脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

You tube 第19弾 脳動脈瘤術後の内服

2024年11月20日 | 脳卒中

皆さん、こんにちは。

外来でよく受ける質問に「脳動脈瘤の術後の内服はどんな薬が必要で、いつまで続ければ良いか?」というものがあります。

内服薬は以下のように分けられます。

 

1)危険因子管理 - 高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの治療薬

2)ステント留置に対する内服管理 - 抗血小板薬

3)てんかん発作予防 - 抗てんかん薬

 

まず1)は血圧や採血データを元に管理され、内服治療と並行して生活スタイルの改善(禁煙、ダイエット、運動など)も指導されます。

次に2)については血管の中にステントという金属メッシュが留置されると、それに膜が張って覆われるまで血液サラサラの薬を飲まないといけません。

3)は、実際にてんかんを起こした人だけに必要ですが、中止する時期などは明確ではありません。

これらについて詳しく説明を行なっています。

ご自身やご家族が内服治療を受けている場合には参考になると思います。

ぜひご視聴ください!

https://www.youtube.com/watch?v=820XeAwfzxo

 

 

 

 

 

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You tube 第18弾 海綿状血管腫

2024年10月21日 | 脳卒中

皆さんこんにちは!

今日は「脳海綿状血管腫」について紹介します。

脳の中に血管のかたまりが紛れ込んでいる病気で、多くは無症状ですが、脳出血、てんかんなどを起こすことがあります。

比較的珍しい病気で、1000人に数名、という頻度です。

最近はMRIで無症状のものが見つかることが増えていますが、その場合、治療をどうするのか、検査はして行ったほうがいいのか、相談を受けるkとが多いです。

特に手術を勧められた場合に、「本当に必要なのか?」ということで来院されることが多いので、今回はこの病気についてまとめてみました。

ぜひこの動画をご覧くださいね!

 

https://www.youtube.com/watch?v=Rpv5-XqD3T4

 

 

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高血圧医療はウソ?

2024年09月21日 | 脳卒中

未破裂脳動脈瘤があり、定期検査を受けている患者さん(80代)のご家族から質問がありました。以下、修正を加えたやり取りを紹介します。

Q: 脳動脈瘤を破裂させない対策の一つとして、高血圧に気をつけることを教えて頂きました。ただ、長年服用している降圧剤について、いろいろ調べますと、その副作用について以下の記述を目にしました。

-------------------------

降圧剤の内服によって末梢まで血流が届かなくなる
細い血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが高まる
細胞の隅々まで血流が届かない事により、認知力の低下や癌のリスクが高まる
目の血管に栄養が届かなくなり、白内障や緑内障のリスクが高まる

-------------------------

上記リスクを回避することよりも、脳動脈瘤の破裂の要因の一つが高血圧である以上、降圧剤は毎日服用し続ける方が無難なのでしょうか。

 

確かにこのような情報を目にされると大変不安になると思います。しかも医師がホームページに記載しています。

ただ、調べると、高血圧の専門ではない内科のドクターで、高血圧の医療自体に否定的な方のようです。そのホームページには、日本の高血圧ガイドラインで以前不正があったことを紹介し、「高血圧の医療はウソだ」と記載されています。

そこで、下記のようにお返事しました。(個人情報保護のため、一部改変しています)

A: ご家族のために様々な情報を入手されていること、大変素晴らしいことと思います。ただ、個人的な意見より、世界的な大規模調査の結果の方が信頼できると考えます。
 
まず、未治療の脳動脈瘤における増大・破裂因子は1)高血圧、2)喫煙、3)大量の飲酒です。
 
【参考文献】
 
しかも、高血圧の管理は脳だけでなく全身の様々な疾患を減らすことが証明されています。
(中略)
下記の情報と参考文献(日本で不正があったということなので海外のメジャーな論文です)がお役に立つかと思いますので参考にして下さい。
 
---------------------------------------------
 

高齢者であっても、血圧の管理は非常に重要です。80代の患者さんにとっても、適切な血圧管理は健康を維持し、合併症を予防するための重要な要素です。以下に、その理由を説明します。

1. 脳卒中や心臓病のリスクは年齢とともに増加

高齢者では、血管が硬くなりやすく、高血圧がさらに進行する傾向があります。血圧が高い状態が続くと、脳卒中や心臓発作のリスクが特に高まります。80代でも、血圧を適切に管理することでこれらのリスクを大幅に減少させることができることが科学的に証明されています。研究では、高齢者においても血圧管理が脳卒中の発症リスクを下げ、心臓病や心不全の予防に効果的であることが示されています 。

