脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

You tube 第24弾 W-EB留置術

2025年02月04日 | 動脈瘤

脳動脈瘤の新しい治療器具として、W-EBというものがあります。

みかんのネットのような形のものなのですが、これが血管の分かれ目にあるネックの広い動脈瘤に非常に有効なのです。

どういうことかというと、上の図のように、ステントを併用すると血管をメッシュが横切ることになるため、血液サラサラの薬が長期間必要なのですが、W-EBの場合には術後の長期内服が不要なのです。

もちろん全ての動脈瘤に応用できるわけではありません。

サイズは直径3mm以上〜10mmぐらいまでですし、動脈瘤の向きなども影響します。

しかし、これまでの50例以上の経験で徐々に適応が広がり、多くの動脈瘤に使用できるようになってきました。

今回のYoutubeではこのW-EBについて動画も交えて詳しく説明しています。

ぜひご覧ください!

You tube 第24弾 W-EB留置術

https://www.youtube.com/watch?v=MnRgsVmfE8o

 

 

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You tube 第20弾 脳動脈瘤術後の定期検査

2024年12月17日 | 動脈瘤

みなさんこんにちは、今回は脳動脈瘤術後の定期検査について紹介しました。

 

治療が終わった後、どの程度の頻度で受診すればいいのでしょうか?これは多くの患者さんから受ける質問です。

脳動脈瘤の大きさ、多発か単発か、どのような治療を受けたか、などによって必要性は変わってきます。

では何をもとに医師は定期検査を進めるのかというと、再発していないかどうか、そして、多発性の場合には残っている動脈瘤が増大していないかどうかを確認しているのです。

また新たな動脈瘤ができることもあります。一般の方は0.5%未満とされていますが、脳動脈瘤がある程度大きくて治療を受けたような方はやや頻度が高いとされています(0.5〜1.0%)。このため脳動脈瘤治療後の方で、特に危険因子のあるような方は長期、検査を継続される方が多いです。

ではどんな検査法がいいのか?以前は開頭クリッピング術は全員、CT造影検査(CTA)や血管撮影を受けてもらっていました。またステント併用コイル塞栓術やフローダイバーター留置術後はMRIではステントの中が見えないので、脳血管撮影が行われていました。

しかし最近ではサイレントMRIなどでステントやフローダイバーターの中まで確認することが可能になってきました。

今回はこの定期検査について詳しく紹介しています。

ぜひご覧くださいね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=ZXcrjA5FPCc

 

 

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You tube 第10弾 未破裂脳動脈瘤 破裂率は? 最新治療法を紹介!

2024年05月13日 | 動脈瘤

くも膜下出血の最大の原因である脳動脈瘤。

脳ドックなどでもよく発見され、外来で説明を行うのですが、その際、たくさんの質問をお受けします。

Q1:脳動脈瘤はなぜできたのか?

Q2:年間、あるいは生涯で、どのぐらい破裂するのか?

Q3:動脈瘤が大きくなったと言われたが、破裂に関係あるのか?

Q4:治療法にはどんなものがあるのか?

Q5:治療はどのように選べば良いのか?

Q6:ネットで新しい治療をみたが、自分も受けられるか?

これ以外にも多くのご質問をいただきます。

脳動脈瘤は人口の3-5%に見つかると報告されており、大変多い病気です。

しかも、治療するにしても様子を見るにしても人生のかかった選択になります。

このため、今回の動画ではこれらの質問にお答えできるよう、できるだけわかりやすく、そして詳しくお話ししました。

ぜひご覧ください!

https://youtu.be/TRJuINkOLiw?si=-des7PvSsrYxwZa

 

 

 

 

 

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脳動脈瘤についてのQ&A その9 コイル塞栓術後の検査は何が良いか?

2024年01月17日 | 動脈瘤

コイル塞栓術を受けた場合には術後の検査は何が良いのでしょうか?

実はコイルはCTでは強く光ってしまい、周辺の血管や脳が見えなくなります。つまりコイル塞栓術後に動脈瘤やその周囲を確認するのに、CT検査は適していません。

一方、MRIではコイルは無信号になるため、血管がよく見えます。従って、動脈瘤の再発も分かります。MRIは放射線被曝もないので、患者さんにとってとても良い検査法です。

しかし、ステント(金属メッシュの筒)を併用した場合には、ステントの金属メッシュが邪魔をして血管が見えにくくなってしまいます(図左)。つまり、ステントとコイルを併用すると(ステント併用コイル塞栓術)、CTでもMRIでも血管がうまく見えないことが多いので、カテーテル検査でしか確認できませんでした。ただしカテーテル検査には通常入院が必要ですし、少ないながら合併症リスクもあります。

