脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

Stroke 2012

2012年04月29日 | 学会/研究会
Stroke 2012を終え、名古屋に到着しました。
ランチョンセミナーは大変盛況でした。RESCUE-Japanには全国84施設から1400例を超える症例をご登録頂きましたが、その結果、内頚動脈閉塞症ではtPA静注療法に血管内治療を加えた症例の方が予後が良かったという大変興味深い結果が出ました。参加施設の先生方が昼夜問わず登録を重ねられた結果ですから、きわめて貴重なデータです。統計学的解析は当科の江頭先生が中心になって取り組んでくれていますが、統計の専門家とさらに解析を進め、中心的データを至急論文化したいと考えています。
ご協力頂いた皆さんに心から御礼申し上げます。

今回の学会では学会場だけでなく、その後の会などでも大変多くの知り合いが出来ましたし、情報を得ることが出来ました。
ご一緒させて頂いた皆様、ありがとうございました!
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RESCUE-Japan Registryの解析結果を公表します!

2012年04月25日 | 学会/研究会
福岡に来ています。
全国84施設にご協力頂いたRESCUE-Japan Registryの解析結果を、明日Stroke 2012のランチョンセミナーで公表します。
膨大なデータが集積されましたので、今回はまず骨子のみの解析ですが、大変興味深い結果が出ています。
お時間の合う方はぜひご参加ください。
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各種抗血小板薬の作用機序

2012年04月24日 | 脳卒中
アスピリンとそのライバルである3つの薬の作用について紹介します。
まずこれらの薬はアスピリンとは作用機序が違います。
文章にするとちょっと難しいので、上の図を見てください。

前回紹介したアスピリンはアラキドン酸という物質から連絡が伝わるところを抑制します。
これに対して、他の3つの薬はもう少し左のルートを抑制します。

ですからアスピリンに加えてこれらの薬を内服すると、左右の二つのルートを抑えることになるので、より良く効くのです。

次回から、これらの薬について説明して行きますね。
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先輩のご病気

2012年04月18日 | 人物紹介
先輩がご病気だと知ったのはちょうど1年前。
私がもっとも尊敬する先生の一人で、ずっと応援してくださっている先生なのです。
ご病状を知ってすぐに駆けつけましたが、面会謝絶でお会いできない状況でした。しかしその際、少し良い兆しがあるとお聞きし、期待しました。
その後は問い合わせる勇気がありませんでした。しかし先日突然、職場に復帰されたとご本人からお電話を頂きました。人前でしたが涙が出ました。
ご回復されたこと、言葉に出来ないほどうれしいです。
これからもずっと元気で、私の指導者でいて頂きたい、と思います。
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脳動脈瘤治療のトラブルシューティング

2012年04月15日 | 学会/研究会
一昨日、脳血管内治療楽座を開催しました。
血管内治療における様々なトラブルシューティングについて学ぶ会です。
今回は大阪大学の藤中俊之先生に講演して頂きました。
藤中先生には以前から講演を依頼しており、念願がかないました。先生は多くの脳動脈瘤治療経験をお持ちですし、講演も論理的でとても勉強になりました。
その後のCase & Discussionでも血栓合併症に対する対処や、出血時の対処法について学ぶことが出来ました。
ご講演いただいた藤中先生と関係者の方々に心より御礼申し上げます。
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桜が満開です!

2012年04月13日 | 閑話休題
大学近くの桜並木が満開です!
向こうが見えないぐらいの素晴らしい咲きっぷり。
今週の雨にも耐えたんですねー。今年は例年よりちょっと寒かったですから、それが良かったんでしょうか。
うれしくなって、朝早くから撮影してしまいました!
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脳梗塞の予防薬 その3 アスピリン つづき

2012年04月10日 | 脳卒中
アスピリンは脳梗塞や心筋梗塞にどの程度効くのでしょうか。
それを示したのが上の図です。20万例以上を対象に行われた統計解析のデータATT(Antithrombotic Trialists’Collaboration)からアスピリンのデータを抜き出したものです。
アスピリンの用量によって脳梗塞や心筋梗塞がどの程度減少したかを示しています。この図から、75~150mg/日の投与はイベントリスクを32%低下させており、最も有効性が高いことが分かります。

しかもこのアスピリン、なんと1錠6円と極めて安い薬なのです。
歴史があり、有効性が証明されており、即効性。しかも安い。
良いこと尽くめのようですが弱点もあります。それは胃潰瘍が起きやすいことです。そのため定期的検査を行ったり、胃潰瘍の薬を併用する必要があるのです。

「薬の王様」とも言われるアスピリン。現在でも全世界で心筋梗塞や脳梗塞の標準薬として使われています。医療経済的にも優れたこの薬を上回ろうと、新たな薬が開発されています。

次回からはアスピリンのライバル達を紹介していきますね。


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群馬脳血管PTA研究会

2012年04月07日 | 学会/研究会
本日は群馬脳血管PTA研究会にお招きいただきました。
「CASにおけるpitfallとその対策」という題名で、私たちが行っている工夫について紹介させて頂きました。
質問も多く頂きましたし、懇親会でも大変親しくして頂きました。ありがとうございました。
老年病研究所附属病院の内藤 功先生、宮本直子先生はじめ、関係者の先生方に心より御礼申し上げます。
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脳梗塞の予防薬 その3 アスピリン

2012年04月03日 | 脳梗塞
ラクナ梗塞またはアテローム血栓性脳梗塞であった場合、つまり頭や頚の血管が原因の脳梗塞の場合には、再発予防のため抗血小板薬が推奨されています。「抗血小板薬」といわれてもピンと来ませんね。具体的にはアスピリン、プラビックス、プレタールという名前の薬です。
さてその中から、今回はまずアスピリンについて紹介します。

1. アスピリンはいつ頃から使われ始めたのでしょうか?
 すでに紀元前からヤナギの樹皮や葉は痛みを和らげる目的で使われていました。19世紀になりその成分がサリチル酸として分離され、解熱鎮痛薬として用いられ始めました。しかし副作用として強い胃腸障害があったため、この副作用を和らげるために開発されたのがアセチルサリチル酸、別名アスピリンなのです。これは1897年のことですので、115年前のことです。100年以上前の人類初めての合成薬でありながら、現在も第一線で使われている薬なのです。すごいと思いませんか?

2. 痛み止めなのになぜ脳梗塞に使われるのでしょうか?
 もともと痛み止めとして合成された薬なのですが、1971年、アスピリンを飲むと血液の中の血小板という成分が抑制され、血液がさらさらになることが発見されました。この作用のことを「血小板凝集抑制作用」と言います。血液がさらさらになり血管が詰まりにくくなることで脳梗塞や心筋梗塞が予防されるため非常に重要な発見とされ、この発見にはノーベル賞が贈られています。

アスピリンの歴史、面白いですね!

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新年度

2012年04月02日 | 閑話休題
おはようございます。
今日から新年度の始まりです。
私のチームも新メンバーを迎えて、新たなスタートです。
今年度も全開モードで頑張ります!
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