2. 認知機能の低下を防ぐ

高血圧は、脳への血流に影響を及ぼし、認知症や軽度認知障害(MCI)のリスクを高める可能性があります。血圧をコントロールすることで、脳へのダメージを軽減し、高齢者の認知機能を維持する効果も期待されています。これは、特に長寿社会において大きなメリットです 。

3. 全身の健康管理

高血圧は心臓や脳だけでなく、腎臓や血管系全体にも影響を及ぼします。高齢者は腎機能の低下や血管の硬化が進行しやすいため、血圧管理によってこれらの臓器の健康も保つことができます。腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物を処理する能力が減少し、さらなる健康問題を引き起こす可能性があります 。

4. 安全な血圧管理のアプローチ

高齢者の場合、低すぎる血圧もリスクとなるため、医師と相談しながら個別に最適な血圧目標を設定することが重要です。薬物療法や生活習慣の改善により、無理のない範囲で血圧をコントロールすることが推奨されます。

まとめ

高齢であっても血圧管理を怠るべきではありません。逆に、高齢だからこそ、脳卒中や心臓病、腎機能低下などのリスクを避けるために、血圧を適切に管理することが重要です。年齢に関係なく、血圧をしっかりコントロールすることで、健康で活動的な生活を送ることが可能になります。

【参考文献】

以上の情報がお役に立てば幸いです。

これ以外にも普段の医療で質問があればぜひお寄せ下さい。

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You tube 第11弾 もやもや病ってどんな病気? 治療方法は?

2024年05月22日 | 脳卒中

さて今回はもやもや病という病気を紹介します。

有名人の方でもこの病気であることを公表されている人がいますので、名前をご存知の方がいるかもしれません。

「ある人がラーメンを食べようとフーッフーッとすると呂律が回りにくくなると言って外来に来られました。さて何の病気でしょう?」

これは国家試験前の医学生ならほぼ全員が知っている設問で、答えは「もやもや病」です。

シチュエーションが独特なのでとても覚えやすいのですが、実際にはこんな分かりやすい状況ばかりではありません。最頭痛やしびれ、めまいなどで近くのクリニックにかかってMRIで診断されたり、実際に脳卒中を起こして診断されることの方が多いのです。

さて、患者さんに「もやもや病ですね」とお話しすると、多くはキョトンとした顔をされて、「え?何の病気ですか?」と聞き返されることの方が多いです。

そこでこの病気について今回は詳しく解説してみました。

#1:「もやもや病」ってどんな病気?

#2:なぜ「もやもや病」という名前なのか?

#3:どんな検査を受ければいいのか?

#4:どんな治療があるのか?

#5:バイパスってどんな手術?

#6:出血した場合にも手術は有効?

以上のような質問にお答えしています。ぜひご覧くださいね!

 

https://www.youtube.com/watch?v=n8L-sJv9b4U

 

 

 

 

 

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You tube 第9弾 くも膜下出血 社会復帰はわずか1/3!

2024年05月05日 | 脳卒中

今回はくも膜下出血について紹介します。

脳卒中の中には出血する病気が2種類あり、脳の中に出血するのが脳出血、脳の周りに出血するのがくも膜下出血です。

くも膜下出血の原因の90%以上が脳動脈瘤の破裂で、それ以外にも脳動静脈奇形やもやもや病などがあります。

「ひとたび脳動脈瘤が破裂すると、社会復帰率は1/3しかない」と言われている大変怖い病気です。

脳動脈瘤のある人は安静にした方がいいのでしょうか?

治療法にはどんなものがあって、どれがベストなのか?

今回の動画で詳しくお話しします。

https://youtu.be/-CStA8xJRRk?si=pyINbRYoqpqCW70i

ぜひご覧くださいね!

 

 

 

 

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You tube 第8弾 頚動脈内膜はくり術 手術で血管を太くする!

2024年04月28日 | 脳卒中

みなさん、こんにちは!暖かい、いいシーズンになりましたね。

連休はどこかに出かけられるのでしょうか?今日はとても良い天気ですので、楽しい1日になるといいですね!