多くのケースでは頭部レントゲンでコイルの形が変形しておらず、治療部よりも末梢(脳側)への流れが良いかどうかでカテーテル検査をするかどうか判断していたのですが、内服薬を減らす場合などにはやはりステントの内部に狭窄や血栓がないかを確認した方が安全です。

ステントを併用したコイル塞栓術はネックの広い動脈瘤にも適応できるため、全国的に治療件数が増加しています。治療後の患者さん全員に定期的カテーテル検査をすることは患者さんにも、病院側にも負担が大きいため、どうするか悩んでいました。

このような場合、前回紹介したサイレントMRIが役立つことが分かってきました。サイレントMRIではステント留置部の血管も良好に描出されることが多いのです(図右)。このケースでは動脈瘤の再発も見えています。

サイレントスキャンができないMRIの場合には特殊な撮影法(Ultrashort TEなど)での確認が必要です。

医療機器の進歩は非常に早く、より良質な検査が可能となっています。ステント併用コイル塞栓術を受けた方はぜひ一度、血管が見えるサイレントMRI検査か、それに近い検査法を受けてみてください。

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脳動脈瘤についてのQ&A その8 クリッピング術後の検査は何が良いか?

2023年12月28日 | 動脈瘤

「頭にクリップが入っていますがMRIは受けられますか?」という質問もよく受けますので、ここでお答えしたいと思います。

 

30年以上前にはMRIができないクリップも使われていましたので、そのような場合には専門医に確認が必要ですが、その後はMRIが可能な金属に変わりましたし、最近のクリップはチタン製ですので、MRI検査は可能です。

しかし、チタンクリップを使っていても、通常のMRI撮影法ではクリップの周囲がよく見えないのです(図左)。矢印の部分で血管が見えなくなっているのがわかります。これはクリップの素材(金属)が邪魔をしているためです。医学的にはアーチファクトと言います。

このため、クリップ後は造影剤を使用したCT(CT血管撮影, CT angiography: CTA)を行うことが多いのです。クリップした部分の周囲がふくらんで再発することがありますので、治療後も検査が定期的に行われることが多いです。

しかし、CT検査は放射線被曝がありますし、造影剤を使用する場合には腎臓障害やアレルギーのリスクもあります。このような観点から毎年、あるいは半年ごとに検査を行うのは患者さんのリスクになります。ではどうしたらいいのでしょうか?

 

最近、開発された新しいMRI検査法、サイレントスキャンを行えば、クリップ後でも脳血管がきれいに見えることが多いのです(図右)。血管が良く見えていますね!私はこの検査結果を始めてみた時に大変驚きましたし、今でもクリップ後の血管がきれいに見えると「おー!」っと声を上げてしまいます。医学の進歩は凄いですね!

もちろん、他の検査法と同様、サイレントスキャンでもなぜか血管がうまく見えないこともあります。多くは、クリップを何本も使った治療を受けた場合に多いのですが、クリップの向きなども関係するようです。

従って、腎機能低下のある方、造影剤アレルギーのある方だけでなく、クリッピング術後には一度この検査を行ってみて、もし血管がうまく見えるのであればサイレントスキャンで定期検査を受けた方が安全だと考えています。

この検査法を希望される方は、下記までご連絡下さいね。

stroke_buster@mail.goo.ne.jp

 

 

 

 

 

 

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脳動脈瘤についてのQ&A その7 どのぐらいの間隔でいつまで検査を受けるか?

2023年12月18日 | 動脈瘤

未破裂脳動脈瘤の患者さんによく質問を受ける事項に、

「どのぐらいの間隔でいつまで検査を受けなければならないのか?」というものがあります。

まず経過観察中に動脈瘤の増大や変形をきたすと破裂率が非常に高くなることが報告されており(年率4.3-18.5%)、そのために定期画像検査が行われています。

どのぐらいの間隔で受けるかについては、我が国のガイドラインでは半年から1年毎に画像検査を受けることが推奨されています。 ほとんどの場合MRIが選択されますが、閉所恐怖症や体内の金属留置、タトゥーなどにより受けられない患者さんもいます。そのような場合にはCT造影検査などを行いますが、被ばくを減らすため1年毎に実施することが多いです。

一方、いつまで検査を受けるかについてですが、未破裂脳動脈瘤は自然に小さくなったり、消失することはほとんどなく、また、年齢とともに破裂率は上昇することが知られているため、何歳になっても受けられることが多いです。ただ、実際には病院に通うのが困難になったり、別の病気が見つかったタイミングで検査を終了される方が多いです。

欧州脳卒中ガイドラインにおいては、フォローアップの頻度と期間については、動脈瘤と患者さんのリスク因子によって決定される、と記載されています(1)。

1. European Stroke Organisation (ESO) guidelines on management of unruptured intracranial aneurysms. Eur Stroke J. 2022 Sep; 7(3): V.

