治療数

2021年11月07日 | 動脈瘤
当科では様々な脳の病気の治療を行っていますが、脳動脈瘤の治療数も増えています。
先日、医療新聞社から連絡があり、調査の結果、脳動脈瘤の治療数が全国3位、近畿1位であったとのことでした。
私たちにとっては治療数よりも治療の結果の方がずっと重要です。
しかし、治療数が多いことは安全性向上にもつながります。
今後も合併症ゼロを目指して日々頑張っていきたいと思います。
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