 

さて今回は頚動脈が細い方に対する外科手術のお話です。

前回は頚動脈ステント留置術について紹介しました。この方法は、血管の細いところをまず風船で広げ、その後、メッシュ状の筒(ステント)で広げる方法です。

今回は外科手術についての紹介です。首の辺りを走る頚動脈の分厚くなった内膜(脂のかたまりのようなもの)を手術で取り出す方法です。イメージとしては煙突掃除のような手術です。

このように、頚動脈の外科手術を紹介すると、ほとんどの方は「切らないといけないのですか?」と質問されます。

もちろん私たちもできるだけ切らずに治療するようにしています。しかし、ある状態では外科手術の方が治療の結果が良いことがわかっているのです。

それは、

1)血管の壁が柔らかく、ドロドロしたものが溜まっている場合

2)血管の壁がカチカチに硬い場合(石灰化)

3)カテーテルを誘導しにくい場合

4)造影剤アレルギーなどで、カテーテル治療自体にリスクがある場合

などです。

今回は1)2)にフォーカスを当てました。

血管の壁が動脈硬化で分厚くなっている部分を「プラーク」と呼びますが、その中身がMRIやCT、超音波検査などで分かるようになったのです。医学的には「頚動脈プラーク診断」と呼ばれます。

この診断結果をもとに治療法を選ぶと、治療結果が良いことがわかってきました。

このようなことから、上記の1−4)に該当する方は、外科手術の方が有利になることが多いです。特に1)2)の方は数が多いです。

こう言うと、「首を切って手術するなんて怖い!」という声が聞こえてきそうです。

そこで、今回は手術の動画もお見せします。こういう動画が苦手ではなく、「見てみようかな?」と思われる方はチャレンジしてください。どんな手術をするのか、よく理解いただけると思います。

手術の傷をどうするのか?ということも詳しく紹介しています。

ぜひご覧くださいね!

https://www.youtube.com/watch?v=sh-hjEHI3B8

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You tube 第7弾 頚動脈ステント留置術

2024年04月23日 | 脳卒中

みなさんこんにちは。今回は頚動脈ステント留置術について紹介します。

首の動脈(頚動脈)は大脳の広い範囲(約3分の2)に血流を送る重要な血管です。

この血管が細くなることで、脳梗塞を起こすことがあります。

内服治療には限界があるため、細いところを広げる治療が行われますが、その一つがカテーテル治療である頚動脈ステント留置術です。

血管の細いところをまず風船で広げ、その後、メッシュ状の筒(ステント)で広げる方法です。

ただし、他の血管と違い、頚動脈の治療では注意すべき点があります。それは、脳に血液を送る血管なので治療中にできた血液の固まりや血管の壁の破片(カス)が脳に流れると、それによって脳梗塞を起こしてしまうのです。

このため頚動脈ステント留置術では脳を保護する器具(脳保護フィルターやバルーン)が用いられます。

ただし、血管の壁が極度に柔らかい(ドロドロしてる)場合や、カチカチに固い場合には脳を保護していてもトラブルが起きやすいことが知られています。

このためこのような場合には、外科手術など別の方法で治療する場合もあります。

この治療の様子など、動画を交えて詳細に紹介していますのでぜひご覧くださいね!

https://www.youtube.com/watch?v=4OddliUSZEk

 

 

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You tube 第4弾 脳梗塞の初期症状は? 早く治療すれば症状が改善する可能性あり!

2024年03月31日 | 脳卒中

みなさん、こんにちは脳神経外科医の吉村紳一です。

今回はYou tube 第4弾として脳梗塞についてお話しします。

https://www.youtube.com/watch?v=GE9TWzIQgwY

 

ところで皆さんは、脳梗塞になるとどんな症状が出るかご存知ですか?

有名なのは、顔と手と言葉の障害です。まずはこれをぜひ覚えてください。

ただし、実際にはこれ以外にも様々な症状があります。それについても詳しくお話しします!

次に、脳梗塞の治療について紹介します。

点滴(t-PA静注療法)と血管内治療の2つがあり、どちらも有効性が証明されていますが、ここで重要な点があります。

それは「治療は早ければ早いほど良い!」ということです。

今回はこのあたりをじっくりとお話しします。

ぜひ見てくださいね!

 

 

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You tube 第3弾 脳ドックって何?その疑問に全てお答えします!

2024年03月24日 | 脳卒中

皆さん、こんにちは!

今回は、You tube 第3弾の紹介です。

https://www.youtube.com/watch?v=ptichk6_ygU

脳ドックという名前を知っている人は多いのですが、その詳細についてはご存知ない方が多いようです。

特に、MRIについてはさまざまな利点欠点があり、検査を受けられない人もいます。

今回はそんな疑問に全てお答えします。ぜひご覧ください!

 

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脳卒中・循環器病対策基本法案が成立!

2018年12月10日 | 脳卒中
脳卒中・循環器病対策基本法案が衆議院本会議で可決、成立しました!
これにより国民がさらに良い医療を受けられるようになることが期待されます。
本法成立に尽力された方々に敬意を表します。

NHK NEWS: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181210/k10011741621000.html

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