 

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脳動脈瘤についてのQ&A その6 お酒を飲んでいいか?続き

2023年10月01日 | 動脈瘤

脳動脈瘤と飲酒習慣について、追加情報です。

日本人を含む東アジア人には体質的にアルコール耐性が低い人が多いとされています(私もその一人です)。

体内に入ったアルコールは、肝臓のアルコール脱水酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)酵素によって酢酸に分解されます。

アセトアルデヒドは有害物質であるため、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)酵素の働きが悪い人は、血中のアセトアルデヒド濃度が高くなり、発赤、頭痛、嘔吐、気分不良、二日酔いなどの症状が出ます。

医学的に、この赤くなる状態をアルコール発赤症候群(Alcohol flushing syndrome: AFS)と呼ぶことがあります。アジア人に多いのでエイジアンフラッシュ(Asian flush)という言い方もあるようです。

この論文ではAFSと破裂脳動脈瘤との関係を調べています。

中国の漢民族を対象とした研究で、1170名の脳動脈瘤患者さん(1295動脈瘤)が対象で、410名(35%)がAFS(お酒を飲むと赤くなる人)でした。

まずAFSと飲酒の習慣を調べたところ、やはりAFSのある人(赤くなる人)の飲酒習慣は少なく、10.5%でした(Non-AFSは27.2%)(左図)。

つぎに飲酒の習慣と破裂脳動脈瘤との関係を調べたところ、飲酒習慣のない人においてもNon-AFS(赤くならない人)に破裂脳動脈瘤が多く、飲酒習慣のある場合にはその差が3倍ほどに開いていました。

以上から、AFS(お酒を飲むと赤くなる人)は破裂脳動脈瘤が少なく、飲酒習慣のある場合にその差が大きくなる、という結果になりました。

お酒を飲めない人にも、たまには良いことがあるようです(笑)。

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脳動脈瘤についてのQ&A その6 お酒を飲んでいいか?

2023年09月26日 | 動脈瘤

未破裂脳動脈瘤患者さんに「アルコールを飲んでも良いですか?」と良く質問されます。今回はこの質問にお答えしたいと思います。

アルコール摂取と脳卒中との関連性については1989年に報告がなされています(Stroke  1989;20:741-746)。この論文の中で、「過度のアルコール摂取はくも膜下出血を増やす」ことが報告されています。

では「過度」とはどの程度を指すのでしょうか?

この研究では、アルコールの摂取量によって、1)非飲酒者、2)過去の飲酒者、3)1本/日未満、4)1−2本/日、5)3本以上/日に分けています。お酒の種類は多岐にわたっており、ウイスキー, ジン, ラム, カクテル, ブランデー, ウォッカ, etcでした。この論文では、「過度の飲酒」を「5)3本以上/日」としています。

解析の結果、5)3本以上/日の飲酒者は非飲酒者に比べ出血性脳卒中が3.64倍多いという結果でした(RR=3.64,95% confidence interval [CI] = 1.11-11.92)。また血圧での補正をしないとさらに増えていました(3.85倍)。飲酒者に多い高血圧という要素を除いても大量の飲酒(3本以上/日)は出血性脳卒中を増やすことが示されました。

出血性脳卒中には脳出血とくも膜下出血が含まれています。このため、それぞれを分けた解析も行われています。その結果、過度の飲酒者は脳出血が6.82倍多く(RR=6.82 and 95% CI= 1.48-31.44.)、くも膜下出血が1.6倍多いという結果でした(RR=1.62 and 95% CI=0.22- 11.82)。

以上の結果から過度の飲酒は主に脳出血を増やし、くも膜下出血も増やすということになります。

過度のアルコール摂取は血管の壁を弱くするとする報告があり、これが動脈瘤の形成や破裂に寄与しているのかもしれません。

しかし、適度なアルコール摂取はあまりリスクはないようで、この研究では2)3)4)のグループでは脳卒中が増えていませんでした。

以上が米国のガイドラインで過度の飲酒がくも膜下出血を増やす、と記載されているデータになります。

しかし、この研究は未破裂脳動脈瘤を持つ人の破裂率が上がるかどうかを解析したものではありません。また、飲むアルコールの種類が規定されておらず、ワインやウォッカとビールなどが同等に扱われています。確かに1日ワインをボトル3本以上飲むということは「過度」と思いますが、ビール350ml3本であれば随分違う印象です。

またこの研究からすでに35年が経過しており、ライフスタイルや他の危険因子の管理もずいぶん変わってきています。このことから、未破裂脳動脈瘤のある方の飲酒については、厳格な制限をするほどの質の高いデータはなく、常識的に適量と言える程度なら許容可能かもしれません。

ちなみに厚生労働省が示す指標では、適度な飲酒は「1日平均純アルコール20g程度」とされています。具体的には、ビール 中ビン1本、日本酒 1合、チューハイ(7%)350ml缶 1本などです。

ただし、飲酒者は血圧が上がりやすいため、その管理は極めて重要です。

次回は飲酒についてもう少しお話ししたいと思います。

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脳動脈瘤についてのQ&A その5 運動していいか?

