脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

明けましておめでとうございます!

2021年12月31日 | 閑話休題
みなさん、明けましておめでとうございます。
昨年はコロナ感染に振り回された1年でした。
私たちも救急患・外来患者さんを診療する際に、かなり緊張感を持って接していましたが、幸いチーム内でクラスターは起きませんでした。
関係者の皆さんに心から感謝したいと思います。

当科のスタッフも本当に頑張ってくれました!
年々仲間が増え、チーム力が上がっていることを実感します。
本当に元気で明るい人が多いですし、コロナ禍でも頑張って勉強しており、国内留学者が現在5名います。また海外からの留学生2名も頑張っています。
今後は海外にも活動を広げていってほしいと思います。

ただ、海外ではオミクロン株による爆発的な感染が起きており、日本でも注意しなければなりません。
私は年明けに3回目のワクチン接種を行う予定です。
引き続き、感染に気をつけながら患者さんの診療に取り組んでいきます。
本年がみなさんにとって良い年となることを心から祈っています。
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脳動脈瘤治療件数、血管内治療が半数超える!

2021年12月14日 | 動脈瘤
先日の日本脳神経血管内治療学会で、脳動脈瘤治療件数、血管内治療が半数超えたことが報告されました!
これは日本脳神経外科学会が行っている症例登録事業によるもので、2020年の1年間に我が国で行われた脳動脈瘤治療のうち、血管内治療が1万5353件、クリッピング術が1万4341件となり(速報値)、血管内治療がクリッピング術を初めて上回りました。
私自身が血管内治療に取り組み始めたのが1994年ですので、それから27年。
破裂脳動脈瘤に対して開頭手術よりも血管内治療の方が良いという臨床試験(ISAT)の結果から20年近く経ちました。
かなり時間はかかりましたが、とうとう過半数が血管内治療という時代に突入したのです。

「今後どこまで伸びるのか?」とよく質問を受けます。
もちろん未来のことは分かりません。しかし、数年前のアメリカの学会でアンケート調査があり、
Q:「将来何パーセントが血管内治療になるか?」
との質問に対して
日本人医師:70-80%
アメリカ人医師:90%
という結果でした。
この結果に私は大変驚きましたが、現在はほぼ同じような印象になっています。

このように、長期的にはほとんどの脳動脈瘤が血管内治療で治るようになる、と考えられています。
自施設での治療成績は極めて良好です。
新しい治療器具も導入され、適応が広がっていますが、この成績を維持し、更なる普及と発展に協力していきたいと思います。
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