脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

寅次郎の徒然草

2009年07月31日 | 人物紹介
瀬木さん、コメントありがとうございました。
瀬木さんは、私の患者さんですが、楽しいブログを書かれているということで紹介させて頂きます。
寅次郎の徒然草
http://blog.livedoor.jp/torajiro0421/

先日外来に来られた時に、このブログの話から、ふと思いつき、
「だいぶ前のことですけど、瀬木さんという人に、ダイナランドでスキーを教えてもらったのですがお知り合いですか?」
とお聞きしたところ、「はい、それは私の弟です」とのこと!!

私は大学1-2年生の頃、体育学科の徳重君とスキーにハマっていて、「一度スキー教室に入ってみようか?」ということになりました。
自信過剰の我々は、こともあろうにダイナランドの「上級コース」を受けることにしたのですが、その指導員が「瀬木さん」という日焼けしたカッコいい人でした。
片足での直滑降など、瀬木さんがされると簡単そうに見えるのですが、われわれがやるとあっちへふらふら、こっちへふらふら。
「背伸びしてすいませんでした...」という感じでしたが、我々はこれでスキー熱に火がつき、その後、頻繁にスキー教室に通いました。その後は「中級コース」にしましたが、そこでも瀬木さんに教えて頂いたことがあります。
その後、われわれは「岐阜アルペンスキークラブ」という社会人の団体に属し、SAJ 1級をなんとか取ることができました。
瀬木さんは現在、高鷲スノーパークのスキー学校で校長先生をされているとのこと。また教えてもらいたいです。

しかしあの「瀬木さん」のお兄さんだったとは!
世の中狭いですねー。
冬はお願いします。m(_ _)m
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日本の味博覧

2009年07月31日 | グルメ
今日は東京に出張して来ました。
血管内治療の新しいデバイスが次々と承認されて行く中で、学会としての使用基準を作ろうということで委員会が開かれたのです。
直前まで患者さんの治療があったので、食事は駅弁!
そういえば自分のとても好きな駅弁があったので紹介します。
「日本の味博覧」、知っていますか?
なだ万で長年修行した方がつくっているとのことで、とてもおいしい!
20品もあるんだけど、どれもすごくおいしいのです。
しかもヘルシー!
お品書きまでついていますし、自分はこれを食べると、新幹線の中で少しだけ幸せな気分になります。
みなさんも見つけたら試してみてくださいね。
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命名者の感性

2009年07月29日 | 学会/研究会
はまゆうさん、コメント有り難うございました。
そうですね、ラクナ梗塞を小梗塞としなかったのは、微妙なニュアンスを残したかったからだと思います。
小窩は「小さなくぼみ」ですから、解剖の結果、得られた所見を診断名に残したのだと考えられます。
まさに「命名者の感性」を感じますよね。
何でも分かりやすければ良いというものではないかもしれません。
コメント有り難うございました。
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プロトンポンプインヒビター

2009年07月29日 | 学会/研究会
先週末に東京で、「脳・心・消化管ジョイント講演会」がありました。
「脳・心」はまだしも、なぜ「消化管」が関係あるの?という声が聞こえてきそうです。
ところが、あるのです。
脳や心臓の血管が細くなると、脳梗塞や心筋梗塞がおこります。
この予防のために「血液さらさら」になる薬が有効です。
具体的には血液の中の血小板という成分を抑制する薬:抗血小板薬、これがきわめて有効なのです。
この薬は脳梗塞や心筋梗塞の予防に有効とのデータが非常に多く、第一選択として使われます。

しかし欠点もあります。最も良く使われる「アスピリン」という薬は、胃潰瘍を起こしやすいのです。
このため胃を守る必要が出てきます。
なぜなら胃から出血でも起こすと、一旦全ての治療を中断しなければならなくなり、これがもとで大きな合併症が起きる可能性があるからです。
私は今回は頚動脈ステント留置術について脳神経外科の立場から、「ステントと手術の使い分けが重要」というお話をさせて頂きました。
圧巻だったのは、広南病院の松本先生!
よくこのブログにも登場してくれますが、彼のプレゼンは素晴らしかった!
表題にある「プロトンポンプインヒビター(PPI)」という薬を使い始めてから、頚動脈ステント留置術などの血管内治療後の胃潰瘍がぴったりとおさまったとのこと。
日本のガイドラインでも、アスピリンなどの薬による胃潰瘍の予防にはこのPPIが有効とのことです。
とくに今回共催の武田製薬の「タケプロン」、薬品名「ランソプラゾール」。
これがガイドラインで推奨されているということです。
いやあ、他の領域はだんだん疎くなっているので、とても勉強になりました。
有名な先生達と一緒に写真を撮らせてもらいましたよ!
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脳梗塞慢性期の病態について ラクナ梗塞ってなに?

