脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

地震の時にどうすべきか?(橋本洋一郎先生)

2019年05月31日 | 学会/研究会
昨日、西宮脳神経セミナーに熊本市立病院の橋本洋一郎先生をお招きして講演を行っていただきました。先生は脳卒中内科領域のトップリーダーで、多くの活動を超精力的に行われています。
さて、今回は熊本地震を経験され、その中でどのように医療を行ったかというお話でした。混沌とした状況の中、重要視されたのは「エコノミークラス症候群」だったそうです。それはなぜなのでしょうか?

水の補給が十分でなく、車の中で寝泊まりする人が多かったなどの理由で「エコノミークラス症候群」を起こし、それが原因で肺塞栓症をきたして病院に運ばれたり命を落とす人が多かったからなのです。避難所であっても硬い床に寝ると「エコノミークラス症候群」を起こしやすいことをご存知でしたでしょうか?

先生は地震後間も無くこの事実に気づかれ、
1)足(下肢)の超音波検査
2)採血(D-ダイマー)
3)弾性ストッキングの配布
4)必要に応じて薬の処方
をされたそうです。

では、地震などの災害の際、どう予防したらいいのでしょうか?
先生によれば
1)水分を十分に取ること
2)4−5時間で起きてトイレに行くなど体を動かすこと
3)就寝中は足を伸ばして少し挙げること
が重要とのことでした。

今後30年で大型の地震が起きる確率は70%以上と予想されています。普段から自宅に水や保存食、避難具を配備しておくことが重要だそうです。
また熊本地震の際には電話は通じないものの、LINEとメールは使えたそうです。
家族や親戚でグループを作っておくといいですね!

橋本先生、貴重なお話をありがとうございました!


Yesterday, Dr. Yoichirou Hashimoto from Kumamoto City Hospital made a lecture. He is a top leader of stroke society and doing many projects very actively.
This time, he made a lecture about 'Medical activity in Kumamoto earthquake'.
In a state of chaos, he focused treatment of economy class syndrome. But why?

Many people were transferred to hospitals or lost their lives due to pulmonary embolism caused by economy class syndrome.
Do you know we may be suffred from the syndrome even when we are in the shelter?

Dr. Hashimoto recognized this immediately after the earthquake and did the below actions.
1. Echogram of lower limbs
2. Blood test (D-dimer)
3. Providing elastic stocking
4. Medication (if necessary)

What are important in case of disaster such as a big earthquake?
Dr. Hashimoto said
1. Take enough water
2. Go to the restroom every 4-5 hours
3. Stretch legs and elevate a bit during sleeping

The percentage of occurring a big earthquake within 30 years is predicted to be higher than 70%.
So, we should keep water bottles, preserved food, and other emergency kit.
I heard that LINE and email were available, but not phone.
It is better to make a group of family and relatives.

Anyway, Thank you very much Dr. Hashimoto for his valuable lecture!
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Saman from Sri Lanka

2019年05月30日 | 人物紹介
Samanはスリランカから、当科に脳血管内治療の研修に来てくれました。
スリランカではまだ血管内治療は普及しておらず、患者さんに良い医療を提供したいということでした。
この3ヶ月間、熱心に勉強し、英語の教科書の編集にも協力してくれました。
Samanありがとう!母国での活躍を祈っています。

Saman is a neurosrgeon from Sri Lanka, and joined us to learn endovascular therapy.
Endovascular therapy for cerebrovascular disease is not popular in Sri Lanka, so he came to master it for patients.
He had been studying hard for 3 months, and helped edition of our English textbook.
Thanks, Saman! We hope your success in your country!
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高齢者を脳卒中から守る・救う

2019年05月30日 | 報道・出版関係
老年医学の特集号を企画させていただきました。
タイトルは「高齢者を脳卒中から守る・救う」。今、もっともホットなテーマの一つです。
この領域において国内のトップランナーの先生方から素晴らしいご寄稿をいただきました。
とても勉強になる内容です。
みなさん、ぜひお読みください!

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神経内視鏡

2019年05月28日 | 報道・出版関係
先日、岐阜新聞に掲載したコラムです。
医療機器もどんどん進歩して行きます。
内視鏡の改良によって、より小さな傷から脳の手術ができるようになってきました。
私たちは下垂体腫瘍、脳室内腫瘍、脳内血腫、脊髄脊椎疾患などに積極的に応用しています。
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和歌山医科大学の八子先生が見学に来てくれました!