2023年09月20日 | 動脈瘤

未破裂脳動脈瘤患者さんからよく「スポーツはして良いですか?」と質問を受けます。今回はこの点についてお話しします。

 

未破裂脳動脈瘤患者さんにおけるスポーツや運動をどうすべきかについては日本のガイドラインには記載がありません。一方、ヨーロッパのガイドラインには、「制限なし」と記載されています(https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/23969873221099736)。

このような理由から、私はスポーツなどのアクティビティを基本的には禁止していません。

しかし、論文によっては高強度の運動が動脈瘤の破裂リスクを上昇させる可能性があると報告していますので紹介します。

 

  1. 高強度の運動
    • 一部の研究では、高強度の運動は運動中に心拍数や血圧を急上昇させ、動脈瘤にかかる圧力が増加することで、破裂の危険性が高まる可能性があると報告しています(J Clin Hypertens. 2022;24:861–869.)。ウェイトトレーニングや全力疾走などの激しい運動などが該当します。
  2. 軽度から中程度の運動
    • 軽度から中程度の運動は血圧コントロールやストレス緩和などの利点があり、心血管を健康に保つ作用があるとされており、脳動脈瘤の破裂リスクを低減する要因の一つと考えられています。ウォーキング、軽いジョギング、水泳、ヨガ、ピラティスなどが該当します。
  3. 個別的な考慮
    • 脳動脈瘤の大きさ、形、位置、増大の有無などは破裂率に影響することが知られており、破裂率が非常に高いと想定される場合には運動制限を提案される場合があります。また、患者さんの健康状態に応じて、運動の種類や強度を調整する必要もあります。

 

私自身は前述のように「基本的に運動制限は必要ない」とする立場ですが、非常に破裂率が高いと想定される患者さんには、脳動脈瘤の治療前に運動制限を提案することもあります。

このように個人によってリスクは大きく異なるため、どこまで運動すべきか迷う場合には、専門医と相談することをお勧めします。

 

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脳動脈瘤についてのQ&A その4 喫煙と脳動脈瘤破裂の関係

2023年09月10日 | 動脈瘤

今回は脳動脈瘤の破裂と喫煙の関係についてお話します。

喫煙が体に悪いことは多くの方が知っていると思います。それでは脳動脈瘤の破裂との関係はどうなっているのでしょうか?

実は以前から喫煙が脳動脈瘤の破裂率を高めることが知られています。今回は喫煙と脳動脈瘤破裂に関する論文を2つ紹介します。

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まず喫煙の程度と期間、そして禁煙との関係についての論文です。

Can A. et al. Neurology. 2017;89:1408-1415.

Association of intracranial aneurysm rupture with smoking duration, intensity, and cessation

 

1990年から2016年までの期間に米国のブリガム・アンド・ウイミンズ病院とマサチューセッツ総合病院(私が留学していた病院です。懐かしい!)で診断された4,701例、6,411動脈瘤が対象となっています。

喫煙の経験がない人に比べ、喫煙者は2.21倍、以前の喫煙者は1.56倍、破裂が多いという結果でした。喫煙本数については1パック(20本)増えると1.46倍破裂が増えるという結果でした(図1)。また喫煙年数とともに破裂が増え(図2)、禁煙からの期間が経つほどへっていました(図3)。

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もう一つは能動・受動喫煙とくも膜下出血との関係についての論文です。

Anderson CS, et al. Stroke. 2004;35:633-637.

Active and Passive Smoking and the Risk of Subarachnoid Hemorrhage - An International Population-Based Case-Control Study

この論文は本日までカナダの学会で一緒になった有名なオーストラリアのAnderson先生が書かれた論文です。

1995年から1998年の432人のくも膜下出血患者さんと、473名の健常人とを比較しています。

喫煙の経験がない人に比べ、喫煙者は5.0倍、以前の喫煙者は1.2倍、受動喫煙者(自宅)は0.9倍、くも膜下出血が認められました。また、喫煙本数x年数でグラフを作成すると右肩上がりになっています(図4)。この傾向は女性でより顕著でした。

また禁煙後はすぐにリスクが低下することも示されています。

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以上2つの論文で、喫煙と動脈瘤破裂(くも膜下出血)との関係が明確に示されています。

喫煙中の方はぜひ頑張って禁煙してくださいね!

 

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