2009年07月25日 | 脳梗塞
久々に本論です。

脳梗塞急性期は「どうやったらつまった血管を通せるか?」ということが最重要の課題です。
それは脳梗塞が完成する前に治療することで脳梗塞のサイズを小さくできるからです。
しかし慢性期は違います。
慢性期の課題は「どうやったら再発を防げるか?」ということにつきます。

再発を防ぐには、まず、どういう状態で再発がおこりやすいのかを知る必要があります。
当たり前ですね(^^)

そのためには、以前お話しした脳梗塞の分類が重要になってきます。
1)ラクナ梗塞
2)アテローム血栓性脳梗塞
3)心原性脳塞栓症
の3つです。
でも難しいですよね。
今回は1)のラクナ梗塞を説明します。

1)ラクナ梗塞
これは脳の中の細い血管が詰まることによって起きる小さな脳梗塞です。
脳の細い血管の動脈硬化が原因です。
つまると脳の深い部分に小さな脳梗塞がおきます。
近くに手足を動かす神経がまとまって走っているところ(内包:ないほう)があるので、そこに栄養を送っている血管がつまると麻痺が出ます。小さいからといっても馬鹿にはできません。
原因は脂質異常症(高脂血症)や糖尿病、高血圧、喫煙などの動脈硬化の危険因子であるとされています。

上の図を見てください。
脳の中のほそーい血管が詰まっているのがイメージできますよね。
これがラクナ梗塞です。

なに?「ラクナって何だ」って?
これが難しいんですよ。
辞書を引くと、lacunarは「 格(ごう)天井。格間、ます」とあり、ますますわけが分かりません。
医学用語としても、ほとんどこの「ラクナ梗塞」にしか使われないようです。
脳卒中の本には「ラクナ梗塞」は「小窩(しょうか)梗塞」と訳されています。
しかしこの「窩」も難しい。辞書を引いたら、「あな。あなぐら。」という意味でした。

つまり、ぶっちゃけて言うなら「小さな梗塞」ということです。
これをわざわざ難しげに「ラクナ梗塞」なんていうからよけい分からないんです。
「小梗塞」でいいのにね。

久々に堅いお話で、失礼しました m(_ _;)m

(つづく)

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penumbra

2009年07月23日 | 閑話休題
hideさんから「ちなみにpenumbraとはもともとはeclipseのときの半陰影(地球から見ると部分日食が見れる部分)を指す天文学用語だそうです!」というコメントを頂きました。

そうなんですか!?
難しいので、ちょっと解説します。

脳の血管が詰まると血のめぐりが悪くなり、中心部はすぐにやられてしまいます。この部分を虚血の中心部(英語でischemic core)といいます。
そのまわりには、血のめぐりは悪くなっているが、まだやられていない部分があります。これを医学用語でペナンブラ(penumbra)といいます。
「血管再開通治療によって救える部分」ということです。

しかしpenumbraが日食と関係あるとは知りませんでした。
hideさん、ありがとう!
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日食

2009年07月22日 | 閑話休題
今日は岐阜赤十字病院での仕事中、患者さんに教えて頂いて、日食を見ることができました!
英語でSolar eclipseって言うんですね?
次回は26年後。
見れるかなー!?
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みなさん、ありがとうございます!

2009年07月22日 | 閑話休題
先日の公開講座に参加された方々から多くのお便り、メール、お電話をいただきました。
外来でもお褒めいただいて、正直うれしいです。
今日、ノバルティスファーマの担当の方が来られて、大助花子さんのサインを頂きました。
「一歩の勇気」、いい言葉ですねー。
みなさん、健康で楽しい人生に向って、一歩踏み出しましょうね。
ちなみに大助さんは、徹底的に日常生活を改善されているとのことでしたよ!
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脳卒中にならないコツ

2009年07月20日 | 学会/研究会
家満喜さん、iさん、コメントありがとうございます。
今回の講演の前半は「脳卒中にならないコツ」がメインでしたが、最後の部分では脳卒中になった方々とそのご家族に向けてメッセージを出させて頂きました。
脳卒中は命の危険があるだけでなく、「後遺症」の危険があることが他の病気と決定的に違うところです。
私たちの治療で完全に治ってしまえばいいのですが、治療にも関わらず症状が残ったり、場合によっては治療前より悪くなってしまうこともあります。またちょっとした治療の遅れが永久的な後遺症につながることもあります。
ですから治療の時には自分は神経を張り巡らせています。

以上のような理由で、脳卒中や重い病気の市民講座はデリケートな要素を含んでいます。
しかし今回は大助花子さんのトークのおかげで楽しい会になりました。
自身の、あるいは家族の持病とともに歩むこと。口で言うのは簡単ですし美談にもなりますが、日常の生活の介助を続けていくのはとても大変なことです。
自分は父親の介護を通してそれを学びました。
とかく治療の技術とか成績、先進技術に走りがちな自分に、父が最も重要なことを最期に教えてくれたのだと今も感謝しています。

治療がうまく行って全く後遺症がない場合でも、再発の不安に悩まされる方もおられます。
自分に出来る限りのサポートをしますので、何でも相談して下さいね。
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ウデをまくろう、岐阜!

2009年07月18日 | 学会/研究会
今日は高血圧、脳卒中に関する市民講座がありました。
宮川大助・花子さんが参加して大変盛り上がりました。
800名以上の参加があったということです。
夕方には東海テレビのニュースでも紹介されましたよ。

大助さんは高血圧性脳出血を起こされて、今も左半身にしびれ感があるということです。
それでも病気のことをネタに非常に面白い漫才を披露してくださいました。

人を笑わせること、とても大事なことですよね。
笑いで周囲のみんなを幸せにします。
大助花子さんの圧倒的なパワーを間近で見て、素晴らしいお仕事だと深く感じ入りました。

肝心の講演の方は、準備の甲斐あって、ほぼ思い通りにできました。
自分の患者さんとその家族が大勢いらしていたのでかなり緊張しましたが、うまく行ってほっとしています。
実は最後の患者さんの写真がたくさん出てくる部分では、自分自身で作ったスライドなのに感極まってしまい、ちょっと言葉に詰まってしまいました。
自分はいい仕事をさせてもらってるなあと、つくづく思いました。

後援されたノバルティスのみなさん、チャンスを下さった循環器内科の湊口教授と当科の岩間教授に心から御礼申し上げます。

コメント (3)
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