2019年05月27日 | 人物紹介
先日、和歌山医科大学の八子先生が見学に来てくれました!
当院でのフローダイバーター治療を2件見ていただきました。
和歌山医科大学でも治療を開始されるとのこと。私たちの情報提供がお役に立つことを祈っています!

Dr. Yako in Wakayama Medical University visited our department.
We showed 2 cases with flow diverter treatment.
We've heard that they are starting the treatment.
Hope our information will contribute to their practices.

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誕生会

2019年05月23日 | 閑話休題
今日は誕生日でした。
それに先立ち、今月誕生日のメンバーで誕生会をしてもらいました。
年齢も誕生日もそれぞれですけど、みんなでお祝いしました。
誕生祝いっていいものですね〜。

Today is my birthday!
We had birthday party in clinic for Dr. Uchida, Dr. Kuramoto, Dr. Iida and me who were born in May.
Our ages and birthdays are all different, but cerebrated together : )
Birthday party is always fun.
コメント (2)
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日本脳神経外科コングレス

2019年05月21日 | 学会/研究会
横浜で開催された日本脳神経外科コングレスに参加しました。
会長夫婦との撮影に成功(^ ^)。
ランチョンセミナーと最後のプレナリーでお話しさせていただきましたが、楽しんで頂けたでしょうか?
本当に素晴らしい会でした。園田先生、スタッフの皆様、ご苦労様でした。

Attended Japanese Neurosurgical Congress in Yokohama. I succeeded to take a photo with President Sonoda and his wife : )
Hope they enjoyed my lectures at a luncheon seminar and final plenary session.
I enjoyed this wonderful meeting. I appreciate all the efforts by Dr. Sonoda and his team.
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広い虚血巣を有する症例に対する血栓回収療法:垣田先生の論文

2019年05月16日 | 脳梗塞
RESCUE-Japan研究関連の情報です。
当科の垣田先生(現 シミズ病院勤務)が解析した広い虚血巣を有する症例に対する血栓回収療法の論文がStroke誌に掲載されました!
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.118.024646

これまでの臨床研究では、脳梗塞の小さい患者さんに対して血栓回収療法が有効かどうかが調べられてきました。その結果、多くの臨床試験で有効性が証明されましたが、脳梗塞の広い人に有効かどうかは分かっていません。今回の研究は、日本で実際に治療が行われた患者さんと行われなかった患者さんを比較して検討しました。その結果、血管内治療を受けた患者さんたちの方が、経過が良かったことがわかりました。
ただし、この結果にはバイアスが含まれている可能性があります。それは、医師が経験上、良くなりそうな患者さんを選んで治療しているのではないか?ということです。したがって今回の論文では「治療を受けたグループは経過が良かった」と記載しています。では、本当に有効なのでしょうか?
この疑問に答えるため、現在、全国の先生方と新たなランダム化比較試験(RESCUE-Japan LIMIT)を進めています。本研究で脳梗塞の範囲が広い場合にも有効性が証明され、より多くの患者さんが救われるようになることを期待しています。

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内田先生、快挙!

2019年05月14日 | 学会/研究会
当科の内田先生が投稿していた論文がまたStroke誌にアクセプトされました!
脳梗塞の性差に関する論文で、女性の方が予後が不良であるという内容です。
全国調査RESCUE-Japan Registry2をサブ解析した研究ですので、なぜ女性の方が経過が良くないのかという詳細まではわかりません。
しかし女性の方が、よりしっかりと予防しないといけない、というメッセージにはなると思います。
素晴らしいご指導をいただいた森本 剛先生、坂井信幸先生、山上 宏先生はじめ、共同研究者の皆様にお礼申し上げます。
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横浜新都市脳外科でのフローダイバーター指導!

2019年05月01日 | 病院
脳動脈瘤に対するフローダイバーター(パイプライン)の指導のために横浜新都市脳外科を訪問。
2例とも見事に成功でした!
森本先生、新都市チームとの記念撮影(^ ^)

I visited Yokohama Shintoshi Neurosurgical Hospital to proctor their first and second Pipeline treatments.
Both were successful, and we took a picture together!
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